卒乳・断乳寂しい、涙が出る…。寂しい気持ちの乗り越え方解説

断乳寂しい

生まれたばかりの子どもは授乳で大きくなりますが、この授乳だけに頼るのも生後6カ月ごろまで。離乳食が始まると少しずつ大人と同じ食生活になり、いつかは授乳を卒業します。

また、中には事情があって親側の都合により断乳することも。ママにとっては、親子のかけがえのないコミュニケーションである「授乳」がなくなることで寂しさを覚えるかもしれません。

今回は、断乳・卒乳の方法を考えると同時に断乳寂しいときの気持ちにも注目してみましょう。ママが断乳とどう向き合えばよいのか、くわしくご紹介します。

断乳寂しい、気持ちが落ちこむとき

ミルクを飲む 赤ちゃん

断乳とは事情があって、ママの都合で授乳をストップさせることを指します。

  • 離乳食を進めるため
  • 復職のため
  • 夜間授乳で十分な睡眠がとれないため

さまざまな理由がありますが、断乳は子どもにとって大切な成長過程であり、大きくなるためには欠かせないものです。

しかし、断乳で子どもがおっぱいを寂しがる以上に、ママの方が寂しくなって涙が出てしまう…ということも。子育て中のママを対象に行ったアンケートでも、

アンケート:50名のママに聞いた「子どもが卒乳(断乳)して寂しいと感じましたか?」

卒乳・断乳が寂しい、涙が止まらない。乗り越え方は?|先輩ママに聞いてみた  kosodate LIFE(子育てライフ)

上記のように、半数以上のママが授乳ストップに対して寂しさを覚えているようでした。

なぜ、気持ちが落ち込んだり寂しくなったりするのでしょうか。今一度ママの精神面で何が起きているかを具体的に考えてみましょう。

「ママは必要ない」と思われているような気がした

赤ちゃんは自分の力だけで大きくなるわけではなく、生きるための術をママからの母乳・ミルクでの授乳すべてに頼っています。断乳後はこの「子どもを育てる手段」のひとつを失ってしまうために、ママとしては「必要ない」と思われている気がしてしまうのでしょう。ママとして子どもにしてあげられることが一つ減ってしまうことで、ママとしての存在価値も少なくなってしまうように感じるかもしれません。

実際には離乳食が進み、授乳以外の方法で栄養を確保し子どもは成長していきます。さらに、授乳以外にもママが愛情を伝える方法はたくさんあるのです。そう分かっていても、寂しく思ってしまうのは仕方のないことなのかもしれません。

子どもと触れ合う時間が減る

授乳だけは誰かに代わることはできず、さらに子どもとの1対1の時間が流れ、授乳は赤ちゃんにとっては食事の時間ではありますがママにとっては「かけがえのないコミュニケーション」の時間でもあります。

断乳するとその時間がゼロになるために、「もっと一緒にいたいのに」「二人きりの時間が減ってしまう」とママとしても寂しくなるのでしょう。

これまで「おっぱいはイヤだった」のかな?と悲しくなった

断乳して寂しく悩んだママにお話を聞いてみると、「断乳自体はとてもスムーズにいった。けれども、すんなり断乳できたからこそ「これまでのママのおっぱいはイヤだったのかな?」と悩んでしまった」と答える方もいました。

決してそんなことはなく、母乳だったとしてもミルクだったとしても授乳は赤ちゃんにとって重要なママとの時間のひとつです。しかし、授乳に気を遣うママだからこそ、授乳に思い入れが湧いてしまい寂しく思うのかもしれませんね。

断乳寂しいけれど、いつまでに終わらせるべき?

ママ 赤ちゃん

断乳が寂しくて、つい先延ばしにしてしまう。けれども周りはみんな断乳したと言っているし…。そう悩むママに向けて、次は「いつまでに断乳すればいいのか」を解説します。

期間は特に決まっていない!断乳できなくてもOK

断乳しなければならない時間とは、実は決まっていません。事情があり授乳ができなくなれば断乳を考えなくてはなりませんが、特に理由がなければ自然に子どもが授乳を必要となくなるまで授乳を続けたって構いません。

育児書やネットの情報、周りの子と比べる必要はなく、「我が子の成長具合」にぜひ注目してください。ママと子どもの気持ちが整い、準備ができてから、少しずつ離乳するのでも構いません。

一般的な断乳・卒乳は1歳~1歳半

ただし、一般的に断乳する時期というのがあります。離乳食の進み具合は個人差が大きいですが、1歳ごろには幼児食に移行し、1歳半では大人と変わらない食事をとる子も増えていきます。

このころには母乳以外からの水分・栄養で十分補えており、少しずつ授乳の必要性は薄くなっているでしょう。卒乳が始まるのもこの時期で、多くの子が1~1歳半でおっぱいを卒業しているようです。

授乳中トラブルがあれば断乳を考えてみる

上記で説明したような「子どもの離乳を待って、自然と授乳を終わらせる」卒乳を推奨する声もありますが、事情によって授乳が続けられないのも実情です。たとえば、

  • 授乳量が元々少なく断乳ぎみになっていった
  • 夜間授乳でママが疲れてしまい、日中の育児にまで影響が出るようになった
  • 授乳に執着してしまい、離乳食が進まない
  • ママが食べるものがおっぱいを通じて子どもに影響し、アレルギー反応が出てしまった
  • ママが復職の予定がある、保育園入園予定がある
  • 下の子を予定している、妊娠した

など、授乳ができない状況ならば断乳もやむを得ないでしょう。

ここで考えておきたいのは、断乳という手段は決して親のエゴではないことです。子どもにとっても卒乳が自然な流れなのは確かですが、「夜にまとめて眠れない」「離乳食が進まない」と長すぎる授乳が成長の妨げになることもあります。

断乳することになっても、ママは必要以上に自分を責めないようにしましょう。突然の授乳ストップで寂しい気持ちになるかもしれませんが、次にご紹介する気持ちの乗り越え方を参考に、子どもと一緒に成長していけるとよいですね。

断乳寂しいときの気持ちの乗り越え方

親子 子育て

寂しいと思う気持ちは、どんなママにも起こるもので珍しいことではありません。寂しく思う気持ちを否定せず、受け止めながら断乳を我が子と一緒に乗り越えていきましょう。

断乳寂しいときの気持ちの持って行き方をご紹介します。

断乳も立派な「成長」のひとつ!

この記事冒頭でもお伝えしましたが、断乳・卒乳として「おっぱいバイバイ」するのはどんな子にも必ず訪れることです。断乳したからといってママが育児を怠ったわけでもなく、手を抜いたわけでもありません。

断乳は立派な成長過程のひとつ。「うちの子は少しお姉さん・お兄さんになったんだな」と受け止めて、断乳を乗り越えていきましょう。また、寂しく思うのは何もママだけではありません。子どもだって、これまで楽しかった授乳の時間を寂しく思い泣くこともあるでしょう。

その気持ちに寄り添えるのは、授乳というひとときを一緒に過ごしたママだからこそです。断乳後の気持ちのケアも大切な育児なので、親子で断乳を前向きにとらえてみてくださいね。

授乳以外で子供とのコミュニケーション方法を考える

一度冷静になってみれば、

  • 絵本を読む
  • 一緒にお散歩する、お買い物する
  • おもちゃで遊ぶ
  • 手遊びをする

など、授乳以外にも親子のコミュニケーション方法はたくさんあります。なんとなく授乳中こそママと子どものふれあいの時間のような気もしますが、毎日が全部大切な時間なのです。

断乳を寂しく感じたら、授乳以外の子どもとの過ごし方を見直してみましょう。新しい親子のコミュニケーションが見つかると、もっと子どもと過ごす時間が楽しくなりますよ。

ママが笑顔なら子供も笑顔に。断乳のメリットを考える

これまで断乳の寂しい面ばかりに注目してみましたが、断乳にはメリットもたくさんあります。

  • 睡眠時間が確保でき、子どもと無理なく向き合うことができる
  • 離乳食が進み、子どもの成長にも期待できる
  • 飲める薬の制限などがなくなるため、ママも日々元気に過ごせる

など、嬉しいことに目を向けるようにしてみましょう。

つい授乳ストップを「子どものためにならないから」という形で寂しく思ってしまいますが、断乳によってママが笑顔でいることが増えると、子どもにとっても嬉しいはずです。自分のことを後回しにしがちな育児中こそ、ママは自分自身にも目を向けてあげてくださいね。

まとめ

断乳寂しい、涙が出るというママ。授乳が終わって寂しいと思うのは、その分ママが我が子との時間を充実させようと頑張った証拠かもしれません。

断乳は子どもにとって大切な成長のひとつ。寂しい気持ちを乗り越えて、これから授乳以外のコミュニケーション方法で子どもと向き合っていきましょう。

【参考】

“卒乳”はいつ?みんなの卒乳体験談とママの気持ち たまひよ

断乳を寂しいと感じるとき。ママたちの乗り越え方とは 子育て情報メディア「KIDSNA STYLE」

ABOUT US
【監修】久保田 由華久保田 由華
公認心理師、臨床心理士。
NY州立大学にてメンタルヘルスカウンセリングの修士号修得。NYCのNPOにてアシスタントサイコロジストとして勤務後帰国。
大学、クリニック、心理相談室等で勤務。7000ケース以上のご相談を担当。

心の相談室こころラボを設立し、カウンセリング以外にも子育てママのためのセミナーやスクール、ママのためのオンラインコミュニティを運営。