育児する中で、一度でも「自我の芽生え」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。自我の芽生えとはママやパパ周囲の大人を認識し、さらに「自分」も自覚できるようになること。子供にとって大切な成長過程のひとつです。
2歳ごろから「自我が芽生える」とは言われていますが、中には1歳で自我をしっかり認識できることも。すると「幼い我が子にどう接して良いのかわからない」と悩むママもいます。
今回はそんな自我の芽生えを迎えた1歳児さんとの向き合い方を考えてみましょう。
赤ちゃんとは違った育児の難しさを感じているママは、ぜひ参考にしてくださいね。
1歳児の自我の芽生え、どんな特徴がある?
1歳児の自我の芽生えは、どんな特徴があるのでしょうか。1歳児の子育てで壁を感じるママは、心当たりがないかチェックしてみましょう。
大きな声でママを呼び、泣く
いわゆる乳児を過ぎて、自分で歩くようになり行動も広がる1歳さん。赤ちゃん独特の大変さはなくなったけれど、なぜかよくぐずるようになりママを呼んだりすることが増えたと感じる方もいます。
実は自我の芽生えといえば「イヤイヤ」を想像することも多いのですが、後追いやママにこだわるのも自我のひとつです。子供は自分を認識し、「ママがいい」と選択しているのです。
保育園に行きたくないと泣いてしまうのも、自我の芽生えのひとつと言えるでしょう。決して愛情不足ではなく、自我を持つ子の特徴です。
保育園に行きたくないと泣いてしまう子の悩み、ママができることはこの記事にもまとめてあります。参考にしてくださいね。▼
おもちゃを他の子に貸さず一人占めする
経験のある方もいるかもしれませんが、0歳の子供は目の前のおもちゃが誰かに取られたり、反対に誰かのおもちゃを取ったりしても何も反応を示しません。楽しく遊んでいたおもちゃが突然目の前からなくなることにびっくりして泣き出すかもしれませんが、「私のおもちゃが取られた」と詳しく理解するのは少し成長したあとです。
1歳の自我の芽生えでは、おもちゃを「自分のもの」と認識するようになり「他の子に貸したくない」と一人占めするようになります。一見問題行動に思えますが、これもお友達と自分は違うと認識し始めた成長のひとつではあるのです。
食べ物の好き嫌いが始まる
離乳食の時期には何でも食べていたのに、1歳を過ぎ幼児食になると好き嫌いが始まるのも、自我の芽生えのひとつです。味の違いが分かり、さらに「自分はこれが食べたい」と主張できるようになるのが、1歳の自我の芽生えと言えるでしょう。
おもちゃを独り占めする、後追いや大人へのこだわりが強くなる、食べ物の好き嫌いが始まる、いずれも子供が「自分」というものを確立し始めた証拠です。大切な成長と分かってはいるものの、子供の主張に振り回される「自我の芽生え」は育児が大変になります。
そこで、次は子供の自我とどう向き合っていくのか、対応の仕方を考えてみましょう。
1歳の自我の芽生えに。ママはどう対応する?
1歳で迎えた自我の芽生え。どう向き合えばよいのか最初はとまどうママも多いです。ここでは1歳児のわがままやこだわりにどう対応するのかをまとめました。
一度子供の「イヤイヤ」を受け止めよう
子供のイヤイヤが見られたら、「〇〇しないとダメだよ」と正論をぶつけても子供はなかなか理解できません。イヤだという子供の気持ちを受け止め、共感することが大切です。
意外と「受け止める」大切さを理解しているつもりでも、「でもダメだよ」と否定しているかもしれません。「でも」「だけど」と子供の気持ちを押さえ付けてしまう言葉はできるだけ少なくし、子供のイヤイヤを「そうなんだね、イヤなんだね」と認めてあげましょう。
自我の芽生えを迎えた1歳児でも、言葉はまだうまく使えません。イヤイヤをママが受け止めてあげて言葉に言い換えてくれると、子供にとっても「イヤだ」という気持ちが消化できるかもしれません。
子供の気持ちを代弁しよう
自我の芽生えた子供は、ママや周囲の大人に「自分のやりたいこと・気持ち」を一生懸命訴えています。しかし言葉を尽くすことができず、周りも分かってくれないし自分のイライラもどう解消すればよいのかわからないとジレンマに陥り、ぐずったり泣いたりする態度に現れてしまうのです。
そこで1歳の子供の自我と向き合うには、まず子供の気持ちを代弁しましょう。例えば朝の支度中、お着替えを嫌がったとします。
- 「このお洋服はイヤなの?」
- 「じゃあ、こっちとこっちはどっちがいいかな?」
- 「このお洋服がイヤだったんだね」「まだ遊びたかったんだね」
と言葉にします。最初は子供からの反応が返ってこなくても、次第に親子のコミュニケーションはスムーズになり、「子供のご機嫌がなぜ悪くなるのか」が分かるようになるでしょう。
気持ちを反らせてもOK
自我が芽生えた1歳児をしばしば「イヤイヤ期が早くやってきた」と感じる方もいます。一般的にイヤイヤ期は2歳ごろから見られますが、1歳でイヤイヤがくる子もいればずっとイヤイヤする様子がない子もいます。
2~3歳の子供と比べて、1歳児だとまだ気持ちの入れ替えは簡単です。泣いてぐずって手が付けられない…と悩んだら、違う遊びを提案したりお外に出たりと、子供の気分を「イヤなこと」から反らせても良いでしょう。
気持ちの切り替えや気分を変えることを1歳から経験しておくと、その後のイヤイヤ期も乗り越えやすくなるかもしれません。
1歳児の自我の芽生えは珍しいことではない
これまで1歳児の自我の芽生えをご紹介しましたが、ママの中には
- 「周りの子は1歳のころ手がかからなかったのに、うちの子だけなぜ?」
- 「自我の芽生えが早いとわがままな性格に育つのでは?」
と不安に感じる方もいるかもしれませんね。
1歳児の自我の芽生えは、決して珍しいことではありません。先ほども説明したように、1歳でイヤイヤ期がくる子もいればずっとこない子もいるため、一概にみんなが「同じ成長」をするわけではない点を頭に入れておきましょう。
自我の芽生えは子供にとって「自分を認識した」大事な成長です。また自我の芽生えによって育児に悩む1歳児ママはたくさんいるので、一人で抱え込まないようにしましょう。
自我の芽生えは赤ちゃんの頃から始まっている
自我の芽生えを少し掘り下げて考えてみると、目立つようになるのが1歳~2歳ごろ。実は自我の芽生え自体は赤ちゃんの頃から始まっています。
人見知りが始まってママの後追いをすることや、おもちゃの好き・嫌いがあるのも自我の芽生えです。子供は意外と生まれた時から「自分」を認識していて、その表現ができる年齢になると自我の芽生えが分かるようになります。
イヤイヤ期への練習期間だと思って
また、1歳児の自我の芽生えを経験すると「本格的なイヤイヤ期になるとどうなるんだろう」と不安になる方も多いでしょう。イヤイヤ期でどれほど手がかかるかは、ママ自身がコントロールできるわけでもなく子供一人ひとりで異なるので「予想できないこと」ではあります。
しかし今回ご紹介した1歳児の自我の芽生えと、子供の自我とどう向き合うのかはいずれママみんなが経験することです。1歳で自我が芽生えたからといって、イヤイヤ期がひどくなるわけではありません。1歳から自我が芽生えたことにより子供への理解を深めることができた、と捉えて大切な成長を見守ってあげましょう。
まとめ
1歳で起こる自我の芽生え。突然子供がわがままになったように感じたり、要求が複雑でこれまで通りの接し方ではうまくいかなかったりと、困難を感じるシーンは増えます。
しかし、自我の芽生えは子供にとって大事な成長のひとつ。子供の自我を押さえつけるのではなく気持ちを受け入れて、自我の形成を見守りましょう。
【参考】