ピアジェの発達段階を知ると育児に余裕が!我が子の「今」を知る方法

ピアジェ 発達段階

心、行動の学問と言われる心理学。特に育児中は子どもの発達心理学はママの生活や子どもとのやり取りに深く影響します。

今回は育児中「どうしてうちの子はこんなこともできないの?」「何を言っても響かない…」と感じるママ必見、ピアジェの発達段階をご紹介します。

子どもの今起きている心の成長を知り、子育てに役立ててみましょう。

ピアジェの発達段階とは?

母親失格 怒ってばかり

ピアジェの発達段階とは、心の成長とそれにともなう行動の心理学である「発達心理学」の一つです。このほかにも、フロイトエリクソンの発達心理学も有名で、ピアジェの発達段階とあわせて「三大発達段階」とも呼ばれています。

では、ピアジェの発達段階とはどのようなものを指すのでしょうか。まずは難しい言葉を分かりやすく簡単に言い直し、かみ砕いて解説します。

ピアジェの発達段階とは

ジャン・ピアジェとはスイスの心理学者です。このピアジェの発達段階とは子どもの身体的・心理的な発達を4つの段階に分けたもので、子どもが今何ができて何が理解できないのか、どういう点を意識しながら子育てすればよいのかの指針になります。

発達段階というと細かく何段階にも分けられているものもありますが、ピアジェのものは4つと比較的わかりやすいのが特徴です。子育て中は子どものことを考えたいけれど、たった今目の前にある育児に追われて大変、勉強する時間もあまりとれない…というママも多いですよね。そんな忙しいママでも、4つのグループに分けて成長段階を見ることで、子どもへの理解を深めることができます。

「発達段階」は育児にどう役に立つ?

こうした発達段階は、「育児に役立つ」「育児が楽になる」とよく言われています。このブログでも発達段階についてご紹介しました。

この発達段階はなぜ育児に役立つかというと、

  • 子どもが今どんな成長をしているのかわかる
  • 何を考えているのかわかる
  • 何ができて、何がまだできないのかがわかる

この点が分かります。

子どもが今どんな成長をしていて、何が分かって何が分からないかをママが知っていないと、適切な声掛けができませんよね。言い聞かせしたい、物事を教えたいと思っても、子どもにとって理解できない言葉遣いだと共感は得られません。また、子どものできなさ具合にもどかしさを感じることもあります。こちらも、子どもの成長が分かっていると、「この子にはまだ早いんだ」「成長は人それぞれだから」と気が楽になるかもしれませんね。

発達段階は決して「〇歳までに必ずできておくべき指標」ではありません。子どもの今を知るための手段、ひとつの例として考えてみてください。

ピアジェの4つの発達段階を解説

ママ友

では、ピアジェはどのように発達段階を4つに分けたのでしょうか。次はピアジェが提唱する発達段階について、詳しくその中身をチェックしていきましょう。

感覚運動期

まずは生まれてから2歳ごろまで続く「感覚運動期」です。文字通り赤ちゃんや2歳までの幼児は言葉を十分に扱うことができません。そのため、自分の感覚と運動を通して物事を確認したり理解したりします。

注意すべき点は、言葉が出ない分すぐ行動に移すため、ママは目が離せない時期。また、なんでも口に入れて感覚で確かめようとするため、子どもに危険が及ばないか注意が必要な時期でもあります。

何度も繰り返す「循環反応」

2歳までの子どもは何度も同じ行動を繰り返します。例えば手に持ったスプーンを落とすと、「ガチャン」と音が鳴って振動しますよね。この落とす感覚を何度も繰り返して覚え、またママが反応することを楽しく思う子もいます。

離乳食期など何度も繰り返す子どものいたずら、遊び食べにうんざりするかもしれませんが、まさに子どもの成長段階が循環反応時期なため、自然な反応と言えるでしょう。

いないいないばあ!ができる「対象の永続性」

生後6か月ごろになると、赤ちゃんはこの「対象の永続性」が分かるようになります。最たる例がいないいないばあです。

ママが手を顔で隠しても、赤ちゃんはそこに「ママがいる」と認識しています。だからこそ、「いないいない」でいなくなったママを不安視しませんし、「ばあ!」で分かり切ったママの登場に笑えるのです。

また、循環反応期も兼ねているため、何度もいないいないばあで遊ぶことができます。何度でもいなくなったママや対象物がばあ!と出てくるのを待っているので、親子のコミュニケーションとして活用してくださいね。

ママの真似をする「模倣行動」

自分が見たり聞いたりすることを真似する模倣行動多くの赤ちゃんに見られるもので、大体8か月から始まると言われています。手をぱちぱちしたり歌を歌ったり、同じように赤ちゃんも反応してくれることが模倣行動です。

さらに成長すると、次は「目に見えていないもの」でも模倣できるように。リモコンを耳にあてて電話に見立てたり公園に落ちている自然のものでお料理したりと模倣行動は複雑化していきます。

この時期は最も創造的な時期とピアジェも評価しています。ママとしてはたくさんのアクションや体験を赤ちゃんに用意してあげて、自由な遊びを楽しんでくださいね。

前操作期

前操作期は2~7歳ごろの子どもに訪れます。操作とは、情報を正しく処理し対応することを指します。前操作期は操作が始まったばかりなので、すべてうまくいくとは限りません。大人や周りのお友達を見て学んでいきます。

自分から見た世界が中心「自己中心性」

子どもの世界とは、この頃は自分が中心であることがほとんど。自己中心性というと「自己中」「わがまま」とイメージを持つかもしれませんが、ここでは自己中心性とは主観的な意識が発達していると捉えています。

例えばかくれんぼをするとき、どこか体の一部分が出ていても顔さえ隠れていれば「隠れたよ」と言う子もいます。自分が外部から見るとどんな姿をしているか、どう見られているかはまだ分からない状態です。

想像と現実の区別は勉強中「アミニズム」

主観的な世界と客観視できる世界の区別が明確にできない前操作期。サンタクロースや鬼の存在を信じ、疑わないのも特徴です。

また、料理をするときにお鍋に野菜を入れると「野菜のお風呂」と表す子もいます。すべてのものは自分と同じように命があり、人間のように意思があると思い込むのもアミニズムの一つです。こうした思考は止めるべきではなく、子どもの創造力を育てるごっこ遊びを取り入れると心の成長につながるでしょう。

象徴的思考期と直感的思考期

前操作期は

  1. 象徴的思考期
  2. 直感的思考期

のふたつに分けられます。一つ目は2~4歳ごろにおき、絵を描くときに「見てないもの」を想像して描けるようになる時期です。

次は4~7歳の直感的思考期。この頃になると少しずつ理性が芽生え「家は工事する人が建てたもの」「今食べている食材は誰かが育てたもの」と分かるようになります。

具体的操作期

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7~11歳の具体的操作期。この頃の成長を2つの特徴から見ていきましょう。

物体がどうなるか想像できる「保存の概念」

保存の概念とは、器を変えたとしても中の水の量は同じという認識です。例えば小さなコップに注がれた水を大きなコップに移すと、前操作期の子だと「水の量が減った」と答えるかもしれませんが具体的操作期の子は「水の量は変わらない」と答えます。

物体を数で考える「数の保存」

こちらも数が変わらないという概念。例えば積み木が10個あったとして、この積み木の積み方をどんなに変えても物体の数そのものは変わらないため、具体的操作期に入ると「数は10」と正しく認識できます。

このように論理的な思考が獲得できるのが具体的操作期。子どもは7歳ごろからより大人に近い思考回路が完成してくるため、子どもだからといって子ども扱いすることなく、正しく情報を伝えるようにしましょう。

形式的操作期

11歳ごろに始まる形式的操作期は、ピアジェの発達段階において最後のステージです。この頃には大人と変わらない心の成長を遂げているため、子どもといっても自分の意思をしっかり持ち、自分の意見を正しく周りに伝えられるようになります。

自分で予想を立てる「形式的演繹」

形式的演繹(えんえき)とは、想定した判断から結論を導くことを言います。例えば先ほどの「器を変えても移した水の量は変わらない」というものから、「水を温めたらどうなる?」「水の中にビー玉を入れると質量はどうなる?」などの結果を想像し、結論づけることができます。

抽象的、仮定的に推理できる

抽象的な質問や実際に起こっていない仮定的な質問にも、答えられるようになるのが形式的操作期この思考がどんどん進んでいくと、科学や哲学についても理解できるようになります。

とはいえまだ不完全であり、11歳になった瞬間にすぐわかるものでもありません。成長には個人差もあるために、子どもが段階通りの成長でなかったとしても温かく見守ってあげることが大切です。

まとめ

ピアジェの発達段階は分かりやすい4つに分けられます。この段階を見ると、子どもが今何が必要で何を教えると良いのか、関わり方が少しずつ分かるようになりますよね。子どもの成長に合わせた声掛けや遊びを考えて、親子の円滑なコミュニケーションに役立ててみてください。

【参考】

ピアジェの認知発達の4段階をわかりやすく解説-子どもを理解する心理学 | 親支援サイト | 親の学校プロジェクト

ピアジェの発達段階とは? 知っておくべき4つのステージ

ピアジェの4つの発達段階とは?育児に役立つ子どもの発達理論 – Chiik!(チーク) -乳幼児〜小学生までの知育・教育メディア-

ABOUT US
【監修】久保田 由華久保田 由華
公認心理師、臨床心理士。
NY州立大学にてメンタルヘルスカウンセリングの修士号修得。NYCのNPOにてアシスタントサイコロジストとして勤務後帰国。
大学、クリニック、心理相談室等で勤務。7000ケース以上のご相談を担当。

心の相談室こころラボを設立し、カウンセリング以外にも子育てママのためのセミナーやスクール、ママのためのオンラインコミュニティを運営。