今や、育児で自己肯定感を高めるのはスタンダードな考え方というほど、子育てにおいて自己肯定感は大切な要素とされています。みなさんも「自己肯定感を高める」という言葉を目にしたことはありますよね。
また、子どもの自己肯定感を高めるためにはママ自身の自己肯定感がとても重要です。しかし、「自分の自己肯定感が0で正しい育児ができるのかな?」と悩む方も多いはず。
今回は自己肯定感0と悩むママに向けて、親子で自己肯定感を育む方法をご紹介します。
ママの自己肯定感は子どもに影響する?
ママの自己肯定感は子どもに影響するとは、よく言われていることです。
いったいなぜ自己肯定感は親子間でリンクするのか、子どもと普段接することの多いママの自己肯定感に注目する理由をご紹介します。
一緒にいる時間が長いほど子どもの自己肯定感は親に依存する
ママの自己肯定感を含める思考のクセや考え方が子どもにも影響するのは、子どもと一緒に過ごす時間が長いからです。特に未就学児の子どもを持つ専業主婦のママ、短時間で働くママは、1日のほとんどを子どもと一緒に過ごしていますよね。
働いているママでも、家に帰れば必ず親子で暮らすはずです。この一緒にいる時間が長いママだからこそ、触れ合う時間も多く会話もたくさんします。ここで、ママの自己肯定感が低いと「自己肯定感を低める声かけ」が多く行われてしまい、子どもの自己肯定感は下がりやすいのです。
一方で、ママの自己肯定感が高いと影響して子どもにもポジティブな影響が及びます。一緒にいるママだからこそ、子どもとの接し方は意識したいところです。
特に6歳までの幼児期が大切
小学校に上がる前までの子どもは、特に親と過ごす時間が長く、この幼児期には精神的にも身体的にもたくさんの成長をします。さまざまなことを学び、育つ幼児期だからこそ、自己肯定感の高い育児は大切とも言われています。
ただし、これは「6歳を過ぎたから下がった子どもの自己肯定感は戻ってこない」というわけではありません。取返しのつかないことは育児において一つもないため、我が子が7歳でも8歳でも、子どもの自己肯定感を高める声かけは必要であり効果はあると考えておきましょう。
自己肯定感をはき違えているママも
自己肯定感と聞いて、「どうしても自分を好きになれない」「私は自分のことはなんでも甘やかすから自己肯定感が高い」と考えることはないでしょうか。自己肯定感はときどき勘違いされますが、「自分のことが好き」といういわゆる自己愛やナルシズムではありません。
正しく自己肯定感というと、「どんな自分でも受け入れて認める意識」です。
自己肯定感が高い人が何一つ失敗しない完璧な人間ではなく、自己肯定感が例え高くても失敗することもあるでしょう。そのときに、「自分はなんてできない人なんだ」「何をやってもダメだ」と諦めるのではなく「失敗することもあるよね」と受け入れて立ち直れるのが自己肯定感の高い人です。
子どもの自己肯定感を高めるときに、気を付けたいのは「自分を好きになりなさい」と強要しないことです。そうではなく、たとえ子どもが失敗しても見捨てない、ありのままの我が子を愛する姿勢が何よりも大切。その感情を自分にも向けられると、自己肯定感は高められるでしょう。
自己肯定感0はどうして起こる?
自己肯定感について理解できたママでも、「それでも私は自己肯定感0」「自己肯定感がなくてつらい」と悩む方もいますよね。この自己肯定感は、実は日本人は世界的にみても低いとされています。
なぜ私たちが自己肯定感の低さで悩むのか、その原因をチェックしていきましょう。
日本人の文化は自己肯定感を低めがち
日本人は国民性や文化的に「謙遜してこそ美徳」「自分をへりくだって考えることが礼儀」とされる消極的な部分があります。
もちろん自信満々で何もかもを自慢するのを推奨するわけではありませんが、自然と「私なんて」「うちの子なんて」という思考になってしまわないかは注意しておきましょう。
周りと合わせて自分の行動を過小評価しても構いません。しかし、この過小評価を繰り返すと「私は何をしてもうまくいかない」と自分を否定することにもつながるのです。
行動をわきまえるのと自分の本音は、分けて考えるようにしましょう。日本人の文化的に自己肯定感が低くなりがちなのは事実として、「だけど私だけは自分を信じている」と肯定できれば自己肯定感は高くなります。
「自分はダメ」と思うのは一種の防衛にもなるから
「私は何をやってもダメ」というネガティブ思考は、確かに自己肯定感を考えるとやるべきではない考え方です。しかし、このマイナスの思考がときに自分を守ることもあります。
例えば大きな挑戦を控えていたとして、「自分はできる!絶対に成功する!」と自信満々で挑むよりも「ダメで元々」「成功すればラッキー」とあらかじめ失敗を想定して行動した方が気は楽です。自分はダメだと諦めるのは、過度な期待をして裏切られる苦しみから、自分を守る手段にもなるのです。
とはいえ、マイナス思考は繰り返すべきではありません。それはなぜか、次に「思考のクセづきやすさ」についてご紹介します。
思考は簡単にクセづきやすい
マイナス思考は簡単にクセになり、さらに自己肯定感の低い思考が自分を守ることを「楽だ」と感じると、繰り返してしまいやすいです。このクセになった思考は無意識のうちにママの言動に現れ、子どもにも影響してしまうかもしれません。
思考は簡単にクセになりやすいということは、ポジティブな考え方やプラス思考ももちろんクセづきやすいでしょう。繰り返してしまうのなら、考え方を変えて子どもにも家族にも好影響のある考え方を心がけたいですね。
自己肯定感0のママがやっておきたい3つのこと
自己肯定感が0と悩む方に向けて、ママが今すぐできる3つのことをご紹介します。
子どもの年齢が高くても、自分が心掛けるだけでママも子どもも自己肯定感を高めることはできます。一つずつ見ていきましょう。
思ったことをそのまま言う
さまざまなことを配慮して、人の顔色を窺って思ったことを閉じ込めていないでしょうか。思ったことをそのまま言わずぼんやりとさせるのはまさに日本人の国民性ですが、自分に小さな嘘をついて裏切り続けると、その思考もいずれクセになります。
ただし、自分の意見を何がなんでも貫きとおすという自我を押し付けるわけではありません。素直に思ったことは口に出し、その考えが間違っていれば訂正すればいいだけです。
場面によっては、どうしても自分を守るために本音が言えないこともありますよね。その場合は日記などに記録して、自分のありのままの考えを受け入れるとよいでしょう。
自分の思考のクセに気づく
自分の思考のクセに目を向けてみると、「失敗を恐れてすぐにネガティブ思考に陥る」「諦めやすく、くじけやすい」と新しい発見がいくつも見つかります。
先ほど思考はクセづきやすいと解説しましたが、このクセに気づけるかどうかも大きな一歩です。特にネガティブ思考は繰り返しやすいので、自分で気づき、自分を認めて持ちあげるマインドを持つようにしましょう。
うまくポジティブに考えられたら、自分のことを褒めるのもおすすめです。ママ自身のことはママが一番よく分かっているので、ぜひ試してくださいね。
「自分がやられてイヤだったこと」は子どもに繰り返さない
ママの自己肯定感は何も「自分を苦しめて下がった」のではなく、「親から自己肯定感の下がる育児を受けていた」という場合も多いです。今では子どもの情緒や心の成長に目が向けられ、子どもを褒めて育てることが主流。けれども、国民性が色濃く出る時代では、「うちの子なんて何をやってもダメで」と謙遜する母親もたくさんいました。
この自己肯定感は確かに親子で影響しあいますが、負の連鎖は断ち切ることができます。「私もこうやって育てられたのだから」と我が子に同じように言い聞かせするのではなく、自分がやられてイヤだったことを子どもに繰り返さないようにすると、たった今行われている子どもとママの育児は前向きなものになるはずです。
まとめ
自己肯定感0で悩むママ、「自分だけなのかな?」と思い詰める方も多いですが、決して少数意見ではありません。特に育児中は毎日頑張るママでも、「子育てして偉い!」と手放しで褒められる場面は少なく、苦労ばかりが目立って自己肯定感は低くなりがちです。
しかし、考え方次第で子どももママも幸せになることはできます。自己肯定感を高めるのは大人になってからでも遅くないため、今日から意識を変えてみましょう。
【参考】
ひろゆきが呆れる「自己肯定感がものすごく低い人の特徴」ワースト1 | 1%の努力 | ダイヤモンド・オンライン