もうイライラにコントロールされない!イライラしないママになろう!

子どもとの生活は時として大人にはストレスになることもあります。
イライラしないママになりたい!そう思っていても、日々の生活のやりとりの中でイライラしてしまうことも…

そんな時にイライラに振り回されて子どもにキツイ口調で怒ってしまったり、夫に当たり散らしてしまったり、していませんか?

こちらの記事では、イライラにコントロールされることなく、自分らしい毎日を過ごせるようになるために、イライラやコントロールについてお伝えします。

こんな時にイライラする!

イライラ

ママだって、イライラしないで子どもと楽しい時間を過ごしたいと思っています。子どもに怒ってしまって、子どもが寝た後に後悔し「明日は怒らないようにしよう」と。

  • 朝、保育園や幼稚園に行く時間が迫る中、何度起こしても起きない。
  • 起きてもなかなか顔を洗ったり、着替えをしたり準備をしない。
  • 朝食をいつまでもダラダラ食べている。

こんな光景を目にすると、初めはママも優しく
「今、何をしたらいいかな?」
「○○分までには△△しようね。」
などと声をかけていても、それでもなかなか進まない子どもを見るとイライラ
徐々に口調がキツくなっていはいませんか?

子どもが泣いた時に、初めは痛かったね、辛かったね、悔しかったね、など共感の言葉がけをしていていも、なかなか泣き止まない。ずっとずっと子どもが泣いていて、ママもどうにも出来ない。

特に、夜泣きなど原因もわからず突然泣き出して、全然泣き止まないような状況がしばらく続くと、疲れや眠たさも加わって、ママも段々イライラ。
「もう、いい加減にして!」と叫びたいほどの気持ちになっていませんか。

子どもが何でも自分でやりたがるようになってくると、何でも「自分で!」と主張します。子どもが出来るようになるために、練習は必要。ママも見守る気持ちを大切にしなくては、とも思いながらも、後片付けが大変になりそうな時など、「こうしたら?」と提案してみても子どもに拒否され、そしてママの思った通りに失敗して後片付けが大変な状況に。
「あーあ、だから言ったじゃない!」とイライラして言ってしまうことありませんか。

このように、ママは初めから怒りたいのではなく、出来るだけ怒らないで子どもの成長を促したい、と思って子どもと関わっているのに、気づいたらイライラが強くなってイライラした気持ちにコントロールされている状況になることがよくあります。

ママだって人間ですから、体調や気分によってはイライラしやすい時もありますし、子どもや他の人に「怒り」の気持ちを表現することが必要なこともあります。

大切なのは、ママが後悔しないような表現の仕方をしていくこと。そのためには、まずはイライラにコントロールされるのではなく、イライラをコントロール出来るようになりたいですね。それでは、どのようにイライラをコントロールしていけばいいのでしょうか。

怒りの感情を我慢しないこと

よく勘違いされたり、頑張っているのにかえって逆効果になってしまっていること。それは「怒ってはいけない」と子どもに「怒らないように」努力することで、余計にイライラが募り、爆発した時にはママも自分自身が制御できなくなってしまうような状態に陥ることです。

「怒らない育児をしたいのに、ものすごくイライラしてしまうのです。」
というご相談を受けることもありますが、このようなママは努力の方向性が間違っているために、よけいに辛くなってしまうのです。

人間にとって「怒り」の感情を感じることは悪いことではありません。誰しも「怒り」を感じることはあります。大切なのは、「怒り」に振り回されずに、「怒り」をコントロール出来るようになることです。

イライラを感じた時に、それを我慢しようとすることは、自分の感情に蓋をして上から無理矢理押さえつけているような状況です。自分の感情を押し殺して、「子どものことを受け入れよう」としても、それは長続きしません。

多少のイタズラであれば、我慢できていたママも、それが度重なる度にイライラが増していき、そして最後には爆発!なんてことになってしまうのは、ママがその都度感じている小さなイライラを我慢したり、見ないようにしたりしているからなのです。

ママ自身が感じている感情に敏感になることで、ママ自身の気持ちを大切にしてあげることで、イライラをコントロールしていけるようになるのです。

そして、これにはたくさんの訓練が必要です。見たり聞いたりして学んでも、それを日々の生活の中で実践し続けなければ、そのスキルを身に着けていくことは出来ません。そして、おそらく始めはたくさん失敗もします。それでも練習をし続けること、この努力を継続することによって、3か月後、半年後、1年後のママは確実に成長しているでしょう。

イライラコントロール

コントロール

イライラを感じることは人間として自然な反応であるとしても、イライラに振り回されないためにはどのようにイライラをコントロールしていけばいいのでしょうか。

こちらでは、アンガーマネージメントでその瞬間の怒りを収める7つの対処法についてお伝えします。

1.6秒カウント

人間の怒りのピークは長くて6秒と言われています。
まずはこのピークをカウントしてやり過ごすことによって、感情のピーク=一番自分がコントロール出来ない状況で言動しないようにすることです。

ママが子どもの寝顔を見て、「ごめんね」と後悔するのは、本当はイライラを爆発させたくなかったのに、本当は違う対応をしたかったのに、そうは出来なかったからです。冷静な時であれば、気持ちにゆとりのある時であれば違った対応が出来ていたであろうに、怒ってしまった、というのはこの感情のピークでママ自身が自分の言動をコントロール出来なくなっていたからです。

イライラ!としたらまずは心の中で6秒数えたり、ゆっくりと3回深呼吸するなどして、怒りのピークをやり過ごすことが大切です。

2.グラウンディング

何かにイライラした時、ママの頭の中で似たような状況が次々と思い出されてよけいにイライラしてしまうことがあるかと思います。
人間の意識や思考は頭の中で自由に動き回ることが出来るのです。

その特徴を上手く利用したテクニックがこのグラウンディングです。「グラウンディング」とは意識をしっかりとグラウンド(地面)につけるということです。

つまり、イライラした時にそのイライラに飲み込まれてしまうのではなく、意識を「今、この場」にくぎ付けにするのです。
机の木目の模様をよく観察してみることでもいいですし、時計の針の音に耳を澄ませて聞くことでもいいですし、とにかくママ自身の意識「今、この場」の何かにくぎ付けになるようにするのです。

そうすることにより、イライラに飲み込まれて感情が高ぶることを防ぐことが出来ます。

3.ナレーション

イライラが強くなってきた時に、自分の今置かれている状況をナレーション(実況中継)するのです。ナレーションするためには、少し自分自身を引いて冷静に見る必要があります。また、ナレーションをするためには、自分の身体がどういう状態にあるのか、周りの状況がどうなっているのか、様々な情報が必要となってきます。

こうして、たくさんの情報に意識を向けることによって、イライラの感情だけに支配されてしまうことはなくなります。自分を客観的に見るためには、感情から少し離れたとこから自分自身を観察する必要があります。

これは、初めはなかなか難しいと感じるかもしれませんが、自分の意識が鳥になって、自分の上から自分自身を見つめているような状況を想像し、鳥の目から自分の状況をナレーションするなど、想像力を持ちながら練習してみるといいですね。

4.スケール(イライラ度)

日々の生活の中で、私たちが何かを判断するときに大切な指標となっているのは「数」です。

朝、天気予報で今日の最高気温や最低気温をチェックして子どもの洋服を選んだり、子どもが少し熱っぽい時には体温計で測って、何度だからもう少し様子を見ておこう、などという受診の判断基準になることもあります。

このように何かを数値化することで、自分の判断基準になることがあります。この数値化をイライラ度としてイライラした時に取り入れるのです。

10点満点で、あらかじめ自分のイライラスケールを作っておきます。10点は、人生で最大のイライラ、0点は穏やかでイライラを全く感じていない状態。そしてイライラを感じた時に自分の今のイライラが何点なのか、点数をつけてみます。

この点数をつけるという作業をすることによって、ママ自身が自分のイライラ度を少し客観的に見ることができ、イライラのレベルに応じてどんな行動が必要かなど具体的な対策についても考えていくことが出来ます。

「あーあ、今日もイライラしちゃった」
とイライラをひとまとめにくくるのではなく、イライラ度が何点だったのか、という詳細をみて記録をすることによって、ママ自身の変化や傾向を知るきっかけにもなります。

手帳の片隅にでも、イライラした時のイライラ度を記録していくのもいいですね。

5.タイムアウト

イライラした時にその場に居続けると、イライラは強くなることが多いです。そんな時に取り入れたいのが、このタイムアウト。どうするかというと、「イライラしたらその場を離れる」ことです。

バレーやバスケット、サッカーなどのスポーツでもこのタイムアウトがありますね。よくない流れを断ち切るために、いったんタイムアウト(休憩)をとって、少し冷静さを取り戻すのです。

イライラ度が高い時には、外の空気を吸ったり、散歩したりという方が効果的ではありますが、子どもを置いて外出することは現実的に出来ないことも多いでしょう。そんな時には「ママ、ちょっとイライラしちゃってるから、お隣のお部屋に行くね。」などと、一言子どもに声をかけて物理的に距離を置くことで、少しイライラを収めることが出来ます。

トイレに行く、などまずはその場から離れる、ということを取り入れてみてくださいね。

6.コーピングマントラ・ポジティブトーク

マントラとは呪文のことです。イライラが強くなってきたときに、自分自身で気持ちを落ち着かせる呪文を決めておき、それを唱えて自分を落ち着かせる方法です。

ポジティブトークとは、自分自身にポジティブな言葉がけをしてあげて、自分を励ますことです。この言葉とは、尊敬する人の言葉や、名言、映画や小説などからの引用など、何かママの心に響く言葉が効果的です。

言葉にはパワーがあります。コーピングマントラによって、自己暗示をかけて気持ちを落ち着かせてあげることも、有効な手段ですね。

7.ストップシンキング(思考停止)

イライラが出てきたときに、その思考の中にいるとイライラは強くなることが多いです。そんな時には、まずそのイライラさせていることに関して考えることを辞めることが大切です。

とはいえ「何かを考えないようにする」というのはとても難しいことです。
「○○のことを考えないようにしているのに、どうしてもそのことが頭を離れないんです。」というご相談をいただくこともよくありますが、これは矛盾することを脳の中でしようとしている、非常に高度な要求なのです。

「お菓子のことを考えると食べたくなっちゃうから、お菓子のことは考えないようにしよう」と思った時、それはものすごく「お菓子」を意識しています。「お菓子のことは考えちゃダメ!」とものすごく「お菓子」を意識しながらそれを考えないようにする…とても高度なことですよね。

ですので、そんな時には何か他のことを考える、イメージすることが効果的です。「〇〇を考えないようにしよう」ではかえって〇〇を意識することになってしまうので、その代わりに何か他の事をイメージするのです。

「真っ白なキャンバス」でもいいですし、「真っ青な空」でも、何か具体的にイメージ出来る一色の物をイメージしましょう。

また、川に流れる葉っぱをイメージして、自分のイライラしたことを1つずつ流してあげる、というイメージを使う人もいます。これは、過去の出来事を過去の事として過ぎ去っていくことが出来ない時にも効果的です。

まとめ

今回は、イライラにコントロールされずに、ママ自身がイライラをコントロール出来るようになるために、生じたイライラへの対処法について、アンガーマネージメントのスキルを7つお伝えしました。

これは、どれが特に良い、という物でもありませんので、その時の状況に合わせて組み合わせながら上手く使っていけるといいですね。

ABOUT US
久保田 由華心の相談室 こころラボ 代表
公認心理師、臨床心理士。
NY州立大学にてメンタルヘルスカウンセリングの修士号修得。NYCのNPOにてアシスタントサイコロジストとして勤務後帰国。
大学、クリニック、心理相談室等で勤務。7000ケース以上のご相談を担当。

心の相談室こころラボを設立し、カウンセリング以外にも子育てママのためのセミナーやスクール、ママのためのオンラインコミュニティを運営。