断乳仕方を今一度おさらい。無理なく進める方法とは?

断乳仕方

赤ちゃんが生まれたら、ママがおっぱいをあげる授乳が始まります。授乳とは1、2年くらい続き、子どもが成長するとともに卒乳へと向かいます。

しかし、さまざまな理由で授乳が続けられず、ストップすることも。これを断乳と呼びますが、断乳というとなんとなく「難しそう、失敗しそう…」というイメージがあるかもしれません。

そこで今回は、断乳仕方を今一度おさらいしてみましょう。卒乳との違いにも触れて、考えていきます。

断乳仕方で気になる!断乳・卒乳とは?

断乳 悩み

スムーズに授乳が進めばよいのですが、子育て経験のあるママならわかるように、授乳とはママの母乳量や子どもが吸う力、時間やタイミングなどさまざまなバランスを保ちながらママと子どものペースが作られていきます。中には、授乳がうまくいかずストップしたり、授乳自体ができない環境が起こることも。こうしたときに断乳は行われますが、この断乳は大きく3つの種類に分けられます。

断乳仕方の前に、断乳の種類についてチェックしておきましょう。

部分的な断乳・卒乳

まずは部分的な断乳です。たとえば「日中だけ母乳はやめてミルクに切り替える」「夜間授乳はしない」といった断乳方法が、部分的な断乳。本格的な断乳の前に行う準備段階として、部分的な断乳を始める方もいます。

部分的な断乳のメリットは、完全に母乳をやめるわけではないのでおっぱいのトラブルが起こりにくく、子どもにとっても断乳・卒乳までに慣れてくれる点です。突然断乳するのはなかなか勇気が出ない方でも、まずは部分的な断乳から始めてみると良いかもしれません。

計画的な断乳・卒乳

次に、「断乳」といっても計画的に行い、親子に無理なく授乳をストップする方法です。例えば「1歳になったら断乳する」と決めて、数カ月前から減乳したり離乳を進めたりするのは計画的な断乳。突然授乳量をゼロにすると、ママとしても母乳が詰まったり強く張ったりするため、ある程度期間を作って断乳まで準備しなくてはなりません。

職場復帰の予定がある方や、投薬の必要があり前もって知っている場合だと、計画的断乳はおすすめです。とはいえ、育児は思い通りにはいかないものでもあります。例え計画的断乳をしていても、断乳の進み具合によってはペースダウンが必要な場合も出てくる点を頭に入れておきましょう。

自然な卒乳

最後は自然な卒乳です。これまで断乳についてご紹介しましたが、離乳食を始めて子どもの準備が整えば、もちろんいつかは授乳も終わります。授乳を子どもが必要なくなるまで待ち、自然と授乳を終わらせることを卒乳と呼びます。

「親の都合ではなく、子どものペースに合っていて自然な形」であることから卒乳を推奨する声もありますが、卒乳の時期は一人ひとり異なり、ママの暮らしを守る上でも長期間の授乳が難しい側面もあるでしょう。卒乳だけが最善の方法ではないので、我が子の様子を見ながら断乳・卒乳は進めていきたいものです。

スムーズな断乳仕方、5つのステップ

哺乳瓶 子ども

断乳は極端に言えば、「ママが思い立ったら」すぐに実行できるものではあります。しかし、これまで授乳していたのなら突然母乳を出さなくなったことにより乳腺炎などのトラブルが生じたり、子どもにとっては強い不安感を覚えたり離乳食が進まなかったりと、デメリットばかりが目立つものです。

そこで、断乳仕方を今一度おさらいしておきましょう。親子にとって無理なく進める断乳を5つのステップに分けてご紹介します。

①授乳時間を短くする

まずは授乳にかかる時間を短くします。月齢が低く時間を短くすると母乳量が足りない場合は、ミルクを足して補ってもよいでしょう。最初から短時間にするのではなく、およそ1カ月程度かけて進めるとスムーズに。

授乳時間を短くすることで、母乳の量を少しずつ減らせるうえに赤ちゃんにとってはミルクに早く慣れることができます。いきなり母乳を止めるとおっぱいが詰まり、張りや痛みにつながるので「少しずつ」やってみてくださいね。

②授乳回数を少なくする

次に、授乳回数を減らしていきます。これは計画的断乳や部分的な断乳としてご紹介した通りです。日中や夜間どちらかをなくす、というパターンで進めても構いませんが、子どもが欲しがるタイミングを見計らって、できる範囲から減らしていくとよいでしょう。

③子供に「おっぱいバイバイ」を伝える

もし子どもが1歳を超えていて簡単な受け答えなら理解できる場合は、断乳する日をあらかじめ伝えてみてもよいかもしれません。突然「今日からおっぱいバイバイだよ。もうおっぱいはダメ」と言われても、急なことなので子どもにとっても心の準備が間に合わないはずです。

カレンダーに印をつけたり、言葉で教えたりして、おっぱいとお別れすることをママの言葉で伝えてみてください。1歳半を過ぎていると、断乳することを理解する場合もあります。

④まずは3日間程度、ちょっとだけ断乳する

準備が整ったら、断乳を始めてみましょう。とはいえ、「完全に授乳をなくして、子どもがミルク拒否をしたらどうしよう」「突然体調不良に」と不測の事態が起こらないわけでもありません。

そこで、「まずは3日間」と少しだけ断乳を始めてみる気持ちでいるのはいかがでしょうか。もし3日間経って問題がなければ断乳を続け、やっぱり無理だったみたいと思ったら、断乳するタイミングを見直すことができます。

⑤ママのおっぱいケアを始める

最後に断乳後のケアです。母乳の出方は個人差が大きいものですが、分泌量が元々多いママだと断乳直後は痛みや熱が出ることも。痛くなったら大体2日目を目途に軽く搾乳し、痛みを和らげるケアをしてみましょう。搾乳は「1週間ごとに」「2週間ごとに」と間隔を空けていくことで次第に張りがなくなっていきます。搾乳しても母乳が出なくなったら、ケアを完了してもよいでしょう。

おっぱいが熱いと感じたら、冷やすのも効果的です。冷却まくらや氷のうを使ってママが心地よい程度に冷やし、痛み・熱が出ている間は入浴もシャワーで済ませると和らぐことがあります。

ママに聞いた断乳仕方、「いつ断乳した?」

実際に断乳を経験したママに、いつ断乳したのか断乳仕方などを聞いてみました。これから断乳を考えている方は、ぜひ参考にしてくださいね。

「そういえば授乳ってもう必要ないのでは?」と思い立った9カ月

特に計画していなかったけれど、離乳食が進むようになった9カ月のころに断乳を始めたママもいました。離乳食はスムーズに進んでおり、完食も増えてお茶もしっかり飲めていたので思い立って断乳してみたそうです。

食事にしっかり興味が持てていたからか、断乳はあっさり進んで1週間程度で減乳→断乳できたそう。これはかなりうまくいった例ですが、意外と始めてみるとうまくいくかもしれませんね。

6カ月でママが風邪を引き突然断乳

我が家は私が風邪を引き、突然断乳しました。薬を飲む必要があったのですが、授乳中には飲めない薬のためお医者さんに進められるまま断乳へ。子どもは双子だったので母乳量も十分にあり、突然断乳したために痛み・張りは強く感じました。

ただし、ケアをしたり母乳外来に相談したりすることで、痛みは次第に引いていきました。子どもも断乳して3日間は夜泣きがひどくありましたが、その後は一晩中寝てくれるようになり、育児もぐっと楽になったのも思い出です。

11カ月で1歳に向け計画的な断乳開始

次のママは、11カ月のころから計画的に断乳を開始。きちんと授乳時間・回数をメモしながら、1歳のころに断乳を完了できるよう進めていったそうです。

もちろん授乳を減らすことにより、子どもが泣いてもあやす手段が少なくなった・夜泣きも当然あったと大変だったそうですが、緩やかに断乳したためにママの身体的負担は少なかったそう。この時期はパパのサポートも重要になるので、夫婦がそろっている時期を見計らって計画的断乳をしてもよいかもしれません。

まとめ

断乳はママの都合で始めることができ、思い立ったタイミングで始めてもよいものではあります。しかし、大切なのは子どものペースにあった断乳仕方を選ぶこと。また、断乳中は子どもの様子はもちろん、ママの体調やおっぱいのトラブルにも十分気を付けるようにしましょう。

今回ご紹介した断乳の手順を参考に、親子にとって無理のない方法でおっぱいバイバイを進めてみてくだいね。

【参考】

これで安心!断乳・卒乳ケアの正しい方法と定義  断乳・卒乳ケアの全て!

ABOUT US
【監修】久保田 由華久保田 由華
公認心理師、臨床心理士。
NY州立大学にてメンタルヘルスカウンセリングの修士号修得。NYCのNPOにてアシスタントサイコロジストとして勤務後帰国。
大学、クリニック、心理相談室等で勤務。7000ケース以上のご相談を担当。

心の相談室こころラボを設立し、カウンセリング以外にも子育てママのためのセミナーやスクール、ママのためのオンラインコミュニティを運営。