【母親失格?】新生児育児がうまくいかない、赤ちゃんがかわいくない…

母親失格 新生児

生まれたばかりの赤ちゃんは、かけがえのない大切な存在。かわいい我が子とやっと会えたのに、「新生児育児がうまくいかない」「赤ちゃんがかわいくない」そう思って、母親失格とまで落ち込むママもいます。

なぜこのときママの気持ちはひどく落ち込むのでしょうか。実は、産後にはママの体と心は産前から急激に変化が起きており、いつも以上に気分が落ち込んだりイライラしたりするのです。

今回は母親失格かも…と落ち込む新生児ママへ、産後のママの体に訪れる心の変化や気持ちを持ち直す方法をご紹介します。いつまで育児が大変なのか、ママのリアルな体験談からも教えてもらいましょう。

新生児育児、母親失格なの?と落ち込むママ

母親失格 新生児

赤ちゃんが生まれて、新生児と暮らす生活がスタート。けれども生んだ子供なのに、「赤ちゃんをかわいく思えない」「毎日イライラしてしまう…」「母親失格かも」と落ち込むママも少なくありません。

これは「よくあること」ではありますが、決してママ自身が悪いわけではないのです。この新生児育児でママがどうして落ち込むのか、まずは原因からチェックしていきましょう。

育児に慣れていない、分からないことが多すぎる

新生児育児は例え二人目の子供だとしても、何度経験しても大変なものです。産後で疲労が回復しないまま始まる新生児育児は、分からないことだらけで頭は混乱しっぱなしというママも多いでしょう。

赤ちゃんというとすやすや寝ているイメージだけれど、実は赤ちゃんのお世話は昼夜を問わず、ママ自身は自分の時間が一切なくなります。体調とメンタルはとても強い結びつきがあり、こうした慣れない育児で体が疲れたことによって赤ちゃんをかわいく思えないことも決して珍しくありません。

ママ自身の休憩が少しも取れていない

母親失格かも…と落ち込むのは、ママの体力が限界を迎えている証拠でもあります。新生児育児で十分な睡眠がとれないと、精神的にも辛くなるのは当たり前です。特に新生児はおむつ替えや授乳などやることがたくさんで、1日のうち数分しか自分の時間がないことも。生まれたばかりの赤ちゃんと過ごす緊張感から、目が冴えて眠れなくなる方もいるほどです。

このように休憩が少しも取れていないと、気持ちに余裕がなくなります。子供はかわいい存在であるはずなのに、毎日イライラしてしまうし母親失格と思ってしまうのです。

産後、ホルモンの乱れで精神が不安定になりやすい

産後は心だけでなく体も急激な変化を迎えます。特に分娩後にはホルモン濃度が急激に低下し、気分の変調が激しくなったり精神的に不安定な状態が続いたりします。

産前にメンタルを壊しうつ病にかかっていると、その病状が産後に悪化することも。これまでこんな経験はなかったのに「何をしても楽しくない。悲しくて勝手に涙が出てくる」といった産後うつにもなりやすい時期なのです。

このため、産後にはママは特に自分に気をかけなくてはなりませんし、無理は禁物。「ママなんだから泣き言を言っていられない!」のではなく、泣き言を言いたくなった自分に適切なケアをしなくてはならないのです。

新生児育児うまくいかない…を緩和するには?

母親失格 新生児

新生児のころは特にママも体力が消耗し、精神的に不安定なとき。ですが、悩んでいる間はとても苦しくどうにか状況を打開したいですよね。

次は、新生児育児うまくいかない…と落ち込む気持ちを緩和する方法をご紹介します。ママのメンタル面をできる限り回復させ、もっと過ごしやすくなるよう気持ちを変えてみましょう。

みんなできなくて当たり前。「自分だけ母親失格」と思わないで

子供を産んだ瞬間から「ママ」になるものの、最初から完璧なママは一人もいません。失敗することも落ち込むことも、育児が嫌になってしまう方だって多いです。何人子供がいても新生児育児は慣れるわけではなく、みんなできなくて当たり前です。

「母親失格かも」と悩むママもいるかもしれませんが、自分だけではありません。新生児は泣いて訴えることしかできないので、「赤ちゃんが何を求めているんだろう?」「どうしたら泣き止むんだろう?」というのは誰にも分からないのです。また、赤ちゃんの泣き声がママを責めているようにも感じてしまいますが、そうではありません。今、ママの気持ちに余裕がないだけです。

まずは自分を責めることをやめて、赤ちゃんと少しずつ成長していきましょう。失格になる母親なんて一人もおらず、赤ちゃんにとってかけがえのないママです。

誰かと比べない、自分に心地よいアドバイスだけ受け入れる

「でも、ママ友はうまく育児できているみたいだし…」と思って落ち込むこともあるでしょう。月齢の近い子供のママが近くにいれば、比較して不安になることも多いですよね。

気持ちが落ち込んでいるときは、絶対に誰かと比べないようにしましょう。育児ブログやSNSで情報を収集するママもいるかもしれませんが、その情報に惑わされて心が苦しくなるぐらいなら見ない方が良いです。

また、育児とは個人差の大きいもの。一般的なアドバイスを受けたとしても、自分の子には役に立たないかもしれません。「これは試してみたいな」「やってみたいな」と自分に心地よいと思えるアドバイスだけ受け入れるようにしましょう。

育児の相談先を3つ以上作ろう

育児の相談先は「3つ以上」持っておくと安心です。すぐに話を聞いてくれる相手から、分からないことがあったら参照できる相談先まで、何人か相談先があると不安にならず新生児育児ができます。

  • 自治体の育児相談窓口
  • 助産師、保健師、小児科医など
  • 産院
  • ママさん110番
  • よりそいホットライン
  • パパや両親など家族
  • ママ友、友人など

もちろん今すぐ必要でなくても、問い合わせ先を手元に残しておくだけで心強いことも。ぜひ試してくださいね。

次第に育児は楽になる!

新生児育児だと確かに余裕はありません。育児にはいくつも壁がありますが、ママの中には「新生児が一番つらかった」と答える方も。特に魔の3週目といって、生後3週間目の赤ちゃんは何をやっても泣き止まない、大変!と言われているくらいです。

しかし、育児はいつまでも大変ではありません。新生児を超えて月齢を重ねるごとに、ママは育児に慣れ赤ちゃんのことも少しずつ理解できるようになるでしょう。0歳より1歳が、1歳より2歳と次第に楽になります。

今新生児育児で大変な思いをしていても、その辛さはだんだん楽になることは頭に入れておきましょう。また、今苦労しているからこそ親子で成長の伸び幅はあるはずです。

新生児から始まる育児の大変さ、いつ楽になる?

いつも怒ってる

新生児育児で悩むママにとっては、「一体いつ楽になるの?」と疑問に思いますよね。将来的に「この頃楽に感じた」と分かっておくだけで気持ちが落ち着くかもしれません。

そこで、実際に育児を経験しているママ達から「いつ楽になった?」と聞いてみました。その意見を見ていきましょう。

最も多いのは「1歳を過ぎてから」

最も多いのは、「0歳台は大変だった。1歳を過ぎてからやっと楽になった」という意見。双子ママからは「0歳のころは必死過ぎてもう覚えていない」という声も聞かれました。

0歳の子供はかわいいのは確かなのですが、育児で大変なのはどのママも同じようです。その頃の育児に余裕がなくても、自分だけじゃないと思っておいてくださいね。

3歳になってからかわいいと思えるように

「乳児期になるまで大変で、3歳になってからやっと落ち着いた」というママもいました。3歳まで頑張らないといけないの!?と思うかもしれませんが、これも人それぞれ。「3歳になると言葉も通じるようになり、子供も自分の思いを教えてくれる。そこから育児がぐっと楽になった」という意見もあったので、まずは3歳を目安に少しだけ頑張ってみるのもおすすめです。

小学生に上がるまで子供をかわいがれなかった

男女双子のママからは「小学生になるまでは子供をかわいいと思ったことはなかった」という意見が。同じ年の子供が二人いる環境では、確かに余裕もなくなるかもしれません。

だからといってこのママが「母親失格」とは思えませんよね。たくさん子供のことを考えて、子供のために育児をしているママは全員母親合格です。

いくら小学生までかかったとしても、今ではこのママも「双子を産んで育てて良かった。二人と会えてよかったと思っている!」と話してくれました。このように、新生児のころ辛くても必ずいつかは「子育てが楽になった」と思える日はやってきます。

今自分の満足がいく育児ができていないと感じても、ママは自分を追い詰めないようにしてくださいね。子育ては先が長いです。気楽に考えることもときには必要です。

まとめ

新生児を育てているけれど、赤ちゃんがかわいくない。母親失格。そう思って落ち込むママも多いのですが、産後は特に心と体が大きく変化する時期です。気分はいつも以上に落ち込みやすいですし、心は繊細な状態。決して無理をせず、疲れたと思ったらすぐに相談できる手段を考えておきましょう。

大変な育児でも、今日この日だけ乗り切れば明日はもっと楽になります。その1週間後はさらに楽になる…と育児は少しずつ慣れていくものなので、自分を責めず、ママ自身も大切にしながら乗り切っていきましょう。

【参考】

産後うつ病 – 22. 女性の健康上の問題 – MSDマニュアル家庭版

我が子を泣きやませることも、寝かしつけることもできない私…母親失格ですか? [ママリ]

ひとりで悩まないで!子育てに関する悩みはどこで相談すればいい?

ABOUT US
【監修】久保田 由華久保田 由華
公認心理師、臨床心理士。
NY州立大学にてメンタルヘルスカウンセリングの修士号修得。NYCのNPOにてアシスタントサイコロジストとして勤務後帰国。
大学、クリニック、心理相談室等で勤務。7000ケース以上のご相談を担当。

心の相談室こころラボを設立し、カウンセリング以外にも子育てママのためのセミナーやスクール、ママのためのオンラインコミュニティを運営。