朝、保育園に行きたくないと泣く3歳、原因と対処法は?

3歳児になった途端、朝保育園に行くたくないと泣く子供は少なくありません。これまで笑顔で登園していたのに、急に子供の登園拒否が始まると、パパやママはびっくりしてしまいますよね。

3歳からの登園拒否で、保育園をお休みさせるのはOKでしょうか、それともNGでしょうか。3歳になって始まる登園拒否の原因や、その対処法をご紹介します。

3歳になった途端、朝、保育園に行きたくないと泣くことがある?

3歳 子 部屋
これまで朝元気に保育園に登園できていたのに、3歳になって急に泣くようになるケースは、特に珍しいことではありません。しかし、いままでとは異なる子供の朝の様子に、パパママは動揺してしまいますよね。

ある日、突然子供が保育園に行きたくないと泣いたときには、まずは体調不良を考え、検温や普段と変わった様子がないかチェックしてみてください。問題がなければ、それ以外に原因が隠れているため、子供の話を聞いて、登園渋りや登園拒否の原因を探ってみましょう。

成長が保育園に行くたくないと泣く原因にも

3歳の時期は成長が著しく、その成長が保育園に朝、行きたくないと泣く原因になることもあります。3歳ごろになると、友達に興味を持ちはじめ、一緒に遊べるようになる子どもが増えます。

2歳児は一人遊びが多く、保育園にいても友達と関わり合うことなく、それぞれが自分の好きな遊びを楽しむのが一般的。しかし、3歳になると友達と一緒に遊ぶようになり、友達との遊び方に悩み、保育園に行きたくないと泣く原因になることもあります。

マナーを意識できるようになるのも3歳ごろからです。順番を待ったり、物を譲り合ったりすることを覚える時期ですが、それによって我慢も増えるため、保育園生活にストレスを感じることも。3歳になって保育園に朝、行きたくないと泣くのは、成長の現れだと思って見守ってあげてくださいね。

3歳の子供が登園しぶりをする原因とは?

保育園に行くのを泣いて嫌がる3歳の子

3歳の子供が登園しぶりや登園拒否をするのには、いくつかの原因があります。よくある原因をチェックして、当てはまりそうなものがないかチェックしてみてください。

保育園生活で苦手なことがある

3歳の子供が朝保育園に行きたくないと急に言い出した場合は、保育園生活のなかで、苦手なことがあるのかもしれません。たとえば、好き嫌いが多い子供なら給食の時間、寝つきの悪い子供ならお昼寝の時間が苦手というのも珍しくありません。ほかのお友達ができているのに、自分だけできない焦りや劣等感などがあると、特に保育園に行きたくない気持ちが強くなってしまいます。

子供が保育園で泣く原因が、園生活での苦手からくる場合は、園生活でできていることに焦点をあてて褒めて自信を持たせてあげるのがポイントです。

友達関係で悩みがある

3歳になると横のつながりができはじめ、友達関係に悩みがあると、朝、保育園に行きたくないと泣くことがあります。友達が上手に作れない、友達とすぐケンカしてしまう、意地悪をする友達がいるなど、つながりや距離感に悩む問題もあれば、友達が得意なことなのに自分はできないというように、友達と比較して悩むようにもなります。

友達ができない、意地悪する友達がいるなどの問題で、パパママだけで解決できないことは、積極的に保育園を頼って相談してみることをおすすめします。

進級による環境変化に不安を感じる

環境の変化が苦手な子供は少なくありません。進級によりお部屋の様子が変わったり、クラスのお友達が変わるなど、さまざまな環境の変化に心がついていかなくて、登園拒否になってしまうことも。

進級による環境の変化で泣いている場合は、慣れによって泣かなくなります。これまでに保育園に通った経験があるため、数日もすればケロリとして元気に通ってくれるケースが少なくありません。

弟や妹の誕生による赤ちゃん返り

弟や妹の誕生をきっかけに、赤ちゃん返りすることがあります。これまで楽しかった保育園生活でしたが、弟や妹がママとずっと家にいられるのに、自分だけが登園するということに、寂しさを感じてしまいがちです。

弟や妹に手がかかってしまう時期ですが、3歳の子供とママだけの時間を取るようにしたり、弟や妹の面倒を家族に頼み、登園時はママとふたりきりになれる時間にしたりして、思い切り甘えられる環境を作ってあげてみてください

朝、保育園に行くたくないと泣く3歳への対処法は?

保育園に行く3歳の子ども達

朝、忙しい時間に保育園に行きたくないと子供がなくと、大人のほうが焦ってしまいますよね。朝保育園に行きたくないと泣く3歳には、どのように対処すれば良いのでしょうか。対処法のヒントをご紹介します。

共感し苦手克服法を一緒に考える

子供に泣く理由を尋ねると、大人は「なんだそんなことか」と考えてしまいがちです。しかし、これは大人が過去の経験と自信によって思えるだけのこと。家庭と保育園の生活が人生のすべてである3歳児にとって、保育園での苦手は人生の大きな試練です。子供が、何を苦手とし困難を感じているのか、しっかりと耳を傾け、共感してあげましょう。

子供の辛い気持ちを受け止めた上で、どのようにすれば解決できるのかを一緒に考えることが大切です。パパやママが一緒に考えてくれたという事実は、子供にとってとても大きなパワーになります。気持ちに寄り添ってもらえることで、子供は大きな安心を感じられます。

パパママは笑顔で見送る

子供が保育園に行くときには、しっかりと笑顔で見送る&別れることが大切です。子供はパパやママの心のうちをとても敏感に察知します。パパやママが不安そうにしていると、子供がますます不安になってしまい、登園が嫌になってしまいます。笑顔で見送り、安心感を与えることで、子供も勇気が出せるようになりますよ。

不安だからといつまでも離れずにいると、子供はさらに離れ難くなってしまいます。保育士さんに子供を預けたら、笑顔でさよならをして素早くその場を離れるのがおすすめです。

頑張れたことを褒める

自己肯定感という単語を、耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。自分のことを大切に思い好きになれる心が自己肯定感ですが、自己肯定感が高いと自信をもって困難に立ち向かって行けます。

登園が苦手で泣く子供は、できたことを褒めて、しっかりと自信を付けてあげることで、登園拒否を乗り越えられるようになりますよ。

自分の苦手なことに目が向いてしまうと、自己肯定感はおのずと低くなってしまいます。できたことが確認できると自信が付き、自己肯定感が高まります。

子供ができたを感じられるように、「今日は給食を昨日より食べられたんだね」や「○○ちゃんと仲良く遊べていて、お姉さんになったなぁと思ったよ」など、声かけをしてあげるのがポイント。

小さなことでも繰り返し褒めてあげることで、困難に立ち向かえる強い心が育ちます。

登園拒否を休ませるのはOK?それともNG?

3歳の子供が登園拒否をしたときに、保育園をお休みさせることに悩むママパパは珍しくありません。多くの場合、休ませることが過剰な甘えになってしまうのではないか、繰り返してしまい保育園に行けなくなってしまうのではないかという心配です。

子供の心が小さくなってしまっているのに、登園を強制すると、子供が大きなストレスを抱えてしまうことがあります。登園拒否を乗り切るには、毎日通って慣れることが一番の近道ではありますが、絶対休ませてはいけないというものではありません。子供の様子を見ながら、ときには心が安らぐようなお休みの日を設けてあげるのも良いでしょう。

子供を休ませることに不安に思うママパパも多いですが、子供にとって、「休みたい」という主張を受け入れてもらえる経験は、「気持ちを受け止めてもらえた」という大切な体験にもなります。子供がどんな気持ちでいるのか、子供の心の声に耳を傾けて、必要な時にはその要求をしっかり受け止めてあげることは、子供の心を育てることでもあります。

このようにしっかりママパパに受け止めてもらえた子供は、ママパパと一緒に困難に立ち向かう力をつけていくことが出来るようになります。

あまりに心配なときは、保育園の先生や同じ環境のパパママと話し、周囲にサポートをお願いするのもひとつの手です。

まとめ

3歳になって急に、朝子供が登園拒否で泣き出してしまうと、パパやママはびっくりしてしまいますよね。しかし、それは特別珍しいことではありません。子供が登園拒否をすることは、何か原因があるはずです。その心に寄り添い、解決法を見出してあげることで、まだ元気に保育園に通えるようになりますよ。焦らず時間をかけて、成長を見守ってあげてくださいね。

【参考・参照サイト】
AllAbout「3歳児の成長ポイント!言葉や身体の発達段階」
東京ガスウチトコ「【教育研究家に聞く】子どもが幼稚園・保育園を嫌がる・・・登園拒否への対応は?」
ベネッセ教育情報サイト「登園拒否はなぜ起こるの?原因と改善について考える」
保育のひきだし「登園拒否の原因と対処法。保育園・幼稚園に行きたくない子どもにどう対応するのが良いのか」
ナチュラルクリニック代々木「自己肯定感」
メンタルクリニック桜坂「自己肯定感」

ABOUT US
【監修】 公認心理師YUKA久保田 由華
公認心理師、臨床心理士。
NY州立大学にてメンタルヘルスカウンセリングの修士号修得。NYCのNPOにてアシスタントサイコロジストとして勤務後帰国。
大学、クリニック、心理相談室等で勤務。7000ケース以上のご相談を担当。

心の相談室こころラボを設立し、カウンセリング以外にも子育てママのためのセミナーやスクール、ママのためのオンラインコミュニティを運営。