無意識のうちに思い浮かぶ考えやイメージを「自動思考」と呼びます。この自動思考はポジティブなものも、ネガティブなものも含まれるのが特徴です。
自信のないママの中には、何か物事が起きたらすべてマイナスに考えてしまうネガティブな自動思考がどんどん思いつく人も多いでしょう。今回はもっと自分に自信をつけやすくするために、ネガティブな自動思考を修正する方法をご紹介します。
この記事はこんなことがわかります▼
- ネガティブ思考、マイナス思考の修正方法
- ママが自分に自信を取り戻すためのマインド
- ネガティブ思考が引き起こす問題点
自動思考って何?
物事に取り組むとき、「自分は何をしてもうまくいかない」「どうせ失敗する」というマイナスなイメージがよぎることはよくあります。この考えを「自動思考」と行動認知学の世界では呼びますが、普段聞き馴染みのない言葉ですよね。
まずは自動思考とは何かを考えてみましょう。
出来事に対してとっさに浮かぶ考え、イメージのこと
自動思考とは、「ある出来事や物事に対してとっさに浮かぶ考え」のことです。例えば知っている人が前から歩いてきたけれど、自分に気付かず通り過ぎたとしましょう。
そのときに抱く自動思考は人さまざまです。
- あれ、私に気付かなかったのかな?急いでいるのかもしれない
- 挨拶してもかえってこないから、もしかして嫌われているのかも
その人が気付いていないのかも、と軽く受け止めると穏やかに出来事を受け流せますが、挨拶を無視された、気付いていないふりをされたとネガティブに考えると、「何か悪いことをしたのかも」「私を嫌っているのかも」と不安を覚えてしまいます。
自動思考は過去の経験やそのときの感情、普段取る行動パターンでも変わるものであり、人それぞれ自動思考は異なります。また、瞬間的に想像するイメージなので無意識のうちに起こるのが特徴です。
ネガティブなもの、ポジティブなもの両方がある
先ほども説明したように、自動思考にはネガティブなものとポジティブなもの両方が存在します。もしポジティブな考えしか浮かばない場合は、何事も不安にならず気持ちも穏やかなままでいられますよね。
しかし、ネガティブな思考だけに偏ると、不安や不信感、自信を失うことも考えられます。
さらに厄介なことに、ネガティブな思考は「自分に自信がなくても簡単に思い込める」「何か起きたときの保険になる」ために、偏りやすいのも特徴です。意識しておかないとネガティブ思考は無意識のうちにどんどん進んでしまい、記事冒頭でご紹介したような「どうせ何をやっても失敗する」「何をしてもうまくいかない」というママの自信を奪う結果になるのです。
自分の思考のクセに気づくきっかけになることも
なぜ自動思考に着目するのかというと、この自動思考とは「認知」の段階の中で浅いレベルのものを指します。認知とは「物事を考えて捉えること」を指しますが、簡単にいうと「どういう思考回路をしているか」という意味です。
自動思考は無意識下で行われるため、「なんで自分に自信が持てないんだろう」「どうしていつもうまくいかないんだろう」と悩む原因がここに隠れていることもあります。ママの中でなんとなく育児しづらい、自分だけが辛くて苦しい思いをしている…と悩む人は、自分の思考のクセがゆがんだ価値観や極端な考えに向かわせてしまい、生きづらさを自分で生んでいるのかもしれません。
ネガティブな自動思考が起こす問題点
とはいっても、無意識のうちに起こる自動思考。「ネガティブになっても仕方ないじゃない」と思うママも多いかもしれませんね。
そこで、ネガティブな自動思考はどんな問題が起こるのかを考えてみましょう。
ママがさらに生きづらくなる
なぜ育児中のママこそネガティブな自動思考を修正して欲しいのかというと、育児中は一人で過ごす社会人よりも、「自信を失いやすく」「周りから認められている意識が薄く」「自己肯定感を失いがち」だからです。育児は大変な役割であるにもかかわらず「ママなんだから出来て当たり前」と捉えられがちですよね。
そんな環境の中を過ごすママだからこそ、「自分のご機嫌を取れる自分自身」がネガティブ思考にとらわれて欲しくないのです。生きづらさの原因が自分の無意識で行われると、直すのにも時間がかかります。
子どもにもママのネガティブ思考が影響することも
ママ自身が生きづらくても、自分を後回しにする人にとっては「子どもさえ元気に過ごせていればそれでOK」と思うかもしれません。しかし、親子が暮らす中で優先したいのは、実はママの精神面です。
このママのネガティブ思考は、一緒に過ごす時間の長い子どもにも少なからず影響します。また自分に自信のないママが、「我が子には自信に満ち溢れた意欲の高い子になって欲しい」と思っても、どう接してよいのかわかりませんよね。
子どものためにも、ママのネガティブ思考は修正しておくのがおすすめです。
「認知の歪み」が起こってしまう
たった少しのマイナス思考でも、ネガティブな考えは「リスクを避けるため」「いざ失敗したときの保険」として手放すのが難しいです。クセにもなりやすいため、最初はひらめきやイメージといった自動思考から、自分の本質を形作る大元の「スキーマ」にまで影響します。
すると、物事の客観性が失われすべてをネガティブに捉えてしまうことも。少し難しい言い方をしましたが、端的に言うと「ネガティブ思考は自分の間違った価値観を生み出す」ために、早めに直した方がよいのです。
ネガティブな自動思考を治すには?
では、このネガティブな自動思考を治すためにはどんなことをすればよいのでしょうか。自分自身を苦しめる考えを修正するための3つのステップをご紹介します。
自分の自動思考をメモして客観的に分析する
自動思考は簡単には治りません。とっさのひらめきを根本から治すには時間がかかると思っておきましょう。
ただし、ネガティブな自動思考をそのままにするのではなく、気付いたときにメモを残し客観的に分析します。
- なぜこのニュースに嫌な印象を持ったのだろう
- この人に出会うと不安になるのはなぜ?
- 子どものこの言葉に傷ついたのはどうしてだろう?
など、周囲から受けた言葉や出来事に対する自分の持つ自動思考を、今一度見つめなおしてみましょう。
一度思考を遮断する
自動思考は考えるとどんどん勝手に進んでいきます。ポジティブな自動思考だと「まあそんなこともあるか」とそこで思考はストップできますが、「もしかして嫌われているのかも。あの出来事が原因かも。だとすると、他の人からも嫌われているのかも…」とネガティブな思考こそ展開しやすいのです。
そのため、自動思考に気付いたあとはすぐに考えを違う方向に向けましょう。例えば五感に集中したり、わざとゆっくり呼吸したりして、意識を反らすのがおすすめです。
就寝前や何もしていないときにどんどん引き起るネガティブな自動思考は、「マインドフルネス」でも回避できます。
ポジティブ思考に変換し前向きに考える成功例を積む
ネガティブな自動思考は、考え方を変えるとポジティブにも捉えられます。
- 嫌われているのかも→嫌われても別に関係のないこと
- 失敗するかも→失敗してもリカバリーできるから大丈夫
- できないかも→じゃあ次にがんばればいいや
このポジティブな変換は、成功すると自分の中にある不安を自分で和らげることができます。成功例をどんどん積み、「ポジティブな自動思考になるとさらに生きやすくなる。不安がなくなり前向きになれる」と自分の思考のクセを変えてみましょう。
まとめ
少し難しい言葉である自動思考。ネガティブな思考のクセが取れない、どうしてもマイナスな考え方をしてしまうというママは、その原因が無意識に行われる自動思考に隠れていることが多いです。
今、自動思考に気付けたのは大きな進歩。生きづらさを解消し、子どもにもポジティブな影響を与える思考のクセを付けてみましょう。
【参考】
自動思考が止まらない理由|止める方法やスキーマとの違いについても解説
この記事はこんな方におすすめです▼