共働き世帯が増えた今、働きながら家事・育児をこなすママ「ワーキングマザー」である方はたくさんいます。皆さんの中にも、仕事と主婦どちらの役割も持つ兼業主婦は多いかもしれません。
毎日時間に追われ、家事に仕事に…と忙しい日々を送る中、「頑張っているけど、この頑張りがなかなか認めてもらえないな」と自己肯定感の低さを感じてはいないでしょうか。
今回は働くママの自己肯定感に注目し、ワーキングマザーの自己肯定感の高め方、自己肯定感の低い自分との上手な向き合い方をご紹介します。
ワーキングマザーの自己肯定感。「低さ」が気になりませんか?
最近よく聞く「自己肯定感」。これは自分自身を無条件に認め、許容する感覚のことを言います。
自己肯定感は高い方がポジティブで前向きになれ、例え自分にとって大きな壁となる出来事があったとしても乗り切ることができます。育児の面でも自己肯定感は注目されていますが、それ以外にも仕事や私生活でも自己肯定感の意識は大切です。
自己肯定感は人それぞれですが、特にワーキングマザーの自己肯定感は「低さ」が気になるかもしれません。筆者も働きながら育児をする兼業主婦ですが、自己肯定感は自分で「低いな」と感じています。
なぜ、ワーキングマザーの自己肯定感は低さが気になるのでしょうか。その理由をまずは考えてみましょう。
朝起きてから夜寝るまで、怒涛の忙しさのワーママ
働くママは、朝子供の起床前に起きて食事の準備をし、子供とパパが起きてきて身支度を手伝って、幼稚園・保育園に子供を送迎してダッシュで職場へ…と、起きた瞬間から大忙しですよね。
夕方も急いで帰り、夕食の支度から溜まった家事まで、毎日朝起きてから夜寝るまで息をつく暇もない!と感じる方も多いかもしれません。
すると、忙しいあまり時間がなく「子供と十分に向き合う時間がない」「育児と両立しなきゃならないから、時短勤務で仕事も十分にできない」と自己肯定感が低くなってしまうのです。
働くママはみんな、十分頑張っています。働いていなくても、ママとして育児する方はみな素晴らしいのです。そのことは理解していても、自分を低く評価してしまう状況に陥りがちなので、できるだけ意識を変えておきたいものですね。
育児中ママの自己肯定感は低め
ワーママに限らず、育児中のママ自体自己肯定感は低いと言われています。育児経験のあるママならみんな分かっているかもしれませんが、子育ては何一つ予想通りになりませんよね。いくら計画立てて一日を過ごしたとしても、子供が風邪を引いたり熱を出したりしただけでママのスケジュールは一気に崩れます。子供がいたずらしたり言い聞かせしたりするシーンでは、言うことを聞いてくれず自分の育児のやり方に疑問を抱いたりすることもあるでしょう。
すると、「熱を出したのは私のせいかな」「何もかもうまくいかない…」と自己肯定感が下がる悪循環に。自己肯定感を高めるのが大切と思っていても、この時期のママは自分を認める力が弱くなっている点は頭に入れておくと良さそうです。
自己肯定感は「親子のやり取り」で大きく左右される
働くママに限らず、なぜママたちの自己肯定感が重要視されるのでしょうか。自己肯定感についてもう少し詳しく掘り下げてみると、ママを含める親の自己肯定感は子供の自己肯定感にも影響します。
この記事でもお伝えしましたが、自己肯定感に大きく影響しているのは以下の3つの要素です。
- 自己効力感(自分ならきっと出来るだろう)
- 良い親子関係
- 幸福感
良い親子関係が築けると、子供の自己肯定感も高まります。ママの中には育児に関する「自己肯定感」の言葉を聞き「自分の自己肯定感は置いておき、子供の自己肯定感だけは高く育って欲しい」と思う方も多いのではないでしょうか。
ですが、子供の自己肯定感を高めるためには、まずママ自身が自分を認めて許す必要があるのです。
この記事では一旦「子供の自己肯定感」には触れず、働くママの忙しい環境下でもできる「ママ自身の自己肯定感の高め方」を考えていきます。
ワーキングマザーの自己肯定感を上げる方法5つ
働くママの自己肯定感を高める方法はいくつかあります。ここからはすぐ実践できる5つの項目をご紹介しましょう。
自分の中で「これならできそう」と思えることから、少しずつ始めてみてください。
無意識の口癖・思考の癖を変える
自己肯定感が低い方の特徴として、無意識のうちに「自分はもともと不運だ」「どうせ私なんて」と自分を低く見積もっています。例えば「〇〇くんはすごいね、なんでもできるのね」と子供が褒められたとして「でもうちの子なんて〇〇することもあるのよ」とネガティブな要素を上げてしまう…なんてことはないでしょうか。謙遜の意味も含まれているかもしれませんが、繰り返したり口に出すことで、自分や子供が一番影響を受けてしまいます。
これは思考の癖、口癖になっているので簡単には変えられません。一度自分の中で「ネガティブな考えはやめよう」と決めた上で、意識的に前向きな考え方を持ちましょう。
- 疲れた、もうやめたい→すごく頑張った、ここまでにしておこう
- やっても意味がない→何かが変わるかもしれない
- どうして私ばっかり忙しいの?→これを乗り越えるともっと成長できるかも
一度自分がやってしまいがちなネガティブ思考を書き出して、前向きな意見に変えてみると良いかもしれません。
今日自分を褒めたいところを挙げる
一日の終わりに、自分を褒めたいところをいくつか挙げてみます。日記として書き出しても良いですし、時間のないママはスマホのメモ帳に箇条書きするだけでもOKです。
例えば私自身の褒めたいところは、以下のようになりました。
- イライラした時、6秒カウントを実践できた
- 15分だけ早く起きることができた
- 幼稚園に行く前に子供にハグできた
- 仕事をした
6秒カウントについて、以下の記事で詳しくまとめています。
ご覧の通り、一見「当たり前」に思えることも含まれています。ですが、私にとっては自分を褒めたい部分なのです。
毎日「今日の自分を褒めたいところ」を書き出していると、次第に良い面ばかり見えてきます。どんな些細なことでも構いません。できなかったことではなく、できたことに着目する癖がつくと先ほどの「無意識の口癖・思考の癖」もポジティブに変わるのが分かると思います。同時に、子供と向き合う時も「この子の良いところ、褒めたいところ」がぱっと思いつくようになるはずです。
自分時間を増やす意識をする、時間の短さをポジティブに捉える
子供の保育園通園と同時に働き始め、ワーキングマザーとして1年目の頃。私は常にイライラしていました。1日のうち自由にできる時間は1時間もなく、忙しさに追われる毎日。なのに、夫は仕事を終えて準備された夕食を摂り、どこまでも自由で優雅に見えました。夫には「私の忙しさを分かってよ!」とイライラし、子供には「何も言うことを聞いてくれない!」と怒ってばかりで、後悔するたび自己肯定感が低くなっていたように感じます。
このワーママの時間がない点も、ポジティブに捉えてみましょう。「時間が短いからこそ、工夫して時間を増やすことができる」と前向きに考えると、元気が出てきます。
忙しくて自分の時間がないために、時短家電を導入しました。洗濯物を干す時間を短縮するために乾燥機を使ったり、掃除はロボット掃除機にお任せしたり、家事を手間抜きすることで時間が増えたのです。
また、育児の中でも「やりたくない」ことを自分の中で認めて、パパにお願いしました。忙しいからこそ子供との時間は大切ですが、私は寝かしつけの時間がどうしても苦手で、イヤです。反対にパパは寝かしつけに対して苦手意識がなく、1日のうち親子の時間が唯一取れる機会なので喜んで代わってくれました。「仕事をしているのだし、寝かしつけぐらいママが頑張っても…」とも思いますが、思い切って手放した育児によって自分時間は増え、親子関係も円満に回るような気がしています。それでも罪悪感が残るママは、「週に1、2日はパパに代わってもらう」「寝かしつけは30分だけ」など少しずつ自分の負担を減らしていくのがおすすめです。
つい働くママは「自分は二の次」になってしまいますが、一度主語を「私・自分」にして、時間の使い方を見直してみると良いかもしれません。自分を大切にすると、その分自己肯定感も高まります。
自分のダメなところ、欠点もすべて認める
先ほどの時間を増やす意識でも挙げましたが、自己肯定感を高めるためには自分のダメなところや欠点もすべて認めることが大切です。無理にポジティブに、元気でいなくてはならないわけではありません。
働いているママだからこそ、当然子供に対して「忙しいからあとで!」と言ってしまうことはあります。忙しくてイライラすることも、家族に八つ当たりしてしまうこともあるでしょう。
この負の感情や怒りの感情自体を消すのは不可能です。自分のダメなところや感情自体は認めてあげて、ただし、繰り返し家族に自分のネガティブな部分が影響しないように、対策をすることが大切です。
自分のストレスとの向き合い方はこの記事でもご紹介しています。
「自分の親も大変だったんだな。すごいな」と認める
自己肯定感は幼少期の親子関係が大きく影響してくる、と認知が広まると「自分の自己肯定感が低いのは親との関係のせいかも」と気づいた方も多いかもしれません。私自身、今自己肯定感について調べるとどうしても「親から言われたこと」が頭を巡って自分を認めにくいと感じています。そして、この影響は子供にも繰り返すのではないか、と不安になることもあります。
確かに自己肯定感は良い親子関係を築くことで高められます。ですが、大人になってから、ママになってからでも自分の自己肯定感を高めることは可能です。悪い育児を受けたことを悔やむより、今ママ自身が子供にできることは何かを考えてみましょう。
その上で、自分の親も認めてあげられるとベストです。親世代も働いていたママが多いと思いますが、仕事をしながら育児をして、子供を大人になるまで育てるのはとても大変ですよね。「ここまで育てただけ、親はすごい」と一度認めると、気持ちはぐっと楽になります。
まとめ
低くなりがちなワーキングマザーの自己肯定感。自分を認めて許し、自分は価値のある人間だと意識するのは簡単なことではありません。
ですが、働くママでも意識次第で自己肯定感は高めることができます。自分の自己肯定感と向き合ってみると、同時に子供の自己肯定感を高めるようになれる点もよく頭に入れておきたいものです。
少しずつで良いので、まずは自分にできることから、自分を許して認めてあげましょう。
【参考】
子育て中のママは自己肯定感が低くなりがち! くわばたりえも実践した自己肯定感アップの方法とは?〈AERA〉