子供の自我の目覚め、ママはどうする?育児に余裕を持つためのポイント

奇声を上げる子供

「最近、我が子の要求が前までと変わってきた」

「なんだか子供の相手が疲れる。育児方法が煮詰まっている…」

そんな悩みを持つ方、それは子供の「自我の目覚め」が始まっているからかもしれません。

わたしという認識」である自我が出てくると、子供はこれまで通りの「子供だまし」や「あやす、遊びで気分を変える」などが通用しなくなります。イヤイヤ期とも重なる2歳ごろに自我の目覚めが起こるので、毎日大変な思いをするママも多いかもしれません。

子供の自我の目覚めはどう対応すべきなのか、また子供の自我が出てきた大変な時期をどう乗り切るのかをご紹介します。

自我の目覚めって何?

子供の笑顔

そもそも、「自我の目覚め」とは何でしょうか。ここでは分かりやすく「自我とは何か」を解説します。

子供が「わたし」を自覚すること

自我の目覚めの自我とは、英語で言うとアイデンティティです。これは「自分自身」という意味を持ちます。自我は大人も子供も、赤ちゃんだって持っています。みなさんも「お腹がすいた」「今は休憩したい」など自分の主張を持っていますよね。これこそが自我です。

自我の目覚めは、子供が成長して自分自身を周囲の大人やお友達に「話して、行動で、伝えられるようになること」を指します。これまでは自我を出すには赤ちゃんが泣く、笑うといった二つの感情表現だけでしたが、成長するとより複雑で多様に感情表現は変化するのです。多くの子供がこの自我の目覚めは2歳ごろに見られるといいます。

「こうしたい」「これはイヤ」など明確な主張が始まる

自我の目覚めが分かるようになるのは2歳ごろです。

  • 赤いお洋服はイヤだ、青いものがいい
  • 今ご飯は食べたくない、まだ遊んでいたい
  • ご飯は食べたくない。ずっとおやつを食べていたい

など、自我が目覚めると子供の主張はより明確になります

この主張は子供によって「主張が激しい」「主張が大人しい」などさまざま。2歳ごろというのもあくまで目安であって、1歳から自我が出る子もいれば、周囲の環境やその子の性格上自我を表現する機会が少なくて3~4歳になってもあまり感じられない子もいます。

そして、自我の目覚めは子供にとって重要な成長です。自我=わたしがしっかり認識できていると、自分自身が何者であるのか・自分の意見は何なのかが、将来的にも適切にはっきり主張できるようになるでしょう。

そうは分かっていても、育児中のママにとっては自我が出てきた子供の相手は、大変に思うものではないでしょうか。次は、育児と子供の自我の関係性を解説します。

自我の目覚めで育児が大変になる?

子供 外遊び

最近「赤ちゃんと違って要求が複雑になった」「すぐに泣き止んでいたのに最近はぐずりが長引き、気持ちの切り替えが難しくなった」など育児の悩みが増えていませんか?それは自我の目覚めが起きたからかもしれません。

自我が出てくる2歳ごろはイヤイヤ期でもあり、多くのママは子供との向き合い方に悩むようです。自我が目覚めると育児はどうなるのか、心当たりがないかチェックしてみてください。

自己主張が大きくなる

自我が出てくると、当然子供の自己主張は大きくなります。これまでは何度か言い聞かせするとママの言う通りにしていたのに、「絶対にヤダ!」とこだわりが強くなることも。自己主張が大きくなればなるほど、ママだって一人の人間なので親子の自我がぶつかってしまいます。

すると、育児がしにくい・子供とどう向き合えばいいのか分からないと悩んでしまうかもしれません。何事も「イヤ!」と否定するからこそイヤイヤ期と呼ばれていますが、自己主張が続くとママとしても「じゃあどうしたらいいの?」と手段が思い浮かばなくなるかもしれません。

好き嫌い、やりたいこととやりたくないことがはっきりする

イヤイヤ期とは、子供が「イヤ!」という姿からこう呼ばれていますが、すべて否定するだけではありません。イヤの理由を探ると「これはイヤでこっちがやりたい」もしくは「何もしたくない」と子供の目的があります。この子供の意見こそ「自我」です。

好きなことと嫌いなこと、やりたいこととこやりたくないことがはっきりするのが自我の目覚め。つまり、子供が何を求めているのか探っていくと解決する手がかりが掴めそうですよね。そうはいってもこの時期の子供はまだうまくお話できないことも多いため、日々親子で理解を深めていく必要があります。

子供の自我の目覚めでママが知っておきたいこと

親子の時間

子供の自我の目覚めで手がかかる、大変な思いをしているママは、子供の自我とどう向き合っていくのかを考えてみましょう。自我の出てきた子供とのやり取りの中で、大切なポイントを3つにまとめました。

どんなママでも子供の自己主張期は大変!時には諦めも大切

どんなに子育てについて知識が深く、子供のことを思いやっていたとしても、自我が目覚めた子供との生活は大変です。この自己主張期は何を言っても子供の機嫌が直らず、さらに「何を求めているのか分からない」ママと「ママが分かってくれない」子供との間で衝突は起こりやすいです。

これは、どんなママでも一緒。「私の育て方が悪いから?」「毎日イライラしてダメなママかもしれない…」とマイナスに捉えず、時には諦めも大切です。子供の自己主張や自我は、大人がいくら躍起になってもコントロールできません。イヤイヤ期かも、と感じたら

  • 大変な思いをするかもしれないけれど、それで当たり前
  • どんなに必死になっても子供にママの思いが伝わらない時はある

と認識を新たに子供との距離を上手に作って、根詰めないようにしましょう。

時間には余裕を持って

自我の目覚めが起きた子供は、これまでにはない主張をすることもあります。筆者自身も子育てをするママですが、子供の自我が出てきたころはとにかく朝の支度や夕食の準備などに手間取り、時間が少なくイライラしがちでした。

これまで以上に時間には余裕を持って、ママ自身が気持ちに「ほんの少し余裕がある」状態を作っておきましょう。時間もなく焦っている状態だと、本来聞き入れられた子供の主張もママの気分次第で「ダメ!」と強く抑えてしまうかもしれません。この時期は「子供には手がかかる」ものだと受け入れて、家事の手間抜きや時短家電を取り入れてみるのもおすすめです。

いつまでも自己主張は続かない。子供を信じて見守る!

子供の自我の目覚め、イヤイヤ期と聞くと「大変そう」「イライラするもの」とマイナスなイメージがあるママも多いでしょう。確かに大変で子供との関係性に深く悩むのも、この時期です。

ですが、自我による自己主張はいつまでも続きません。子供にも大人にも自我は当然ありますが、大人だと「今自分はこれがやりたいけれど、仕事中だからできないもの」とコントロールできますよね。お友達のおもちゃが欲しいからといって断りもなく奪い取ったり、お片付けの時間なのに一人で好きなことをしたりといった問題行動は、分別のある子ならやらないはずです。

自我の目覚めを迎えた子供は、そのイヤイヤ期の中で「どのシーンなら自我を通していいのか」を学んでいきます。次第に自我のコントロールが身についていき、気持ちは落ち着くのです。

例え今子供の主張が激しくて大変でも、その時期はいつかは終わります。子供の自己主張にイライラすることもあるかもしれませんが、「このやり取りで子供の自我は少しずつ確立しているかもしれない」「子供は今、大切な成長をしている最中」と思って見守ってあげましょう。

まとめ

自我の目覚めとは何か、子供の自我とどう向き合っていくのかをご紹介しました。この自我の目覚めは、子供がほんの少し大人になるための大切な通過点です。

自我とは子供の気分で引き起るわがままでも、ママにいじわるするためのものでもありません。ただ自分の気持ちをどう伝えて良いのか子供はまだ分からず、そのもどかしさから「イヤイヤ」になっているだけなのです。

子供のことを少しでも理解し、気持ちを代弁してあげると本人も納得できるかもしれません。大変だけど子供の大切な成長である自我の目覚めを、ママはママならではの目線で見つめてあげてくださいね。

【参考】

自我の芽生え – 東根市さくらんぼタントクルセンター

子どもの自我意識の芽生えのとき、大人はどう接したらいいのか お役立ち保育コンテンツ保育士の転職求人なら「保育ぷらす+」

魔のイヤイヤ期に突入!イヤイヤの理由と接し方を知ってイライラしない子育てを – kari-bana

ABOUT US
【監修】久保田 由華久保田 由華
公認心理師、臨床心理士。
NY州立大学にてメンタルヘルスカウンセリングの修士号修得。NYCのNPOにてアシスタントサイコロジストとして勤務後帰国。
大学、クリニック、心理相談室等で勤務。7000ケース以上のご相談を担当。

心の相談室こころラボを設立し、カウンセリング以外にも子育てママのためのセミナーやスクール、ママのためのオンラインコミュニティを運営。