「○○しなくていいの?」「宿題は終わった?」「○○は危ないんじゃない?」
毎日子どもと接する母親として、子どもに口出しするのは「立派な母親像」と思う方は多いです。また、口うるさく言いたくなのに、つい子どもに注意ばかり言い聞かせばかりしてしまうこともありますよね。
今回はそんな口うるさい母親は子どもにどう影響するのかを解説します。しつけや言い聞かせのシーンで「言ってはいけない」NGワードもあわせてご紹介するので、今子どもにチクチク言ってしまうママはぜひ参考にしてください。
「私は口うるさい母親?」口うるさいの定義とは
口うるさい母親と聞いて「私は当てはまっている!」と思う方はもちろん多いかと思います。なぜならママ達は毎日子どもに言い聞かせしているし、子どもには教えることはたくさんあるからです。
これをゼロにするのは、現実的ではありませんよね。まったく叱らない育児が必ずしもよいとは限りません。
そこで、今一度口うるさいの基準を考えてみましょう。
子どもの気持ちを考えず指示・命令をする
子どもの気持ちを考えず、自分本位に指示したり命令したりするのは口うるさいという典型例です。大人でも心当たりがありますが、仕事など社会の中で「絶対にできない」「今やることがある」のに無理に業務を命令されると、「こっちの状況も考えてよ」となりますよね。
子どもにとっても同じことで、例えば同じ内容を子どもに話したとしても、
「○○ちゃん宿題は済ませた?そのゲームが終わったら宿題一緒に始めようね」
というのは異なります。前者は子どもの状況や気持ちを考えておらず、後者は子どもと向き合いながらお願いする姿勢が見られますよね。子どもからも共感が得られるのは2番目の方です。
プレッシャーを与える声掛け
- 「○○しないと怒るよ!」
- 「もうママ帰るからね」
- 「ご飯はなし!」
このようなプレッシャーを与えるシーンは、決して少なくありません。もちろん子どもがどうやっても言うことを聞かないシーンや、ご飯を遊び食べしている場面で取り上げたりといったことはありますが、プレッシャーを強く与える声掛けが日常化していると子どもには悪影響となるでしょう。
また、悪い叱り方がありますが
その中にもプレッシャーを与える声掛けは含まれています。なにか子どもに対して「嫌なことをするよ」と脅したとすると、そのプレッシャーやママの怒りに怖がるだけで、子どもには言い聞かせした内容は伝わらないのです。
感情を否定する、不安をあおる
子どもが泣いて何も反応がないとき「そんなことで泣かないの!」と叱ったり、子どもが達成感を覚えて喜んでいるときに「こんなことで喜んじゃダメ」と感情を否定することがあります。これもれっきとした子どもに対するNGの口出しで、子どもの感情はいかなるときでも否定するべきではありません。
子どもはどんなに大きくなっても、ママパパには感情を肯定されたいものです。不安をあおったり感情を否定したりすると、ママでも「この人は私の気持ちを分かってくれない」と諦めますよね。子どもにも同じことが起こります。
親子の隔たりをなくすには、気持ちや感情を共有することが大切。必ずしもわかってあげられることだけではありませんが、ママは「何でも受け入れ許す存在」として子どもと向き合った方がはるかにメリットが大きいです。
口うるさい母親が子どもに与える影響とは
子どもに対して過干渉な口出しを続けると、子どもはどう受け取るのでしょうか。口うるさい母親が子どもに与える影響を考えてみましょう。
自主的に挑戦しなくなる
いくら自分が頑張ってもママが認めてくれない、喜びを表す感情を否定されるということが続くと、子どもは「自分は何をしてもダメな子」と思い込んでしまいます。これは「ありのままの自分を認める」自己肯定感を下げる感情で、特に自分に自信がないと自主的に挑戦しなくなる、最初からあきらめて何事にも意欲を失うことになるでしょう。
ママとして、子どもには「何事にも果敢に挑戦する子」に育って欲しいというのは共通の願いかもしれません。さらに子どもは元々、いろんなことに興味を持つ好奇心旺盛な存在です。口うるさい言い聞かせで子どもの芽を摘んでしまうのは、もったいない気がしますね。
やりたいことが見つからない、興味・趣味を失う
何事にも挑戦しなくなると、やりたいことが分からなくなり興味や趣味を失います。子どもの意欲をそぐ口出しばかりを、一緒に過ごす時間の長い母親が繰り返すことで「何もしない方がまし」と子どもが諦めてしまうのです。
また、母親が何でも口出しして子どものことを決めてしまうと、自分で選び取る力も育まれません。「ママの言う通りにしていれば怒られないから、これでいいや」と個性を失うこともあるでしょう。
小さなうちは将来のことはぼんやりとしか考えていないかもしれませんが、大きくなると子どもも進路を含める自分の道を決める段階に入ります。そのときに自分でやりたいことが見つけられないと、生き辛さを感じるかもしれません。
反動で反抗的になることも、親を「敵」だと認識する
口うるさい母親はしつけをきちんとしている。子どもをコントロールできる立派な親、と思い込んでいるかもしれませんが、そもそも子どもは親の100%言う通りには育ちません。子どもだって一人の人間であり、完全に管理下にはおけないのです。
そのことに気付かずずっと子どもを抑圧していると、思春期になって反動で反抗的になることも。また、親は本来「安心できる存在、なんでも相談できる人」と思ってもらいたいものですが、親は「敵」と認識します。小さなうちは子どもが何をしているのか把握しやすくても、次第に人間関係は複雑になり親の目の届かない範囲は増えていき、信頼を得られていないからこそ取り返しのつかない事件に巻き込まれたり起こしたりするかもしれません。
口うるさい母親から卒業するために
今、この記事を読んで「子どものことを考えない声掛けが多かった」と気付けたママもいるかもしれません。子育ては取り返しのつかないことではなく、たった今から意識して親子関係の回復をはかることも、もちろんできます。
口うるさい母親から卒業するために、ママが今からできることをチェックしていきましょう。
一度声かけをやめる
何かと子どもに口出ししたくなりますが、一度何か介入することをやめましょう。これまで口出しばかりしていてすぐには変えられないママは、1日のうち数回でも少なくできれば大成功です。次第に口出しを減らしていき、子どもを信用して任せるようになるからです。
声掛けをやめたからといって、子どもを完全に見放すわけではありません。代わりに雑談を増やして日々何があったのかを共有しましょう。たわいのないことでも親子の会話が増えると、その分ママにも子どもにも親しみやすさが生まれるはずです。
ママの中で「理想のママ像」を見直す
口うるさく子どもを支配するのは、決して理想のママ像ではありません。もしかすると子どもへの言い聞かせの中で「あなたがちゃんとしつけないから」と周囲から口出しされたママもいるかもしれませんね。
ですが、繰り返しになりますが子どもはママの思い通りにはなりません。子どもの行動がママの責任に直接つながるわけでもなく、例えば宿題をしなくて学校へ行き、叱られるのは子どもです。
口うるさい母親が抜け出せないママは、もしかすると理想のママ像が少しずれているのかもしれません。今一度自分の行動は子どもを身近に見守っている母親として、正しいのかどうかを考え直してみるのもおすすめです。
子どもの長所を見る、褒めて伸ばす
子どもに対する声掛けがすべて口出しになっている場合、子どものあらさがしばかりしてよい部分に目が向いていないのかもしれませんね。よく子どもを見ると、褒められるところはたくさんあります。それを「宿題に取り掛からなかった」「言うことを聞かなかった」というたったひとつの欠点で帳消しにしてしまうのはもったいないです。
何か口出ししたくなったら、まず子どもの長所を探してみましょう。その部分を「ママはいいと思うな」と上手に褒めて伸ばすと、子どももママも一緒に成長できます。
まとめ
口うるさい母親が子どもに与える影響は、悪いものばかりです。ただ、ママ達の中で「私は当てはまる」と思う方が多いように、子どもに対する口出しや言い聞かせは育児において欠かせないことでもあります。
大切なのは子どもの状況や感情を考え認めてあげながら、思いやりつつ口出しすることです。ご紹介した“口うるさい”を卒業するためのマインドも取り入れながら、健やかな親子関係を築きましょう。
【参考】
口うるさい親が言いがちNGワード5つ! 逆効果な理由と改善策 [子育て] All About
「口うるさい親」が子どもの成績を下げる”必然” | ぐんぐん伸びる子は何が違うのか? | 東洋経済オンライン | 社会をよくする経済ニュース
「宿題を今すぐやって。早く」