寝かしつけはいつまで必要?自立寝と添い寝の違いとは

寝かしつけ 子供

各ご家庭で子供の寝かしつけ方法はさまざま。ママ・パパが添い寝をして寝かしつけをし、そのあとベッドを離れて過ごす方もいれば、最初からベッドに子供が一人で向かい寝かしつけはしていないという家庭もあります。中には、「子供と一緒に寝ちゃう」という方もいるでしょう。

では、「寝かしつけ」はいつまで必要なのでしょうか。今回は寝かしつけがいつまで必要なのか、自分でねんねする自立寝と添い寝の違いをご紹介します。

寝かしつけはするべき?一人寝と添い寝の違い

寝かしつけ いつまで

多くの家庭では、ママやパパが子供と一緒にお布団に入り、添い寝して寝かしつけすることと思います。この、寝かしつけは果たして必要なのでしょうか。

まずは寝かしつけをしない一人寝と、寝かしつけをする添い寝の違いを見ていきましょう。

国内に多い「添い寝」と海外に多い「一人寝」

親が一緒に布団に入って添い寝する寝かしつけ方法は国内で多くみられる方法です。産院でも「母子同室」という形で添い寝を推奨するところもありますが、一方で「ジーナ式ネントレ」や「欧米式ネントレ」といった寝かしつけを必要としない育児方法にも注目が集まっています。寝かしつけしない一人寝は、海外のご家庭で多いとも言われているのです。

ジーナ式ネントレについてはコチラの記事でもご紹介しています。

ジーナ式ネントレとは?ジーナ式ネントレの特徴について解説

よく、「一人寝では自立心が生まれる」といった考え方もされていますが、実は一人寝でも添い寝でも、自立心が育つかどうかは直接関係がないと結論づけられています。

では、添い寝と一人寝の違いは何かというと、「寝かしつけが必要か不要か」に集約されるでしょう。子供が一人寝してくれると寝かしつけに時間がかかることがなく、ママ・パパは夜をゆっくり過ごせます。「子供が寝てくれない…」とストレスに感じることもなく、夜泣きも少なくなると言われています。

添い寝は暗くなる夜間に親がそばにいてくれることで、子供にとって精神が安定し安心感が強くなることも。ある程度小さなうちは寝かしつけをして添い寝をし、子供が大きくなってから一人寝に切り替える方がほとんどです。

添い寝と一人寝はどちらが「よい」と言うわけではありません。家庭の環境に合わせて使い分けるとよいでしょう。

添い寝のメリットとは

添い寝、一人寝にはそれぞれメリットがあります。まずは添い寝のメリットを考えてみましょう。

赤ちゃんは寝かしつけをしてもなかなか寝てくれず、添い寝をすると寝ることがよくあります。これは、ママやパパなどが隣にいてくれることで安心して眠れるからです。日中と違い夜は暗く、小さな子供にとっては不安感が強くあることでしょう。

大人がいてくれると安心してすぐに眠る子供も多いです。添い寝のメリットは子供に安心感を与えることができる、お布団の中で会話することで親子のコミュニケーションやスキンシップになるなどが挙げられます。

一人寝のメリットとは

一人寝を習慣づけるのは手順も多く難しいものですが、一度慣れると親にとってメリットが大きく感じられます。アメリカ・オーストラリアで行われた研究によると、添い寝をした人としなかった人で比べると、一人寝の方が親の睡眠の質がよく、産後うつになる可能性も低いと報告されています。子供にとっても夜泣きが圧倒的に少なくなり、就寝時の体温上昇が添い寝と違って防げるので、安定的な睡眠をとれると言われているのです。

1日の終わりにやってくる子供の寝かしつけ。寝つきにくい日だと何時間もかかることがあり、「寝かしつけが一番疲れる」と感じるママも多いかもしれません。一人寝を習慣づけておくと、寝かしつけに困難を感じるシーンはぐっと減るでしょう。

いつまで寝かしつけするの?

寝支度をする親子

では、いつまで寝かしつけをするのかについて解説します。今、添い寝で寝かしつけしている方にとって「何歳ごろから一人寝を始めればよいのかな?」という点が気になるのではないでしょうか。

平均的な寝かしつけ終了の時期や、寝かしつけを終わらせるタイミングについてチェックしていきましょう。

4~5歳が多く、環境によって異なる

周囲のママに聞いてみたところ、多くの方が4~5歳と答えました。4~5歳の子供だと、多くの子が保育園や幼稚園に通っているので、寝かしつけにもさほど時間がかからず「今は寝るときだよ」という呼びかけもしっかり理解してくれるでしょう。そうなると、寝かしつけが必要のない子も増えるはずです。

我が家の4歳の子供も、寝かしつけをしていません。就寝時になると「おやすみなさい」をしてベッドに向かい、きょうだいで一緒に寝ています。

ただ、4~5歳というのはあくまで目安であり、環境によって寝かしつけが必要かどうかは異なります。

同じ4歳でも下の子が生まれたご家庭では、赤ちゃん返りも相まって「ママと寝たい」と言ってきかなかったりします。きょうだいのいない子も、寂しくて一人で寝るのは難しいかもしれません。住居スペースの関係から考えても、寝室とリビングがフロア続きにあると「一人寝できないから」と、寝かしつけが必須になるご家庭も多いでしょう。

小学生に入っても寝かしつけが必要な子もいる

小さなうちから一人寝ができる子もいますが、反対に小学生低学年までずっと親と一緒に添い寝しているという子もいます。もちろんそれ以上年齢が上の子供だって、寝かしつけを必要とする子もいるでしょう。

これらの「寝かしつけが必要かどうか」には個人差が大きく、「〇歳になったから一人で寝なさい」と言うべきではありません。添い寝を長く続けたからといって悪い影響が子供にあるわけではないので、寝かしつけが終わる時まで付き合うのももちろんOKです。

寝かしつけをやめるタイミングは子供に合わせて

寝かしつけをやめるタイミングに悩むこともありますが、その子の性格や環境によって一人寝を始める瞬間はさまざまです。つい周囲と比べて一人で寝てくれないからといって、「いつまで寝かしつけしたらいいんだろう?」「もう一人で寝かせるべきなのかな?」と思うママも多いかもしれません。

周りと比較して考えるのではなく、子供のタイミングに合わせて寝かしつけをやめるようにしましょう。次第に子供が一人で寝ると言い出すこともありますし、次にご紹介するように「一人寝を始めるきっかけ」があれば寝かしつけを卒業できることもあります。

寝かしつけ完了を早めるコツとは

眠る子供

寝かしつけをやめるタイミングは、子供のペースに合わせたいもの。ですが、「あと一歩寝かしつけが完了できない」「早く寝てくれない」時は、寝かしつけ完了を早めるコツを使ってみましょう。

ただ、子供が求めているのに寝かしつけを無理やりやめる必要はありません。あくまで一人寝を始めるきっかけとして、参考にしてみてくださいね。

最初は添い寝で寝付いたらすぐにベッドから離れる

これまで一緒に寝ていたのに、ある日突然「子供部屋」を与えられて親と離れて寝るのは、小さな子供だと特に難しいものです。そのため、「寝かしつけして一緒に寝る」から「添い寝で寝かしつけして寝付いたらベッドから離れる」と段階を追って寝かしつけ完了を目指してみましょう。

寝る前には、今日1日あったことや明日の楽しい予定などを親子で話すとよいコミュニケーションになります。絵本を読んでもいいですし、子守歌を歌うのもおすすめです。最初は夜に目が覚めて親がいないことに不安を覚えるかもしれませんが、次第に慣れていくでしょう。

誕生日や進級のタイミングで始めるのがおすすめ

「一人寝を始めよう!」と思っても、どんなタイミングで始めるとよいのか迷いますよね。例えば「5歳の誕生日」や「小学生になったら」と、年齢が上がったときや進級したときのタイミングで始めると子供にとっても分かりやすいです。

一人寝を突然始めると不安に思う子もいるので、事前に「小学生になったら、自分のお部屋で寝てみようか」「5歳さんだから一人でねんねできるかも!」と教えておくとスムーズでしょう。このときも強く子供が不安がったり嫌がったりしたら、まだその子の寝かしつけ完了の時期ではないのかもしれません。各ご家庭でさまざまな事情がありますが、タイミングは子供に合わせて決めてみてください。

「ママはあっちの部屋にいるからね」と声掛けを

寝かしつけをやめることで、子供が不安に思うのは

  • このままずっとパパとママがいなくて孤独なのではないか
  • 眠れなかったらどうしよう

といったことが考えられます。きちんと会話を理解できる年齢の子であれば、寝かしつけをなぜやめるのかを丁寧にゆっくりと説明してみてください。

我が家では「ママはテレビのお部屋にいるからね。もし、眠れなかったらパパとママのところにきてもいいよ。大人が寝る時間になったら、寝室に戻ってくるからね」ときちんと子供に伝えておけば、意外と寝かしつけの時に親がいない環境にも納得してくれました。

寝かしつけがなかなか完了しない、ずっと寝かしつけを求められていて悩んでいる、という方は、一度子供に「なぜ寝かしつけをしないのか」「寝ている間、パパとママはちゃんといて見守っているからね」と説明してみるとよいかもしれません。

まとめ

寝かしつけをずっと続けているご家庭だと、「いつまで寝かしつけすればいいんだろう?」「やめるタイミングが分からない…」と悩むことも多いです。大切なのは年齢で寝かしつけを終わらせるタイミングを決めるのではなく、子供の準備が整ったとき、徐々に寝かしつけを完了させていくのが大切です。

ひとつ言えるのは、いつかは寝かしつけが完了する時期はやってきます。その時まで、寝る前の親子のコミュニケーションを楽しみ、寝かしつけを終わらせる場合は子供の不安を取り除くような声かけをしてみてくださいね。

 

【参考】
最新の研究が明かす「子どもは何歳から一人で寝るのがいいのか」  PRESIDENT WOMAN Online
寝かしつけはいつまで?ママの悩みに答える「子供をすんなり寝かしつける」プロの技術とは?  小学館HugKum

ABOUT US
【監修】久保田 由華久保田 由華
公認心理師、臨床心理士。
NY州立大学にてメンタルヘルスカウンセリングの修士号修得。NYCのNPOにてアシスタントサイコロジストとして勤務後帰国。
大学、クリニック、心理相談室等で勤務。7000ケース以上のご相談を担当。

心の相談室こころラボを設立し、カウンセリング以外にも子育てママのためのセミナーやスクール、ママのためのオンラインコミュニティを運営。