子育て費用はどのくらい必要?大学までにかかる費用の平均と実態について解説

子供が生まれたら考えるのが子育てにかかるお金ではないでしょうか。大学までに一体何にどのくらいかかるの?と不安や焦りを感じる人もいるでしょう。

そこでこの記事では、実際にかかる子育て費用の内訳や年間平均額、貯蓄方法について解説していきます。子育て費用は、コツコツ貯めておくことが必須。実態を知れば、貯蓄計画も立てやすくなりますよ。

子育て費用の内訳を知ろう

お金の計算

子供1人を育てていくには、相当な費用がかかります。まずは子育にかかる費用について、知ることが大切です。一口に子育て費用と言っても、実際にしっかり把握し、準備できている人は少ないかもしれません。では子育て費用とは、何にどれだけかかるのでしょうか。その内訳について詳しく見ていきましょう。

教育費と養育費に大別される

子育て費用とは、教育費養育費の大きく二つに分けられます。教育費とは、学校や学校以外でかかる教育に関わる費用のことです。養育費とは教育費以外の子供の生活にかかる費用の全てを指します。

学校教育費はどの程度かかるのか、進路にもより大きく変わってきますが、かかる費用はハッキリしています。逆に養育費は、身の回りのものを含めてかかるもので、その内訳は幅広いです。

これまで意外と家計を圧迫していたのが、幼稚園などの未就学時の保育料です。2019年より保育園や幼稚園は減額、認定こども園は原則無料となりました。保育料が無償化になったことで、家計の負担の軽減に繋がっています。

学校教育費~学校等でかかる費用~

学校教育費の内訳は、以下の3つです。

  • 学校教育費
  • 学校外教育費
  • 学校外活動費

子供が習い事や塾に通い出せば、かかる費用はぐんと増えます。中学生以上になると、それまでよりも教育費にお金がかかるようになり、まとまった金額が必要になることが多いです。子供が進む道を自由に選択できるようにしてあげたいと考える親御さんも多いです。そのためにも必要な費用の見通しを立てて、子供が小さいうちから、できる限り準備しておくと安心です。

養育費~教育費以外にかかる費用~

養育費の細かい内訳です。

  • 衣類・服飾雑貨
  • 食費
  • 生活用品
  • 医療費
  • 保育費
  • お小遣い
  • お祝い行事関連
  • 子供の預貯金・保険
  • レジャー・旅行費

毎月の学校費については把握していても、養育費については無頓着だったりはしないでしょうか。養育費は費目が多岐にわたるため、何かとかさみますよね。子供が小さいうちから、あれこれかかるものです。

どんなものにどれだけかかっているのかを目で見てわかるように記録して、無駄買いを減らすなど家計の改善を図り、お金の使い道をしっかり把握しておくと良いでしょう。

子育てにかかる年間費用は?~年代別の平均~

教育費用

一年間にかかる子育て費用は一体どのくらいなのでしょうか。年齢によって、その金額も異なります。よく子供が小さい頃や小学生くらいが貯め時といいますよね。それは、中学・高校・大学になると、教育費用に大きくかかるため、家計の負担が大きくなるからです。では、実際に年間でかかる費用について、年代別の平均額を参考に見ていきます。

0歳から中学生まで

内閣府政策統括官「インターネットによる子育て費用に関する調査報告書」のデータによると、就学区別の年間子育て費用は以下の通りです。

未就学児:約88万円
保育園・幼稚園:約122万
小学生:約115万円
中学生:約156万円

結果によると、未就学児ではそれほどウエイトを占めていなかった食費が、徐々にかかるようになること、学年が上がるに従って、学校教育費や塾や家庭教師などの学校外教育費の割合が増えるため、小学生以降は全体的にかかる費用が高くなるのが特徴です。

小学生や中学生から私立に通わせる場合は、上記の金額に加えて教育費用を見積もるため、年間費用はもっと高くなります。

高校生の場合

文部科学省の「平成30年度子供の学習費調査」から教育費を参考に年間子育て費用を算出したものです。通う高校が公立の場合と私立の場合で別に出しました。
計算式:養育費+学校教育費

公立高校の場合
131万6,050円+45万7,380円=177万3,430円
私立高校の場合
131万6,050円+96万9,911円=228万5,961円

高校の3年間で必要な費用は、
公立高校の場合:532万290円
私立高校の場合:685万7,883円

参照:文部科学省「平成30年度子供の学習費調査」

私立の高校に進学した場合、年間約50万円、3年間で約150万円追加の費用が必要だと認識しておくと良いでしょう。大学進学のための予備校費用などは別途かかります。

大学生の場合

大学生になると、一人暮らしを始める人やアルバイトで収入を得る人もいます。人によってライフスタイルが異なるため、養育費にかかるお金は変わってきます。

自宅から通う前提として、食費・衣類・医療費などの項目で算出された必要年間費用は、約90万円です。この金額に授業料などの教育費が加わった金額が大学生の一年間の子育て費用となります。

大学も私立か公立か、文系か理系かで異なります。
国公立:80.1万円
私立文系:90.4万円
私立理系:85.5万円

在学中にかかる年間費用の平均は、
国公立:約114.8万円
私立文系:約160.1万円
私立理系:約185.3万円

大学の4年間での全平均は、約807万円となります。最も少なく見積もって国公立の大学を選んだとしても、約550万前後はかかります。
教育費でまとまったお金が必要になるのが、大学の進学時です。大学進学のためには約1,000万円を目標に準備しておけば、間違いないでしょう。

もしも一人暮らしをする場合は、仕送りも必要です。2019年の全国大学生活協同組合連合会の調査では、仕送りの月額平均は約73,000円となっています。どのケースになっても対応できるようにしておきたいところです。

さて、これまでの年間費用を見てきましたが、0歳から大学卒業の22歳までにかかる子育て費用の総額を想定すると、約3,200~3,600万円となります。巷では子供一人を育てるために必要な費用の総額は、約3,000万円と言われていますが、おおよその目安となるでしょう。

費用はコツコツ貯めて準備しよう

お金

子供の成長に伴い、子育て費用はどんどん増えていきます。すぐにまとまったお金を捻出するのは、難しいことですよね。ここでは子育て費用を貯めるためにどのような方法があるのかご紹介していきます。それぞれの家庭に合った方法で、子供の将来のために無理なく貯めていきましょう。

保険の活用で計画的に貯める

万が一に備えた保険の活用は有効です。学資保険や生命保険に入っておくことは、予期せぬ事態が起こったときでも安心です。

学資保険は積立貯蓄型もあり、教育資金となります。コツコツ計画的に貯めることができるので、オススメです。一度保険のプロやファイナンシャルプランナーなどに相談してみるのも良いでしょう。家庭に合ったプランを紹介してくれるはずです。

助成金は貯めておく

助成金とは、各自治体から支給される給付金や支援金のことです。

主な助成金としては、

  • 出産の時の「出産手当金や出産一時金」
  • 産休中の「失業給付金や求職者支援制度」
  • 子供が0歳から中学3年生まで支給される「児童手当」

などがあります。

これらを子育て資金として、貯めておくと良いです。貯めておけば、きっと何かの助けになります。ですが、あくまでも臨時収入という観点を忘れずに。制度が変われば、カットされる場合があるかもしれません。頼りにし過ぎず、他の方法でも貯蓄を進めていきましょう。

家計の収入アップを目指す

節約や貯蓄だけでは限界があり、子育て費用を捻出するのは難しく感じることもあるでしょう。子育てする上で家計が苦しいならば心機一転、転職や副業を考えてみてはいかがでしょうか。

子育てにかかる費用を貯めるためには、収入アップが近道になります。余った資金を投資に充ててみても良いでしょう。何かしらこれまでと違った視点でお金を貯める方法を模索し、行動してみることをオススメします。

奨学金の利用を考える

大学進学には多額な費用がかかります。そこで奨学金の利用を検討してみるのも一つの手段です。近年は二人に一人が奨学金を利用していると言われ、決して珍しいことではありません。

日本学生支援機構や各都道府県、大学独自の奨学金など様々なものがあります。情報を集め、利用を検討してみても良いでしょう。

まとめ

子供が生まれたら、将来のために子育て費用を貯蓄しましょう。子供が小さいうちから家計に占める子育て費用の管理を怠らないこと、早いうちから意識してコツコツ貯める準備をすることが大切です。

また就学時期によって、何にどれだけかかるかは異なります。大学進学まで見通した長いスパンで捉えることが必要になります。

親としてできることは、子供が将来好きな道に進み、安心して立派に巣立っていけるようになることです。そのためにも今から万全な準備をしていきましょう。

【参考】

文部科学省「平成30年度子供の学習費調査」

ABOUT US
【監修】 公認心理師YUKA久保田 由華
公認心理師、臨床心理士。
NY州立大学にてメンタルヘルスカウンセリングの修士号修得。NYCのNPOにてアシスタントサイコロジストとして勤務後帰国。
大学、クリニック、心理相談室等で勤務。7000ケース以上のご相談を担当。

心の相談室こころラボを設立し、カウンセリング以外にも子育てママのためのセミナーやスクール、ママのためのオンラインコミュニティを運営。