みなさんは「自我の芽生え」にどんなイメージを持ちますか?
イヤイヤ期が始まる2歳ごろになるとよく聞かれるこの言葉。「自我が強い」というとわがままで自己主張が激しいといった、マイナスな印象を抱く方もいるかもしれませんね。
そこで今回は自我の持つ本当の意味をご紹介します。子供の自我の芽生えをママがどう受け止めるかも解説するので、今子供との向き合い方に悩んでいる方は参考にしてください。
子供の自我の芽生え。「自我」の意味とは?
育児中に何度となく見かける「自我の芽生え」。この自我の持つ意味をみなさんは正しく理解しているでしょうか。まず、自我とは何かを考えてみましょう。
自我の意味とは
「自我」の意味は端的にいうと「これが私という認識」です。
当然ですが自分と他人は違う存在で、あなたは一人しかいません。みなさんは無意識に「私と他人は違う」と分かっていますが、子供はまだそうではありません。赤ちゃんのように自由にお話できなかったり歩けなかったりすると、他人と自分の違いの認識は少しずつ進みます。この自我の認識が進み、「自分の主張」を話したり態度で表したりできるのか2歳ごろ。例えば子供が自分を表す自称詞を使うのもこの頃が多いと言われています。
引用元:自我の意味とは何か公認心理師がわかりやすく解説,ダイコミュ用語集
「わたし」である名前や愛称を使って子供が自分のことを認識するのは、調査から見ると2歳が最も多くみられます。よって「自我の芽生え」は一般的には2歳からと考えられているのです。
子供の自我は生まれたときから芽生えている
「子供の自我が出てきて困る」と感じるママもいますよね。先ほど自我の芽生えは2歳からとお伝えしましたが、詳しく言うと自我は生まれたときから芽生えています。
赤ちゃんは泣いたり笑ったりすることで、ママに「お腹がすいた」「おむつを替えて欲しい」「ママが好き」「ママがいい」など主張します。これも赤ちゃんの自我です。
しかし、赤ちゃんは自分では何もできないので「赤ちゃんがよく泣くから自我が強くて困る」とは感じませんよね。泣いたら周囲の大人はお世話をしてあやし、笑うと一緒に笑ってあげるでしょう。成長して子供と言葉や行動でコミュニケーションが取れるようになると、要求は複雑になりママも子供の主張にうまく答えられなくなるのです。ここで、「自我の芽生え」「イヤイヤ期」を認識することが多いです。
「自我が強い」が持つ意味とは?
自我の意味を踏まえて、次は「自我が強い」という言葉の持つ意味を考えてみましょう。自我が強いとわがままで自己主張が激しいといったネガティブなイメージを持つ方もいます。
しかし厳密にはこれは少し異なるのです。チェックしていきましょう。
自我をしっかり持つメリット
自我=他人と自分との違い、わたしという存在の認識なので、「自我が強い」「自我をしっかり持っている」のは自分のことを深く理解しているとも考えられます。
「自我が強い」は、自分は自分だと明確に認識できていて、自分の考えや信念がしっかりしているさまを表します。
自我が強い人の特徴とは? 性格をプラスに変える方法「マイナビウーマン」
自我が強いというとわがままで自分勝手という意味にも感じるかもしれません。後ほど説明しますが、確かに「自我を通し過ぎること」で起こるデメリットはあります。ですが、見方を変えると自分の意見ややりたいことが分かっており、自分自身を見失わない・自分に自信が持てる人なのです。
自分を信じる力、肯定する力をしっかり持っていると、精神的にも強くなれると言われています。「自我が強い」は直すべきものでは決してなく、子供の自我も大切にしていきたいと思えるかもしれません。
自我をしっかり持つデメリット
自我を大事にするのはもっともですが、度を越えるとやはりイメージ通りの「わがままさ」「頑固さ」が目立ちます。大切なのは自我を通すべき場面とそうでない場面を見極められることです。
今は問題ないかもしれませんが、社会に出て集団生活を始めて、将来的に子供は社会人として働くようにもなります。その中で自我を通すばかりではうまくいかないことも、たくさんあるでしょう。他人の価値観と自分の価値観がぶつかって、時には争いの種にもなってしまうのです。
自我が強い、自我が確立しているのは「自分と他人」を区別できている証拠。しかし、自我を通し過ぎるのもデメリットがある点は正しく理解しておきましょう。
子供の自我の芽生えにママができること
自我の意味を深く知ると、子供にとって「自我の芽生え」はとても重要なことだと気付きます。また、経験のあるママも多いかもしれませんが自我が出てきた子供の育児は、これまでにない大変さが伴うのも特徴です。
最後に子供の自我が芽生えたら、一緒に過ごす中で「自己主張が激しくなったな」と感じたら、ママがどう向き合うか3つのポイントにまとめてご紹介します。
子供を信じ、自由にさせる
これまでになかった要求や、突然言うことを聞かなくなったなど子供の変化にとまどう方もいます。「自我とはわがままだから、直さなきゃいけない」と躍起になってしつけや言い聞かせを厳しくするのはやってはならないことです。
まず、どんな変化が起きても子供を信じてあげましょう。そして子供の主張を「わがまま」だけで受け止めず意見を尊重します。ただし、自我が芽生えたばかりの子供はその主張もママに対する要求も理不尽で理解できないものばかりです。
ママだって一人の人間なので、子供の主張に付き合えない時や忙しい時もあるでしょう。気持ちや時間に余裕がある時だけ子供の自我に向き合って、自由にできる時間を作ってみてはいかがでしょうか。
時には諦めて。ママ自身の「自我」を主張しすぎない
2番目のポイントは「諦める」です。自我の芽生えは大切な子供の成長ではありますが、イヤイヤ期は大変と言われているように育児はこれまでにない大変さを迎えます。
この時期は基本的に思い通りにいかなくて当たり前です。イライラすることもあるかもしれませんが、どのママでも子供の自我に大変な思いをするので「自分だけ子供にイライラしている」と抱え込まないようにしましょう。
育児の時間にも、可能な限りで余裕を作るとママの気持ちも楽になります。「もう〇歳なんだからいろいろ挑戦しなきゃ」とママの自我を主張しすぎず、子供のやることも大体できたらOKと気楽に構えましょう。
子供には命令ではなくお願いをする
自我の芽生えが分かる2歳ごろ。子供に伝える言葉には「〇〇しなさい!」といった命令口調がつい増えてしまうかもしれません。「〇〇しなさい」は強い言葉なので、子供はなかなか聞き入れてくれないでしょう。言ってみると分かるのですが、どうやっても怒りの感情を含めてしまいやすく子供にとっても「押し付けられている」「強要している」イメージが強くなりがちです。
そこで、子供への言い聞かせは「〇〇して欲しいな、お手伝いしてくれるかな?」とお願いの言葉に切り替えます。またお手伝いというのも重要なポイント。自我が出てきた子供は「自分でやってみたい」と好奇心旺盛でもあるため、そのやる気をお手伝いという形で叶えてあげるとうまくいくでしょう。
2~3歳ごろの子供にお願いできるお手伝いはこちらの記事でも紹介しています。ぜひ参考にしてください。▼
まとめ
「自我の芽生え」というとどうしても「大変そう」「子供がわがままになる」とマイナスなイメージが付きまといますが、自我が強い=わがままで自己主張が激しいわけではありません。また、自我の認識は成長において大切なこと。自我をしっかり持っている子には、メリットもたくさんあります。
気をつけたいのは“自我を出し過ぎると問題も起こる”という点です。自我の意味を今一度考えて、大切な成長を迎えている子供を優しく見守りともに成長していけると良いですね。
【参考】
自我が強い人の特徴とは? 性格をプラスに変える方法「マイナビウーマン」