イヤイヤ期は子供それぞれでイヤイヤの度合い、イヤイヤ期がおとずれる時期に違いがあります。では、男の子と女の子で違いはあるのでしょうか?
今回は男の子と女の子のイヤイヤ期を同時に体験した男女双子ママが、
- イヤイヤ期の男女差
- 男の子と女の子別イヤイヤ期の乗り切り方
を解説します。
子供のイヤイヤ期で困っているママは参考にしてくださいね。
「イヤイヤ期」はなぜ起こる?
個人差はあるものの、2歳ごろには多くの子供が「イヤイヤ期」を迎えます。イヤイヤ期とは、そもそもどういった成長過程なのか確認しておきましょう。
イヤイヤ期は子供の大切な「自意識成長期」
イヤイヤ期がやってくる2歳。2歳の子供は意味のある言葉を話すようになり、身近な大人の真似を始めたり、ごっこ遊びを始めたりします。
2歳の終わり頃には、自分のしたいこと、して欲しいことを言葉で表出するようになっていきます。また、遊具などを実物に見立てたり、「…のつもり」になって「…のふり」を楽しみ、ままごとなどの簡単なごっこ遊びをするようになります。
引用元:厚生労働省 保育所保育指針解説
受動的な赤ちゃんとは異なり、生活を通して自分の「やりたいこと」「言いたいこと」が芽生えるようになるのです。
生活や遊びの中で、自分のことを自分でしようとする意欲が高まっていくことや、自分の意思や欲求を言葉で表そうとすることなどにより、子どもの自我が育ちます。そして、「自分で」、「いや」と強く自己主張することも多くなり、思い通りにいかないと、泣いたり、かんしゃくをおこしたりする場面も現れます。
引用元:厚生労働省 保育所保育指針解説
イヤイヤ期は、子供の大切な成長過程のひとつ。子供の中では、これまでなかった自我が生まれ心が成長し、「自分でやりたいことを選択しよう」「ママから自立しよう」としているのです。
大切な成長とは分かっていても、2歳児の自己主張をすべて聞き入れるのはとても大変。時間が限られている外遊びのあとで「家に帰りたくない!」食事をしていても「おやつしか食べたくない!」など、育児中に困難を感じることが増えるでしょう。
第一次成長期であるイヤイヤ期は、ママにとっても「初めての子供の反抗期」です。どう接したらいいのか、イヤイヤをどう受け止めたらよいのか悩むママはたくさんいます。
なぜ全部「イヤ!」と言うの?
イヤイヤ期の子供は、なぜ全部を「イヤ!」というのでしょうか。イヤイヤ期の子供を持つママには心当たりがあるかもしれませんが、一度「イヤ」と言い始めるとすべてが嫌になり、子供の元々の主張を見失うこともありますよね。
2歳の子供が「イヤ」という理由は漠然としています。例えば「公園から帰りたくない」とイヤイヤしていても、なんとなく帰りたくないだけでどうして帰りたくないかはうまく説明できないのです。
そんな思いを抱えながらも、ママからは「ダメよ」と叱られると「自己主張したいのにうまく表現できない」ことがフラストレーションとして溜まり、癇癪を起したり泣き出したりします。子供も、自分がどうしたいのか分からず困っている場合がほとんどです。
決してママを困らせるために「イヤイヤ」しているわけではないことを、頭に入れておきたいですね。
イヤイヤ期についてはこちらの記事で詳しく説明していますので、コチラの記事もご覧ください。
イヤイヤ期男の子女の子で違いはある?
大変なイヤイヤ期ですが、男の子と女の子で男女差はあるのでしょうか。ここからは男の子・女の子それぞれのイヤイヤ期についてみていきましょう。
男女差であきらかな違いはない
人によっては「体力のある男の子の方が大変」「おしゃべりの早い女の子の方が大変」と言いますが、イヤイヤ期において男女差があるとは一概には言えません。
イヤイヤ期には個人差があります。子供によってはママにしがみつき泣き続け、1日過ごすのがやっと、というほど大変な子もいれば、「イヤイヤ期がくるはずなのにない」とママが心配になるほどイヤイヤが少ない子もいます。
また自己主張の形も人それぞれ。イヤというだけが第一次反抗期ではないため、イヤイヤ期の大変さは子供によっても異なるし、環境によっても違ってくるでしょう。
男の子・女の子で明らかなイヤイヤ期の違いはありませんが、ママとの相性で「大変さ」に差がでることはあります。
ママとの相性でイヤイヤ期の「大変さ」が違うことも
イヤイヤ期の現れ方に男女差はありませんが、男の子と女の子の性格にはある程度違いがあります。まずは、男女の性格を考えていきましょう。
男の子の性格
男の子は活発で体を動かすことや、動くものを見ることが好きです。男女双子を育てている私から見ても、息子はいわゆる「男の子らしい性格」だったので、シンプルに物事を考え深読みなどをしない子でした。
その分、頑固で一度「イヤ」と言い出すとなかなか意見を曲げません。おしゃべりも個人差がありますが、男の子は女の子と比較すると遅いと言われています。
女の子と同様にすべての男の子に言えることではありませんが、性格の違いによってママと相性が変わるため、イヤイヤ期の大変さに男の子と女の子で差が生じるのかもしれませんね。
女の子の性格
女の子は言葉が早く、大人の真似をしたりごっこ遊びが上手だったりと「おませさん」な印象が強いです。もちろん個性はそれぞれなのですべての女の子に当てはまるわけではありませんが、娘は息子と比べておしゃべり上手で、ママの表情を読み取り行動する様子がありました。
言葉が早い分、イヤイヤ期では「なぜイヤなのか」「どうしたいのか」を言い表すのが早いのが女の子の特徴。イヤイヤの理由を知り、その上で対応したいママにとっては女の子と相性がよく、イヤイヤ期を乗り越えやすいかもしれません。
イヤイヤ期男の子の乗り切り方3選
男女の性格を掴んだ上で、イヤイヤ期の乗り切り方を男の子、女の子で考えてみましょう。
まずは私も実践した、男の子イヤイヤ期の対応です。
「なぜダメなのか?」は簡単な言葉で短く説明を
活発で元気な男の子。イヤイヤが始まり、「ダメ」と頭ごなしに言ってもなかなか話を聞いてくれません。我が家の場合は、なぜダメなのかを言葉で説明しようとしても、分かってくれないことがほとんどでした。
効果があったのは簡単な言葉で短く説明することです。例を挙げてみると、
- ごはんを食べないと遅くなってお外遊びができなくなるよ→早くごはん食べてお外で遊ぼう
- お風呂に入らないと寝るのが遅くなるでしょう→お風呂に入ってママと遊ぼう
- 寝る前におやつを食べると虫歯になるからダメ→早く寝て起きたらおやつ食べよう
もちろん聞いてくれないこともたくさんありましたが、簡単な言葉に言い換えると理解する頻度が上がります。
また、「○○したらダメ」ではなく「○○せずに○○しよう」とポジティブに呼びかけすると、イヤイヤが収まることもありました。
ルールは分かりやすく!途中でルールを変えないこと
どれだけイヤイヤされようとも「○○しなきゃいけない」場合は、ルールを設けてみてはいかがでしょうか。ルールは分かりやすいものが男の子には向いています。
例えば手を洗うとき、我が家では必ず息子がお気に入りの音楽をかけます。この音楽が流れたら手洗いをするというルールのおかげで、「手を洗いたくない!」とイヤイヤされません。
他にもタイマーや音声付きAIアシスタントを活用すると、「○○する時間です」と教えてくれるので喜んでくれますよ。男の子はシンプルな性格をしているため、決めたルールは途中で変えず繰り返すことで習慣づいてくれることもあるでしょう。
イヤイヤと向き合えたときはたくさん褒める
男の子に限らず女の子にも言えますが、大好きなママに褒められると子供は喜びます。イヤイヤと向き合えたときは、子供に「ママが喜ぶことをしてくれたんだよ」と教えるためにたくさん褒めてあげてください。
ママが子どもの行動をコントロールするために、「褒める」ことを多用することはお勧めできません。子どもの行動の基準が子ども自身ではなく「ママが喜ぶかどうか」になってしまうからです。しかし、大好きなママに褒められて嬉しい、という感情を行動変化の「きっかけ」とするのは良いですね。
褒められた成功体験を子供が積むことで、自己肯定感を育むことも出来ます。また、「褒められた」と覚えてくれるためイヤイヤの繰り返しを防ぐ効果も期待できるでしょう。
子供が笑顔で嬉しそうにしている姿を見ると、イヤイヤ期の大変な時期も乗り越えやすくなりますよね。最近イライラして子供と向き合えていないかも、と思ったママは子供の「褒めるポイント」を探してみると、過ごしやすくなるかもしれません。
イヤイヤ期女の子の乗り切り方3選
次は女の子のイヤイヤ期乗り切り方をみていきましょう。
「そうなんだ、イヤだよね」と共感する
女の子は男の子よりも繊細で、大人の表情や言い方を機敏に察する子もいます。イヤイヤ期では「イヤイヤが始まったからそっとしておこう」と取り合わないでいると、「ちゃんと聞いて!」とさらにイヤイヤが激しくなる子もいるでしょう。
私の娘も「ママがちゃんと聞いているかどうか」をよく確認していました。イヤイヤの内容によっては聞き入れられないこともありますが、まずは「そうだよね。イヤだね」と子供が否定する気持ちを認めてあげましょう。
ママがきちんと聞いてくれていると分かれば、それだけでイヤイヤが収まったり我慢できたりすることもあります。
「ダメ」の理由を詳しく説明する
言葉の早い女の子。「子供だから何を言っても分からない」と決めつけず、どうしてダメなのかを詳しく説明すると納得してくれることもあります。
ただ、難しい言葉を使ったり早口で話したりすると2歳ごろの子供には伝わらないことも。ゆっくりと子供と向き合って、どうしてダメなのかを理由立ててお話してあげましょう。
「どうしてイヤなのかな?」と理由を聞いてみる
私の娘の場合、最も効果があったのがイヤな理由を聞いてみることでした。ただ、2歳の女の子が「なぜイヤなのか」を自分で説明するのはとても難しいもの。そこで、
- 「○○したかった?それとも○○?」と選択肢を与える
- 「なんかイヤなんだよね。じゃあ一緒に考えてみよう」と寄り添って話しかける
この2つのやり方なら子供も答えやすいため、おすすめです。
イヤイヤ期の育児はとても大変。そのため、すべての「イヤイヤ」に対して理由を聞いて納得させることは難しいですよね。時間があるときだけ、1日のうち数回だけでもよいので子供のイヤイヤを一緒に考えることで、その後の育児に役立てられるかもしれません。
まとめ
男の子と女の子、イヤイヤ期の大変さをつい比べてしまいますが男女差はありません。大切なのはその子の個性に合わせてイヤイヤ期の対応を考えることです。
イヤイヤの度合いや何を嫌がるのか、どういった対応をすればいいのかは子供それぞれ。ママは育児中困難を感じることが増えますが、許す限りで子供と向き合い、大切な成長を見守って自立を促してみましょう。
【参考・引用】
NHKすくすく子育て どう乗り切る?イヤイヤ期~なぜイヤイヤをするの?~
厚生労働省 保育所保育指針解説