育児ノイローゼは、いつ誰がかかってもおかしくない病気です。育児ノイローゼかな?と思ったときは、1人で悩まず誰かに相談することが大切です。相談することで、悩みが自然と解決できたり、対処法が見つかったりすることも珍しくありません。
今回は、育児に疲れたときに使える相談窓口や、育児ノイローゼかな?と思ったときの病院について、検査内容や治療方法などをご紹介します。
育児ノイローゼは1人で悩まないことが大切
育児ノイローゼは特別珍しいものではなく、誰でもいつでもなってしまう可能性のあるものです。育児ノイローゼになりそう、育児ノイローゼかな?というときはもちろん、子育てが辛く感じられてしまうときは、周囲に相談することが大切です。
身近な人に相談して解決できるのが一番スピーディーですが、身近な人に相談するのに抵抗がある場合は、相談窓口の利用がおすすめ。気負わず、気軽に相談してみましょう。
内閣府「子育て世代包括支援センター」
子育て世代包括支援センターとは、「母子保健法に基づき市町村が設置するもので、保健師等の専門スタッフが妊娠・出産・育児に関する様々な相談に対応し、必要に応じて支援プランの策定や地域の保健医療福祉の関係機関との連絡調整」をする国が行なっている子育て支援サービスのひとつです。
妊婦さんから産後の相談までワンストップで総合的な支援や相談が受けられるのが特徴。住所地の自治体が管轄になります。地域の「子育て世代包括支援センター」を調べてみてくださいね。
また、子育て世代包括支援センターについてはこちらの記事もお読みください。
参照:内閣府「第2部 少子化対策の具体的実施状況(第2章 第1節)
厚生労働省 「児童相談所虐待対応ダイヤル」(189)
厚生労働省が設置している電話相談窓口「189」は、児童相談所虐待対応ダイヤルとして知られていますが、児童虐待だけではなく、育児に悩む方の相談窓口として利用できます。全国共通の番号で、匿名でも相談できるのが特徴です。
子供が泣くとイライラしてしまう、子供がかわいいと思えない、など育児でおこりがちな悩みにしっかりと答えてもらえます。通話料も無料なので、ストレスなく相談できますよ。
参照:厚生労働省「児童相談所虐待対応ダイヤル「189」」
厚生労働省「こころの健康相談窓口」(0570-064-556)
全都道府県と政令指定都市に共通で設定されている全国統一番号で、誰でも利用できる電話相談窓口です。相談できるのは平日のみですが、一般的な自治体その他の電話相談が夕方で終了するのに対し、「こころの健康相談窓口」は18時30分~22時30分(22時まで受付)という遅い時間で利用できるのが特徴です。
ホームページでは、日中に利用できる相談窓口の電話番号も記載されています。悩みや不安を抱えたら、まずは相談窓口をチェックしてみましょう。
参照:こころの健康相談窓口
公益社団法人 日本助産師会「子育て・女性健康支援センター」
公益社団法人 日本助産師会が設置している相談窓口です。各都道府県によって行なっている活動が異なり、事務局で直接相談できるところや、電話相談のみのところ、なかには訪問相談が受けられるところもあります。
女性の一生にわたる性と生殖に関わる健康問題を中心に、子育てや思春期、更年期などさまざまな内容に対応してもらえます。女性の一生の悩みに寄り添っていることがポイントで、育児ノイローゼに限らず、知っておくと便利な相談窓口です。
社会福祉法人 日本保育協会「子育てホットライン ママさん110番」(03-3222-2120)
社会福祉法人 日本保育協会が運営している電話相談窓口で、保健師さんや、元保育園長等専門の先生方が悩み相談に応じてくれます。ひとり1回につき30分程度の時間が設けられており、匿名で相談できます。
子供との向き合い方のプロに相談できることが大きなポイント。育児ノイローゼに限らず、子供と上手に遊べない、どうコミュニケーションを取ったら良いか分からないなど、関わり方についても相談できるのがポイントです。
育児ノイローゼは病院の何科を受診すれば良い?
育児ノイローゼかな?と思っても、何科を受診すれば良いか分からないという方が少なくありません。多くの方が初めて体験することなので、そのような不安や疑問が出るのも当然です。育児ノイローゼかな?と思ったときに受診する場所や受診の目安などをチェックしてみましょう。
自分がお世話になった産婦人科や心療内科・精神科
育児ノイローゼについての不安や疑問で病院を受診する場合は、心療内科や精神科が担当になります。産婦人科でも、産後のママのケアとして、相談会を開いているケースも多くあります。
まずは、自身が出産した産婦人科に問い合わせてみるのがおすすめです。産婦人科で相談に乗ってもらえる場合は、出産の経過や家族構成などもカルテで把握されているため、理解が行き届きやすいのが嬉しいポイントです。産後のママ教室などに参加することで、同じような悩みを抱えるママに出会えることもあります。
受診したほうが良いか迷うときは保健師さんに相談を
病院を受診したほうが良いのか、それとも様子見をしたほうが良いのか迷う場合は、自治体の保健センターや子育て世代包括支援センターへ問い合わせて、保健師さんに相談するのもひとつの手です。
状況や自治体によっては、保健師さんの訪問相談を受けられる可能性もあります。第三者に電話相談するだけで心が落ち着いたというケースも少なくありません。
悩みを聞いてほしいときはカウンセリングを
治療よりも、まずは誰かに悩みを聞いてほしいというときには、カウンセリングを専門に行なっている相談室を尋ねるのもおすすめです。
カウンセリングでは、どんな悩みを抱えているか、どんな風に感じているかなどを話すことで、心の整理整頓ができます。自分が何に悩んでいるのかを知ることで、対処法が見つかることも多いものです。カウンセリングを行なっている相談室は、心のケアを専門に行なっているところなので、心強いという声もあります。
早急な受診がおすすめのときも
育児ノイローゼかな?と思っても、受診したほうが良いかの目安が分からないということが多くあります。
例えば、育児が辛い、子供が愛せないので消えてしまいたい、死んでしまいたいという気持ちが現れるなどは、心がSOS信号を発している状態です。できるだけ早く医療機関を受診し、自分の心を助けてあげてくださいね。
育児ノイローゼの妻を助けたパパさんは、ぜひこちらの記事もお読みください▼
病院で受ける育児ノイローゼの検査とは?
病院で受ける診察内容に不安があり、受診まで一歩踏み出せないという方もいらっしゃるかもしれません。病院で受ける育児ノイローゼの検査は、問診が一般的です。育児ノイローゼは心の状態が大きく関わっているため、どのような症状がどれくらい前から出ているのかを医師が把握する必要があるためです。
血液検査を行うことも珍しくありません。育児ノイローゼだと思っていたものが、実はほかの病気が隠れていて、それが原因で自律神経が乱れ、心が不安定になっているケースが少なくないためです。血液検査では、ホルモンの状態や、貧血症状、甲状腺機能に異常がないかなどをチェックします。
病院で受けられる育児ノイローゼの治療とは?
もし、病院で育児ノイローゼや産後うつと診断された場合は、お薬の治療とカウンセリングが行われるのが一般的です。お薬の種類はさまざまあり、ほとんどのものは、緩やかに効果が現れてくるため、焦らずゆったりとした気持ちで取り組むことがポイントです。お薬での治療に抵抗がある方もいますが、お薬は症状が改善したら自然と手放せるようになるため、安心して取り組めますよ。
副作用が出ることもある
治療に使われるお薬の種類はさまざまです。お薬と体調の相性によっては、眠気や胃のむかつきなどの副作用が出ることがあります。お薬は同じ効果が期待できるものが複数種あるため、副作用が辛いときは、遠慮なく医師に相談してください。自分に合うお薬を見つけることが、スピーディーな症状改善につながります。
前述したように、お薬はゆるやかに効果を発揮するため、ひどい副作用がない場合に、自己判断でやめてしまわないことも大切です。また、治療がはじまっても、心も体もすぐに完全回復するわけではないため、無理をしないように過ごしてくださいね。
まとめ
育児ノイローゼかな?と思ったら、周囲に相談することが大切です。周りに頼る人がいない場合は、誰でも使える相談窓口などを上手に活用してみましょう。育児ノイローゼが疑われるときは、病院を受診することをおすすめします。育児ノイローゼは、お薬やカウンセリングで治療することができます。ひとりで悩まず、周囲のサポートを上手に活用してみてくださいね。
【参考・参照】
内閣府「第2部 少子化対策の具体的実施状況(第2章 第1節)
厚生労働省「児童相談所虐待対応ダイヤル「189」」