自分を大切にする方法として、今注目されているセルフコンパッション。ストレスを多くかかえたビジネスマンなどが、自分のできるパフォーマンスを最大限発揮する方法として活用されています。
子育て中のママには少し遠いところの話に思えますが、毎日ストレスを抱えるママだからこそ自分を大事にするセルフコンパッションは大切です。
今回はセルフコンパッションの意味と、同じく語られるマインドフルネスについてご紹介します。二つの違いや、マインドフルネスをするにあたって気になる点などを見ていきましょう。
「セルフコンパッション」「マインドフルネス」この違いとは?
自分を大切にする意識を持つセルフコンパッション。今教育やビジネスの場面で注目されている考え方です。
このセルフコンパッションはマインドフルネスと同等に語られることがありますが、まずはその二つの違いからチェックしていきましょう。
セルフコンパッションとは
セルフコンパッションとは、「思いやりを持ち、自分を慈しむ」ことを指します。
普段生活する中で、「これは私が悪い」「自分が我慢すれば収まる」「まだまだ努力が足りない…」など、無意識のうちに自分を傷つけてしまう方は多いです。ひどい言葉を自分にかけたり、自分に完璧を求めたりすることこそ、向上心があって美徳であると思う方もいますよね。
ですが、過度な期待を自分に持たせて、自己を傷つけるのはよくないことです。ママならわかりますが、例えば我が子にこのような「責め立てる」声掛けはしないはず。セルフコンパッションは、このように「他人や我が子、親友や家族を思いやるように自分をいたわる」ことを指します。
育児中のママは、どうしても自分のことは二の次になりがち。毎日感じる不安やイライラは、自分を大切にすることで防げるかもしれません。
マインドフルネスとは
一方で、マインドフルネスとはどのようなものを指すのでしょうか。
マインドフルネスとセルフコンパッションの違いとは、「セルフコンパッションを構成する一つの要素がマインドフルネス」というものです。広い意味では同じかもしれませんが、セルフコンパッションはマインドフルネス以外の2つの要素も組み合わさったものを意味します。
マインドフルネスとは、評価や判断をせず、今この瞬間だけに意識を集中することを指します。目を閉じて静かな音楽を聴くなど、瞑想のときに使うことが多いです。
思考とは無意識のうちにあちこちに向かい、人間は常に考え続けています。ただ、思考するばかりでは考えもまとまらず疲れてしまうため、自分をいたわるために意識をリセットするのがマインドフルネスです。
マインドフルネスは危険?ママがやっても大丈夫?
マインドフルネスという瞑想は、集中力アップやストレスを軽減するというメリットがあるものです。どこでもできて特別な準備もいらないため、このブログでは「マインドフルネスでストレスコントロールをすることは大切」とお伝えしました。
ですが、マインドフルネスは危険という声も見られます。次は、マインドフルネスが持つ危険性について解説します。
マインドフルネスが持つ危険性とは
ネット上で調べると「マインドフルネスは危険」という意見も見つかります。結論としてマインドフルネスは特別危険視するものではないのですが、この原因を深堀して考えてみましょう。
マインドフルネスは効果がない、危険と言われますが、
- 独自の方法でやって効果が得られず迷走する
- 「このやり方じゃないとダメ!」と強要する怪しい有料セッションもある
- 治療が必要なほど思いつめた人が、心を病ませる原因を解消せずにマインドフルネスだけに頼る
このようにマインドフルネスによって得られるネガティブな経験が、危険視する原因になると思われます。
マインドフルネスは確かに精神を安定させ、ストレスを減らす効果が期待できます。しかし、治療が必要なほど精神を病んだ方が、マインドフルネスだけで回復できるかというとそうではありません。今病院に通っている方は一人で行うのではなく、何かの症状が出たときのために、すぐに誰かに声を掛けられる状況で行いましょう。
さらに、瞑想のやり方というのは「目を閉じて意識を集中させる」という抽象的なものです。時間の設定があったり特別な音楽を聴く必要があると謳うものもありますが、やり方の幅が広くあいまいな分、正しい方法でマインドフルネスができず迷走することもあるでしょう。
本来のセルフコンパッション、マインドフルネスとは
本来のセルフコンパッション、マインドフルネスとは、特別な道具も必要なければ高価なテキストも必要ありません。セルフコンパッションのやり方にはいくつかありますが、よく見られるのが「自分に優しい声掛けをしながら瞑想する」というものです。
- 私が幸せでありますように
- 私が穏やかに暮らせますように
- 私が健やかに過ごせますように
- 私が苦しまず、楽しく生きていけますように
など、主語を「私」にして子どもに声掛けをするようにいたわってあげましょう。
口に出さなくても、意識をこのフレーズに持っていくだけで大丈夫です。お腹や心臓など、自分が安心する部分に手を触れておくと、セルフスキンシップによってより安心感を得られます。
育児で忙しいママにこそおすすめの「心をいたわる方法」
セルフコンパッションもマインドフルネスも、なんだか難しそう…と思うママも多いですよね。ですが、本来のこれらの方法は、寝る前の数分間やちょっとした時間でも可能です。
毎日ママは育児に家事に、仕事にと大忙し。自分をいたわる時間は少しも持てないのが実情です。頑張らなくてはならない育児をずっと続けているのに、「よく頑張ったね!」と褒められることは少ないでしょう。
そんなママにこそ、セルフコンパッションはおすすめです。自分のご機嫌は自分で取るのが一番効果的なので、ぜひ慈愛の精神を自分にこそ向けてみてください。
セルフコンパッションの効果的なやり方
セルフコンパッションを実践するにあたって、マインドフルネスと同様に「なんとなくやり方がわからない」「手が出しづらい…」と思う方もいますよね。
そこで、セルフコンパッションをする場合に意識したいポイントを3つご紹介します。
自分自身を「親友」だと思う
「自分を大切に!」と言われても、自分自身を甘やかしているだけ、本当に効果があるのか疑心暗鬼…と思う方も多いです。そこで、自分を大切にするために、自分のことを特別な親友だと考えてみましょう。
親友に対して、とても疲れているときに「あなたが悪い」「ダメな母親」と非難することはありませんよね。頑張ったときには褒めて、くじけそうなときには優しくサポートするはずです。同じように、自分自身を親友だと思って接するように少しずつ意識していきましょう。
このマインドは、自己肯定感を高めるためにも大切です。自己肯定感の低さで生きづらさを感じるママも、ぜひ試してみてください。
ジェスチャーや言葉で自分を簡単に元気付ける
セルフコンパッションを心がけていても、忙しい中でつい自分を責めるクセや、自分をけなす考えが思い浮かぶかもしれません。そのときは、決まったジェスチャーや言葉を思い出すようにしましょう。
思いつかないときは、「セルフコンパッション」という単語だけを思い浮かべて構いません。何かのきっかけがあれば考え方は切り替わりやすいので、普段から慣れておくと精神的にも安定した時間が長くなります。
日記を書く
日記とは、今日あったことや思ったことを素直に記録できる場所です。何行もかかる日記でなくてもよいので、1日を振り返って少しずつ日記をつけてみましょう。
繰り返し日記を書くうちに、自分の思考のクセや「こんな場面ではこんな気持ちになる」ということが分かるようになり、自分自身への理解も深まります。
「あ、今は忙しいからイライラしてしまうかも」と自分の感情をコントロールすることにもつながります。
まとめ
忙しいママにこそおすすめしたいセルフコンパッションとマインドフルネス。二つの違いや危険性を解説しましたが、本来は自分をいたわるというシンプルな考え方です。
簡単なことですが意外と意識できておらず、知らず知らずのうちに自分を傷つけるママは多いでしょう。これをきっかけに、自分に優しくしながら家族にも優しくできる環境を整えてみてくださいね。
【参考】
セルフコンパッションとは?自己肯定感を鍛える4つの実践方法を紹介 | PR TIMES MAGAZINE
『セルフコンパッション』とは?やり方や意味、実践方法を徹底解説! | MELON
セルフコンパッションの要素