ミルク育児の卒乳とは?ミルクをやめるタイミング、見極め方

子ども 哺乳瓶

ミルク育児をするママの中には、「卒乳」をどうやってやればよいのかピンとこない方も多いです。実は、ミルク育児にも卒乳は必要であり、哺乳瓶からマグやコップに移行するには子供に慣れてもらう時間を作らなくてはなりません。

今回はそんな気になるミルク育児の卒乳とは何かを解説します。哺乳瓶がなかなかやめられなくて困っているママも、ぜひ参考にしてください。

ミルク育児にも「卒乳」が必要?

授乳 ストップ

卒乳というと、なんとなく母乳育児に限ったことだとイメージされがちです。母乳育児の卒乳はママのおっぱいの状態と子供のタイミングを合わせるため、難しい印象がありますよね。

ですが、ミルク育児にも卒乳は必要。まずはミルク育児の卒乳とは何か、哺乳瓶をずっと使い続けるとどうなるのか考えていきましょう。

ミルク育児でもいつかは「卒乳」がやってくる

ミルクか母乳かにかかわらず、卒乳とは「生まれてからすぐの栄養補給の仕方を卒業し、離乳する」ことを指します。

卒乳とは、赤ちゃんが主体的に自然と母乳やミルクから卒業することをいいます。

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そのため、当然ミルク育児にも卒乳は必要です。母乳を与えるママが「授乳からなかなか卒業できない…」と悩むように、ミルク育児をするママにとっては「哺乳瓶をいつやめたらいいんだろう?」「哺乳瓶からの卒業ができない」と不安を感じることもあります。

特に哺乳瓶からしか水分補給ができず、「ミルクだけじゃなく麦茶なども哺乳瓶から飲んでいる」場合は、卒乳後の水分不足も気になりますよね。しかし、哺乳瓶は続けると子供に少なからず影響が及びます。

哺乳瓶が子供に与える影響とは

生まれたばかりの赤ちゃんはミルクを哺乳瓶から飲みますが、離乳食が進むにつれてフォローアップミルクになり、次第にお茶や水などの飲みものに移行します。そのため1歳を過ぎても哺乳瓶を使う子供は多いのですが、長く続けると「歯が生えてきた時期」に悪い影響が起こることもあります。

それが、哺乳瓶虫歯。哺乳瓶を寝かしつけのために使っていると、歯磨きが不十分になり上前歯を中心に虫歯が起こることも。哺乳瓶で飲むと長い時間飲料が歯に触れることになるため、乳歯が未熟な状態になる点も懸念されます。哺乳瓶が原因で虫歯になることは哺乳瓶虫歯とも呼ばれ、日中でも「ダラダラ飲み」を続けていると虫歯が心配な状況になるのは頭に入れておきましょう。

また、哺乳瓶を使用すると出っ歯になる、歯並びが悪くなると言われていますよね。これは~1歳までの子供が哺乳瓶を使う分には問題ないとされており、あまり心配しなくてもよさそうです。ですがおしゃぶりと同様に「哺乳瓶がないと寝付けない」「哺乳瓶を使うことが習慣になっている」場合は哺乳瓶に執着してしまい、なかなか手放せなくなる=卒乳が難しくなるため注意しておきましょう。

2歳以上、歯が生えそろうと哺乳瓶は使いにくくなる

哺乳瓶をそれでも手放せず、卒乳が長引くとどうなるでしょうか。哺乳瓶に取り付ける専用の乳首を模したシリコンゴムには、さまざまなサイズがあります。ですが1歳以上の子供が使いやすいサイズ展開はなく、2歳以上となり歯が生えそろうと哺乳瓶は使いにくくなります。

子供の水分不足が心配で哺乳瓶が手放せないのだとしても、子供にとって飲みにくく必要な水分補給ができない状態では、本末転倒ですよね。無理な状態で哺乳瓶を使い続けると、やはり歯の使い方や歯並びへの影響はゼロではありません。もし哺乳瓶を使ったとしても、ゴム部分がすぐに切れて替えが必要になったりと長期間の使用には向いていません。

ミルク育児の卒乳の進め方。いつ頃がおすすめ?

マグ 練習

では、ミルク育児の場合卒乳をどう進めればよいのでしょうか。哺乳瓶からコップ・マグに切り替えるタイミングもあわせて見ていきましょう。

歯が生えてくる1歳ごろを卒乳の目安に

まずはざっくりと哺乳瓶をやめるタイミングを考えてみます。子供の成長にもよりますが、歯が生えてくる頃を卒乳の目安にするとよいでしょう。中には9カ月ごろから早めに生えてくる子もいるので、それならば離乳食を進めて「カミカミ」の練習をすると卒乳もしやすくなります。

ただし、歯が生えてくるからといって突然コップやマグが使えるようになるわけではありません。ミルク育児の卒乳を経験したママの中には「歯が生えているけれど、季節が夏だったので水分量が減るのが心配。涼しくなってから卒乳するようにタイミングを見直した」という方もいます。周りに合わせたり育児書通りに進めたりする必要はないので、我が子のタイミングを見計らってくださいね。

まずはマグ・ストローの練習から

哺乳瓶と一緒にマグで飲む、ストローを使う練習を始めましょう。哺乳瓶からマグに移行しやすい乳児用のマグもあるため、便利なアイテムを使いわけて子供に慣れさせるとスムーズです。

ストローは勢いよく出てくるので、怖がってなかなか進まないことも。ママがストローの使い方を見せてあげたり、コップに水やお茶を入れてストローを差し、息を吹き込んで「ぶくぶく」の練習から始めたりすると使い方に慣れてくれることもあるようです。

ストロー付きパックは子供にも使いやすいサイズで、手で持って飲むことができます。外出時にも便利なので、パックで練習してみるのもおすすめですよ。

9カ月ごろからフォローアップミルクに切り替えて

ミルク育児をしている場合は、9カ月を目安にフォローアップミルクに切り替える必要があります。粉ミルクとは母乳の成分にできる限り近づけたものですが、フォローアップミルクは離乳食が進むと不足がちになる鉄分やそのほか栄養を補うために作られたものです。離乳食がしっかり進んでおり鉄分が足りている、離乳食+母乳を飲んでいるのならフォローアップミルクは必要ありませんが、不安であれば飲ませてあげるとよいでしょう。

フォローアップミルクは3歳以上の子にはあげられません。「マグやストローの練習をしたいけれど、お茶を飲んでくれない。牛乳はまだ試せない月齢だし…」といったときにフォローアップミルクで代用するママもいました。最初は哺乳瓶でフォローアップミルクに慣れてもらい、徐々にマグに切り替えるのもおすすめです。

離乳が進めばミルクの回数を減らしていく

離乳が次第に進み、幼児食へと移行していく段階で少しずつ哺乳瓶を使ったミルクの回数を減らしていきましょう。ご飯のたびに水分補給ができ、3食しっかり食べられているようなら哺乳瓶を使わなくてもOKです。

ただし、これまで哺乳瓶を使っていたのに突然取り上げるのはおすすめできません。少しずつ使う回数を減らしていき、飲み物を欲しがったときにマグやストローを用意するようにして、慣れたころに哺乳瓶を卒業してみてくださいね。

ミルクがないと眠れない?寝かしつけ方法を見直してみよう

子供 寝る

ミルク育児の卒乳では、「寝る前の哺乳瓶」がやめられない方も多いです。乳首を吸う感覚は子供にとって安心できるため、寝る前の習慣になっていると特に卒業は難しいですよね。

この場合は寝かしつけ方法を見直してみましょう。

入眠の儀式を取り入れる

まずは哺乳瓶でミルクを飲むことに代わる入眠の儀式を取り入れます。これを寝る前のルーティンと呼び、何度も繰り返すことで「その気がなくてもなんとなく眠たくなる」効果が期待できるものです。

例えば、

  • 「お風呂に入ってお着替えして、歯磨きをしたらおもちゃにおやすみを言う。お気に入りのぬいぐるみと一緒に寝室に行き、ねんねする」

と毎日繰り返すと、寝るタイミングを子供が覚えてくれます。

普段はバラバラのタイミングで寝ていたという場合は、寝る前の儀式をいくつか作って切り替えをするとよいかもしれません。

夜中に泣く場合はマグなどで水分補給を

夜間のミルク授乳がなくならない場合は、卒乳をした後はマグ・ストローで水分補給しましょう。歯磨きをしたあとなので、甘いジュースやミルクは避けて、お茶や水などが理想的です。

哺乳瓶をやめたばかりの卒乳したてでは、やはり不安を覚えて夜泣きが起こるかもしれません。次第に泣くこともなくなるので、水分不足だけには十分気を付けて様子を見てあげてくださいね。

お背中トントン、歌・絵本などで寝かしつけを

寝かしつけは哺乳瓶を使うのではなく、お背中をトントンしたり歌を歌ったり絵本を使うとよいでしょう。これも先ほどご紹介した入眠の儀式に取り入れることで、「今は寝る時間」と子供が自然に認識してくれます。

まとめ

ミルク育児の卒乳とは、母乳を卒業するときと同じです。特に便利な哺乳瓶だからこそ、子供が執着したり代わりが見つからなかったりして卒乳が難しいこともあるでしょう。

まずはマグ・ストローの練習を進めていき、適した時期に哺乳瓶を卒業できるようにしてみましょう。いつか必ず卒乳はできるため、焦らず子供のペースを見守ってあげてくださいね。

【参考】

【医師監修】哺乳瓶はいつまで使う? 哺乳瓶とサヨナラする方法

哺乳瓶やおしゃぶりは何歳くらいでやめるべき? | 彩都西歯科クリニック

フォローアップミルクはいつからいつまで必要?飲ませ方と量についてもご説明します [ママリ]

適切な卒乳の時期はいつ?自然な卒乳で安心子育て! | MIMI STAGE

ABOUT US
【監修】久保田 由華久保田 由華
公認心理師、臨床心理士。
NY州立大学にてメンタルヘルスカウンセリングの修士号修得。NYCのNPOにてアシスタントサイコロジストとして勤務後帰国。
大学、クリニック、心理相談室等で勤務。7000ケース以上のご相談を担当。

心の相談室こころラボを設立し、カウンセリング以外にも子育てママのためのセミナーやスクール、ママのためのオンラインコミュニティを運営。