早い子ではハイハイからあんよが上手になり、ぐんと活発に動き回るようになる1歳。言葉もたくさん発するようになり、体も心も大きな成長を感じますよね。
しかし、夜寝る時間になってもなかなか遊びを辞められず、寝る時間が遅くなったり、急に夜泣きを始めるようになったりすることも。ネントレと聞くと、一般的には生後5~6か月から始めるイメージがあるので、1歳からでは遅いのかな?と思うママパパも多いのではないでしょうか?
この記事では、
- お子さんが1歳前後でネントレを始めようと思っているママパパ
- ネントレが1歳からでも遅くないか気になっているママパパ
- 1歳からのネントレの特徴を知りたいママパパ
に向けて、1歳からのネントレについて分かりやすく解説します。
ネントレは1歳からでも遅くはない?
ネントレの基本の考え方
「ネントレ=ねんねトレーニング」は子ども自身が自分で眠りに入る力をつけることを目標としています。成長とともに、いつかは必ず一人で寝られるようになりますが、心と体の発達や生活環境、産まれ持った特性が1人1人で違うように、睡眠にも個性が見られます。特に苦労することなく、1歳ごろまでに自分で寝られる子もいれば、睡眠のサイクルが短く、何度も起きてしまう子もいます。
ネントレにはさまざまなメソッドがあります。代表的なものは、赤ちゃんのスケジュールを管理する「ジーナ式ネントレ」、子どもとの距離を少しずつ離していく「フェイドアウトメソッド」、子どもと離れる時間を少しずつのばしていく「タイムメソッド」などがあります。どの方法が優れているというのはなく、ネントレを実践するママパパの生活パターンや、子どもの発達の様子に合わせたものを選ぶのがよいでしょう。
ネントレが上手くいくことで、ママの睡眠時間や自由時間が確保しやすくなったり、パパの育児参加がしやすくなったりします。自分で質のよい睡眠をとれるようになることは、子どもの成長にとってもとても大切なことです。
ネントレをはじめるのに適した時期
ネントレは、ジーナ式では生後1週間から、他のネントレも生後5~6か月ごろから始めることができます。早い方が身に付きやすいと言われているのは、1歳を過ぎると、自我が芽生えてくるので、不安感を覚えたり、布団や寝室から出てしまったりすることがあるからです。
しかし、年齢によって心身の発達や生活環境、家族編成も変わります。また、1歳前までは特に睡眠トラブルはなかったのに、急に夜泣きが始まったなんてことも。
ママパパにとって「ネントレが必要だ!」と思った時期がはじめ時です。1歳からでも遅いということはなく、年齢に合わせたネントレのポイントを押さえることが大切です。
1歳からでもできることはたくさん
1歳以前の赤ちゃんとのコミュニケーションは授乳や抱っこ、表情が中心です。1歳を過ぎると言葉の理解が進み、コミュニケーションの手段が増えてきます。
子どもが安心して睡眠をとれる1番の土台は「安心感」です。1歳以降のネントレでは、子どもへの声掛けや、授乳や抱っこ以外のスキンシップを意識的に行っていきましょう。
ネントレで解決できる?1歳からの睡眠トラブルの原因や特徴
夜中に突然目を覚ます
1歳前までに、順調にネントレを行って、セルフねんねができるようになった赤ちゃんでも、1歳を過ぎたころに突然夜泣きが始まったり、なかなか寝付かなかったりと、睡眠トラブルに陥ることがあります。
今までもネントレが上手くいっていたママパパは、泣き止ませることに慣れていないため、どうしてよいか分からなくなってしまうことも。いくつか考えられる、1歳以降の睡眠トラブルについて解説します。
不規則なスケジュールになる
1歳を過ぎると、昼間の活動がより活発になります。今までほとんど家の中で過ごしていた赤ちゃんも支援センターや公園に出かけたりすることが増えます。また、仕事復帰のママも多いため、保育園に行き始める子も多いでしょう。
この急激なスケジュールの変化についていけない子供が多いのです。就寝前だけでも同じスケジュールで動けるようにするのがおすすめです。
昼の睡眠時間が長過ぎる
1歳児の睡眠時間は、13~14時間が目安です。お昼前後2時間程度の昼寝をはさみ、7~8時ごろ就寝するのが理想的です。
昼寝の時間が遅くなったり伸びたりしてしまうと、就寝時間になっても全く眠くならず、いつまでも遊んでしまうことが多くなります。
兄弟の誕生
1歳を過ぎるとママの妊娠・出産を経験する子も出てきます。妊娠により、ママが不安定になったり、今までママにやってもらっていたことができなくなってしまったり。
兄弟が産まれると、ママの体は1つしかないため、どうしても一緒にいられる時間が以前に比べて減ってしまいます。避けようのないことだし、成長にとっても必要なことなのです。ママが気に病む必要はありませんが、できる限り一対一の時間を意識的にとるようにするのがおすすめです。
情緒面や精神面の成長
1歳を過ぎると、脳の発達に伴い、相手の反応を楽しんだり、甘えたり、思い通りにならないと泣いて訴えたりと様々な感情が芽生え始めます。
不安を感じやすい子どもにとっては、夜というだけで悲しくなったり、不安定になったりすることもあります。めまぐるしく発達する時期なので、感情の波が大きく、それが睡眠にも影響してきます。
刺激が増える
昼間アクティブに動けるようになった分、刺激もどんどん増えてきます。よい刺激もありますが、中には恐怖を覚えるような刺激に触れることも。
昼間に受けた刺激が、夜泣きの原因となることも多いです。全て防ぐことはできませんが、大きすぎる音や怖いテレビをかけておく等はできるだけ避けるようにしましょう。
1歳からのネントレを成功させるポイント
夜間断乳を試してみる
ネントレの基本は授乳と睡眠を切り離すことです。とはいえ、もう少し卒乳はしたくないというママもいるでしょう。そんなときは、夜間断乳だけでも試してみることがおすすめです。
「寝る時間だよ」と意識的に声掛けをする
1歳を過ぎると、言葉の理解が深まります。日頃からより一層声かけをするようにしましょう。「寝る時間だよ」というのを毎日伝えていきましょう。
寝室におもちゃをおかない
1歳を過ぎると、自分で動けるようになるため、寝室にちょっとでも興味を引くものがあるとバッチリ目が冴えてしまうことも。おもちゃはもちろん、リモコンや携帯電話なども子どもの興味を引くものの一つ。寝るときにはしまっておくのがおすすめです。
子供に合ったねんねルーティンを探す
睡眠へのルーティンは大人の不眠にも有効な場合も多く、何歳からでも始められます。定番の絵本の読み聞かせ、オルゴール、キッズマーサージ、ストレッチ、安心するぬいぐるみを抱くなど、その子に合うものを見つけていきましょう。
兄弟がいる場合はできるだけ上の子を優先して
兄弟がいる場合の寝かしつけは、本当に難しいですが、できる限り上の子を優先しましょう。下の子のネントレをしたいママパパもいるかもしれませんが、上の子の睡眠リズムが整っていると、自然と下の子も寝るようになることも。また、できる限り別々の部屋で寝ることをおすすめします。
夕寝はしない
昼寝が不十分で、夕方4時以降に眠そうにしていても、できるだけ夕寝は避けましょう。夕方寝るより、前倒してはやく寝室に向かう方がおすすめです。
夕方〜夜にかけてのスケジュールは前倒し気味で行う
寝る前のスケジュールは早め早めに行うことがおすすめです。しかし、保育園やママの仕事復帰、パパの帰宅時間等でなかなか難しい場合もあるでしょう。
全て完璧にやろうとするとママの負担になるので、夕飯は多少手を抜くなどして調節するとよいですね。
まとめ
1歳を過ぎた子どもは、赤ちゃんのかわいさを残しつつ、幼児の無邪気さが垣間見え、本当にかわいいものです。しかし発達が著しい反面、癇癪や睡眠トラブルに悩むことも多くなります。子どもとママパパにとって、優先するところのみピックアップして、長い目で見たネントレにチャレンジしていきましょう。
ネントレについてはこちらのコラムでさらに詳しく解説しています▼
【参考文献】
ジーナ・フォード (著), 高木千津子 (翻訳)
『カリスマ・ナニーが教える 1・2・3歳児とおかあさんの快適子育て講座 』朝日新聞出版 2020
愛波 文 (著)、西野 精治 (監修)
『ママと赤ちゃんのぐっすり本 「夜泣き・寝かしつけ・早朝起き」解決ガイド』 講談社2018