子どもはいつだって大人に褒めてもらいたいもの。ママにも「上手だね」「すごいね」と喜んでもらうために精一杯アピールします。
しかし、子どものこうした「褒めてアピール」は時には強すぎる承認欲求として気になることもありますよね。この子の承認欲求は愛情不足?おかしいこと?と悩む声もよく聞かれます。
今回は承認欲求が強すぎる子どもの特徴や、この承認欲求とはどう向き合えばよいのかを解説。子どもの承認欲求の正体も紐解いて考えてみましょう。
承認欲求とは
承認欲求とは、言葉どおり「承認してもらいたい気持ち」を指します。この感情は決しておかしなことではありませんが、難しいのが「他者に承認してもらう」のは他者次第で、自分一人では満たされることがないのです。
承認欲求が強すぎる子どもに悩むママに向けて、まずは承認欲求とは何かを詳しく解説します。
人間だれしもが持っているもの
承認欲求とは、もともと社会学者や心理学者などの専門家が使う用語でした。今ではSNSなどで使われることで、よりカジュアルな意味合いを持つ言葉として広まっています。
この「承認欲求」とは、例えばSNSで褒められたりたくさんの人に見てもらえたり、より多くの人に支持を得たいという意味もあります。
今回ご紹介する子どもの承認欲求は、それよりもずっと単純で「ママや大人に褒められたい」「すごいって言われたい」というわかりやすい感情です。子どもにならよく見られる行動であり、決しておかしなことではありません。
承認欲求はさまざまな形で現れますが、人間だれしもが持っているものと考えておきましょう。
特に子どもには顕著に表れやすい
特に子どもに顕著に表れやすい承認欲求。例えば、子どもが褒めて欲しいアピールやできたことをママに報告するとき、「○○ちゃんはできなかったけど、私はできた!」「○○よりもうまくできた!」と比較して自慢話のようにすることがあります。大人としては、こうした自慢みたいな言い方は誰かを下に見ているようであまり喜べませんよね。
しかし、子どもは自慢話をよくします。なぜなら子どもはまだ「嬉しかったこと」と「自慢話」の区別がついておらず、正しい表現方法でママに褒めてのアピールができません。
次第に落ち着くのが子どもの承認欲求ですが、たった今子どもの強すぎる承認欲求が気になっても一度様子を見たほうが良いこともあります。
自己顕示欲と承認欲求の違いとは
承認欲求と同じ意味合いで使われるのが、「自己顕示欲」です。どちらも強すぎると周囲に不快な思いを与えてしまうため、自分でコントロールする必要があります。
承認欲求と自己顕示欲の違いとは、
- 承認欲求…他者から存在価値を認められたい、肯定的な評価を受けたい
- 自己顕示欲…有名になりたい、注目されたい
このようにまとめられます。
こう考えると、先ほど説明したSNSで使われる承認欲求は、どちらかというと不特定多数に向いている自己顕示欲が当てはまるでしょう。
承認欲求が強すぎる子どもの特徴
子どもの承認欲求は当たり前のこと、と思っていても強すぎる場合は「大丈夫かな?」と気になることもあります。そこで、承認欲求が強すぎるとどうなるのか、承認欲求が強い子の特徴をご紹介します。
「嬉しいこと」を話すときに自慢話になる
先ほども説明したように、嬉しいことをママに話すときについ自慢話になってしまう子ども。何かと比べて自分の方が優れていた、と大げさに話すことで、ママにもっと喜んで欲しいという思いが根底にあります。
自慢話は表現の仕方がまだわからない年齢の子どもなら仕方のないことです。ママは過剰に反応せず、「○○よりもできたのはすごいね!」と比較して褒めるのではなく「○○ちゃんが頑張ったんだね、すごいね!」と子どものありのままを認めて褒めるとよいでしょう。
自分の意見を頑なに通す
承認欲求が強すぎるというのは、「自分が中心にいないと気が済まない」ことになります。みんなで話しているときでも、自分の意見を頑なに通して人の話を遮ってしまうのは、承認欲求の現れかもしれません。
子どもの承認欲求は当たり前のこととはいえ、ずっと続くと周りへの影響を考えてしまいますよね。一緒に過ごすママにとっても、「自分が自分が」とアピールの多い子どもにストレスを感じるかもしれません。
人の話を聞かない
先ほどの特徴と同じく、人の話を最後まで聞けません。自分の意見を曲げないために、周囲から「ワガママな子」と見られてしまうことも。
また、ママのお話もうまく伝わっているかがわからず、困ってしまうのもよく聞かれるお悩みです。一度子どもの欲求を満たしてあげて、承認欲求を落ち着かせる必要があります。
褒められないとやる気や興味をなくす
子どもを褒めるというのはいくらでもやってよいことですが、実は「褒める」のは難しいもので、褒め方によっては悪い影響が及ぶこともあります。例えば「キレイに絵が描けて偉い!」と褒め続けてしまうと、
- この前褒めてくれたけど、これはヘタだから褒めてもらえないかも
- これ以上キレイに絵が描ける自信がないから、もう絵は描かない
- この前と同じくらいキレイに描けたのに、次は褒めてくれなかった!もう絵は描かない
このように褒められることが最終目的になり、褒められないとやる気や興味をなくしてしまいます。
褒めるのは必ず過程や取り組んだことを褒め、「子どもができた結果」だけを褒めないようにしましょう。偉い、すごいと言うママの言葉は、キレイな絵ではなくそれを描いた子どもに向かうべきです。
承認欲求が強すぎる子どもへの対応
承認欲求が強すぎる子どもに当てはまることがある、と思ったママやたった今子どもの承認欲求とどう向き合えばよいのか分からないママもいますよね。これからでも子どもとの向き合い方を見直せば、子どもの承認欲求は落ち着かせることができます。
承認欲求が強すぎる子どもへの対応を見てみましょう。
自慢話はそうなんだねと流す
自慢話が多くて子どもの承認欲求を持て余してしまう…。この子どもの自慢話に悩むこともありますが、そもそも「子どもは自慢話が多いもの」としてさらっと流すようにしましょう。気になるようなら、「比べなくても○○ちゃんが頑張ったことがすごい」と主語をはっきりさせて伝えるとよいですね。
年齢が上がり、自慢話で子どもが周囲から目立ってしまいそうなら、優しくアドバイスするように直してもよいかもしれません。「その言い方だと嫌な気持ちになる人がいるから、違う言葉で言ってみるといいかも」とフォローしながらアドバイスできると理想的です。
すごい?上手?には正しい対応を
すごい?上手?と何度も尋ねてくる子どもは、ママに「褒められたい!」「認められたい!」という気持ちが強い子です。もちろん褒めるときは具体的に言葉にして褒めましょう。
ここで大切なのは、「すごいね」「上手だね」と繰り返すのではなく「○○を○○したところが上手だと思った」と具体例を挙げることです。子どもにとってはママが話を聞いてくれたと思ってもらいやすく、ママも比較や条件付けで褒める「やってはならない褒め方」を避けることができます。
所属欲求を満たす
承認欲求がどうして強いのかというと、人間誰もが持っている「集団やコミュニティに属したい」という欲求が満たされないからです。誰かに認めて欲しいというのは不特定多数ではなく、仲のよい友人や家族、恋人など身近な人に向かっています。
この所属欲求が向かうのは子どもの場合はママ、パパ、きょうだいなど家族です。家族関係や友人関係が恵まれていれば自然と承認欲求も満たされるので、家族団らんの時間を増やしたり一緒に遊ぶなどして、子どもとのコミュニケーションをさらに深めるとよいでしょう。
まとめ
子どもの承認欲求が強すぎると悩むこともありますが、承認欲求とは大なり小なり誰しもが持っているものです。とはいえ強すぎると周りに悪影響を及ぼすため、落ち着くように子どもへの接し方を見直してみるとよいかもしれません。
この記事を参考に、我が子の承認欲求とうまく向き合っていきましょう。
【参考】
子どもの承認欲求って?強い子の特徴や接し方が知りたい! | ママソレ| 子育てママのくらしがちょっぴり軽くなる生の声メディア
すごいと聞いてくる子供は承認欲求が強い?多い場合の原因と返答は? – スキアプ!