勇気が出ない、怖がり…内気な性格の子どもは直せる?ママがやりたい声掛け

内気な性格 子ども

内気な性格の子ども、引っ込み思案でなかなか一歩踏み出す勇気が出ない子を見ていると、「じれったいなあ」「お友達がいないけど、子どもの将来は大丈夫かな?」と不安になるママも多いです。

今回は内気な性格の子どもに対して、ママがどうアプローチすればよいのかを解説します。この記事を参考に、子どもとの向き合い方をぜひ一度じっくり考えてみましょう。

我が子は内気な性格。困るポイントとは

褒め方 叱り方

うちの子は内気な性格、というと心当たりのあるママも多いかもしれませんね。筆者の息子も内気な性格で、幼稚園での活動を見てみるとひとりでぽつんとしていたり、お友達と喧嘩して泣いたりしています。

こんな性格だからこそ困るポイントはたくさん。まずは子どもの内気な性格を理解するために、どんなシーンで子どもの性格が気になるのかを洗い出してみましょう。

発表会でうまくいかない子ども

生活発表会や保護者参観など、子どもが普段幼稚園や保育園、学校でどのような活動をしているのかを見に行く機会がありますよね。発表会はママだけじゃなく、他のお友達のご両親や親族も集まります。

こうした発表会だと普段よりもより緊張し、できていることもできずうまくいかないことも。劇の最中セリフが言えなかったり、全体のお遊戯で一人だけ踊れずぽつんとしている様子を見ると、もどかしく感じるママも多いかもしれません。

参観日でも学校が楽しくなさそう…

参観日で授業をしている様子を見ても、先生の質問には答えられず楽しくなさそう。また、参観日で伺うだけでなく普段の話にも活発な活動が感じられないと、「この子はこのままでいいのかな?」と不安に思うママもいます。

学校はみんなに適したものではありませんし、楽しくない原因が解決されれば子どもも自由な主張ができるかもしれません。性格の問題と環境の問題は別と捉えて、今一度何が引っ掛かりとなっているのか見極めるのも大切です。

お友達ができない、家で遊ぶことが多い

内気な性格の子どもは、お友達に「入れて」「○○で遊ぼう」など誘うことができません。積極的な対話も恥ずかしくてできないために、お友達がいない少ないことが気になることもあるでしょう。

また、外で活発に遊んで欲しいと思うママにとっては、「おうちで本を読むほうが好き」といったインドアな遊び方に不満を覚えるかもしれませんね。何とかして外に連れ出すことが正しいのか、それとも子どもに任せたほうがいいのか、判断も迷う部分です。

内気な性格は遺伝?なぜ内気な性格になるの?

子育て なぜ疲れる

内気な性格の子どもで悩むママは、「私も内気だから子どもにも影響したのかも」と思うかもしれません。ですが、内気な性格に限らず「性格」というものが遺伝する科学的な根拠はないのが実情です。

つまり、子どもの内気な性格はママの育て方次第でどうにかなるものでもなく、またどう育てても内気な性格がママのせいではありません。この性格とはどんな背景で決まるのか、子どもの内面に目を向けてみましょう。

内気な性格のほとんどは子どもの持っている性質

内気な性格のほとんどは、子どもの持っている性質です。例えばこのブログでもお伝えしたHSC(ハイパーセンシティブチャイルド)は特別繊細な感覚を持つ子どもを指し、HSCの中には内気な性格の子も多いです。

そしてHSCは生まれ持った性質であり、病気でも障がいでもありません。性格も同じもので、内気な性格は遺伝ではないという考え方が主流です。

ただし、子育てをしていると自身が内気なママは自分自身にも子どもが感じるものに身に覚えがあるために、「そんなにお友達がいなくても大丈夫だよ」「お外じゃなくておうちの中でも遊んでいいんだよ」と子どもに理解を示すかもしれませんね。そこで内気な性格が形成されたのだとすると、子どもの個性を認める良い子育てができた証拠です。

内気な性格は本当に「悪い」の?

内気な性格で悩むことはたくさんありますが、子どもが内気な性格というのは悪いことなのでしょうか。以前、我が家の内気な性格の息子を悩んだときに幼稚園の先生が言ったのは、

「みんながみんな、発表会でママ達の前で踊るのが好きなわけではありません。踊りたくない子だって恥ずかしくて動けない子だっていますし、それはおかしいことでもなんでもないです」

と教えてくれました。

内気な性格は絶対に直すべきかというと、そうではありません。子どもがお友達が欲しいと願っているのならどんな誘い方をしたらいいかなあ?とママがアドバイスをすればよいだけで、ママ自身が望む「子ども像」を押し付けないようにしましょう。おうちで遊んだり本を読むことも、お外遊びが苦手というのも、子どもの個性です。

子どもにとって何が心地よくて楽しいのかは、本人が決めます。内気な性格だからといって無理に外に連れ出したり、変に子どもに生活の方向性を強要したりしないようにしましょう。

内気な性格にもメリットが

内気な性格というのもメリットがたくさんあります。

  • 同じように内気な性格の子を理解できる
  • 一度自分の思いを留めることで、正しい選択ができる
  • 慎重な性格ゆえに、危険を事前に回避できる
  • いろいろな思考をし、自分にとって何が一番楽しいかを選び取ることができる

これは外交的な性格の子ができないというものでもありませんが、内向的な性格にもたくさんのメリットがあります。お友達がいなくても子どもは一人遊びが楽しいのかもしれませんし、お友達がいなくても自然と人が周りに寄ってくる子もいます。

内気な性格というよりも、思慮深くて慎重で、とてもやさしい我が子と良い面に目を向けることが大切です。

内気な性格の子どもにしたい声掛け

好奇心

内気な性格の子どもに対して、ママ自身は活発で外交的だからどう声掛けしたらいいのか分からない、内気な性格ゆえに子ども自身が困っているという場合は、ママから少しだけ子どもをサポートすると良いでしょう。

そんな子に対する声掛けの例を見ていきます。

「○○ちゃんが好きなときにやろう」

内気な性格だからこそ、お友達に話しかけるタイミングや遊びに誘うタイミング、また遊具や遊びをする勇気が一歩踏み出せないときがあります。ここで、「早くやらないと遊ぶ時間終わっちゃうよ」と急かすのはNG。

好きなときに、子どものタイミングで行動できるようとにかく待つのが大切です。そうして一度踏み出せると、成功体験の一つになります。次回にもつなげることができるため、今一度子どものタイミングを待てているか確認してみてくださいね。

「みんなと一緒じゃなくてもいいよ」

当たり前のことですが、子どもは一人ひとり性格があり、一つとして同じ子はいません。みんなと一緒じゃなくても構いませんし、子どもが内気な性格で何かができないというのは決しておかしなことでもないのです。

学校など集団生活の中で、もちろん自分の性格を超えて少し我慢して活動しなくてはならないときもあります。ですが、だからといってママがそれを責めるのではなく、できたら「頑張れたね。かっこいいよ」と認めてあげて、なおかつ「みんなと一緒じゃなくてもいいんだからね」と言語化してみてください。

こうした子どものありのままを認める声掛けは、子どもに家庭という安全基地を用意できます。外で何かあったとしても家に戻れば「大丈夫」と認識してもらうことで、内気な性格の子でも一歩勇気を出しやすくなるかもしれません。

「○○が好きなら、どんどんやってみよう」

内気な性格の子でも、一人でできるプログラミング学習や絵画、習字や英語などの座学に興味を持つことがありますよね。ママの好みで「サッカーをしてみるのはどう?」と誘うのではなく、子どもの行動をじっくり観察して好きなものを見つけてみましょう。

この他にも

  • ピアノやエレクトーンなど楽器演奏の習い事
  • 将棋などの個人プレイの習い事

は内気な性格の子どもにもおすすめです。子どもが好きで興味が持てるものほど取り組みやすいので、子どもに成功体験を積ませたいと思ったら、一度始めてみるのもひとつの手段です。

まとめ

内気な性格の子どもを気にするママ。こうした心配は子どもを否定するのではなく、「子どもを心配に思っているから」こそですよね。ただ、ママの理想を子どもに無理に当てはめていないか、一度立ち止って考えてみても良いかもしれません。

内気な性格は決して悪いことでもないし、メリットもあります。ほどよい子どもへのアドバイス方法を見つけて、親子関係に活かしてみてください。

【参考】

わが子の内向的な性格はママが原因?大人しい子どもを持つママが気をつけたいことは | ママスタセレクト

人一倍敏感・繊細な子の親が知るべき5つのこと [子育て] All About

【引っ込み思案の原因】内気な性格にしない子育て | 【しあわせ心理学】パンダの温度

子どもの恥ずかしがり屋・引っ込み思案な性格を克服・改善する方法 [子育て] All About

ABOUT US
【監修】久保田 由華久保田 由華
公認心理師、臨床心理士。
NY州立大学にてメンタルヘルスカウンセリングの修士号修得。NYCのNPOにてアシスタントサイコロジストとして勤務後帰国。
大学、クリニック、心理相談室等で勤務。7000ケース以上のご相談を担当。

心の相談室こころラボを設立し、カウンセリング以外にも子育てママのためのセミナーやスクール、ママのためのオンラインコミュニティを運営。