みなさんは子供を怒鳴ったことがありますか?
子供に怒鳴るのは「やってはいけないこと」と分かってはいるものの、いろいろな状況が重なると怒鳴ってしまう場合もありますよね。多くのママが「一度は怒鳴ってしまったことがある」と答えるかもしれません。
ただ、子供を怒鳴るのは、もちろんご存じの通り、子供にとって悪影響を及ぼします。
今回は子供を怒鳴るとどんな影響が出るのか、また、怒鳴ってしまう前にできることや子供へのケア方法を詳しくご紹介します。
子供を怒鳴る影響…「叱る」と「怒る」の違いとは?
子供がなかなかいうことを聞いてくれない、一度言ったにもかかわらず何度も繰り返す子供。最初は心を広く持つように頑張っているママですが、度々怒りを覚えると「もういい加減にして!」と怒鳴りたくなる感情が芽生えるかもしれません。
ですが、「子供に怒鳴る」のはよくないことです。なぜ怒鳴ってはいけないのかを正しく理解しましょう。
「怒鳴ってはいけない!」その理由を知っていますか?
どのママも一度は「子供に怒鳴ってはいけない」と聞いたことがあるかもしれません。ですが、なぜ怒鳴ってはいけないのかその理由を知っているでしょうか?
よく混同されて考えられがちですが「怒鳴る=しつけをする」ではありません。怒鳴ってはいけないけれども、子供が生活しやすくなるようにルール・マナーを教えるのは大切です。
「でも、怒っちゃダメなんでしょう?」と混乱する方もいるかもしれませんね。怒鳴ってはいけない理由を考えるために、まずは「怒る」と「叱る」二つの違いを明確にする必要があります。
「怒ること」とは
まずは「怒ること」です。これは先ほどから繰り返しお伝えしている「怒鳴る」ことと同じ意味。怒るとは「子供がいけないこと、ママにとって腹の立つことをした。だから自分は怒っている」という感情を子供にぶつけている状態です。誰しも怒りの感情やイライラは覚えますし、子供に腹を立ててならないわけではありません。しかし、感情的になって子供に対して一方的に「怒る」のはよくない、というわけです。
感情的にイライラを子供にぶつける「怒る」行為には、自分の感情を相手に伝えることがメインになっています。子供のことは二の次になり、ただ自分のイライラした気持ちを表現することのみに怒りが向かっているのです。
「叱ること」とは
では、「叱る」のはどういった状態なのでしょうか。これは「子供のためを思い、こうして欲しい、こうなって欲しいと教え諭し語気を強めて伝えること」です。怒ることと異なり、叱ることには子供の行動の改善を促す「教育」「しつけ」の要素が含まれています。
社会で生きていく以上、どんな小さな子供でも「道路に飛びだすと危ないよ」「お片付けはしようね」とルール・マナーを教えなければなりません。「お友達におもちゃを取られたからといって、叩いてはいけないよ」これも、ルール・マナーのひとつですね。その過程で「叱ること」が必要となるシーンは出てくるでしょう。
怒鳴ると叱るの違いは理解できたでしょうか?怒鳴るのは感情をぶつけるだけで、結局子供に対して「何をすればよいのか」を教える育児にはなっていません。叱るのはその過程の中に子供に対して「こうなって欲しい」と“教え”が含まれています。
もちろんいつどんな時でも子供と正しく向き合えるわけではありませんが、可能な限り子供を思いやってさまざまなことを教えながら、育児していきたいですよね。従って、「怒鳴るのはいけないこと」と言われているのです。
怒ると叱るの違いはこちらの記事でも解説しています。チェックしてみてください▼
子供を怒鳴るとどうなるの?その影響とは
「怒る」と「叱る」の違いを認識したうえで、子供に怒鳴り続けるとどうなるのでしょうか。結果として「怒鳴る」メリットは一つもありません。怒鳴ると起こる影響を正しく知っておきましょう。
子供の「自己肯定感」が低くなる
感情的になって子供に怒鳴り続けると、子供は次第に「何をやってもママは怒る」「自分は何もできない」と覚えてしまいます。つい厳しくしつけするあまり、語気を強め過ぎて怒鳴ったりしていないでしょうか?
「自己肯定感」は育児においてとても大切です。当ブログでもたびたびみなさんにお伝えしてきました。
この記事にあるように、子供には「自分を好きでいて欲しい」「親から自分は認められている」と素直に育って欲しいと思う方は多いでしょう。ですが、何をしても過激に怒鳴られると常に大人の顔色を見て動くようになり、子供の自由さ、豊かな発想は潰されてしまいます。すると自己肯定感は低くなり、子供にとって悪影響を及ぼすのです。
「理不尽に怒鳴られた」と覚えてしまう
1度でも怒鳴ってはいけない、というわけではありません。ただ、繰り返し何回も怒鳴られると先ほどのように「何をしても怒られる」と子供が理不尽さを感じるようになります。
例え子供を諭したいから、物事を教えたいからといって、怒鳴ってしまうと、子供は「ママに怒鳴られている」ということに圧倒され、怒られている内容を聞き入れたり理解することは難しくなります。そうすると、子ども側の体験としては「理不尽だ」という感情が強くなるでしょう。この「理不尽に怒られる」という体験をしていると、子供自身の自己肯定感にも影響します。怒鳴る育児はおすすめできません。
結局ママの伝えたいメッセージは伝わらない
怒鳴られた子供は、どんな反応を示すでしょうか。突然大きな声で怒られて、びっくりして泣き出すことがほとんどでしょう。それは、「ママを怒らせて反省しているから泣く」のではなく「ママが大きな声を出して怖いから泣く」のです。
結局、ママが伝えたいことは怒鳴ることで恐怖に代わり、本質は伝えられません。「何回言っても子供のいたずらが直らない。どうして!」と悩む方は今一度その「叱り方」は正しいかを見直すとよいでしょう。もしかするといつも怒鳴って子供を怖がらせ、子供にとっては「ママに怒鳴られた」という印象しか残っていないかもしれません。
子供を怒鳴ると起こる悪影響。なくすために、怒らず言い聞かせる方法
では、子供にはどうやって生活上のルールやマナーを教えれば良いのでしょうか?
前提として、どうしてもママだって疲れている時や気持ちに余裕がない時はあります。だからといって「怒鳴って良い」わけではありませんが、もし「怒鳴りたくなる!」と怒りの感情を持ったとしても、それは「誰しもがあること」「怒りの感情自体は間違ったことではない」と考えておきましょう。
「怒鳴る」のではなく子供にとって適した言い回し、環境を整えて「言い聞かせする」のが大切です。ここからは怒鳴らず言い聞かせる方法をご紹介します。
子供と適切な距離を取る
まずは子供と適切な距離を取ります。怒鳴りたくなるその感情は突然湧いてきますよね。その時、子供の安全が確保できていて周囲に迷惑がかからない状態なら、
- 部屋を出て一息つく
- 少しだけ目を閉じて深呼吸する
- その場を離れて気持ちを落ち着ける
といった距離を作るのも一つの手段です。突発的に子供に感情をぶつけてしまう、といった怒りの発散を防げます。
「分かりやすく」「冷静に」「繰り返し」言い聞かせる
子供にルール・マナーを教えるなら、以下の3点が大切です。
分かりやすく
まずは分かりやすく。特に小さな子供だと、大人の話す言葉を完全に理解することは少ないです。やさしい言葉で、くどくどと回りくどくならないよう端的に話しましょう。
また、怒鳴らないにしても「長時間の説教」は同じようにママの伝えたいメッセージがぶれる可能性が高いです。叱るのは1分以内で短く済ませましょう。
冷静に、落ち着いて
気持ちが落ち着かないままに言い聞かせを始めると、やはり語気を強めてしまい、結局感情の発散と変わらないことになります。冷静に、落ち着いて淡々と言い聞かせしましょう。
この時、子供に威圧感を与えないためにしゃがんだり座ったりして目線を合わせ、向き合ってしっかり話をするのがおすすめです。
繰り返し言い聞かせる
子供は何度でも同じ失敗をします。一度言っただけでは覚えません。大人だって「また買い忘れをしちゃった」「何回言ってもパパが洗濯物を片付けてくれない」と思うことはあるのではないでしょうか?
この前叱ったことでも、またすぐ同じことを繰り返すかもしれません。ですが、大人でも「失敗ゼロ」は不可能なように子供にとっても正しい習慣を身につけるのは大変なものです。繰り返して当たり前。何度でも根気強く子供にメッセージを伝えるのが大切です。
気持ちが落ち着いてから「怒鳴った」ことを子供に謝って
それでも怒鳴ってしまった、という場合も当然あるでしょう。一度怒鳴ったからといって、やり直しできないわけではありません。
すべての言い聞かせが終わり、親子の気持ちが落ち着いたら一呼吸おいて「怒鳴ってごめんね」と素直に謝りましょう。この時「ママは疲れていてイライラコントロール出来なかった」「ママは心配だった」と自分がなぜ怒鳴ったのかを一緒に言うと子供に伝わりやすいです。
まとめ
子供に怒鳴ると引き起る悪影響。ただ漠然と「怒鳴るのはいけないこと」と思うママも多いでしょう。その通り怒鳴るのはメリットがひとつもなく、できるならやらない方が良いことではありますが、子供の成長において「叱ること」は避けて通れません。
子供にマナーやルールを教える時は、正しく向き合って適切な対応を心がけてみてくださいね。
【参考】
子どもの自己肯定感を下げる間違った親の叱り方:日経xwoman