3歳の子供の叱り方4つのポイント!叱り方に悩んだときの対処法は?

3歳の子供は、2歳のときよりも叱るのが難しくなったと感じていませんか?3歳になると言葉の理解が進み、物事の繋がりもある程度理解できるようになります。

3歳の子供に叱るときは、子供の成長の特徴に合わせた叱り方をするのが効果的。今回は、3歳の子供の特徴と3歳の子供への叱り方のポイント、3歳育児の乗り越え方をまとめてご紹介します。

3歳の子供の特徴は?


自分の意見をしっかり持てるようになる3歳は、はじめてくる反抗期だと言われています。3歳の子供への叱り方を考えるには、まずは子供のことを知ることからスタートしましょう。厚生労働省の「保育所保育指針解説書」に記載された内容に基づき、3歳の子供の特徴をまとめてみました。

語彙量が爆発的に増える

言葉の発達がますます進み、3歳の間には言葉を1700語程度まで操れるようになります。増える言葉は全てが良い言葉というわけではありません。周りの影響を受けやすい時期なので、大人も言葉遣いに気を付ける必要があります。

4~5語文を話すようになる

4~5つの言葉をつなげて文章が作れるようになり、自分の気持ちを伝えるのが2歳よりもずっと上手になります。しかし、コミュニケーション能力がまだ追いついていないため、適切な応対ができないことも。「なぜ?」「どうして?」と理由を聞くことが増える時期です。

自己主張が激しくなる

2歳よりも言葉や感情が豊かになる分、自己主張が強くなります。「~したい」という理想が高くなるためですが、一見、単なるわがままに見えてしまうことも。最初は自己主張だったものが、パパママとぶつかることでわがままへと変わってしまうシーンも少なくありません。3歳の自己主張とどう向き合うかが難しい課題になります。

想像力が豊かになる

想像力が豊かになるのも3歳の子供の特徴です。その場にいない物や人を想像することもできるようになるため、ごっこ遊びが上手になります。空想の動物を本当に存在しているかのように感じたり、すべてのものに命があるかのような思いになることも。否定せずに見守ってあげてくださいね。

気持ちへの理解がすすむ

想像力が高まることで、相手の気持ちを理解できるようにもなります。相手の立場から物事を考えるのは、大人の誘導が不可欠です。「~してかわいそうだね」「~してもらって嬉しかっただろうね」など、積極的に働きかけてあげましょう。

片足立ちなどバランス感覚が発達

体のバランス感覚が発達する時期で、片足立ちもできるようになります。これまでできなかったことでも、いつの間にかできるようになっていたという発見が多い時期。思わぬ怪我や事故に繋がってしまうこともあるため、注意しましょう。

指先が器用になる

指先の発達が目覚ましく、お絵かきや折り紙などに興味を持つ子供も少なくありません。とはいえ、個人差がかなり大きいため、不器用でも問題ありません。

3歳の子供への叱り方4つのポイント


3歳の子供への叱り方に悩むパパママもたくさんいます。3歳の子供に叱るときは、子供の成長の特徴に合わせた叱り方をするのがおすすめ。ポイントを整理してみましょう。

その場で叱る

2歳台と同じく3歳の子供も、いけないことがあったらその場で叱ることが大切です。あとで叱ろうとその場をやり過ごしてしまうのはNGです。時間が経つと、どんなことが起こったのかが正確に把握できず、何がいけなかったのかという理解が難しくなります。

とはいえ、お友達の前で大きな声で叱っては、子供のプライドが傷付きます。子供が恥ずかしくないよう、短く切りあげることも重要ポイント。

叱る理由を明確にする

3歳の子供に叱るときは、何がいけなかったのか、叱っている理由を明確にするのが大きなポイント。2歳は怒られたら、内容はよく分かっていないにしても、「いけないこと」ということを認識する年代です。

3歳は心が成長し、原因や理由に興味を示すようになる時期なので、明確な理由を伝えることで、子供も自分の何がいけなかったのかを考えられるようになります。反論がある場合、子供もそれに意見をぶつけられるきっかけができ、親も子供への理解が深まります。ある程度複雑な内容も理解できるようになるため、大人はごまかしたりせずにきちんと向き合ってあげてくださいね。

感情語を混ぜて説明する

3歳になると、人の心に関心を向けたり、相手の気持ちを想像できるようになるため、感情語を混ぜて説明するのも効果的です。例えば「○○してくれて、ママとっても嬉しいな」や「○○ちゃん、悲しそうなお顔していたね」などは、伝わりやすくておすすめです。

できたときにはご褒美を

2歳と同じく、できたときにはしっかりとご褒美をあげるのも忘れずに。子供にとって、抱っこやハグは最高のご褒美です。しっかり抱きしめて、どこが良かったのか言葉でもしっかりと褒めてあげてくださいね。叱られたときは自尊心が傷ついてしまっていることがありますが、そのあとに褒められることで、傷ついた自尊心を子供が取り戻せるようになります。

「魔の3歳児」期間を乗り越えるには?


2歳児のイヤイヤ期とは別に、3歳は「魔の3歳児」といわれることも。言葉での理解が進みますが、しっかりと言葉で自己主張する部分も増え、人によっては2歳よりも3歳のほうが手ごわくなったと感じることも多くあります。「魔の3歳児」期間の乗り越え方のヒントをご紹介します。

時間に余裕をもつ

3歳の子供は自分でやりたいことがたくさんあるため、大人の予定しているスケジュール通りには動いてはくれません。予定時刻が迫ってくると大人は焦りますが、それはすべて大人の都合によるものです。時間に余裕があれば、見守ってあげることも、子供が気持ちを切り替えられることもあります。

お出かけの予定があるときは早めに起こしたり、時計を教えながら、「〇時になったらしようね」と約束したりして叱る回数が減らせます。

叱るより選ぶ・考えさせる習慣を

親が言うことを聞かせようとすると、「イヤ」といって、自己主張をする3歳。単純に自分で決めたい、自分で決められることが嬉しいというだけなので、本人に選ばせてあげることで子供とのトラブルの回数が減らせます。

例えば、毎日の洋服選びでも2パターンを用意して、どちらが良いか選ばせたり、お出かけの時間であれば、針がどの場所に来たらお出かけするかを考えさせるなどをするだけで、子供は自分の存在が認められたと感じることができますよ。自分で判断することを学ぶ良いきっかけですので、心を育てるチャンスだと思えば、3歳育児も少し楽になる気がしませんか?

「絵本の〇〇は、こんな風にしていたね」など、教えたいことを本で伝えるのもおすすめ。子供がいつでも正しい選択ができるとは限りません。友達とのトラブルの回避の仕方や生活習慣などは、絵本が便利です。絵本は短い言葉でたくさんの大切なことを子供に伝えてくれます。

離れる時間を大切に

育児は常に笑ってばかりではないものです。パパやママが疲れたら、少し子供と離れる時間を持つのもおすすめ。ほんの数時間離れてホッと一息つけるだけで、その後の接し方が大きく変わったということもよくある話です。

身近に頼れる人がいる場合は、甘えさせてもらいましょう。頼れる人がいない場合は、公的なサービスやベビーシッターなどを利用するのもひとつの手です。

ママの心の整理を

3歳の育児を乗り越えるには、定期的にママの心の整理が必要です。3歳の子供相手に毎日叱っていると、「また叱ってしまった」と自己嫌悪に陥ることも珍しくはありません。しかし、周りを見渡せば、同じような思いをしているパパやママはたくさんいます。自分を必要以上に責めすぎないことが大切です。

同じ年齢の子供を育てる親同士の交流会に参加することで、悩みが自分だけのものではないことが分かったり、孤独感が癒されたりもします。知り合いに悩みを打ち明ける勇気がないという場合は、カウンセリングを利用する方法もあります。育児中のパパやママは、心が疲れ切ってしまう前に、子供を大切に思うのと同じくらい自分の心も大切にしてあげてくださいね。

まとめ


2歳以上に手ごわくなったと感じる人も多い3歳育児。3歳の子供への叱り方は、きちんと説明することや、子供の成長に合わせて、本人に答えを選ばせるというのがおすすめです。3歳の子供への叱り方に悩むのは、これまでは親が正解を示してあげていたところが、自分で答えを探せるような力が子供自身についてきた証拠といっても過言ではないでしょう。心が疲れすぎないように、心の休息を取りつつ育児に取り組んでみてくださいね。

【参考】

厚生労働省「保育所保育指針解説書」

厚生労働省「保育所保育指針解説」

厚生労働省「おかあさんと子どものコミュニケーションのために」

七田式教育公式サイト「魔の3歳代。ママを悩ませる第一次反抗期を乗り切る5つのポイントと対処法、接し方!」

ヤマハ音楽教室教室だより「3歳ってどんな時期?身体、ことば、こころの発達について

ABOUT US
【監修】 公認心理師YUKA久保田 由華
公認心理師、臨床心理士。
NY州立大学にてメンタルヘルスカウンセリングの修士号修得。NYCのNPOにてアシスタントサイコロジストとして勤務後帰国。
大学、クリニック、心理相談室等で勤務。7000ケース以上のご相談を担当。

心の相談室こころラボを設立し、カウンセリング以外にも子育てママのためのセミナーやスクール、ママのためのオンラインコミュニティを運営。