子供にイライラ!子育てママのイライラの原因と対処法を公認心理師がお伝え

子育てをしていてイライラを感じたことのママはいないくらい、ママにとってイライラは身近な存在。子どもはイライラしているママよりもニコニコのママが大好き。 イライラは多くのママにとってどうにかしたい課題でもあります。子どもと笑顔で笑って毎日を過ごしたいのに、気づけば子どもに怒鳴ってしまっている自分がいる!そんな自分に自己嫌悪。このように、イライラが強くなったり、続いてしまうと、ママ自身の自己肯定感にも影響が出てきてしまいます。

こちらの記事ではそんなママのためにイライラの原因と対処法についてお伝えします。

イライラする時

イライラ

4歳と2歳の娘達を育てる著者も、子どもにイライラする時はあります。

仕事から急いで帰って、 保育園と幼稚園にそれぞれを迎えに行き、 娘達と1時間犬の散歩をして、 夕飯の準備をして、 食べさせて、 歯磨きをして、 お風呂に入れて、 絵本を読んで寝かせる。

3時間ちょっとの間にこなさなければならないタスクはたくさん。

毎日同じことの繰り返しなので、 子ども達もその生活リズムに慣れてはいるものの、

  • お迎えに行ってもなかなか帰りたがらない。
  • 犬の散歩の途中で娘達が遊びだして進めない。
  • 散歩の途中で次女の「抱っこして」攻撃が始まる。
  • 夕飯の支度が出来ているのに娘たちが片付けを始めない。
  • おしゃべりばかりでなかなか食が進まない。
  • 夕飯の後に遊びだしてお風呂へ行かない。
  • お風呂から出た後、次女がなかなかパジャマを着ない。
  • 寝る時間の約束をしていても、消灯しない。

ということも日によってはあります。

大抵の日は、これまで皆さんにシェアをしてきた心理学や教育学を活用した方法で対応していますが、後から思えば「大した事でない」ことでもイライラを自分の中に感じることはあります。

あなたはどんな時に子どもにイライラしていますか?

  • ご飯を食べてくれない
  • 寝てくれない
  • 子どもが言うことをきかない
  • 兄弟げんか
  • なかなか泣き止まない
  • 何度も同じ注意を繰り返す

などが多くのママのお悩みで聞く背景です。

これらをさらに深く考えると、それはママの予定や期待通りに物事が運ばない時。

「状況をコントロール出来ない時」ということになります。

子供の泣き声にイライラしてしまうママは、ぜひこちらのコラムもお読みくださいね。

子供の泣き声にイライラするママ。どうしてイライラするの?その理由を心理学的に解説

イライラの原因

イライラするのはママの予定や期待通りに物事が運ばない時。

状況をコントロール出来ない時。 ということをお伝えしましたが、それはどういうことなのでしょうか。

ママは無意識の中に育児や子育てに関する 「こうあるべき」「こうすべき」という考えや信念があります。

例えば、 「赤ちゃんはおっぱいやミルクをたくさん飲んで大きくなるべき」 という考えがあるママにとって 赤ちゃんがミルクをあまり飲んでくれない。 もしくは飲んでも、たくさん吐いてしまう。 という状況は、不安になることです。

そして、大きくなるために、ミルクを飲ませる努力をします。

頻回に授乳することであったり、 おっぱいとミルクを交互にしてみたり、 ミルクのメーカーを変えてみたり、 哺乳瓶の乳首を変えてみたり。

それでも飲みが悪く、試行錯誤や努力が実らず、思うように行かない育児。

お腹がすいて頻繁に泣く赤ちゃんを目の前に 「泣きたいのはママの方よ!」とイライラしたり、悲しくなったりします。

「こうあるべき」という育児が出来ていない現状 ママの期待(おっぱいやミルクをたくさん飲んで、すくすく育つ)通りに授乳が進まないことにママはイライラしてしまっているのです。

「寝てくれない子ども」にイライラするのも同じです。 「子どもは20時までには寝るべき」という考えがあると、19:30にはお布団に入っていて欲しい(ママの期待)のに、遊んでいていつまでも布団に入らない。

それに対して初めは優しく声掛けやリマインドをして、それでもママの期待通りにならないと、イライラ。

ママのイライラには、このようにママの育児に関する信念や考え、そして時にはママ自身の欲求、願望が隠されています。

「子どもは早寝早起きをすべき」という考えはいつもあったとします。 そしてさらに

  • 子どもが寝た後に家事を済ませてしまいたい。
  • お気に入りのドラマを観たい。
  • こっそりご褒美スウィーツを食べたい。
  • 読みかけの読書の続きをしたい。

などと、何かやりたいことがあった時にさっさと寝てくれないと 「早く寝て!」とイライラしてしまうこともあります。

人は、

  • 予定が狂う
  • 期待通りに進まない
  • 欲求や願望が叶わない

といった、状況コントロールが出来ないことに対してイライラを感じます。

子育てにおいてコントロール出来ないことはいっぱい。むしろコントロール出来ないことだらけです。このことがわかると、子育てママがイライラしてしまうことも納得出来ますね。

ママが疲れている時。

精神的に、身体的にママの疲れがたまっている時は、ママの気持ちのゆとりがなくなり、イライラしやすくなります。これは、本能的な「休みたい」という心や身体からのサインです。後から思うと「大した事なかった」と思えることでイライラしている時は、心や身体からのメッセージです。

最近頑張りすぎていませんか? 意識的に自分をいたわることを大切にしてあげてくださいね。

ホルモンバランスの変化

妊娠や出産、そして毎月訪れる月経のサイクル。 この女性ホルモンの変動によって、イライラしやすい時期があるママもいます。

生理前にイライラしやすくなるというママは、カレンダーやアプリでその時期を意識して、イライラしやすい時にはそのことを自覚しているだけで時間の過ごし方や子どもへの接し方を工夫出来ることもあります。

気分の変動があまりに激しい場合には、婦人科などの専門医にきちんとご相談してくださいね。

イライラの対処法

イライラする原因がコントロール出来ないことにあることはわかったけれど、 じゃあ、どうしたらいいの?

こちらでは、ママがイライラを感じていると察知したときに取り入れていただきたい9つの対処法をお伝えします。

1.まずは深呼吸

深呼吸をすることは、心拍低下につながります。イライラしている時は感情が高ぶっている時。 深呼吸は身体的にリラックスさせる効果があり、それがイライラを少し下げてくれることにもなります。

深呼吸をしても、イライラが収まらない時は、可能であればその場を離れる・子どもと少し距離を置くなど、5分でもいいので物理的に離れることをしてみましょう。

2.「頑張ってるね」自分を褒める

ママは毎日とっても頑張っているのです。 でも、その頑張りを褒めてくれる人はなかなかいないもの。

パパや子どもに「いつもありがとう」と頑張りを認める言葉や感謝の言葉をもらえることが理想ですが、他人の言動はコントロール出来ません。(またコントロール!笑)

まずは自分で出来ることを。自分で自分を褒めることをしてあげましょう。気持ちがポジティブになりますよ。

3.パパやママ友、大人と話をする

赤ちゃんや子どもとばかり時間を過ごしていると、相手中心の時間ばかりで、ママの「私を見て!私の話を聞いて!」という欲求が満たされずに、イライラしやすくなっていることがあります。

そんな時は、大人と話をすること。 ママ友と一緒に公園で子どもを遊ばせながら話をしたり、パパにたまには早く帰って来てもらって話をしたり、ママ自身のことを聴いてもらえる時間を確保しましょう。

ママ自身が満たされていることで、イライラしにくくなります。

4.美味しいスイーツやご飯でご褒美をあげる

イライラ、ストレス解消には美味しいもの!

美味しいものを食べると、心が満たされますよね。 人間には様々な欲求がありますが、それをいつも全て満たしてあげることは難しいこと。

比較的簡単に、わかりやすく満たしてあげる方法がこれです。 満たされていると、気持ちにゆとりが出てきますね。

5.映画やドラマで現実逃避

すぐに解決しない問題や課題がある場合など、そのことからすぐに開放されることは難しいかもしれません。長期間、同じ課題にさらされていると、疲れがたまり、イライラしやすくなります。

映画やドラマを観て、別世界を疑似体験したり、思いっきり泣く、笑う、などをすることで、感情発散させてあげることが出来ます。

6.子どもの赤ちゃんの時の写真を見る

可愛い我が子。 でもイライラする時はあります。

そんな日は、子どもと一緒に、もしくは子どもが寝てから、子どもが一番可愛い写真を見てみましょう。心がほんわか。イライラしていたことなんて忘れてしまいます。出産のことを思い出すために、日記を読み返したり、産まれたての新生児の頃のムービーを観るのもいいですね。 子どもへの愛情を再確認。明日からの気持ちが和らぎます。

7.一人ゆったりお風呂でリラックス

たまにはパパに子どものお風呂を任せたり、子どもが寝た後に、もう一度ゆったりお風呂に入り、 のんびり身体を労ってあげましょう。 子どもと一緒だと慌ただしくて、なかなかのんびり入れません。筋肉の緊張をほぐしてあげて、自分でマッサージ。心も身体もほぐれることで、イライラも治ります。

8.アロマや音楽でリラックス

イライラしている時は頭に血が上ってカッカしたり、イライラすることばかり考えてしまいがちです。そんな時は、意識的に五感に働きかけるリラックスを取り入れることで、意識をイライラから外に向けてあげることが出来ます。

  • いい香りのアロマを嗅ぐ。
  • 気持ちのゆったりする音楽を聴く。
  • 冷たい空気に触れて頭を冷やす。

そんなことを取り入れることで、少し冷静さを取り戻しやすくなります。

9.スポーツやショッピングでストレス発散

イライラは発散させることが大切です。 いつでもお手軽に出来る方法ではありませんが、イライラを感じやすい時期やストレスが溜まってきていると感じた時には、家族に協力をしてもらいママの好きなことをする!

スポーツ、ショッピング、なんでもかまいません。

日中にその時間がとれなければ、夜にでも、一人になる時間を大切にしましょう。 ママである前に一人の人間ですからね!

まとめ

いつもニコニコ、子どもにとって素敵なママでいたい!と思っているのに、 気づいたらイライラして子どもに強い口調で話してしまったり、態度が機嫌悪くなっていたり。そして子どもが寝た後に寝顔に向かって「ごめんね」と自己嫌悪。こんなママはとってもたくさんいます。あなた一人ではありません。

毎日少しずつでいいのでなりたい自分に近づけるように上記の方法を取り入れてみてくださいね。

ABOUT US
久保田 由華心の相談室 こころラボ 代表
公認心理師、臨床心理士。
NY州立大学にてメンタルヘルスカウンセリングの修士号修得。NYCのNPOにてアシスタントサイコロジストとして勤務後帰国。
大学、クリニック、心理相談室等で勤務。7000ケース以上のご相談を担当。

心の相談室こころラボを設立し、カウンセリング以外にも子育てママのためのセミナーやスクール、ママのためのオンラインコミュニティを運営。