【ワーママつらいから笑顔へ】ワーママワンオペ問題解消の秘訣とは?

仕事をしながら家事や子育てをこなすワーママは、自分でもワーママつらいと感じている人が多くいます。ワーママがつらいと感じる原因のひとつが、ワンオペ育児です。

ワンオペ育児のワンオペとは、ワンオペレーションの略で、何でもひとりでこなすことを意味します。育児においては、父親または母親のどちらか一方に、育児の負担が大きくかかっていることを言います。仕事をしながら、家事や育児のほとんど全般をひとりでこなさなければならない現状に、悩みを抱えるワーママは少なくありません。

ワーママにワンオペの負担がのしかかる実態!

ワンオペで育児するママ
ワンオペ育児の負担がワーママに重くのしかかってくることが、出産後、社会復帰したときに感じる「ワーママつらい」という気持ちを生み出します。実際に、ワンオペがワーママにどんな風にのしかかっているのか、数値でチェックしてみましょう。

厚生労働省が発表した平成26年度の「全国家庭児童調査」によると、共働き率は65.6%でした。平成16年度に行われた同じ調査では、共働き率は54.3%。10年間でワーママが激増したことが分かります。

同じ報告書には、父親母親それぞれの帰宅時間の調査結果も記載されています。帰宅時間は、父親は「7時前」が19.0%(平成16年度は17.5%)と最も多く、次いで「8時前」が18.8%(平成16年度は17.5%)となっています。母親のデータを見ると、「6時前」が26.9%(平成16年度は20.8%)と最も多く、次いで、「7時前」が12.3%(平成16年度は9.4%)となっています。

父親が早い時間に帰宅する割合は、10年間でほぼ変化がないのに対し、母親が早い時間に帰宅しているのが分かります。さらに同調査で、母親の90%以上が8時前に帰宅していますが、父親は40%以上が8時以降に帰宅することが判明しました。

母親の帰宅時間が早まる反面、父親の帰宅時間は遅く、長時間のワンオペ育児がワーママにのしかかっています。働いて疲れたあとにワンオペをこなさなければいけない現状に、「ワーママつらい」と感じてしまうのも無理がないと言えるでしょう。

参照:厚生労働省 平成26年度「全国家庭児童調査」

ワーママつらい!こんなときにワーママワンオペになりやすい!

ワーママ
どのような状況がワーママワンオペを生み出してしまうのでしょうか。「ワーママつらい!」につながる環境を整理してみましょう。

夫の帰宅時間が遅い

育児は父親と母親が協力して行うことが理想的ですが、どちらかの帰宅時間が遅い場合は、帰宅しているほうのワンオペになってしまいます。データからも分かるように、現在の日本では、夫の帰宅時間が遅く、ワーママワンオペが発生しやすい状況にあります。

身近に頼れる人がいない

ワンオペは、夫以外でも解消できます。たとえば、自分の両親や義理の両親、兄妹など、いざというときに育児を手伝ってもらえる人が身近にいれば、ワーママの負担を軽くすることも可能です。核家族が増え、身近に頼れる人がいないというワーママも多く、そういった環境の変化も、ワーママワンオペを生み出してしまいます。

夫の単身赴任や長期出張

夫が単身赴任や長期出張などで、完全に家庭と離れた場所で生活しなければならない場合、ワーママはワンオペ育児を強いられてしまいがちです。育児に積極的な夫がいても、ワーママのワンオペが発生してしまうのが、単身赴任や長期出張の特徴です。

ワーママワンオペ問題の乗り越え方

ワンオペママ
ワンオペでつらさを抱えているワーママは珍しくありません。ワーママワンオペを乗り越えるには、どのようにすれば良いのでしょうか。乗り越えるヒントをご紹介します。

家事は60点を目指す

「やりたい気持ちがあるのにできない」という、理想と現実のギャップがワーママワンオペのつらさを生むことがあります。仕事も育児も家事も、完璧にこなそうとすればするほど、そのギャップは大きくなります。 働きながらワンオペで育児をしているワーママは、すべてを完璧にしなくてもOKです。60点くらいを目指すつもりで、自分を責めずにワーママワンオペと付き合うことが重要ポイント。

頑張っているからこそ、ワーママつらいと感じるものです。家事や育児の手をほんの少し緩めるだけで、ワーママのつらさが大きく減ることも少なくありません。100点を目指してできなかった自分を責めるより、60点を目指して、できた自分をほめてあげてくださいね。

時短家電やプロの手を借りるのもOK

「ワーママってつらい」と感じる人のなかには、手を抜くことに罪悪感を覚えてしまう人もいます。時間に追われるワーママが、家事の手を抜くことは悪ではありません。自動掃除ロボットや、材料を入れておくだけで料理を完成させてくれる調理家電など、最新家電はワーママワンオペの強い味方です。上手に活用して、少しでも負担を減らしていきたいところです。

時短家電についてはこちらのコラムでご紹介しています▼

時短家電で家事にかかる手間を解消!おすすめアイテムで暮らしを快適に

夫や身近に頼れる人がいないというときは、プロの手を借りるのも打開策のうちのひとつ。掃除まで手が回らない場合は、家事代行サービスを利用する手があります。保育園の送り迎えの時間が大変な場合は、自治体が行っているファミリーサポートを利用するのもおすすめ。ワーママワンオペのなかで、自分が何につらさを感じているかを考え、できていない部分を補えるサポートを探してみましょう。

家事代行サービスについては、こちらのコラムでご紹介しています▼

家事代行サービスを頼むなら知っておきたい、料金の相場と業者の選び方について解説

心の整理ができる時間を持つ

ワーママつらいという気持ちを抱え込みすぎないことが、ワーママワンオペを乗り越える大きなポイントです。カウンセリングを受けたり、同じ境遇にあるワーママと交流できる機会に参加したりして、心の整理をしてみましょう。

日々仕事や家事、育児に追われていると、ワーママつらいという気持ちばかりが走りすぎて、何につらさを感じているのかを、自分自身でも見失ってしまっていることがあります。悩みは誰かに話すだけでも、ストレス緩和になります。話していくうちに、自分が抱えている問題や解決策に気付くことも少なくありません。心の整理のためにも、信頼できるカウンセラーを探すことをおすすめします。

ワーママワンオペ解消のためにパパ育て!パパ育てのコツは?


時短テクや便利家電を使って効率化を図っても、ワーママワンオペの本質的な問題に変わりはありません。ワーママワンオペ解消の最大のポイントは、パパ育てです。家事や育児ができる人手を増やすことが、ワーママワンオペの根本的な解決につながります。パパを育てるコツをご紹介します。

つらい気持ちを説明する

男性は「察する」ことが苦手なので、ワーママワンオペをつらいと感じていることに、気が付いていない夫も少なくありません。まずは、夫に現状を理解してもらうことからスタートしましょう。夫にワンオペのつらさを伝えるときには、感情に訴えるよりも、何に困っていてどのように助けてほしいかを具体的に説明するのがポイント。

男性は感情を理解するよりも、どうすれば良いかという結論を求めます。つらいアピールよりも助けてほしいと頼ることをおすすめします。感情的になってしまいそうな方は、手紙やLINEなど文字で伝えるのもOKです。

話し合いの時間を持つ

ワーママワンオペの家庭では、いつの間にかそんなスタイルになってしまっていたというケースが大半です。ワーママのワンオペを解決するためには、お互いの状況を把握することが大切。夫婦で話し合う時間を設け、今後も含めて、家事・育児・仕事をどのようなスタイルで進めていくのか、共通の思いを作っていきましょう。

帰宅時間や自宅滞在時間で出来ることを考える

夫の帰宅時間や自宅滞在時間が短い場合でも、できることは必ずあるはずです。たとえば、お風呂やトイレの掃除、食器洗い、子どものおむつの補充など、短時間やすき間時間でもできる感じや育児を夫に依頼してみましょう。

ワーママワンオペが定着している場合、自分には手伝えることがないと夫が思い込んでしまっているケースもあります。夫の役割を作ることで、夫を少しずつ家事や育児のできる夫に育てていきましょう。

具体的にしてほしいことを伝える

手伝う気持ちがあるのにできていない夫も多くいます。何をしたら良いか分からないため、手伝えることがないというのが、夫の言い分です。夫に手伝ってもらうときには、何をどんな風に、何時までにしてほしいなど、具体的に説明しましょう。してほしくないことがある場合も同じように、具体的に細かな指示をすることで、よりスムーズに伝わります。

できることは1つずつ増やす

ワーママワンオペは、すぐにでも解消したいものですが、夫育ては子育てと同じように時間がかかります。夫にしてほしいことをお願いするときは、ひとつずつ増やしていくのがポイント。たくさんお願いしてどれもできなければ、より女性のストレスが溜まってしまうことにもなりかねません。

時間はかかりますが、ひとつ手伝ってもらえると、ひとつ楽になることを忘れず、少しずつ楽になることを実感しながら、パパを育てることがポイントです。

ワンオペで悩むワーママは多い!1人で抱え込まないで

ワンオペ育児に悩むワーママは少なくありません。現状をごろっと変えることは難しく、夫婦や家族で話し合い、少しずつワーママワンオペを解消していくことが必要です。悩みを抱えたとき、ひとりで悩んでいても解決しないことも多くあります。ワンオペで育児や生活に悩んだときは、ひとりで抱え込まずカウンセリングを活用して、心の負担を軽くしましょう。人と話すことで、きっとこれまでにはなかった解決策が見えてくるはずです。

【参考】

厚生労働省 平成26年度「全国家庭児童調査」

ABOUT US
【監修】 公認心理師YUKA久保田 由華
公認心理師、臨床心理士。
NY州立大学にてメンタルヘルスカウンセリングの修士号修得。NYCのNPOにてアシスタントサイコロジストとして勤務後帰国。
大学、クリニック、心理相談室等で勤務。7000ケース以上のご相談を担当。

心の相談室こころラボを設立し、カウンセリング以外にも子育てママのためのセミナーやスクール、ママのためのオンラインコミュニティを運営。