【公認心理師監修】子育て中の自己否定・自己嫌悪を減らしたい…。ママに贈る心理テクをご紹介

自己否定

育児中のママの悩みはさまざま。中でも「私のせいでうまくいかない」と自己嫌悪に陥ると、途端に自分のすべてを否定する自己否定が止まらなくなります。

自己否定は謙虚でへりくだることの多い日本人ならではの“奥ゆかしさ”とも捉えられますが、ひどくなると自分でも思考がどんどん進み、やることなすことに自信が持てなくなることも。育児が辛く、次第にうつ症状を出す方もいます。

今回はそんな育児中の自己否定・自己嫌悪を止めたい、自分に自信を持ちたいママへ向けて心理テクニックをご紹介。持っておきたいマインドやどうして自己否定が起こるのか、またママの自己否定は子どもにどう影響するのかもご紹介します。

自己否定が止まらない…。自己否定とは?

HSC 怖がり

子どもを育てるママなら一度は悩む自己否定。一度意識すると癖付きやすい思考でもあり、十分な注意が必要です。まずは自己否定とは何か、なぜ育児中のママに自己否定が悩みに昇るのかその原因まで考えてみましょう。

自己否定って何?

自己否定とは、名前の通り「自己(自分)を否定する」ことを指します。自分の行動に自信が持てず、「何をやってもダメ」とNOを出し続けるのが自己否定です。

どの行動も自分で認められないため、自分の自信はそのたびに失います。育児中のママなら、

  • うちの子の受験が失敗したのは、私の育て方が悪いから
  • トイトレが失敗したのは私の教え方が悪いから
  • 何をやってもどうせうまくいかない、うちの子なんてダメな子だ

といった思考が自己否定と言えるでしょう。

この例を見るとわかるように、ママの自己否定は最終的に子どもにも影響します。この点は後ほど詳しく説明するとして、参考にしてみてくださいね。

育児中のママは毎日大忙しで、自分のことは後回しにしがち。体力的にも精神的にも余裕がないので、自己否定が1度始まると止まらないこともあります。「どうにか気持ちを持ち直したいのに」とあがけばあがくほど自分のことが嫌いになり、否定が止まらないと悩むママも多いのが現状です。

育児中ママが自己否定止まらない原因とは

なぜ、育児中のママにおいて自己否定が課題にのぼるのでしょうか。自己否定が止まらない原因を一緒に考えてみましょう。

詳しい自己否定の原因はこちらの記事も参考にしてください▼

自己否定は「自分を守る手段」だから

自己否定は自分を否定することでありながら、一方でママにとっての「保険」にもなります。例えば無理な課題や難しいことに挑戦するとき、「どうせ私なんてうまくいかない」と思っておけば失敗したときに「ほら、想像通り」と予測が当たった安心感を得られることができます。そして成功すれば、「無欲の勝利でうまくいった」と自分を守れるのです。

他にも、失敗前提で物事を考えておくと必要以上に傷つかないという点も挙げられます。自己否定にはデメリットだけでなく、自分を否定することでこれ以上傷つかないようにする「自分を守る手段」という意味合いもあることを頭に入れておきましょう。

「ママは自分を出さないべき」という風潮が一般化しているから

子育て中のママは自分に嘘をつくのが上手です。というよりも、嘘をついてこそ母親、自分を出さないのが理想の母親像という風潮があまりにも当たり前になっています。例えば

  • ママだから子どもを優先するべき
  • ママだから自分の趣味を持ったらダメ
  • ママだからこういう格好をしないと

と、ママ自身の個人的な意見は無視して「ママとして自分を犠牲にするべき」という風潮は珍しくありません。

すると、自分を保てないママは自己否定が始まります。例え自分では「こっちが好き」と思っていても、ママであるからこそ育児中だからこそ「好きじゃない方」を選ばなければならないのです。自分に嘘をつき続けると心と行動が裏腹になり、自分を裏切り続けることになります。

自己否定が癖になる過去を持っているから

自己否定の原因の多くが、自分自身も自己否定が癖になる育てられ方をしたからというのもあります。自己否定とは実は簡単で、自分しか傷つけないからこそ直されないものでもあるのです。

「あなたは大したことない人間だし、何をしてもダメだ」「どうせ失敗するし、元からそういう人間なんだから仕方ない」といった育てられ方をすると、この過去が呼び起こされて「自己否定する自分」に違和感を持たなくなります。

これは日本文化も少しかかわっているといえるでしょう。私達は、自分たちがいくら優れていたとしても「いえいえ、私なんてまだまだ」と謙遜することが美徳としています。つつましくて奥ゆかしい日本人ならではの文化ではありますが、行き過ぎると自分のことを否定し、自分に自信が持てなくなるのです。

よく日本人の自己肯定感は諸外国に比べて低いと言われますが、こうした文化が背景にあると言えそうです。心当たりのあるママは、だからといって「じゃあ最初からダメなんだ」と諦めるのではなく、負の連鎖を断ち切れるのは自分だと自信をもって、我が子の自己肯定感を高めるのが大切です。

育児において「褒められる」「認められる」ことが極端に少ない

育児中の自己否定が止まらないのは、子育ての中でどんなに忙しくしていても、ママは褒められることも認められることも少ないからです。母親なんだから育児して当たり前で、ときどきパパが手伝ってくれるのは「特別な行動」として考えられますよね。「私の家事・育児は何の価値もないの?」と思ってしまうのも当然かもしれません。

また、ママの中には仕事に就いていない方も多く、社会的に孤立しがちです。するとなおさら周囲との関係が希薄になり、褒められるシーンや認められるシーンが少なくなり、自分を見失って自己否定へと発展してしまうのです。

自己否定は子どもにも影響する?

自己否定が影響するのは、否定された自分だけにとどまりません。先ほど「自己否定が引き起こる育てられ方をされた」ら自己否定癖が付きやすくなるとご紹介しましたが、その通りママが子どもの自己否定を引き起こすことも考えられます。

ママが自分に自信が持てないあまり、「私のダメな育て方を受けたこの子も当然ダメな子だ」と言葉に出してしまえば、子どもは自分自身が認められません。育児において自己肯定感は「ありのままの自分を肯定する」大切な意識ですが、ママが意識できないことで子どもの自己肯定感も下がってしまうでしょう。

自己否定が子どもにもたらす影響は以下の記事にもまとめています▼

自己否定が癖になっているママの特徴

オペラント条件付け

自己否定はママの悩みでもありますが、無意識のうちに自分への自信を失っている方も多いです。自己否定が染みついてしまうママの特徴を以下にまとめました。

1つずつチェックしてみましょう。

人を信じられない、信頼できる人がいない

まずは人を信じられないママです。人を信頼できないため、「育児も全部私がやらなくちゃ」「パパに任せるのは不安」とすべてを背負ってしまいます。

子育てはとても大変なことで、果てしなく時間がかかり想像もできない労力が必要です。例えシングルマザーでも、ママ一人で子育てをやりきるのは不可能です。幼稚園や保育園、さまざまな育児にまつわるサービス、家族を頼ってみんなで子育てをしていかなければなりません。

また、人を信じられないママは自分自身を信じる力も弱いでしょう。まずは自分を認めるためには、他人のことも認めて信じていく練習をするとよいかもしれません。

褒められることに慣れていない、どう返してよいのかわからない

他の方から「ママはいつも頑張ってるね、すごいね!」と声を掛けられても、どう返してよいのかわからないこともあります。こちらも「自分に自信がない」に通じるものがありますが、自己否定するがために褒められても「絶対にそんなことない」と受け入れられないのです。

自分を認めてあげると、褒められた言葉は素直に受け止められます。また、そのお返しにその相手のことも良く思えることでしょう。自己否定が癖になっている方は、褒められるのがなんだか苦手…と思うことも多いです。

何事も完璧主義、完璧じゃないと気が済まない

すべて完璧でなくてはならず、失敗やうまくいかないことがあると「ダメ」と否定してしまうのは、自己否定の典型例です。完璧主義なママは何事にも一生けん命で、育児や子どもに情熱を注ぐのはよいこと。ですが、この完璧主義のせいでできない自分を責めたり、思い通りにいかない子どもにも「完璧でありたい」思いが向かったりします。

育児は予想外の連続で、思い通りにいくことなんてひとつもありません。完璧を求めて頑張るのは「頂上のない山を登り続けている」だけで、疲れてしまう以外の収穫はないことに早めに気付けるとよいですね。

自分にとにかく自信がない

最後は自分にとにかく自信がないママです。何をしても自分が気に食わない、褒めるべきところも長所もない、と悩むあまり自己否定が止まりません。多くのママは自己否定は悪しきことで、無理にでも自分を褒めないといけない!と思っているかもしれません。

確かにその通りですが、自分への自信はすぐに持てるものでもないのです。時間をかけてゆっくりと自分の思考の癖と認知の歪みに気付き、見直して修正して自分自身を認めてあげなくてはなりません。

自己否定止まらないママの特徴と直し方はこちらの記事も参考に▼

自己否定はママや子どもにどう影響するの?

卒乳

自己否定はママや子どもにどう影響するのでしょうか。自己否定をそのままにしておくと起こることを今一度おさらいします。

自己否定によりストレスが溜まるとうつ病にもかかわる

うつ病とは、過度なストレスや受け入れがたい環境、人間関係などの社会環境が影響し、脳の働きが低下する病気を指します。症状としては強い不安感を覚えたり、脳が働かないことで不眠や体調不良を引き起こしたり、機能低下が見られたりします。

自己否定とは自分自身を否定する、無意識に動くその行動一つ一つに自分で「NO」を出している状態なので、当然ストレスが溜まります。解消できないとうつ病と関わってくることも珍しくなく、自己否定とうつ病はまったくの無関係とはいえないのです。

育児中におこるうつ病は、「産後うつ病」が挙げられます。ママは出産すると突然「母親」になり、産後弱った体でいきなり慣れない乳児育児を24時間体制で行うように。この中でストレスを溜めないというのは難しいことなので、自己否定が始まるとママは自分自身に真っ先に気に掛けるようにしましょう。

元から自己否定が癖になりやすいHSPもいる

自己否定はうつ病やHSPの原因になる、と噂されることもありますが、正確にいうと因果関係は逆です。自己否定が止まらない、すぐに自己否定に陥ってしまうというママはもしかするとHSPかもしれません。

HSPというのはハイリー・センシティブ・パーソンのこと。

HSPは、米国の心理学者であるエレイン・N・アーロン博士が提唱した心理学的概念で、神経が細やかで感受性が強い性質を生まれ持った人のことです。

心が疲れやすくて生きづらい…それは「HSP」かもしれません | 睡眠・休息・メンタルケア | サワイ健康推進課

このように、人よりもはるかに繊細な感受性を持つ気質を呼びます。HSPは生まれ持った性質であり、自分自身で意識しながら抑えることはできても、病気ではないので完治できません。HSPは無自覚であることも多いため、生き辛さや自分への自信を失いがちです。

自己否定とうつ病の関係性はこちらの記事にまとめています▼

ママの自己肯定感が低いと子どもにも影響が

次は子どもへの影響を考えてみましょう。自己否定するママは自己肯定感も少なく、これは子どもにも影響します。育児において「ありのままを認める自分を育てよう。自己肯定感を育もう」というのは今や常識的なテーマであり、自己肯定感を意識したママも多いかもしれません。

子どもとママの自己肯定感は別物ではありますが、子どもの自己肯定感を高めるとき、まずはママ自身の自己肯定感の見直しから始まります。それほど、子どもと一緒に過ごす時間の多いママの姿は子どもに影響するからです。

自己否定が止まらなくて苦しむのはママだけかもしれませんが、子どもにも影響するのだとしたらすぐにやめたいものですよね。次に自己否定や自己嫌悪を直すための心理テクニックを解説するので、ぜひ参考にしてください。

自己否定・自己嫌悪とママの向き合い方はこちらの記事も参考に▼

自己否定癖を直すには?2種類の自己否定パターンから解説

自己否定 止まらない

では、自己否定癖を直すためにママができることはないのでしょうか。ここからは今すぐできるマインドセットの方法や、考え方をご紹介します。

自己否定のパターンとは大きくわけて2つ。それぞれに効果的な直し方をご紹介するので「ママが受け入れられそうなもの」から少しずつ取り入れてみてください。

自己評価の低さから起こる自己否定

ひとつめの自己否定パターンとは、自己評価の低さから起こるものです。自分への期待や理想が高すぎて、その理想とははるかに劣る現実が受け入れられず自己否定に陥ります

  • 完璧主義のママ
  • 育児書や育児情報通りに育児をしたいママ
  • 計画通りに物事を進めたいママ

こういった特徴のあるママは、理想と現実の違いに苦しみ、できないことを自分のせいにしているのかもしれません。自己嫌悪が募り、自己否定に発展することもあるでしょう。

自己評価の低さに悩むのなら、「自分の基準を下げれば良いのでは?」と思う方もいます。確かにその通りですが、自分で築いた理想や希望のラインを変えるのは、なかなか大変なこと。特に自己否定が癖付いている場合は意識しながら直す必要があるので、ゆっくり自分の生き辛さと向き合いましょう。

自分の認知の歪みを知る

人間には物事を推し量る「認知」というものがあります。自分の認知を自己認知と呼び、これが歪むと自分自身を見失い、正しい判断ができなくなります。

自己否定を止めようと思って、すぐに自分の認知を「歪んでいる!直さなきゃ!」と行動するのは難しいです。また、人間だれしも思い込みや偏見が大なり小なりあるように、どこかに歪みは生じています。

この歪みを完全に直すのではなく、自分の認知の歪みを知り「私はこういう人なんだな」と知ることが大切です。よく勘違いされがちですが、自己肯定感を高めるために無理に自分を好きになり、ナルシストである必要はありません。自己否定を直すのも同じで、ありのままの自分を知り、認めることから始めましょう。

自分を褒めるべきポイントを見つけて言葉にする

自分のことが次第に分かってきたら、自己認知の歪みや考えの歪曲にも気付けることでしょう。そうなったら自分にも良い部分があることに気付きやすくなるのではないでしょうか。

自分を褒めるポイントを見つけて、言葉にしてみましょう。1日の終わりに「今日頑張ったこと、自分を褒めたいこと」をたった3行でいいので書き残すのもおすすめです。

褒めることはなんだってかまいません。「子どものお話を聞くことができた」「今日も子どもの送り迎えができた」など、些細なことから始めましょう。

次第に褒めるポイントは見つかりやすくなり、自分の良い面に目を向けられると子どもやパパの良いところにも気付けるようになります。褒めて伸ばすことが上手なママになれるでしょう。

反芻癖から起こる自己否定

もう一つのパターンは反芻癖から起こる自己否定です。毎日育児をこなす中で、

  • あんなに怒ることなかったのに
  • また同じ失敗をした
  • あのときは○○すべきだった

過去を思い返して反省し、その結果自分はなんてダメなんだと否定してしまうものを指します。自己嫌悪ともよく似ているもので、自己否定と自己嫌悪は違うけれど「自己嫌悪の結果が自己否定につながる」こともあるので注意が必要です。

これは人間ならではの思考の癖で、人間は他の動物にはない「振り返って考える」ことができます。ただ、過去を見直すのは大切なこととはいえやりすぎるとママの自己否定につながるので、自分で少しずつ改善していく必要があるでしょう。

子どもと接するとき「言い過ぎ」を防ぐ

まずできることは、子どもと接するときの「言い過ぎ」を言う前に防ぐことです。子どもに対して瞬間的に怒りがわき、「ここで叱らないと!」と声を荒げるシーンも珍しくありません。ですが、そのあとでママが反省を繰り返して自己嫌悪に陥るなら、最初から言い過ぎを防ぎましょう。

少しずつ子どもに伝えるのは、とても効果的です。叱られるとき一度にたくさんのことを叱られたとしても、子どもはまだ受け止められるだけの心を持っていません。ママがどんなに言葉を尽くしても伝わるのは1つか2つ程度なので、最初から言い過ぎない方がはるかに効率的です。

言い過ぎを防ぎたいのなら、子どもに何かを伝えるとき例え室内であっても「外出しているつもりで」言葉を掛けるとよいでしょう。人前ならママも声のトーンが優しくなりますし、過剰に怒ったりしませんよね。一瞬の怒りは「アンガーマネジメント」で自己管理もできるので、いろいろな方法を取り入れながら子どもと接するのがおすすめです。

反芻するのは良いことだけという意識を

反省する、考えを巻き戻してまた考えるというのは人間だからこその行動。そのため、この反芻は誰しもがやることです。

反芻した結果自己否定につながるのだから、「じゃあ反芻しないように気を付けよう」というのは難しいです。人間は反省する生き物であるのは肯定し、良いことだけを反芻できるとベストです。

「この前のお出かけは楽しかったな」「こういうところが楽しかったな」とポジティブな反芻ならいくらでもやって構いません。次の行動につながりますし、気持ちも明るくなります。一方でネガティブな反芻である「あのときこうすればよかった」は考えたところで過去を変えることはできず、反省にも意味がないのです。

どうしても反芻が止まらないときは、「この時○○が起きて嫌な気持ちになったから、次は○○する」と次へのアクションもあわせて考えるとよいでしょう。日記にでも簡単に書き留めて、次への経験にするとポジティブな考えになります。

セルフコンパッションをする

最後におすすめしたいのは、セルフコンパッションで自己否定を止めるものです。セルフコンパッションとは心理学でよく使うテクニックで、日本語にすると「自分への慈しみ」になります。自分を労わり励ます行為や言葉を指し、自己否定する自分をも許してあげると気持ちが落ち着くでしょう

セルフコンパッションの方法はどんなものでもかまいません。自分の両肩を自分で抱きしめてあげても良いですし、言葉にして褒めてあげるのもおすすめです。慈悲の瞑想といって、目をつむって自分へのいたわりや優しい言葉をかけ続ける方法もあります。

自己否定が止まらないママは、就寝前のわずかな時間でいいのでセルフコンパッションを心がけてみましょう。最初は集中できないかもしれませんが、慣れてくると自分への自信がつき、次第に自己否定も減らせるはずです。

自己否定を直す方法はこちらのブログもチェックしてください▼

自己否定を止めたいママが見直したいこと

エリクソン 発達段階

さらに自己否定を止めるために、ママの生活にある「当たり前」を意識して見直してみましょう。3つの気をつけたいポイントをご紹介します。

所属するコミュニティは本当に適切?

ママは社会的にも孤立しがちで、何かのコミュニティに入るのは大切なことです。ですが、自分に無理して付き合いを広げたり本意でないコミュニティに属したりしていないでしょうか?

特に気を付けたいのはママ友のグループです。「子どもに友達がたくさんできるように、私が交友関係を広げないと」と無理をすると、さらなる自己否定を招きます。ママが最も優先すべきは自分の感情であり、ここでも「ママだからみんなと仲良くすべき」といったべき思考が生まれていないかを一度見直してみるとよいでしょう。

他人と比べていない?他人と自分は違うことを認識する

自己否定のきっかけはさまざまですが、現代はさまざまな情報に溢れています。ママの中でもSNSをする方は多く、自然と他人の様子や育児のスタンダードが高い標準になることもありますよね。

自分の中では厳しい、苦しいことでも「周りがやっているんだから」と無理するのはNGです。他人と比べると自分の欠点が目立ち「あれもできていない。これもできていない」とまた自己否定につながるかもしれません。

ママは「ママなりの育児」ができているでしょうか?他人と比べたり世間でいう普通にならなくても大丈夫です。育児には正解がなく、他人と自分はまったくの違う人生であり、決してお手本通りをなぞらなくてもよいという意識を今一度持ちましょう。

「何があっても我が子はかわいい」という思いを新たに!

他人と比べて我が子は優れている、育児書にのっとっているから我が子は良い子というのは間違った考えです。繰り返し説明しますが、ママの本音としては何があっても我が子はかわいいというものではないでしょうか。

子どもを過剰にかわいがるのを「親バカ」とも表現しますが、それは十分子どものありのままを好きでいる証拠です。ママの自己否定で子どもまでも否定しないように、「うちの子は絶対にかわいい」「だから私も胸を張っていい」とポジティブに考えられるとよいですね

まとめ

ママの中で止まらない自己否定。自分自身を傷つける考えなので、苦しみ生き辛さを覚える方はたくさんいます。うつ病など心の病気にも発展する自己否定・自己嫌悪ですが、必ず自分の考え方次第で心を成長させ、打ち勝つことはできるでしょう。

大切なのは無理やり自分を好きになる、肯定を強制するのではなく、ありのままの自分を受け入れ許すことです。このマインドは子どもにもよい影響が出るので、自分への自信を失ったママはぜひ今から始めてみてくださいね。

【参考】

「自己肯定感」の低さとはどう付き合えばいいの? 松村亜里さんに聞きました | LEE

☆子育てが上手くいかず、自分を責めていませんか?[3/27] | ママノート

親からの人格否定。否定ばかりされて育った子どもは、自己否定感と人間不信にとらわれる? | schola | 個別指導塾・学習塾・進学塾ならTOMAS

セルフコンパッションとは?自己肯定感を鍛える4つの実践方法を紹介 | PR TIMES MAGAZINE

ABOUT US
【監修】久保田 由華久保田 由華
公認心理師、臨床心理士。
NY州立大学にてメンタルヘルスカウンセリングの修士号修得。NYCのNPOにてアシスタントサイコロジストとして勤務後帰国。
大学、クリニック、心理相談室等で勤務。7000ケース以上のご相談を担当。

心の相談室こころラボを設立し、カウンセリング以外にも子育てママのためのセミナーやスクール、ママのためのオンラインコミュニティを運営。