幼稚園の年中でも登園で泣くことがある?原因や対処法は?

年中さんに進級した際に、幼稚園に行きたくないと泣く子供は少なくありません。

パパやママは、登園拒否は年少さんで卒業したと思っているため、年中さんになって泣く子供に不安を覚えがちです。

年中さんが登園拒否で泣く理由は何でしょうか?対処法や、対処法を考えるときに大人が気をつけたほうが良いポイントをまとめてご紹介します。

幼稚園の年中でも登園拒否をする?

幼稚園年中
登園拒否で、幼稚園に行くときに泣くのは年少さんだけだと思っていたら、子供が年中さんに進級してから、再び登園拒否をはじめて戸惑っているという親御さんは多いものです。年中さんに進級しても登園拒否で泣かれると、成長が追い付いていないのかな?と心配になることもあるかもしれません。

しかし、幼稚園に行きたくないと泣くのは、年少さんに限ったことではなく、年中さんになるときに登園拒否で泣く子供もいます。

5歳の成長の特徴は?

幼稚園で過ごす2年間ないし3年間の子供の成長は、実に目覚ましいものです。年少さんと年中さんでは、泣いている姿は同じように見えても、泣いている理由や原因が全く異なっているケースが大半です。年中さんである5歳の子供がどのような成長過程にあるかを知っておくと、幼稚園に行きたくないと泣く理由が分かりやすくなるでしょう。

5歳になると手先が器用になったり、身体のバランス能力が高くなるなど、体の成長が見られます。同時に、記憶力や理解力がアップし、お友達との会話が楽しめたり、社会性が育ったり、心も大きく育ちます。5歳の子供の登園拒否は、心の成長によることが少なくありません。年中さんの登園拒否は、成長しているからこそみられるもので、成長が追い付いていないというものではありません。

年中で幼稚園の登園拒否をする理由は?

幼稚園 年中さん
年中さんが幼稚園の登園拒否で泣くのには、どのような理由があるのでしょうか。年中さんの登園拒否の代表的な理由をチェックしてみましょう。

転園などの環境の変化

引っ越しやその他の事情で、年中さんから転園することもあります。環境の変化は子供にとって負担が大きく、戸惑ってしまいがちです。初めて見る場所やお友達、先生に動揺するだけでなく、年中さんになると記憶力も成長していることから、転園前の幼稚園やお友達、先生と比較して、寂しくなって泣くことがあります。

進級で先生が変わったことへの不安

進級で担任の先生が変わったことが原因で、泣いてしまう子供は少なくありません。年少さんのときにお世話になった担任の先生は、いわば幼稚園でのパパママ替わり。子供は絶対的な信頼を寄せていることが多く、進級で違う先生になると不安を覚えます。不安や心配は、生きていく上で必要な感情であり、そう感じることも心の成長のひとつ。子供が不安や心配で泣くのはおかしなことではありません。

この時、ぜひ「不安になった時はどうしたらいいのか」ということを一緒に考えていきましょう。人間、良い気持ちの時だけでなく、必ずネガティブな感情を抱くことがあります。大切なのは、その感情とどう向き合い、その感情をどう処理していくのか、ということ。

不安が原因で登園拒否しているのであれば、他にはどのように感情を表現することができ、子どもが不安に打ち勝つために何が出来るのか、親としても一緒に向き合っていきましょう。

友達関係での悩み

5歳になると徐々に社会性が身に着くようになり、これまで一人で遊んでいた子供も、周りの友達と一緒に遊ぶようになっていきます。しかし、友達との距離感やルールの守り方意見や気持ちの合わせ方などは上手ではありません。進級して仲良かった友達と離れた寂しさや、苦手な友達がいる、友達関係でトラブルを抱えているなどがあると、年中さんでも幼稚園に行きたくないと泣くことがあります。

幼稚園で嫌なことがあった

記憶力がよくなると、幼稚園に行きたくないと泣く理由に、幼稚園で嫌なことがあったということがあがってきます。具体的に何かトラブルがあったというものから、給食やお絵かきなど、幼稚園で苦手な時間があるといったものまで、それぞれの子供によって「嫌だ」と感じるものが異なります。

年中で登園拒否があるときの対処法は?


年中さんに進級して登園拒否が始まると、パパやママはびっくりしてしまいますよね。年中さんが幼稚園に行きたくないと泣くときは、どのように対処すれば良いのでしょうか。

原因を子供に聞く

子供が幼稚園に行きたくないと泣いたら、まずは原因を子供に聞いてみましょう。年中さんになると、ある程度自分の心や体の変化を言葉で伝えられるため、本人に確認することで、体調不良なども素早く発見できます。

年中さんが登園拒否をして泣くといっても、その原因は子供によってさまざまです。パパママは叱ったり構えたりせずに、子供が話しやすい状況を作ってあげてくださいね。家庭と幼稚園が世界のすべてである子供には、大人にとって些細なことでも、大問題として悩んでしまいがちです。子供目線でトラブルを解決していくのがポイントです。

子供が対処法を考える機会をもつ

年中さんは心もしっかりと成長してくる時期なので、すべてを親が解決してあげる必要はありません。登園拒否という壁は、子供の心がぐっと育つ時期だと考えて、子供が自分で対処法を考えることがポイント。

子供が考えると言っても、子供が1人で出来るものではありません。パパやママは、一緒に考える姿勢や子供の心に寄り添う姿を見せることが大切です。「どうしたら良いかな?」と投げかけ、一緒に解決法を見つけてみましょう。

しっかり甘えられる時間を作る

下に弟や妹がいる子供だけでなく、年中さんになると、1人っこやお兄ちゃんやお姉ちゃんがいる子供でも、年少さんの「お兄さん」「お姉さん」という立場になります。幼稚園ではがんばりを見せなければならない場面に出くわすことも少なくありません。家庭では、しっかりと甘えられる時間を作ってあげてくださいね。安心感は子供の大きなパワーになります。

大人目線では、幼稚園2年目と捉えがちな年中さんですが、子供にとっては、「はじめての」年中さんであることを忘れずに。

年中さんが登園拒否を乗り越えるときのポイント

年中さん登園
年中さんが登園拒否を乗り越えようとしているときは、いくつか大切なポイントがあります。子供がトラブルを乗り越えるときに、大人が注意すべきポイントは何でしょうか。

考えを否定しない

幼稚園に行きたくないと泣く子供に、その原因を聞いたときにやってしまいがちなのが、子供の意見や考えを否定しまうというものです。大人と子供では、ひとつの事柄でも捉え方やそのダメージの大きさは異なります。子供が感じた考えや気持ちを否定ないように気を付けましょう。

気持ちや考えを否定されてばかりいると、子供は自分の感じた気持ちや考えに自信がなくなってしまいます。

親の意見を押しつけない

年中さんの登園拒否を乗り越えるには、年中さんの成長を理解し、年少さんのときとは違った対処をすることが大切です。年中さんになると、自我がより明確になり、またトラブル乗り越える力も身についてきます。大人であれば、経験上、最短でトラブルを乗り越える方法を知っているため、すぐに答えを導き出してしまいがちですが、経験をしなければそれを知ることはできません。

子供が導き出した対処法がたとえパパママの思うものでなくても、親の意見を押しつけるのではなく、対処法を一緒に考えるという姿勢を見せてあげてくださいね。

大人がすぐにトラブルの仲裁をしない

年中さんである5歳の時期は、社会性が身につくときです。友達と一緒に遊ぶことが楽しくなるころですが、その分、友達とのトラブルを抱えてしまうこともあります。友達同士のトラブルを大人がすぐに解決してしまっては、社会性が身につくチャンスを奪ってしまいます。

まずは、子供同士でトラブルが解決できるよう、見守ってみましょう。どうしても子供だけでは問題が解決できそうにないときや、トラブルが大きな問題へ発展しそうなときは、幼稚園の先生に相談することをおすすめします。

ほめて自尊心を高めるのを忘れずに

子供が登園拒否をしているときは、なんらかの問題や心配、不安などで自信を失ってしまっていることが少なくありません。幼稚園に行きたくないときは、自分の抱える悩みに目を向が地になってしまっているため、パパやママが、子供のできたことや幼稚園で楽しめていることに目が向くよ、に会話を誘導してあげるのもポイント。

できたことをしっかりと褒めてあげることで、子供の自己肯定感を高められます。自己肯定感は大人になっても、トラブルを乗り越えるときに必要になる力です。子供の自己肯定感が高まるように、子供のできたことに目を向けてあげてくださいね。

まとめ

年少さんで卒業したと思っていた登園拒否が、年中さんでもスタートすると、パパやママは子供のことが心配になってしまうかもしれません。しかし実際には、年中さんでも幼稚園に行きたくないと泣くことがよくあります。年中さんならではの理由や対処法があるので、子供の成長に合わせて対処していくのがポイント。パパママはナーバスにならず、ゆったりと子供の気持ちに寄り添ってあげてくださいね。

参照サイト:

保育のお仕事レポ―ト「【5歳児との接し方】~小学校へ向けて~自ら考える力を育むかかわり方とは?」

ベネッセ教育情報サイト「登園拒否はなぜ起こるの?原因と改善について考える」

マイナビウーマンエキサイト「【てぃ先生に聞く】子どもの「登園しぶり」はどう解決」

保育ing「アドバイザースタッフに聞きたい」

ABOUT US
【監修】 公認心理師YUKA久保田 由華
公認心理師、臨床心理士。
NY州立大学にてメンタルヘルスカウンセリングの修士号修得。NYCのNPOにてアシスタントサイコロジストとして勤務後帰国。
大学、クリニック、心理相談室等で勤務。7000ケース以上のご相談を担当。

心の相談室こころラボを設立し、カウンセリング以外にも子育てママのためのセミナーやスクール、ママのためのオンラインコミュニティを運営。