育児中のママは、24時間365日続く子育てを続けるあまり、つい自分のことは後回しにしがちです。
- 「育児中は自分のことは二の次」
- 「子どもの声掛けでは怒らず平常心で」
- 「ママなんだから子どもが絶対に優先!」
こんな考えを持つ方も、とても多いですよね。
今回ご紹介するセルフコンパッションとは、このように自分をいたわることを忘れがちなママにこそおすすめの能力です。セルフコンパッションとは何か、どのように育むのか、ママ自身が自分を大切にする方法について詳しく見ていきましょう。
セルフコンパッションとはどんな意味?
セルフコンパッションとは、
自分への慈しみを意味し、自分自身のことを大切に思う力のこと
セルフコンパッションとは|構成要素やメリットを具体的なやり方とあわせて解説 | オンライン研修・人材育成 – Schoo(スクー)法人・企業向けサービス
を指します。今育児で子どもを必死に育てるママにとって、自分自身を大切にするのは欠けてしまいがちな要素です。
まずはセルフコンパッションの意味をしっかり考えてみましょう。
セルフコンパッションとは?
セルフコンパッションは、アメリカのクリスティン・ネフ准教授によって提唱されました。クリスティン・ネフはセルフコンパッションについてこのように述べています。
愛する人に対する思いやりや、労りと同じ気持ちを自分自身にも向け、状況に関わらず自分を素直に受け入れること
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人を愛するのは、子どもと暮らすママとしては感覚的にわかりやすいかもしれません。大切な家族には愛情を惜しみなく注ぎながら、過ごしていきたいですよね。
しかし、その感情や行動を自分にもできるかというとこれは違います。特に育児中のママは、自分のことを後回しにするために自分自身を無視しがちかもしれません。
セルフコンパッションは3つの要素から構成される
セルフコンパッションをより深く知るために、セルフコンパッションを構成する3つの要素を見ていきましょう。
- 自分への優しさ
- 共通の人間性
- マインドフルネス
自分に優しくする、他人に接するように自分のことをいたわるというのは、セルフコンパッションの基本です。また、自分を大切に思うことに通じますが、人間は誰しもが困難を抱えていて、自己と他者には共通点があると認めるのも、「自分を孤独にさせない」というセルフコンパッションの考え方のひとつ。
最後にマインドフルネスですが、これは自分の中にある苦しみや憎しみなどの負の感情を、自分の中で無視せずありのままを受け入れる考え方を指します。
ストレスをコントロールできる方法でもあるため、こちらも「イライラする自分からストレスを取り除く」という意味で、自分へのいたわりにつながります。
セルフコンパッションを活用する実例
セルフコンパッションはビジネスシーンで取り入れられることが多く見られますが、育児にも活用できます。
例えば忙しくてママがイライラしたとき、必要以上に子ども叱ってしまうこともあるかもしれません。「もうこれ以上言わなくてもいい!」という場面で、怒りの感情があふれて子どもにぶつけてしまうことも、心当たりのあるママは多いですよね。
こうしたとき、セルフコンパッションで自分の感情を受け止め、大切にできると安心感が生まれます。ママの自己肯定感にも影響し、自分を大切にするだけで笑顔で過ごせることが増えるでしょう。
育児において、中心として動くママが笑顔になれるかは大切な要素です。子どもにもポジティブな影響が及ぶため、今育児がうまくいかないと悩むママこそセルフコンパッションを意識してみましょう。
セルフコンパッションはなぜ必要なの?
セルフコンパッションとは、なぜ必要なのでしょうか。これまでセルフコンパッションとは何かをお伝えしましたが、持つメリットや注視されている理由などを知り、より深く理解してみましょう。
日本人は諸外国の人と比べるとメンタル不全の場合が多いから
日本人は諸外国の人と比べると、気にすることが多く繊細で、情緒も不安定になりがちと言われています。確かに海外の方を考えると、物事に対してポジティブにとらえる印象が強い方もいるかもしれませんね。
これは、日本人の謙遜することこそ美徳とする国民性や、つつましい行動が推奨される文化が根底にある、という見方もあります。
このように日本人はストレスを抱えやすいことから、セルフコンパッションを取り入れるのはおすすめできます。
自分自身をコントロールすることで育児の役に立つ
子育て中のママなら経験があると思いますが、育児中は常にストレスフル。リラックスする時間を持つのはなかなか難しいでしょう。イライラすると子どもに当たったりパパや家族に八つ当たりしてしまうこともあるため、自分自身のストレスをうまく解消し、コントロールする必要があります。
ですが、自分自身をコントロールするのは大変なこと。自分に目を向けていたわるセルフコンパッションは感情をうまく管理できるようになるため、よりよい育児をすることができます。
「こんなに怒りたくないのに…」「子どもをひどく叱ってしまう」と毎日のイライラが気になるママは、ぜひセルフコンパッションで自分を大切にするクセを付けるとよいでしょう。
ストレス解消・幸福感の増加・精神の健康につながる
セルフコンパッションの効果とは、
- ストレスを解消する
- 幸福感が増加する
- 精神的な健康につながる
などメリットがたくさんあります。
このメリットのどれもが、育児中のママに足りない要素ですよね。極端な話ですが、育児中はママが笑顔で過ごせると家族全員が笑顔になれます。「ママが我慢しないと成り立たない」という生活では、いずれ限界が出てきてしまうもの。自己犠牲によって作られる環境は決してよいものとは言えないので、自分自身とうまく向き合えるように努めるのがおすすめです。
セルフコンパッションを実践しよう
では、セルフコンパッションを実際に行ってみましょう。セルフコンパッションは特別長時間を作らなくても、育児の合間や就寝前などに意識するだけでできます。
忙しいママにぴったりの方法をご紹介するので、ぜひ試してみてくださいね。
リマインドペーパーを作成する
セルフコンパッションとは「自分を大切にする」マインドを指します。頭では理解していても、つい忙しさや毎日の慌ただしさに流されて、自分が我慢すればいいと間違えてしまうことも多いでしょう。
そこで、自己否定が始まらないようにリマインドペーパーを作成します。リマインドペーパーとは、「クセづいて欲しい思考」や「セルフコンパッションそのものの単語」を書いたものです。
単純に「セルフコンパッション」とメモに残すだけで構いません。冷蔵庫やスマートフォンなど、普段目にするところに書き残しておくと「今、自分を大切にできなかったかも」と思いとどまることができるでしょう。
瞑想する時間を作る
瞑想とは、目を閉じて気持ちを落ち着かせ、「たった今」だけに意識を向けることです。マインドフルネスとも呼ばれる瞑想は、寝る前にベッドに入ったときや、日中時間ができたときに行うだけで構いません。
たったの数分の瞑想でも、やってみると意外とさまざまなところに思考が飛ぶことがわかります。ですが、数分でもよいので「意識を戻す」と飛びそうになる考えをまとめて、ただ意識を集中させるようにしましょう。
瞑想は慣れてくると数十分と続けられるようになります。ストレス解消効果やリラックス効果が期待できるので、疲れているママにこそ取り入れたいものです。
自分だけのフレーズを作る
自分だけのフレーズとは、自分が作ったセルフコンパッションの決めセリフです。例えば、
- 「他人と比べない。自分は自分でいい」
- 「辛いなら逃げても大丈夫」
- 「私は自分に優しくできる」
など、意識を取り戻す言葉をあらかじめ決めておきましょう。
怒りで視界が狭くなったときや、辛くくじけそうなときにこのフレーズが勇気になってくれます。こちらもリマインドペーパーと同じく、忘れないようにメモしておくのも大切です。
まとめ
セルフコンパッションの意味とは、自分を大切にすること、いたわることです。現代のママに抜けがちな意識だからこそ、今一度セルフコンパッションを実践して試してみてくださいね。
ママが笑顔で過ごせると、子どもは毎日幸せを感じるはずです。育児中で後回しにしがちな時期こそ、ママは自分自身を大切にしてみましょう。
【参考】
「セルフコンパッション」とは?自分自身に対して思いやりを持ち現実と向き合う力を養う – Well-Being Workers
セルフコンパッションとは?自己肯定感を鍛える4つの実践方法を紹介 | PR TIMES MAGAZINE
コンパッションの意味は?セルフコンパッションについて解説 | MarkeTRUNK
セルフコンパッションとは|構成要素やメリットを具体的なやり方とあわせて解説 | オンライン研修・人材育成 – Schoo(スクー)法人・企業向けサービス