子供虐待しそうと思ったらやっておきたいこと。ママの体験談も

子供 虐待しそう

「子供虐待しそう…」虐待とは起こってはならないことですが、ニュースで目にすることもあるようにどの家庭にも虐待は起こり得るものです。

ママの中には、虐待のニュースを見て「子供に手を上げたくなる気持ちも分かる」と共感することも多いのではないでしょうか。

今回は子供虐待しそうと思ったら、ママとしてやっておきたいことをご紹介します。体験談とあわせて見ていきましょう。

子供虐待しそうなときとは

子供虐待しそう

私の子供は双子です。双子が乳児期のころは1日育児に付きっ切りで、親の食事や睡眠はもちろんトイレにも自由に行けない状態。その上、双子育児という特別な状態でアドバイスを受けることも難しく、精神的に参った状態でした。

その中で、三つ子のママが子供を虐待したニュースを見ました。その姿は、一歩間違えると私だったかもしれないと今でも感じています。どんなママも、虐待は決して他人事ではなく「いつかやってしまうかも…」と不安に思ったことはあるのではないでしょうか。

子供の虐待を考える上で、まずは子供虐待しそうなときを考えてみましょう。

乳児期など昼夜問わず育児が必要なとき

子育てが今忙しくて虐待しそうと感じるママは、子供が2歳までの乳児・幼児期かもしれません。ある程度大きくなると

  • 子供と意思疎通できるようになる、言うことを聞いてくれるようになる
  • 食事、排せつなど自分でできることが増える
  • お友達と遊ぶようになるなど、ママ以外にも交流ができる

と子供の育児は楽になります。しかし、生まれてすぐの赤ちゃんは昼夜問わず授乳が必要で、そのお世話はママにしかできないことが多いです。ずっと泣き続ける赤ちゃんに悪意はないのは理解しているけれど、あまりにも育児で忙しくしていると我が子でも憎く思ってしまうママもいるでしょう。

イヤイヤ期など特に子供に手がかかるとき

子供がある程度大きくなったら、次の段階で育児の困難が訪れます。多くの子が2歳になると迎えるイヤイヤ期何を言ってもぐずったり泣いたりして手が付けられない状態。これがずっと続くとママとしても参ってしまうでしょう。

イヤイヤ期はどの程度手がかかるかは個人差が大きく、そのイヤイヤはしつけや言い聞かせで収めることはできません。けれどもイヤイヤはママが「自分のせい」「ちゃんと育てなかったから」と自分を責めてしまいやすく、その分子供にも怒りが向いてしまいがちな時期なのです。

ママ自身が精神的に辛いとき、弱っているとき

育児以外のこと、例えば家庭内での問題や経済的な問題で生活にストレスがあると、子供にその怒りをぶつけやすいです。育児による睡眠不足や、子供の成長に対して強い不安を抱いているとより注意が必要でしょう。

特に産後はホルモンバランスが急激に変化することから、「マタニティブルー」「産後うつ」が見られやすい時期です。出産後の体力はママが思っている以上に少なくなった状態。無理して自分のメンタルや体調をないがしろにせず、子供の安全を考えるとママの健康を大切にした方がずっと良いのです。

子供虐待しそう…親子を守る5つの方法

子供 虐待しそう

子供を虐待しそうと不安な方へ、親子のためにできることを5つご紹介します。間違いが起こる前にできることから実践してみてください。

数秒でもいいから子供から離れる

子供に対して決して怒らず、いつもにこにこ接するママは理想的かもしれません。ですが、そんなママは一人としていないでしょう。大人だってイライラすることはありますし、言い聞かせできない赤ちゃんにだって「あやしているのにずっと泣いてる。どうしたらいいの!」と憤ることは多いです。

そんなときは、子供の安全を確保したうえで数秒間でも良いので時間をとります。子供から離れて、怒りの感情を落ち着かせるようにしましょう。こうした数秒の「怒りの感情から離れる」ことを「タイムアウト」といい、精神的な安定を保つために重要な行動です。

子供を無視したり放置したりするのは大丈夫?と不安になるかもしれませんが、子供に手を上げるよりはよほど安全。ただし、周りの迷惑にならないところ・子供の安全が確保できる場合に限ります。

パパに連絡する、育児を代わってもらう

一人ではどうしても育児へのストレス、不安を解消できない場合は、最も身近なパパに相談して育児を代わってもらいましょう。「そうはいってもパパはいつも仕事している」と頼むこと自体を諦めているママも多いです。

相談するときは真剣な話し方で、もしかするとママの状況を理解してくれず「そんなこともできないの?」と嫌味をぶつけてくるかもしれません。それでも、育児はママ一人でこなすことは不可能です。パパには「このままだと子供が危ないから助けて」と虐待しそうな気持ちを隠さず告げて正しくSOSを出しましょう。何度も説明することで、パパもママがどういう状況なのか分かってくれる可能性もあります。

親に相談する

ご両親が近くにいれば、その手を借りるのも一つの手段です。話し相手になってもらったり相談したりすることで、ママの孤独な気持ちが少しは和らぐかもしれません。

とはいえ、親が離れたところに暮らしている方や「誰かの手を借りる方がストレスになる」というママも当然います。「親は頼って欲しいって言うけれど…私っておかしいのかな?」と思わず、そういうこともあると柔軟に対応するようにしましょう。

育児をする私自身、双子のお世話で大変でしたが両親に頼る方がストレスがかかる経験をしました。育児の仕方は年々新しくなっており、考え方も人それぞれ。お手伝いをお願いするときは最新の情報を見せながら、育児に関係する大人全員で意見を共有した方がうまくいきます。

ファミリーサポートやベビーシッターを活用する

料金はかかりますが、ファミリーサポートやベビーシッター、保育施設の一時預かりを活用しても育児の負担は少なくなります。虐待しそうなほど苦しいのなら、一度育児を誰かに代わってもらうことが何よりもママと子供を守る手段になるでしょう。

こうしたサービスは事前登録予約が必要なので、できれば産前に済ませておくことをおすすめします。双子・三つ子でももちろんファミリーサポート、ベビーシッターは利用可能です。子供を二人連れて登録・面接をするのは少し大変ですが、それでも不可能ではありません。

自分の限界がくる前に手続きだけでもしておくと安心できますよ。

本当に危ないと思ったときの連絡先を知っておく

子供虐待しそうという感情は、徐々にママが感じるものではありません。忙しくしている間に限界がきており、「子供に八つ当たりしたりひどく怒ったりしたくないし、そのあとは後悔するのに止めることができない…」と何も手立てがない状態になってから初めて「誰かに助けて欲しい」と感じるものです。

そこで、本当に危ないと思ったときの連絡先を知っておきましょう。

  • 市区など自治体の相談窓口
  • 児童相談所
  • 子育て、女性健康支援センター(助産師からのアドバイスがもらえる)
  • 育児メーカーの相談窓口(森永、ユニ・チャーム、花王など)
  • 助産院や産婦人科、精神科などの専門医

状況に合わせて「ママが大変」なのか「育児が分からなくて大変」なのかで相談先を選びましょう。この連絡先をいざというときのために知っておくだけでも、気持ちが落ち着くかもしれません。

「子供虐待しそう」どうやって相談する?

子供 虐待しそう

「子供虐待しそう」といった悩みの心理には「母親なのにこんなことで悩むなんて」「虐待しそうなんて怖いこと、誰にも相談できない」と隠さなくてはならないという気持ちが根本にあります。なかなか親しい友人にも、「子供を虐待しそう」なんて相談はできませんよね。

けれども、子供のためを思うとママは“正しくSOS”を出さなくてはなりません。最後に相談の仕方をまとめました。見ていきましょう。

自分の考えを書き出し、説明しやすくする

いざ相談の窓口や対面で「何がありましたか?」と聞かれても、上手く自分の状況を説明できない方は多いです。まずは自分の考えをなんでもいいので書き出し、説明しやすい状態を作りましょう。

自分の気持ちを整理するためには日記をつけるのもおすすめです。次第に余裕がなくなっていることにも気付けますし、パパや両親にヘルプを出すときも「何を代わって欲しいのか」が明確になります。

主語を「ママ」にする

次に、主語を「ママ」にすること。

  • 子供が寝なくて寝不足が続き、「私が」辛い
  • 子供が言うことを聞かなくて「私が」限界を迎えている

このとき、「育児がうまくいかなくて…」と子供を主語にして話すと、保健師や医師から求めてもいない育児アドバイスをもらうこともあります。その結果、「やっぱり私が悪いんだ」とママは自分自身を責めてしまうことになるのです。

今辛いのは誰なのか、はっきりと明確にしておきましょう。ママに怒られた子供でもなく、仕事で忙しく育児を担当できないパパでもなく、毎日子供と向き合い自分の時間も取れなくなり大好きな子供に怒鳴ってしまうママです。虐待という避けるべき状態が起こる前に、できることを始めてみましょう。

まとめ

ママの悩みである「子供虐待しそう」。育児はとても大変なもので、そう感じるママは少なくありません。ですが、子供に対する怒りの感情や怒鳴ってしまう・叩いてしまうという衝動的な気持ちは、ママ自身に原因があるわけではないのです。

大切なのは子供に影響が出る前に、自分で気づいて落ち着いて対処すること。周囲には育児をサポートするサービスや家族、制度があるので少しずつ状況を改善してみてください。

【参考】

あした笑顔になあれ/京都市児童相談所>児童虐待とは?>よくある質問

虐待しそうで怖い時どうしたらいい?あなたと子供を守る4つの方法 – 育児ネット

ひとりで悩まないで!子育てに関する悩みはどこで相談すればいい?

ABOUT US
【監修】久保田 由華久保田 由華
公認心理師、臨床心理士。
NY州立大学にてメンタルヘルスカウンセリングの修士号修得。NYCのNPOにてアシスタントサイコロジストとして勤務後帰国。
大学、クリニック、心理相談室等で勤務。7000ケース以上のご相談を担当。

心の相談室こころラボを設立し、カウンセリング以外にも子育てママのためのセミナーやスクール、ママのためのオンラインコミュニティを運営。