育児中のストレスは、ママが想像するよりもずっと大きいです。ストレスによって原因の思いつかない胃痛や腹痛が起きたり、不眠がちになったりすることも珍しくありません。
とはいえ、子育てとストレスは切り離せない関係でもあるでしょう。そんな子育てストレスとの向き合い方について、今回は詳しく解説します。
子育てストレスが溜まっているかも…。ストレスサイン一覧
育児とは大きなストレスがかかるものですが、子育て中は子ども中心の生活。自分のことを後回しにするママがほとんどです。
しかし、ストレスを放置すると体調不良として現れることも。ストレスが溜まってきた時に、体にどんな症状が現れるかは、人それぞれです。このストレスが溜まった時に現れる症状のことを「ストレスサイン」と言います。まずは、代表的なストレスサインをご紹介します。
胃痛、食欲不振、胃もたれなど
思い当たることがないけれど、胃痛や食欲不振、胃もたれが起こることがあります。これは胃の働きや機能をつかさどる「自律神経」がストレスによって乱れることが原因です。
また、ストレスは胃の粘膜を守る機能も低下させます。すると胃酸が粘膜を刺激させ、胃痛や食欲不振の原因になるケースは多いです。
喉のつかえ
風邪を引いたわけでもないのに、喉がつまった感覚があり、異物感や不快感が取れないという症状を覚えることがあります。これはストレスによって喉に起こる「咽喉頭異常感症(ヒステリー球)」というものです。
ストレス発散が苦手な方、一人でため込みがちな方によく起こりやすく、ママの中にも経験者がいるほど。咽喉科に行っても異常がないと診断されるので、発覚されにくいのも特徴です。
眠れない、眠りが浅い
乳児期などは夜間授乳や夜泣きもあり、ママは寝不足に陥りがちです。子どもが心配なあまり寝つきも悪くなり、眠りが浅い日々が続くなど悪循環が起こることも多いでしょう。
睡眠時間がそもそも足りていないこともありますが、あまりにも眠れない場合は、体の疲れから寝つきの悪さが目立っているのかもしれません。不眠は癖になりやすく、日中の育児にも影響が出るため早めに対策しておきたいですね。
何もなくても辛く感じる、涙が出る
これまでは身体的なストレスサインをご紹介しましたが、こちらは心のサイン。何かが起きたわけでもないのに辛く感じたり、涙が出たりするのはママの心が疲れ切った証拠です。
ストレスが溜まると悲観的になりやすく、ネガティブな考えに陥るようになります。子どもにもこうした気持ちの不安定さが向かうことがあるため、できる限り早めに対処しておきましょう。
ちょっとしたことでも怒りが抑えられない
ストレスが顕著に現れることとは、怒りっぽくなる、少しのことでもイライラしてしまうという点です。特に一緒に生活するパパには怒りの矛先が向かいやすく、ひどく当たってしまうママもいるでしょう。
怒りの感情を自分でコントロールする「アンガーマネジメント」という思考方法がありますが、気持ちに余裕がないとちょっとしたことでも怒りは爆発しやすくなり、コントロールは難しくなります。「前ならこんなことにイライラしなかったのに」といったママ自身が自分に気付けるかどうかが大切です。
アンガーマネジメントについてはこちらの記事をご覧ください。
子育てストレスはなぜ溜まる?性格の問題も
子育て中、ママのストレスには十分に注意したいものですが、なぜストレスは溜まってしまうのでしょうか。これには性格の問題や、産後に訪れるママの体の変化も影響していると考えられます。
ストレスが溜まりやすい性格とは
子育て中はやることや心配することが多く、常にママはストレスフル。それに重ねて、ストレスが溜まりやすい性格も影響しています。
ストレスを溜めがちな性格とは、何事も完璧にこなさないと気が済まなかったり自分への肯定感が低いといった特徴があります。真面目で頑張り屋さんのママほど、自分に課すハードルが高く、理想と現実のギャップをストレスに感じやすいのです。
こうしたストレスが溜まりやすい性格に当てはまったとしても、自分の考え方次第では気持ちがずっと楽になります。
産後のホルモンバランスも原因に
ママの体は産前と産後で大きく変化します。特に女性ホルモンは産前急激に増加し、産後は急に減少するのでホルモンバランスは乱れがちに。
胃痛の原因にもなる自律神経の乱れや、気分の変調、落ち込み、イライラしやすくなるといった体と心の疲労が重なりやすくなるでしょう。
産後は子どもが生まれたばかり。ママとしてしっかり子育てをこなしたい!と育児に必死になる方も多いのですが、出産によって体は疲れやすくなっているため、ストレスを溜めないように息抜きしながら生活しなくてはなりません。
子育てストレスサインが現れたら?やっておきたいこと
ご紹介した子育てストレスサイン。思い当たることが多いママは、以下の3つのポイントを試してみましょう。
子育てストレスに対してできることをまとめました。
一度育児から離れる!
育児中にストレスが溜まり、胃痛や腹痛、睡眠不足といった体調不良が目に見えて表れている状態は、ママ自身にとってはもちろん子どもにとってもよい療育環境とは思えません。お世話をするママが元気で笑顔でいることこそ、子どものためになりますよね。
ストレスサインが現れたり、自分でも限界だと感じたりしたら、まずは子どもと距離を取り育児から離れてお休みしましょう。パパに育児を代わってもらったり保育施設などを利用してママ一人の時間を作ったりして構いません。
こうしたママの一人時間は、たった一度きりでは意味がないので要注意。心身ともに回復するまで、何度か育児から離れる時間を作るようにしましょう。
とにかく手抜きを。完璧に過ごさない
家事に育児に、と何でも頑張るママこそ、ストレスは溜まりやすいです。せめて自分の体調や心の変調が起きているときだけは、とにかく家事も育児も手抜きをして「だいたいできたらOK」と自分を許してあげましょう。
ほんの一時期のことなので、すべてに全力を注がなくても大丈夫です。食事に出来合いの総菜が増えたり、少し掃除できていない部分があったりしてもOK。こうした自分に優しくなれる行動を繰り返すと、ストレスはたまりにくくなるでしょう。
一緒に暮らすパパにも事情を説明し、理解を得られるとベストです。決して自分一人で抱え込まず、便利なサービスや周囲からの協力を上手に利用してみてくださいね。
できないことから視線を外す。できたことだけに注目を
産後間もない頃やトイトレなど新しいことを始めるとき、子どものイヤイヤ期など手のかかる時期には「今日は○○ができなかった」と自分の子育てに自信を無くすことがあります。ですが、大変な時期にすべてをこなすのは不可能です。
できないことを反省するよりも、できたことだけに注目しましょう。1日の終わりに「あれもできなかった、これもしなかった」と思うより「今日はたくさん頑張ったからとても疲れた」とポジティブな思考を持つことが大切です。
こうしたよいところに目を向ける考えを癖づけると、ママ自身が自分を許せるだけでなく、子どものことも肯定的に考えられます。ストレスフルな毎日ではありますが、ママは疲れているときほど特別自分に優しくしてあげましょう。
まとめ
子育てストレスを放置すると、胃痛や不眠症など体調不良が現れます。自分のことは後回しにされがちな育児中こそ、ママは自分自身の変化にしっかり気付いてあげてください。
ママが笑顔なら、子どもも毎日楽しく過ごせるはず。ストレスを溜めない工夫もしながら、育児とほどよく向き合える方法を試してみましょう。
【参考】
【喉の違和感・喉が詰まる感じ】の原因は?『咽喉頭異常感症』?|カンポフルライフ by クラシエの漢方