子供を怒鳴ると後悔する…。怒鳴らず子供に「ママの思い」を伝える方法

怒鳴る 子供 後悔

育児をしていると、繰り返し言うことを聞いてくれなかったり、いたずらをしたりと、子供に対してイライラが募ることはありますよね。「この前も言ったでしょう!」と、子育て中の筆者も何度か怒鳴ってしまったことはあります。

ですが、子供を怒鳴るとそのあとママは「後悔」するのではないでしょうか?

今回は子供を怒鳴るとどんな影響が及ぶのか、また、怒鳴って後悔するママに向けて「怒鳴らず子供と向き合う方法」をご紹介します。

子供を怒鳴る、後悔する…。怒鳴るとどんな影響が出るの?

親子 散歩

「子供を怒鳴ってはいけない」。頭ではみなさんも十分に理解していますよね。なぜ怒鳴ってはいけないのか、子供を怒鳴るとどんな影響が出るのかを知っておきましょう。

数回なら悪い影響は出ない

「ついこの間、子供を怒鳴ったばかり」というママもいるかもしれません。子供を怒鳴るとよくない、というのは分かっていますよね。ですが、一度でも怒鳴ると取り返しのつかないことになるのか、というとそうではありません。

1~2回であれば、怒鳴っても悪い影響は出ません。しかし、だからといって「自分の子供だし怒鳴ってもよい」かというとこれは違います。怒鳴るのを繰り返すようなら、根本原因を考えてなるべく怒鳴らずママの思いを子供に伝える工夫をしていきたいですね。

自尊感情を傷つけることも

自尊感情とは「自分自身をどう評価するか」を決めるものです。自分を大切にする心、自分自身を愛すこと、とも言われています。

自尊感情が下がってしまうと、何をやっても怒られる、自分はダメなんだと、子どもの意欲がなくなってしまいます。

キレてしまって子どもに悪い影響などが今後出ないか心配 子育てに役立つ情報満載【すくコム】 | NHKエデュケーショナル

この自尊感情は子供の成長にとってポジティブな効果をもたらすため、とても大切です。しかし、怒鳴ることによって自尊感情が傷つき自分に自信のない子になるかもしれません。怒鳴ると子供の行動を萎縮させるだけでなく、自分を信じる力や認めてあげる力まで低くなってしまうのです

「怒られた」ばかり記憶に残り「なぜ怒られたのか」は伝わらない

怒鳴ると子供はびっくりして、当然悪さやいたずら、ママがやって欲しくないことを一時的には止めるかもしれません。わっと泣き出したり、「ごめんなさい」と謝ったり、一見「怒鳴った効果」があるかのように見えるでしょう。

しかし、子供が覚えているのは「ママに怒鳴られて怖かった」という記憶だけです。自分がなぜ怒鳴られたのかまでは、考えが至っていません。これではママが一番言いたいであろう「子供にこうして欲しい」が伝わっていないのです。

例えまっとうなことをママが言っていたとしても、怒鳴るとメッセージが伝わらない…。怒鳴っても無意味で、その後ママは後悔して罪悪感が残るといった悪循環が生まれるからこそ、怒鳴るのはおすすめできません。

なぜ子供を怒鳴るの?後悔する原因とは

子供 一人遊び

子供を怒鳴ると、「すっきりした」と感じる方は少ないです。「どうしてあんなに怒ってしまったんだろう」「何も怒鳴らなくても良かったのに」と後悔してしまいますよね。

なぜ子供を怒鳴ると罪悪感で苦しくなるのか、その原因を考えてみましょう。

怒鳴るのはあなただけじゃない。誰にでもあること

まず考えておきたいのが、強く怒鳴ってしまったからといって「ダメなママ」ではありません。ママだって親である前に一人の人間であり、自分のコンディションが悪い時に子供に邪魔されたり、いたずらされたりすれば怒りの感情を覚えるでしょう。子供を怒鳴りたくなる、実際に怒鳴ってしまった、ということは誰にでもあることです。

とはいえ、「だから怒鳴ってもいい」わけではありません。怒鳴るやり方を肯定はできませんが、「周りはうまくやっているのに、私だけ上手に子育てできない」と後悔して自分を否定するのはやめましょう。

怒ってしまう背景にある感情自体は当たり前のことです。怒りたくなる自分、怒ってしまう自分も認めてあげてください

怒鳴る理由は子供ではなく自分のストレスが原因

怒鳴って後悔する根本的な原因を考えてみたことはあるでしょうか。育児中の私も以前、子供をひどく怒鳴ってしまったことがあります。朝の忙しい時間、子供が着替えを嫌がり何度も優しく言ったにもかかわらず着替えなかったので、「もういい加減にして!」と怒ってしまいました。

なぜ、この時怒鳴ったのかというと、幼稚園に行く時間が迫っていて自分の気持ちの余裕がなかったから。「子供を怒鳴る」のは、イライラした、焦る自分の感情のぶつけどころを探していたからです。

一見怒鳴るのは子供のためのように思えますが、冷静になってみるとすべて「親の都合」ですよね。これが分かるからこそ、ママは後悔するのかもしれません。私の場合だと、もっと時間に余裕をもって準備したり、子供が話を聞いていないと分かったら自分の手を止めて、子供の近くで呼びかけすればよかったのです。

このように「なぜ怒鳴ったのか」を考え、後悔する理由を探すと「怒鳴らないようにする解決法」が見えてくるかもしれません。

子供を怒鳴る後悔しないために。怒鳴らず子供と向き合う方法

家族 自宅

子供を怒鳴ってもメリットなどなく、ママは大変な後悔をするだけです。

そんな怒鳴って後悔をしないよう、怒鳴らず子供と向き合う方法をご紹介します。

「怒鳴りそう!」と思ったら子供と距離を取る

子供に対して怒ってしまったときのことを思い返してみましょう。その怒りは、子供がおもちゃを投げたきっかけ、いたずらを繰り返した瞬間など、何かをトリガー(きっかけに突然やってきますよね。もし自分がイライラしているな、怒鳴ってしまいそうだな、と感じたら、早めに子供と距離を作ることをおすすめします。

例えば子供が遊んでいたら安全を確認してそっと違う部屋に移ってみたり、子供が騒いでいて怒りたくなったら耳を塞ぎ、ゆっくり深呼吸するだけでもOKです。周囲に迷惑がかからないか、子供は安全かをチェックすれば、少しの間なら放置してもかまいません。

怒りの感情にはピークがあると言われています。そのピークはたったの6秒間。もし自分の中でイライラが爆発しそうになったら、心の中で7秒間数えましょう。イライラしている時は早めにカウントしてしまいがちなので、プラス1秒で7秒がおすすめです。

「怒り」の感情をコントロールするアンガーマネジメントについて、この記事で解説しています。ぜひ参考にしてみてください▼

「疲れ」が原因なら一人の時間を取り、心を回復させて

自覚せず溜まってしまうのが、ママ自身の疲れです。疲れると気持ちに余裕がなくなり、普段なら冷静になれるシーンでも子供にきつく当たってしまうようになります。また、今は外出自粛や外出先も限られるなど、感染症対策に気を遣いストレスを感じる方も多いでしょう。

もし疲れが原因で怒鳴りそうになるのなら、ママ一人の時間を意識的に作って心を回復させましょう。ずっと自宅で子供といる、という方は、子供以外の話し相手を見つけてみるのもストレス解消につながるかもしれません。

最近、ママは息抜きができているでしょうか?ママがご機嫌に過ごせると、子供にとってもポジティブな効果が期待できます。子供を大切にするのと同時に、自分自身にも優しくしてあげてくださいね。

こちらの記事ではストレスをコントロールする方法をご紹介しています▼

自分なりの逃げ道を作る

誰しも子供に怒鳴りたくて怒鳴っているわけではありません。怒鳴るというのは、ママの限界が近づいている「悲鳴」かもしれません。自分なりの逃げ道を作り、自分を労わってあげましょう。

先ほど、私が怒鳴ってしまったシーンをご紹介しました。朝の忙しい時間や夕方の家事が溜まる時間帯は、やはりママ自身気持ちの余裕がありません。ちょっとしたことでもイライラしますし、怒鳴りたくなる場面が増えるので、事前に対策しておくとよいですね。

  • 家事は大体できたらOK
  • あらかじめ時間に余裕をもって動く
  • 子供に対しても100%完璧を求めない、お支度は大体できたらOK

など、私の場合は子供を怒鳴ってしまってからは自分なりの朝・夕のルールを緩くしています。すると、怒鳴りたい気持ちやとっさの怒りの感情が湧かなくなりました。また、イライラしても「ああ、自分は疲れているんだな」と原因がすぐに分かります。

まとめ

子供を怒鳴ってしまった時、その後は後悔してママとしても「どうしてあんなことをしたんだろう」と気持ちが落ち込むかもしれません。頭に入れておきたいのは、

  • 誰でも怒鳴りたくなる気持ちにはなる
  • 怒鳴ってもメリットは一つもない
  • 本当に子供に伝えたいことがあるなら、怒鳴る以外の方法が最適

ということです。

怒鳴って後悔する前に、ぜひ一度自分の中で怒鳴らず子供に気持ちを伝える方法を整理しましょう。また、ご紹介した「怒鳴りたくなる」時の解決方法も活用してみてくださいね。

【参考】

キレてしまって子どもに悪い影響などが今後出ないか心配  子育てに役立つ情報満載【すくコム】 | NHKエデュケーショナル

子供に怒鳴ってしまうのはママの心のSOS! [子育て] All About

ABOUT US
【監修】久保田 由華久保田 由華
公認心理師、臨床心理士。
NY州立大学にてメンタルヘルスカウンセリングの修士号修得。NYCのNPOにてアシスタントサイコロジストとして勤務後帰国。
大学、クリニック、心理相談室等で勤務。7000ケース以上のご相談を担当。

心の相談室こころラボを設立し、カウンセリング以外にも子育てママのためのセミナーやスクール、ママのためのオンラインコミュニティを運営。