子どもの成長において、睡眠はとても大切です。心の成長、脳の成長、身体の成長とあらゆる成長に睡眠は関係しています。子どもの健やかな成長のために、睡眠は大切なカギであり、その睡眠や生活リズムを整える上でネントレ(ねんねトレーニング)という言葉を耳にしたことがある人もいるでしょう。
こちらの記事では、子どもの成長と睡眠、子どもの寝かしつけ、そしてネントレについて解説します。
睡眠の役割
子どもにとって睡眠はどのような役割があるのでしょうか。大きく分けて3つの役割があります。
脳や身体、心を休ませる
子どもにとって、日常生活は多くの刺激に溢れています。大人にとっては特になんともない一日であっても、子どもは新しい物、興味をひくもの、様々な発見や刺激を受けているのです。
一日、たくさんの刺激を受けた子どもは、睡眠を取る間に脳や心身を休ませ、明日に備えて体力を回復させるという大切な役割があります。
記憶の整理
人は寝ている間に、脳の中では嫌なことや要らない記憶を消したり、大切な情報を記憶させたりしています。学んだことをしっかりと記憶として定着させるためには、睡眠が大きな役割を果たしているのです。
脳・身体・心の成長
まず、昔から「寝る子は育つ」と言われているように、睡眠時に分泌される成長ホルモンは子どもの成長のカギになっています。この成長ホルモンは骨や筋肉の成長、脳の機能の発達、心の成長にも影響しています。
子どもの睡眠時間と現状
次に、具体的に子どもが睡眠時間として何時間程度必要なのか、その年齢の変化と睡眠時間の変化、そして日本の現状についてみていきましょう。
子どもに必要な睡眠時間
産まれたばかりの赤ちゃんは昼夜問わず、一日の大半を寝て過ごしていますが、生後数年間の間で徐々に日中の活動時間が増えていきます。
子どもの睡眠は以下の表のように変化しています。
1日に数時間しか起きている時間がなかった新生児期の赤ちゃんも、1歳のお誕生日を迎える頃には、1日の半分(12時間ほど)は起きて活動するようになっています。それ以降は小学生の間でも、10~11時間とまとまった睡眠が必要な期間が長く続きます。
日本の子どもの睡眠の現状
子どもの成長にとって睡眠はとても大切ですが、ライフスタイルの変化などが影響して、日本の子どもの就寝時間は遅くなっているという研究もあります。
2000年に行われたリサーチでは、1,2,3歳児の50パーセント以上が就寝時間が22時以降になっているという結果も出ています。
夜遅くまで営業しているスーパーや商業施設に、21時過ぎなどでも小さい子ども連れの家族がいることも珍しくはない現状ですが、子どもの健やかな成長を考えると、なるべく早くに寝かしつけ、生活のリズムを整えてあげることが大切です。
睡眠不足の弊害
子どもが睡眠不足になっていると、具体的にどのような問題があるのでしょうか。
集中力・意欲の低下
しっかり休むことが出来ないことで、疲れがのこっていたり、集中力や意欲がわきにくくなってしまうことがあります。
思考力・記憶力の低下
脳が休めていないので、複雑なことを考える思考力が低下し、本来寝ている間に記憶が整理されますが、その時間が短く、記憶力も低下します。
イライラしやすくなる
脳の感情をつかさどる部分もしっかり休めていないことで、ストレスを感じやすくなり、イライラもしやすくなってしまいます。
病気の発生率を高める
子どもの頃からの慢性的な睡眠不足は、将来、肥満や生活習慣病、うつ病などの病気の発生率を高めると言われています。
ネントレ(ねんねトレーニング)とは
子どもの成長にとって、睡眠や生活リズムをしっかりと整えることが大切ということがわかりました。そこで気になってくるのか「ネントレ(ねんねトレーニング)」ではないでしょうか。
ネントレとは、赤ちゃん自身が自分で眠れるようになるための取り組みのことです。「トレーニング」という言葉がついているので、何か特別な訓練でもするような印象も受けますが、ネントレのやり方はたくさんのやり方が提唱されていますので、進め方自体は自分や赤ちゃんにあったものを選ぶことが出来ます。
ネントレの種類についてはおおまかにこちらのコラムでご紹介しています▼
ネントレのメリット
ネントレのメリットとしては
- 寝かしつけのストレスから解放される
- 赤ちゃんの夜泣きによるママの睡眠不足解消
- 赤ちゃんが日中機嫌よく過ごすようになる
といったことがあげられます。
ネントレを行うことによって、子どもの睡眠の質が高まることが期待できます。生活リズムが整い、睡眠の質が高まると、子どもは睡眠中に身体も心も脳もしっかりと休み、そして起きている時間はスッキリと機嫌よく過ごすようになるのです。
ネントレのデメリット
ネントレのデメリットとしては
- ライフスタイルに合わない
- ネントレをすること自体がストレス
- ネントレを頑張っても、その結果が保障されていない
といったことがあります。
ネントレという考え方自体、もともとは欧米諸国から取り入れられたものです。文化や住宅環境なども違うものを取り入れようとすると、そのズレから合わないことも出てきます。また、真面目なママや子どものタイプによっては、良かれと思って始めてみたネントレであっても、ネントレをするということ自体がストレスとなってしまい、かえってマイナス要素となってしまうことも考えられます。
メリット・デメリットの詳細については、コチラのコラムをおよみください▼
ネントレを始める時期
ネントレはいったいいつから始めるのがいいのでしょうか。
産まれてすぐ(新生児)から
ネントレには様々なやり方が提唱されていますが、その中でも有名なものが「ジーナ式ネントレ」です。このジーナ式ネントレでは、新生児期の赤ちゃんから全てスケジュールが細かく決まっています。
産まれて何か癖や習慣がついてしまう前にネントレを始めた方が、生活リズムが整いやすい、という考え方から、新生児期からネントレを推奨されることがあります。
生後5~6カ月頃から
生後間もない赤ちゃんは昼夜の区別がついていませんが、生後5~6カ月の頃には昼夜の区別がつき、夜間にある程度(6~8時間ほど)まとまった睡眠を取るようになると言われています。
この昼夜の区別がつき、まとまった睡眠がとれるようになったら、ネントレを始める目安とも言われています。
1歳以降から
「ネントレ」という言葉は、浸透しつつもありますが、子どもが産まれた時、数カ月の時など、まだまだ赤ちゃんとの新しい日々の生活に精一杯のママは、ネントレを知らずに新生児期や5~6カ月という時期を過ぎることもあります。
また、ママの復職を目前に保育園に入園するとき、幼稚園に入園するときに、これまでの生活リズムを正していこう、と生活リズムの整え方をリサーチする中で「ネントレ」という言葉にありつくママもいるでしょう。
また、それまではあまりネントレの必要性を感じていなかったママでも、子どもの成長や変化とともにネントレに興味を持つこともあるでしょう。
1歳からネントレが必要と感じるパターン
子どもが1歳以上とある程度大きくなっていれば言葉によるコミュニケーションがとりやすい、というメリットもありますが、1歳以降にネントレを始めるという人はどのような理由があるのでしょうか。
- 夜泣きが突然始まった
- 朝決まった時間に出かける必要がある
- 夜の寝かしつけがママの負担になってきた
- 下の子のが産まれた
子どもが成長すると、活動量が増え、行動範囲も広がります。それに伴い、日々受ける刺激が増えることが睡眠に影響することもあります。また、1歳頃から徐々に子どもの自我が芽生える中で、子ども自身の自己主張や葛藤など、様々な心の発達からの刺激も増えます。このようなことが影響して、それまで順調だった寝かしつけや子どもの睡眠パターンが変化することもあります。
1歳からのネントレに関してはこちらのコラムでもご紹介しています▼
ネントレを成功させるコツ
ネントレはしたからといって、必ず結果が出るということは保証されてはいません。しかし、ポイントをしっかりとおさえることで、ママのストレスを少なく、成功させる可能性が高まります。
ルーティーン作り
ネントレを始めるのが何カ月(何歳)であったとしても、生活の中でルーティーン(決まりきった流れ)を作ることは大切です。このルーティーンに慣れていくことで、子どもの身体にもその生活リズムが刻み込まれていきます。
起床時間と就寝時間
ひとつめのポイントとしては、朝起きる時間と夜寝る時間をだいたい固定しておくこと。これは、平日は比較的保ちやすいのですが、週末など、パパの仕事がおやすみだったり、大人を普段より少し遅くまで寝ている日などが1週間の中にあると、ここで生活リズムが乱れてしまいます。一度リズムを崩してしまうと、また整えていくのが大変ですので、30分程度の誤差の範囲内で起床時間・就寝時間は保つようにしましょう。
また、お昼寝をしている時期の赤ちゃんであれば、このお昼寝に関しても、なるべくリズムを保つようにお出かけなどのスケジュールを組むようにしましょう。
寝る前の決まった流れ
日中の活動は日によって変わることが多いでしょうが、夕方から夜にかけての活動は毎日決まった流れにしましょう。
例えば、17時から夕飯、歯磨き→18時からお風呂、着替え→19時から絵本タイム→19:30就寝
という一連の流れを決めたら、毎日同じように繰り返すことによって、子どもが自然と寝る時間に向かって眠る準備が整うようになってきます。夕飯以降は毎日同じことの繰り返しでしょうから、ここは決まりきったパターンにしていくことで、子どももストレスすくなく生活習慣を身に着けることが出来ます。
日中の過ごし方
日中はなるべく活動的に過ごすことで、子どもは疲れてぐっすりと眠ることが出来ます。この時に注意したいのが、肉体的な活動ばかりにとらわれずに、様々な活動を取り入れて、身体だけではなく頭や心も適度に疲れることが大切です。
また、もう一つ気を付けたいことは、「疲れすぎ」や「過剰な刺激」は睡眠の妨げになってしまいます。「適度な疲労感」をえられる活動を心がけましょう。
寝る環境
子どもが快適に寝るために、その環境を整えてあげることは大切です。
温度・湿度
子どもの体温は大人よりも高めです。夏は大人が少し涼しいと感じる程度、冬も暖かすぎないような気温に調整しましょう。
光の刺激
睡眠において、メラトニンというホルモンは大切は役割を果たします。メラトニンは光を浴びている間はあまり作られなく、夜間にたくさん作られます。このメラトニンによって睡眠のリズムが作られたり、睡眠の質が良くなります。
就寝1,2時間前はテレビやタブレットをみると、光の刺激を強く受けてしまい、交感神経が優位(興奮状態)になってしまいます。寝る前はなるべく暖色系の優しい光の中でテレビなどは観ないで過ごしましょう。
また、可能であれば寝る時は電気を消してあげることで、メラトニンの分泌が促され、睡眠の質がよくなります。
寝具やパジャマ
肌ざわりの良く、汗をよく吸収してくれる素材のパジャマや寝具を使い、1歳未満の赤ちゃんの場合にはふかふかすぎる布団や枕には注意をしましょう。
音
赤ちゃんが寝た後には一切音を立てないように気を使っているご家庭もあるかもしれませんが、赤ちゃんは多少の雑音があった方が寝付きやすいのです。ホワイトノイズ(静かなザーッという音)を活用するのもいいですね。スマホのアプリでもホワイトノイズを出すものもあるようです。
安心感
子どもが寝つくためには、安心感を得られることが大切です。そのためには、寝かしつけをするママやパパがゆったりとした気持ちでいることも重要。
寝てくれない子どもにイライラし始めると、子どももママのイライラを察知し、よけいに寝なくなってしまい、お互い悪循環、ということがよくあります。
子どもが安心感を得られるように、ママも気持ちをゆったりと持てるようにしていきましょう。
ネントレの成功ポイントについてはコチラのコラムでもご紹介しています▼
ネントレ中の赤ちゃんの夜泣き
ネントレを始めたからといって、赤ちゃんの夜泣きが無くなるわけではありません。赤ちゃんも理由があれば、夜泣きをすることはあります。夜泣きをするのはどのような理由が考えられるのでしょうか。
お腹が空いた
日中の授乳量や離乳食の量、食事量が十分でなかった場合、夜中でも子どもがお腹を空かして泣くことがあります。必要な授乳量や食事量は成長とともにどんどん変わっていくので、赤ちゃんの間は適切な量を把握しているのは感覚では難しいかもしれません。
そのような時には、日記やアプリなどを活用して記録をとって、確認出来るようにしましょう。
不快感がある
オムツが汚れた、パジャマや寝具が痛い、かゆい、暑い、など何かしら不快感を訴えて泣くことがあります。オムツの汚れは見ればすぐに確認出来ますが、それ以外のことは、初めはわかりにくかったりもします。子どもは大人よりも体温が高いので、顔が赤くなっているようであれば少し薄着にしてあげるなど、調整をしてあげて様子を見ましょう。
外部からの刺激
音に敏感な子、明るさに敏感な子、など子どもによってはちょっとした刺激が原因となって起きてしまい、泣くこともあります。子どもがどんな刺激に敏感なのか、知っておくことで対策がとれることもありますので、子どもの特徴をよく知りましょう。
体調不良
熱が出ていて暑い、何か体調不良による不快感があって機嫌が悪い、など体調不良が原因となって子どもが泣くこともあります。日中も機嫌があまり良くなかった、鼻が詰まり気味だった、など何かいつもと様子が違うことがないか観察し、必要であれば翌日医療受診をしましょう。
ただの寝言
子どもが夜泣きをすると、泣き止ませないと!と原因を探り、原因がわからないので、あやすために赤ちゃんを抱っこしたりするママも多いでしょう。意外としられていないのが、この「ただの寝言」で赤ちゃんが泣くこともあるということ。
赤ちゃんの睡眠は、初めは大人と違いますが、だんだん大人と同じようにレム睡眠とノンレム睡眠が繰り返されるようになってきます。眠りが浅い眠りになった時(レム睡眠時)に大人の寝言のように赤ちゃんが泣いているのを、何か他の理由があって泣いているとママが勘違いしているのがこの「ただの寝言」の時です。
この寝言の時には、泣いている赤ちゃんに特に何かする必要はありません。泣き止ませようと抱っこすることで、かえって赤ちゃんを目覚めさせてしまうこともあるので、そっと見守ってあげるのがいいでしょう。
ネントレ中の赤ちゃんが夜中に起きた時に関しては、こちらのコラムでもご紹介しています▼
ネントレとお昼寝
子どもはだいたい3歳頃までは、夜の睡眠とは別にお昼寝を必要とします。このお昼寝に関して、ネントレ中にはどうしていったらいいのか、ということで悩むママも多くいます。
お昼寝がネントレで難しい理由
ネントレを始めてから多くのママが気づくのが、お昼寝に関してネントレがやりにくいということ。お昼寝のネントレが難しい理由は、以下のようなことが考えられます。
人間の身体は昼間寝る仕組みがない
人間は、朝太陽の光を浴びることや、夜に暗い中で過ごすことでメラトニンなどのホルモンが分泌され、「寝る時間」「起きている時間」というリズムが作られます。朝起きてから十数時間で眠くなったり、朝目が覚めやすくなるような「サーカディアンリズム」というものが作られます。
しかし、これらの身体のリズムの中に「お昼寝」というものは組み込まれていないのです。赤ちゃんは多くの睡眠時間が必要なので、生後数年間はお昼寝をしますが、そのお昼寝自体は身体にプログラミングされていないので、その規則をつくるのがもともと難しいということがあります。
前夜の睡眠量や午前中の活動量の影響
子どもがお昼寝が必要なのは、夜の睡眠時間だけでは足りないから、ということがあります。しかし、前の日の夜に早い時間から寝ていたり、朝起きる時間が遅かったり、と夜の睡眠時間が長くなると、当然お昼寝の必要性も低くなります。
また、午前中の活動が不十分で、子どもがあまり疲れていないとお昼寝の必要性も低下してしまいます。夜の睡眠リズムが確立した後であれば、このお昼寝も安定しやすいかもしれませんが、まだ夜のネントレも挑戦中でリズムが整う前だと、このお昼寝もなかなか安定しにくかったりもします。
お昼寝の時間が乱れがち
一日のスケジュールの中で、一番流動的なのは、やはり日中の時間帯です。毎日予定も違ければ、お出かけする場所や過ごし方も変わってくるでしょう。その時に影響されがちなのが、お昼寝の時間帯です。出来る範囲ではお昼寝の時間帯を定めてあげたいところですが、少し遠出をする時や、病院や何かの予定がある時など、いつもお昼寝時間帯を揃えるのは現実的でもありません。
お昼寝をさせるつもりでなくても、ベビーカーや車で移動中に子どもが気持ち良い揺られの中で寝てしまうこともあります。
このように、日中の過ごし方は毎日違う、ということが影響してお昼寝のネントレをすることが難しいということもあります。
お昼寝の捉え方
お昼寝は月齢とともに必要な時間数も変わっていきます。また、生活パターンやその時子どもが熱中している遊びによって、日中の過ごし方も様々です。
お昼寝に〇時間とらなければ!と考えてしまうと、活動が制限されてしまったり、かえってママにとってストレスとなってしまうこともあります。
ネントレをする目的の一つは、子どももママも幸せな時間が増えることです。ストレスが増えてしまっては本末転倒。
一日の必要睡眠時間を目安として知って、子どもが一日トータルで〇時間寝られればいい、というように、お昼寝は夜間に足りない分を補う程度に捉えていくことも大切です。
お昼寝や年齢ごとの睡眠時間についてはこちらのコラムでご紹介しています▼
ジーナ式ネントレ
ネントレのやり方は色々なものがありますが、その中でも有名なものの一つに「ジーナ式ネントレ」があります。これは、イギリス王室や著名人のナニーとして活躍していたジーナ・フォードさんが提唱しているネントレのやり方です。
このジーナ式ネントレの著書は、世界中での大ヒットとなったので「ジーナ式ネントレ」という言葉を耳にしたことのある人も多いでしょう。
このジーナ式ネントレは、細かく決まったスケジュールがあり、それに合わせて育児やネントレをしていくやり方で、賛否両論あります。このやり方がぴったりくる親子であれば、子どもの生活リズムが整い、ママの睡眠時間もしっかり確保していけるメリットがありますが、決められたスケジュールに合わせていくこと自体がストレスになってしまう人もいます。
自分や子どもの性格や生活にあうか、一度簡単にみてみるのもいいですね。
こちらのコラムでジーナ式ネントレについてご紹介しています▼
ネントレが必要ない場合
子どもの睡眠を確保して、ママのストレスを減らしていくためにも、ネントレを行って子どもの生活リズムを整えていくことをお勧めしていますが、中にはネントレが必要ない方もいます。
今の生活(寝かしつけ等)に満足している人
今現在、子どもとの関わり方や生活に満足していて、幸せを感じている人は、あえて何か違うことを始める必要もありません。
ネントレのやり方は色々なものが提唱されていて、どれが一番良い、どちらの方が優れている、というものはありません。
育児全てに共通することですが、「育児に正解はない」ということです。大切なのは、育児の当事者である子どもと親が幸せであるかどうか。これを大切にしてあげましょう。
近い将来、大きな変化があるとわかっている場合
引越しや園に入園、ママの復職、下の子の誕生など、近い将来に何か大きな変化があることが事前に分かっている場合は、あえてその前にネントレに挑戦しなくても良いでしょう。
変化というものは子どもにとっても大人にとってもストレスがかかるものです。どんなに楽しみにしている「良い変化」と捉えていることでも、人間はストレスを受けているのです。ストレスがかかった状態で何か新しいことを習得していくことは大変なこと。
大きな変化が近々あるとわかっている場合は、その変化が通りすぎ、少し生活が安定してから始めていくのもいいでしょう。
ネントレメソッドに縛られない寝かしけについてはこちらのコラムでご紹介しています▼
まとめ
子どもの成長を考えた時に、睡眠はとても大切なポイントとなります。いかに生活リズムを整え、子どもに質の良い睡眠をとらせていけるかは、脳・こころ・身体の成長に影響します。
その生活リズムの整え方のひとつとして「ネントレ」という考え方を学び、必要なエッセンスを集めてご自身とお子さんの生活がより豊かになるよう、その知識を活かしていきたいですね。
【引用・参考】
厚労省e-ヘルスネット 睡眠不足や睡眠障害、子どもへの大きな影響
ほいくジョブ 「1歳児にはどんな特徴があるの?保育する上で知っておきたいこと」
ボーネルンド 「乳幼児期のレム睡眠は脳の回路の形成に大きく関わっています」
夜泣き防止プロジェクト「ママと赤ちゃんがよく眠れるように ベビー睡眠編」
岡田(有竹)清夏「乳幼児の睡眠と発達」心理学評論.2017. Vol. 60, No.3, p216-229
中川 敦子,鋤柄 増根 乳幼児期の睡眠・覚醒と気質の 制御機能の関係について ―生後1ヵ月から3歳までの縦断研究―2016. Vol. 75, No.6, p775~781