自分を価値ある人間だと思え、自分を無条件に認めてあげられる感覚「自己肯定感」。自己肯定感をしっかり持っていると、毎日が幸せに過ごせるため今や育児において自己肯定感を意識するのはスタンダードな考えです。ただ、子供の自己肯定感を高めたいのに「自分の自己肯定感が低い…」と悩むママも多いかもしれません。
育児中のママは、全体的に自己肯定感が低くなりがちです。そこで今回は、自己肯定感の低いママの特徴を3つ挙げ、さらに自己肯定感を高める方法まで解説。毎日が生きやすくなる自己肯定感について、正しい知識を身につけましょう。
自己肯定感の低いママの特徴①自分に自信がない
自己肯定感の低いママの特徴のひとつには、「自分に自信がない」が挙げられます。皆さんにも心当たりがないでしょうか。具体的な例をあげて説明しますね。
短所は思いつくのに長所は思いつかない
今「あなたの短所、長所を教えてください」と質問を受けた時、どちらが先に思いつきましたか?自己肯定感が高い方だと自分の強みや長所はぱっと思いつきますが、「どこか抜けてるし、忘れ物もしがち。何かが突出してできるなんてこともなく、無趣味…」と短所ばかり思いついてしまうのは自己肯定感が低いと言えそうです。
褒められても「どうせ私なんて」と思いがち
誰かに「ママ頑張ってるね」「すごいね!」と褒められたとして、素直に褒められたことを受け止められるでしょうか。家事と育児をこなすすべてのママは、みんな褒めるところがたくさんあります。ですが、いざ褒められたときに「いや、そこまで頑張っていないし」「でも私なんて」と言葉をそのまま受け取れないのは、自己肯定感が低い方の特徴のひとつ。
先ほどの長所と同様に、自分への自信は持っておいた方が良いです。なぜなら、育児において子供の良いところを認めて褒めるのは、とても大切です。そんな子供を褒めるシーンが訪れた時、自分に自信のないママは子供をうまく認めて、褒めて成長させてあげることが難しくなります。
子供を「褒める」ことについて、こちらの記事も参考にしてみてください。
自己肯定感の低いママの特徴②精神・情緒が不安定
自己肯定感は高い方が良い、とは言いますが、実は育児中のママは世界的に見ても自己肯定感が低めです。それはなぜか、二つ目の自己肯定感の低いママの特徴を見ていきましょう。
心配事が多く、リスクばかり気にしてしまう
自己肯定感が低い方の特徴として、常に何かを心配しており物事を始める時に「メリットよりもリスクが気になる」せいで行動に移せないことが挙げられます。これは、育児をしているなら誰しも経験することですよね。
初めての子育てだと、子供に対してたくさんの心配事を抱きます。親子で遊んでいる最中も「このおもちゃは危ない!」「この遊びは危険」とリスクが気になるママも多いでしょう。
子育てが始まるまではそうではなかったのに、子供と過ごすと心配事が増える方も当然います。リスクや心配は確かに育児において見過ごせない点ですが、過剰に心配し過ぎず正しくリスクを理解して子供と向き合えると良いですね。
何かがあると「私のせい」と責任を感じてしまう
こちらも育児中のママにはよく見られます。育児は予想できないことばかりおき、ママがどんなに頑張っても、当然子供はすべて思い通りには育ちません。ですが、子供に何かあると「私の育て方が悪かったから」「私のせいだ」と責任を感じてしまうママは非常に多いです。
先ほどの心配やリスクと同じように、責任感も子供との生活において重要。ただ、何もかも自分のせいだと決めつけると、自分自身を傷つけてしまいます。子供への責任は持ちながら、子供を信じてともに成長できるとベストです。
自己肯定感の低いママの特徴③口癖がある
自己肯定感の低いママには、あるきまった口癖があります。口癖は無意識の中に潜んでいる自分の心理なので、当てはまるかどうかチェックしてみましょう。
「〇〇するべき」
みなさんは「ママだから子供の面倒は見るべき」「ママだからそんな服装はするべきじゃない」といった口癖がありませんか?私も子供を育てるママの一人ですが、考えてみるとすべての物事を「〇〇するべきだよね」「〇〇するべきじゃない」で決めていることに気付きました。
この「〇〇するべき」は無意識の中で 自分の思考に制限を設け 、さらには他人を支配しています。そのままの自分を認めてあげるのが自己肯定感なのに、「〇〇するべき」という考えによって理想のママ像に自分を当てはめてしまっているのです。
「〇〇するべき」が口癖の方や意識しなくてもつい言葉にしてしまう方は、自己肯定感が低いかもしれません。要注意です。
「次は絶対に失敗しない」
一見前向きに見えるこの口癖。次は絶対に失敗しない、という考えは、果たして本当にかなえられるでしょうか。
失敗を繰り返すようなら確かに見直しが必要です。ですが、何事も必ず成功するとは言い切れず、「絶対」という強い言葉でさらに自分にプレッシャーを与えています。「次は絶対に」「失敗は許されない」など、これらは完璧主義で自分に厳しい方が良く使う口癖です。
この口癖や意識の癖がある方は、もう少し自分に優しく寛容になっても良いのかもしれません。
自己肯定感の低いママの特徴に当てはまっても、「直す」方法はある
これまで自己肯定感の低いママの特徴を挙げてみましたが、「いくつか当てはまる」「全部当てはまる」というママは多いかもしれません。今、自己肯定感が低いと気付いても取り返しがつかないわけではなく、思い立ったらいつでも自分を変えることはできます。
ここからは自己肯定感の低い自分を一度認めて、自分を変えるための方法をご紹介します。
上記の特徴から思考・行動を意識的に変える
自己肯定感を高めるための最初の一歩は、先ほどご紹介したような「自己肯定感の低いママの特徴」に自分が当てはまっているかどうかを気付くことです。「考えてみれば、そうだった」といった気づきが皆さんもいくつかあるのではないでしょうか。
自己肯定感を高める方法について、心理士の松村亜里さんはこう話しています。
思考のクセなので簡単には変えられませんが、意識的に「自分を責めない」選択をしてください。自己批判からは何も生まれません。自分をダメだと責めると、罪悪感がストレスになり、さらに自分を責めて、自己嫌悪のループに。人間だから悪いことも、できないこともある。「私がダメなんだ」ではなく「疲れていたのかな?」ぐらいに受け止めて。
「自己肯定感」の低さとはどう付き合えばいいの? 松村亜里さんに聞きました LEE
何事もそうですが、「へえそうなんだ」と受け止めるだけじゃなくて、自分の中で「こう変わりたい」と具体的に想像し、実行すると効果が出てきます。今自己肯定感の低い自分に気付けたママは、思考の癖を前向きに持ち直し、意識的に自分を許す・認めることを始めると良いでしょう。
失敗した自分、子供に腹を立てた自分もすべて認める
自己肯定感を高めるためには、失敗した自分や子供に腹を立てた自分も認めてあげることが大切です。育児中のママは、誰しも必ず失敗します。最初から完璧に子育てできるママなんていませんし、子供に怒ったことのないママもいないでしょう。
育児中のママは自分に厳しく、頑張ることを無意識にしている人がおおくいます。しかし、子供を大切にするように自分をも大切にできる方は限られています。この意識を持つために知っておきたいのが「セルフコンパッション」です。
セルフコンパッションとは、自分を労わる、大切な人を思うように自分のことも思いやる行為を指します。セルフコンパッションのやり方は以下の通りです。
- ネガティブな感情、思考を持ったら否定せず受け止める
- 辛い、失敗するのは自分だけじゃない。どのママも同じように辛いし失敗することもある、と共通性を見出す
- 自分が求めている、欲していることを自分にしてあげる
今持っている悩みをパパや親など頼れる存在に打ち明けるだけでも気持ちが楽になります。自分を抱きしめて、腕を撫でるだけでもOK。自分を大切にすると、自己肯定感はぐんと高まるでしょう。
育児中のママ、「自己肯定感が下がる」のは当たり前
自己肯定感の低いママの特徴でもお話しましたが、世界共通で子供を育てているママは自己肯定感が下がりやすいと言われています。子育ては予想外の出来事の連続で、計画通りに何かを進めることは不可能に近いです。そんな中で「育児がうまくいかない」というのは、育児中のママなら誰しもが感じていること。ただ、子供が「思うように育たない」のはママのせいではないし、「思うように育たない」と思っている中にも子供の良さはたくさんあるはずです。
「忙しい、疲れていて十分に育児ができない」と思っていても子供に対して無条件で愛してあげ、伝えるだけでOK。ママの時間が許すときに、子供と向き合って「あなたのことが大切だよ」と伝えてあげましょう。
自己肯定感が低いと気付けたのは、自己肯定感を高める一歩が踏み出せたということ。これから自己肯定感を高める余地はたくさんあるので、親子でぜひ良い関係を築いてくださいね。
まとめ
自己肯定感が低いママの特徴と、その自己肯定感を高める方法についてご紹介しました。自己肯定感について注目されている今だからこそ、「私はもともと低いからどうしようもない」と悩む方も多いのですが自己肯定感低いママは「いつでも変われます」。
大人になってからでも子育て中でも、自身の自己肯定感を見つめなおし子供との関係を良好に保つことはいつ始めても遅くありません。今からすぐ、自分の中の意識を変えて自分を大切にしてみましょう。
【参考】
親の自己肯定感が低いと、子どもにも影響が、まず親から高めることを【小児科医】たまひよ
「自己肯定感」の低さとはどう付き合えばいいの? 松村亜里さんに聞きました LEE