子どもの自己肯定感が高いと、何事も前向きにとらえられ挑戦する意欲や困難を自分なりに乗り越える力が身に付きます。人生の幸福感にも通じる自己肯定感は、今子育ての中で重要な要素として知られていますよね。
子どもには自己肯定感が高くあって欲しいと思うママは、子どもの自己肯定感低い悩みに直面したことは多いかもしれません。今回はそんな我が子の自己肯定感、特に小学生に上がる6歳の自己肯定感について詳しく解説します。
6歳までに自己肯定感が決まるのは本当かどうかも、あわせてチェックしていきましょう。
自己肯定感は「6歳まで」に決まるって本当?
自己肯定感は6歳までに決まるというのは、よく見かけるフレーズかもしれません。その理由にはさまざまありますが、まずは子どもの自己肯定感についてご紹介します。
6歳までの子どもは「親が言う通り」を信じる
「子どもの自己肯定感は6歳までに決まる」というのは、根拠があります。それは心のクセ、思考のクセである「メンタルノイズ」が6歳ごろに作られるからです。
6歳までの子どもには、大人同士には通じる冗談や嘘を交えたジョークが伝わりませんよね。「鬼がくるよ!」と驚かせても、小さな子どもは信じて泣き出したりすることも多く見られます。このように素直に物事を受け止める6歳までの子どもだからこそ、親の言った言葉をその通りに受け入れやすいのです。
この「親から言われた言葉」は子どもがどんな思考をするかの根幹になります。ここで「自分は何をやってもダメだ」と諦めてしまうと、メンタルノイズとしてネガティブ思考が形成されて、何事も諦めやすく根気が続かない子になってしまいやすいのです。
大切なのは、この時期の子どもは素直に受け止めるぶん、親も素直に認めてあげることです。
だからといって6歳以降は遅いわけではない
6歳までに自己肯定感は決まる、メンタルノイズは形成されるとは言いますが、だからといって6歳以降が手遅れというわけではありません。6歳までの幼い子どもは素直に親からの言葉を受け取りますが、これを理解するのはもう少し後のこと。6歳以降は自分でかみ砕いて考えたり、自分なりに理解したりと、考える力もついてくるはずです。
つまり、6歳までの子どもに対する声掛けと6歳以降では変わってくるため、その年齢・成長に合わせた育児で子どもの自己肯定感は高められます。ビジネスシーンでは大人に対する自己肯定感にも注目されているため、「もう手遅れ」はないことを頭に入れておきましょう。
うちの子は自己肯定感低いの?チェックリスト
うちの子は自己肯定感が低い?と思う方に向けて、自己肯定感の低い子の特徴をまとめました。
- 活気がない
- 挑戦する気持ちが少ない
- 諦めやすい
- 自分の意見をなかなか言わない
- 交友関係が消極的でリードするお友達についていきやすい
ただ、ここに当てはまったからといって無理に子どもを変えることはおすすめしません。静かな場所で一人きりで遊びたい子もいますし、興味のない物事は手を出さない子もいます。
「これをしないからあなたはダメなのよ」と否定するのではなく、子どもが心地よいと感じる遊び方や環境に理解を示し、ママが率先して受け入れることが大切です。
子どもの自己肯定感低いと感じたら。親ができる4つのこと
子どもの自己肯定感低いと感じるママ。ママ自身の歩み寄りで、子どもの自己肯定感は高められます。子どもと一緒に過ごす時間が多いママだからこそ、意識しておきたい行動を4つにまとめました。一つずつ見ていきましょう。
ママ自身の自己肯定感を高める
育児は子どもの自己肯定感に意識が向きがちで、「これを言ってはダメ」「あれをしてはダメ」とママ自身が楽しく生きることについては無視されがちです。子どもの自己肯定感は親の自己肯定感に強く影響するため、我が子の自己肯定感低いを変えようと思ったら、まずはママ自身が自分を大切にするようにしましょう。
このブログでも、「ママの自己肯定感は育児において大切な要素」と説明しています。
大人の自己肯定感、特に育児中のママの自己肯定感は低くなりがちです。我が子の自己肯定感を高めようと思ったら、まずは自分自身に目を向けてみるとよいでしょう。
「できたら褒める」から「挑戦したら喜ぶ」に変える
子どもに対する声掛けを、「何かを達成したら褒める」ようにしていないでしょうか。自己肯定感を高めるために大切なのは、工程や挑戦したこと自体に目を向けることです。
何かに挑戦しようとしただけで、子どもは大きな成長をしています。たとえテストで100点じゃなかったとしても、家で勉強したその事実を褒めて喜びましょう。また、この考えはママ自身にも言えます。自分のことも、「完璧じゃなくてもいい、挑戦しただけで十分がんばっている」とねぎらってあげてくださいね。
子どもの感情を肯定する
ママ自身もそうであるように、子どもは時に怒ってイライラし、疲れて諦めてしまいたくなるときもあります。こうしたネガティブな行動は「自己肯定感が低くなるからダメ!」と思い込んでいないでしょうか。
大切なのは、負の感情も肯定して受け止めることです。ただし、やらなくてはならないことがあったり、「ここは子どもにとって乗り越えなくてはならない」という場面であれば、子どものやる気を引き出して応援してあげるようにしましょう。
子どもの感情を否定するのは、特にママはやってしまいがちです。子どもの感情が爆発するいやいや期などでも「そうか。いやなんだね」と一度受け止めることで、親子の気持ちが落ち着くこともあります。
過度な期待をかけず、何でも完璧じゃなくていいと許容する
子どもには期待するのが親として当然の姿。確かにそうですが、過度な期待をかけず、「何事も完璧じゃなくていいんだよ」と子どもに声掛けをすると自己肯定感は高まります。
どの物事にも言えますが、100%成功する確証は持てません。しかし、「いい大学に行くために勉強をたくさんしなくちゃ」「パパのようになって欲しいから、スポーツを続けないと」と子どもの意思を無視して期待しすぎる方もいます。
もちろん子どもによりよく育って欲しいと願うのは、子どもの将来を心配する親ならではの気持ちです。期待することは絶対によくないとは言いませんが、過度に期待することなく、失敗してくじけてしまいそうになる子どもも認めてあげると、子ども自身もありのままの自分を愛せるようになるでしょう。
自己肯定感低い子にやってはならないNG行為
自己肯定感低い子には特徴があるとお伝えしました。なぜ自己肯定感が低くなるのかは、子どもにやってはならないNG行為を繰り返しているからかもしれません。
子どもには不適切な声掛けも見ておきましょう。
「何でできないの?」「どうしてそうなるの?」と問い詰める
避けたい声掛けとは
- 「何でできないの?」
- 「どうしてそうなっちゃうの?」
と厳しく問い詰めるものです。例えば失敗したとして、「なぜ失敗したの?」と聞かれても、大人でも答えられないですよね。
このように、子どもには「答えの出ないもの」を尋ねるのは避けておきましょう。追い詰められて子どもは行動が委縮し、本来持つ自由な発想や行動が制限されてしまいます。
「それに比べてあなたは…」と比較する
きょうだいやほかの子どもと比べてしまう声掛け。「○○ちゃんはもうできるようになったのに」というものは、ついママがやってしまうことがあるかもしれません。こちらも、ママに言われたとしても子どもにはどうしようもできないことですよね。
比較してよいのは、過去の自分だけです。過去の子どもと比較すると「こんなにできるようになった」「あの頃はできなかったけど今はできるようになったね」と自然と前向きな声掛けになるでしょう。
「まだまだできる!」と褒めるのを渋る
「ママの期待には答えられていないから、子どもが少しできたぐらいでは褒めない」という方もいますが、こちらも先ほどお伝えした「子どもに対する過度な期待」を想像させるものです。
まだまだできるから、と褒めるのを渋らず、子どもの行動は肯定してあげるとよいでしょう。
ただし、褒めることによって子どもは達成感を覚え、それ以上のことをしなくなるという弊害もあります。例えば絵を上手に描いたとして、「すごく上手」と褒めるとそれ以上の絵を子どもは描かなくなるでしょう。
これを「褒めるのはNG」と捉える方もいますが、実際には「結果を褒めている」だけで褒めることを止めるべきではありません。絵の出来栄えを褒めるのではなく、絵を描くことに挑戦したこと、長い時間集中できたことを褒めるようにしましょう。
まとめ
子どもの自己肯定感は6歳で決まる、6歳の子どもの自己肯定感低いことが気になるというママに向けて、自己肯定感の高め方と意識したいことをご紹介しました。子どもの自己肯定感を育むには、実はママが自分自身に目を向ける必要があります。
つい無視されがちなママ自身の自己肯定感。子どもの低さが気になったら、今一度自分のことも見直してみるのもおすすめです。
【参考】
「自己肯定感の低い子」に親ができる1つのこと 「できる子」ほど自己肯定感が育ちにくい? | 学校・受験 | 東洋経済オンライン
自己肯定感が低いのは親のせい?NG言動5つと子どもを高める育て方 [子育て] All About