一般的にイヤイヤ期と呼ばれる、2歳前後の子どもの多くに訪れる、何かにつけて「イヤ」「イヤ!」「イヤー!」とイヤを連呼する期間。これは脳が発達段階にあるために訪れる成長の証でもあるということをお伝えしました。
こちらの記事を読んで、多くの現役ママ、保育や心理の専門家から素敵なアイディアのシェアがありましたので、私の解説とともにご紹介させていただきます。
「イヤイヤ期」ではなく、「自己主張期」
通称「イヤイヤ期」と言われているこの期間。「イヤイヤ期」というネーミングが嫌だな、と思っていることろ、あるママから「自己主張期と我が家では呼んでいます。」というメッセージをいただきました。
「脳(前頭葉・前頭前野)成長期」でもいいですが、「自己主張期」という方がわかりすくていいな、と思いました。
心理学には「ラベリング」という言葉がありますが、人間は様々なことを扱う上で、それぞれの名前をつけます。その時に、名前の付け方によって、その中身も名前に影響を受けることもあります。
同じ期間のことをさせていても、
「うちの子、イヤイヤ期真っ最中で…」
「うちの子、自己主張期真っ最中で…」
どうでしょう?受ける印象は違いませんか。
この違いから、ママ自身も捉え方が少し変わるかもしれませんし、言われている子ども自身も(子どもは、聞いていないようでママの話をとってもよく聞いています。子どもが近くにいる時に、他のママ友や親せきに話していることを、「あ、僕のことだ!」と聞いているのです。)きっと違ってくるでしょう。
自己主張期、ぜひ広めたい言葉ですね!
それでは、さっそくママやプロの工夫をご紹介していきます。
現役ママ、保育・心理の専門家からの「イヤイヤ期」攻略アイディア
1.子どもに選択肢を与える
ママからの提案がなんでもイヤに感じるこの時期。
「お散歩行く?」という質問だと「いや!」の返事が想像出来てしまいます。
「お散歩か、お家遊び、どっちがいい?」といったように、選択肢を与えることによって、子どもが「自分で選ぶ」という子ども主導の形にしてあげることが出来ます。
お着替えも、「お着替えしてね。」だと「イヤ!」となりそうですが、これとこれとこれ、どのお洋服がいい?と洋服選びからさせてあげることで、「これを着たい」というこどものモチベーションを上げてあげることが出来ますね。
2.お兄ちゃん、お姉ちゃんにお手本を見せてもらう
ママが「○○しよう」と提案すると、「イヤ」とお返事がくるこの時期。子ども自身が自分でやろう、と思える環境をいかに作ってあげるということが大切になります。
子どもは少し年上のお兄さんお姉さんが大好き。憧れの気持ちをよく持つものです。兄弟のいるご家庭では、まず上の子にお手本を見せてもらうと、下の子も「自分もやろう・やりたい」と思うこともよくあります。
我が家では、上の子がしていることを、あえて褒めることによって、下の子のやる気スイッチを入れることがよくあります。
「○○のお洋服選んだのね。可愛く似合ってるわ。」と上の子が着替えている最中に下の子の前で声をかけることで、下の子も自分で洋服を選んでこよう、自分で着替えよう、と行動を始めることもよくあります。
上の子がいるようでしたら、お手本を見せてもらうというのも、有効な手のひとつですね。
3.兄弟と、もしくはママと競争する
子どもは競争やゲームが大好き。その気持ちをうまく取り入れて、「誰がトイレに一番に行く?」「お着替え競争、よーいドン!」などと、競争にしてしまうと、負けるものかと頑張って自分から行動を起こす子どももいます。
繰り返しになりますが、子どもが自分からやりたい、と思ったことを、自ら進んでやる状況を作ってあげる、これがポイントとなります。毎日同じ手はおそらく使えませんが、様々な方法を組み合わせることで、楽しみながら毎日が送れますね。
気を付けたいのは、急ぐがあまりに怪我をしないようにすることと、子どもが勝ちにこだわり過ぎる時にはその競争のさせ方(得に相手がママだけではない場合)などの点があります。
4.タイマーを利用する
時間を伝える際に、多くのママやプロが活用しているのが「タイマー」。タイマーには色々な物がありますが、出来れば目で時間が減っていることがわかる物がいいです。
タイマーが鳴って、約束の時間だ!とわかり、行動出来ることも大切ですが、子どもは子どもなりに遊びの中でやり遂げたいことがあります。ママの言葉であろうが、タイマーであろうが、突然おしまい!と告げられると、心の準備が出来ていなかったり、やりたい遊びを途中で中断しなければいけない葛藤が生じます。
そうならないために、「あと5分ね」などと約束をしたら、その5分が減っていることがわかるタイマーや砂時計を使うと、途中で子どもがタイマーを確認した時に、どれくらい減って、あとどれくらい残っているかわかるので、時間内で終わらせることも練習していくことが出来ます。
5.目を見てじっくり諭す、丁寧に話す
子どもだから、と無意識のうちにママが指示的になっていたり、きちんと向き合うことをおろそかになってしまっていることもあります。(特に忙しい時間帯ほど。)
きちんと一人の人間として尊重し、目を見てじっくり諭すこと、丁寧に話すことにより、子どもが自分を丁寧に扱ってもらえた、という経験に繋がり、そのことにより子どももママの声に耳を傾けるようになることもあるでしょう。
大人同士のやりとりの中で、相手を尊重しながらこちらの提案を聞いてもらいたい時にする態度で子どもにも関わる、ということも大切ですね。
6.パペットや人形を使う
お気に入りの人形やパペットを上手く活用することで、『子ども―ママ』の二者間の関係(やりとり)から、『子どもーパペットーママ』の3者間の関係(やりとり)にしてあげることが出来ます。
2者間のやりとりですと、感情もお互い相手に向くので、コミュニケーションが難しくなることもありますが、3者間のやりとりにすることによって、ワンクッション置くことが出来、お互い比較的冷静にコミュニケーションを取りやすくなります。
パペットが子どもに相談をする
ママがパペットを使って「こんな子がいるんだけど、どうしたらいいかな?」「どうしてそうしちゃうのかな?」といった質問を子どもにすることで、子どもがどうしたら一番いいと思っているのかということを確認することが出来、また子どもの気持ちを聞き出すこともできます。
子どもが理想的な答えを導き出せない時は、ママも一緒に考えながら、子どもがその答えにたどり着けるようにガイドしてあげることも必要かもしれません。
子どもがどう思っているのか、それを知ることによって、子ども自身がそのような行動をした時のママの声かけがしやすくなりますね。
パペットに悪役になってもらう
パペットが「悪い子」になって、(例えばオモチャを乱暴に扱う、お友だちにオモチャを貸さない、など)子どもが最近やる困った行動をして、子どもにパペットを諭すように仕向けます。
子どもは常に成長したいと願っています。ママの真似や、少し年上の子どもの真似っこが大好き。ママが自分を諭すように、子どもがパペットを諭す体験をすることで、子ども自身が自分もママのように素敵な大人に近づけたという自信にもつながります。
保育園では、先生がミニ劇をしたり、パペットを活用したりして、子どもに考えさせることもよく取り入れていますね。
まとめ
イヤイヤ期の対応に困っているママもたくさんいますが、こうして色々な方のアイディアを聞くと、選択肢も広がりますね。
もちろん、お子さんのタイプによって使えること・使えないことがあるかとは思いますが、色々な要素を「我が子流」に上手く応用させることが大切ですね。
我が家ではこんな手がよかった!というものがある方、ぜひお知らせくださいね。
イヤイヤ期の特徴について、詳しく知りたい方はコチラの記事もご覧ください。