イヤイヤ期無視しても大丈夫?放置・無視してもよいパターンとは

子供の大切な成長である「イヤイヤ期」。大事なことと分かっていても、毎日「イヤ!」「やりたくない!」と拒否されると、ママにとっても辛いですよね。

時にはイヤイヤ期に子供の呼びかけを無視して、放置したくなることも。この「放置」「無視」は子供にとって悪影響とならないのでしょうか。実際に放置してしまい、罪悪感を覚えているママもいるかもしれません。

今回は

  • イヤイヤ期無視、放置してもよいパターン
  • イヤイヤ期を気楽に乗り切るための方法

を解説します。イヤイヤ期の子供を持つママは、ぜひ参考にしてください。

イヤイヤ期に子供を無視、放置してもいい?

イヤイヤ期だとしても、子供を無視・放置するのは「悪いこと」というイメージが強いですよね。
まずは、イヤイヤ期の無視や放置にはどういった影響があるのかを考えてみましょう。

よいパターン、悪いパターンがある

結論としてイヤイヤ期に子供を無理したり、イヤイヤする姿を放置したりするのは、「いけないこと」ではありません。なぜなら、イヤイヤ期の子供は一体何が「イヤ」なのか自分でも理解できていないケースが多く、一度イヤイヤが始まると何をしても収まらないことはよくあるからです。

そんなイヤイヤの原因をすべて探り、解決していくのは現実的ではありませんよね。時にはママ自身のキャパシティーがいっぱいになり、子供のイヤイヤと向き合うのが難しいシーンもたくさんあります。

ただ、イヤイヤ期の根本にあるのは子供の「私・僕はこうしたい」という自己主張。ずっと無視したり放置したりするのは子供にとって「ママが話を聞いてくれない」というネガティブな体験につながるかもしれません。適度に子供との距離を持ちながら、その場を見守るようにしましょう。

では、どのようなときに子供を放置しても大丈夫なのでしょうか。反対に、悪いパターンについても見ていきましょう。

適度に放置してもOKなとき

何を言ってもイヤイヤが収まらないとき

イヤイヤ期の子供の要求に応えてあげたいけれど、無理なものであったり時間の関係で言う通りにできなかったりすることは多々あります。さらにイヤイヤが加速し、何を言っても子供の気持ちが収まらない事態もイヤイヤ期では起きるでしょう。

どんな手段も通じなければ、時間をかけて気持ちを落ち着かせるしかありません。時間が経てば気分も変わってくるため、親子共にクールダウンしてみましょう。

周りに迷惑をかけない環境であるとき

時には地団駄を踏み、寝そべって全身を使って「イヤイヤ」を表す子もいます。外出先で周りに迷惑がかかる状況や、イヤイヤすることで子供が危険な目に遭うのであればイヤイヤを止めなければなりませんが、家の中など安全な場所であるなら放置をして見守るだけでも大丈夫です。

体を使ってイヤイヤするのは、子供の要求の強さを表すとも言われています。その分「ここでは子供のイヤイヤが発散できているんだ」と思って落ち着くのを待つのも一つの手段です。

ママ自身、余裕がまったくないとき

イヤイヤ期の子供と真剣に向き合うのは、専門家であっても大変です。ママならなおさら朝から晩まで子供と一緒にいるため、時には余裕がなくなって「私が泣きたい!」と思うこともあるでしょう。

私自身、二人の子供のイヤイヤ期では自分がいっぱいいっぱいになってしまい、つい子供に感情的になったり大きな声を上げてしまったりもありました。ただ、イヤイヤ期では子供の主張と大人の「こうして欲しい」という考えが一致することは少ないです。そして、子供がどんなに「イヤイヤ」しても一つもおかしいことではありません。

ひどく叱りそうになったり、怒りで何も考えられなくなったりしたら、その場を放置して子供と距離を取りましょう。あとで思い返したときに「あんなに叱らなくてもよかったのに」とママ自身が後悔することが少なくなります。

いずれの場合でも言えますが、放置・無視するといっても子供の安全と周囲に迷惑をかけていないかを確認し、そばで見守ることが大切です。

無視、放置がNGなとき

子供が暴れていて周囲に迷惑をかけてしまうとき

お買い物中や公園など、周囲にたくさん人がいる環境でイヤイヤするのは周りの人に迷惑となる可能性が高いです。

「叱ってもどうせ聞き入れてくれないから」といって放置するのはよくありません。一度ママと二人きりになれる場所や迷惑のかからないところに移動して、子供と向き合うのがおすすめです。

「ママ!」と呼んでいるとき

子供が「ママに話を聞いて欲しい」と思いイヤイヤしているときは、無視や放置をするとかえってイヤイヤがひどくなることもあります。

もちろんママ自身も家事をしている途中だったり、どうしても聞き入れてあげられなかったりすることもありますよね。その時も「何?」と返事だけはしておき、「○○が終わったらちゃんとお話を聞くからね」と伝えてみてはいかがでしょうか。

イヤイヤで子供が危険な目に遭う可能性が高いとき

屋外でイヤイヤが始まったときはもちろん、室内でもキッチンや風呂場など危険な目に遭う可能性が高い状況では無視・放置してはいけません。

とはいえ、この記事を読むママは「無視や放置は悪いことなのかな」と心配になっている方がほとんどですよね。そのように子供のことを第一に考えているのなら、放置や無視は構いません。

繰り返しになりますが、放置したり無視したりするときは「子供のそばで」「周りが安全かを確認する」のが前提です。

放置、無視する前に「イヤイヤ」をおさめる方法とは

イヤイヤ期放置や無視はOK。しかし、「大切な成長時期なのに子供を無視してしまった」とママが罪悪感を覚えることもあるでしょう。

そこで、イヤイヤを乗り切る方法の中でも気楽にできるものを集めました。イヤイヤ期で悩んでいる方は、「これならできそう」と思うものだけ取り入れてみてくださいね。

イヤイヤする子供を否定しない!一度受け止める

イヤイヤが始まったら、「そうだね、イヤだよね」と一度子供の「嫌がる気持ち」を肯定してあげましょう。共感することで、子供はママに分かってもらえたと感じ気持ちが落ち着くこともあります。

また「ママもイヤだもん」「ママもそれ嫌いだよ」と同じ気持ちであることを伝えるのもおすすめです。予想外の答えが返ってくると、子供がママに注目してくれるからです。話を聞き入れてくれやすくなるかもしれません。

「帰ろう」→「おうちに行こう」など声掛けを工夫する

私の子供に効果があったのは、声掛けをポジティブなものに工夫するものです。例えば公園から自宅へ戻るとき、「はい、おしまい。帰ろう」というよりも「次はおうちで遊ぼうか。あっちの方に行こうよ」と前向きに言い換えるとあっさりと遊びを切り上げることができました。

「○○したらダメ」よりも「○○じゃなくて○○をしようよ」の方が、聞いていてワクワクしますよね。イヤイヤ期の子には“ダメ”という言葉を使わない形で声掛けを変えるとよいでしょう。

イヤイヤ!が続いたら気持ちを切り替えさせる

どうしてもイヤイヤが続いて、ママもぐったり。放置や無視をする前に子供の気持ちを切り替えさせるのがポイントです。好きなおもちゃやおやつで気持ちを変えるのはもちろん、外遊びや散歩をしても気分が変わるでしょう。

環境が変わるとイヤイヤもなくなるため、ごはん中にイヤイヤして食べてくれなかった我が子は「ベランダでピクニック」で乗り切りました。屋外に出るよりも準備が簡単で、雨の日もベランダなら濡れずに外気分が楽しめるためおすすめです。

ひどいときは写真撮影をしてみる

イヤイヤ期の子供は、予想外な行動を取るもの。床を転がって「イヤ」を表現していたり、大泣きしてしまったりと手に付かないときは写真撮影をしてみましょう。

写真に撮るのは二つのメリットがあります。ひとつは、ママがこの先育児の悩みにぶつかったら、見返すことで「イヤイヤ期を乗り切ったのだから大丈夫」と自信につながること。もうひとつは、写真を撮ることでイヤイヤしていた子供が「何を撮ったの?見せて」と気持ちを切り替えてくれることです。
スマートフォンの写真で十分なので、ぜひ試してみてくださいね。

まとめ

イヤイヤ期放置や無視は「いけないこと」ではありません。ママがイヤイヤ期の対応で大変なとき、子供を強く叱ってしまうよりはほどよく放置や無視をして、一度気分を落ち着けるのも大切です。
大事なのは放置や無視をする前に、ママがやりやすい形でイヤイヤ期の子供に付き合える方法を探すこと。

イヤイヤ期はずっと続くものではなく、今だけの反抗期。我が子の個性に合わせたやり方でイヤイヤ期を乗り切っていきましょう。

【参考】

大阪いずみ市民生活協同組合 みんなのイヤイヤ対処法

イヤイヤ期についてはこちらの記事でもご紹介しています。ぜひご覧ください。

イヤイヤ期はいつからいつまで?【公認心理師】ママがお伝えするイヤイヤ期の期間とママの関わり方

ABOUT US
【監修】 公認心理師YUKA久保田 由華
公認心理師、臨床心理士。
NY州立大学にてメンタルヘルスカウンセリングの修士号修得。NYCのNPOにてアシスタントサイコロジストとして勤務後帰国。
大学、クリニック、心理相談室等で勤務。7000ケース以上のご相談を担当。

心の相談室こころラボを設立し、カウンセリング以外にも子育てママのためのセミナーやスクール、ママのためのオンラインコミュニティを運営。