【公認心理師監修】正しい子どもの褒め方・叱り方とは?言葉の力で子どもの心を育てる方法

褒め方 叱り方

みなさんは、こんな悩みがないでしょうか?

「気付けば毎日怒ってばかり…。ほどよい叱り方ってないの?」

「子どもを褒めたいのに、どこを褒めたらいいのかわからない!」

「褒める・叱るときに、子どもにうまく伝わっているのかな?」

育児あるあるの褒め方・叱り方の疑問ですが、子育てする上で叱る・褒めるは避けられない要素ですよね。

さらに、褒める・叱るというのは声掛けの方法によって子どもの自己肯定感や満足感にも影響します。今回は公認心理師が監修し、正しい褒め方・叱り方を詳しくご紹介。

言葉の力で、子どもの健やかな成長をサポートしてみましょう。

上手な子どもの褒め方とは?

褒め方 叱り方

子どもは褒められて伸びるもの。そうは分かっていても、「どうやって褒めたらいいのかな」「どのタイミングで褒めたらいい?」と意外にも褒めることに悩みを持つママも多いです。

まずは上手な子どもの褒め方を見ていきましょう。

「褒められて困る」子はいない

第一に頭に入れたいのは、褒められると嫌がる子、褒められて困る子はいません。ママに褒められるとどんな子でも嬉しいものですし、「褒められたいから!」と行動の動機になったりします。子どもにとっての大切なご褒美はママの「よく頑張ったね」という言葉なので、小さなことでも褒めていけると良いですね。

ただし、中には褒めるときに気を付けないとならないこともあります。後ほど詳しくご紹介しますが、「こんな言葉を使わないとダメ」「ここでは褒めちゃダメ」と難しく考えず、子どもがママの言葉を待っているとき、ママが「これは褒めたいなあ」と思った瞬間を逃さず子どもに伝えるようにしましょう。

「○○のとき○○だったね!」と具体的に褒める

褒め方のポイントとして、「具体性を持たせる」ことをおすすめします。例を挙げてみましょう。

「お絵描きしたんだね。すごい、上手~!」

「お絵描きしたんだね。たくさん描けてるね!ずっと頑張って描いたんだね。この前よりも太陽がよく描けてる!すごいね、上手~!」

どちらも絵を描いた子どもを褒めるやり方ですが、下の褒め方はより具体的です。もちろん「すごい」「いいね」と褒めるのは否定しませんが、もう一歩踏み込んで具体性を持たせると子どもも「なぜ褒められたのか」を理解できます。

「病院で注射したとき、泣かなくって偉いね」「ママの洗濯物、畳むの手伝ってくれてありがとう」こんな風に声掛けをすると、子どもも褒められたことに得意意識が働き、自分の興味やチャレンジできそうなポイントを自覚できるようになりますよ。

行動したこと、挑戦したことなどプロセスを褒める

何を褒めるかによって、子どもの行動目的が変わります。あまりおすすめできない褒め方のひとつに「完璧にできたときだけ褒める」が挙げられることをご存じですか?

例えば絵を描いたとして、その絵がママにとって上手に見えないから褒めなかったとしましょう。子どもはせっかく絵を描いたのに、褒めてもらえなかったから次は絵を描くことをやめてしまいます。

もし絵が拙い結果だったり途中で終わっていたりしても、

  • 絵を描こうと思ったこと
  • 何かを書いてみようとチャレンジしたこと
  • 絵を頑張って描いた時間

など行動したこと、挑戦したことは褒める方が子どもの心の成長に繋がります。意外と子どもを褒めるポイントはたくさん見つかるので、ママも柔軟な考えで子どもの褒めるポイントを見つけてくださいね。

結果を褒める

結果を褒めるというのは、「何かを成し遂げたときだけ」ではなく子どもがやり切ったそのものの行為を褒めるという意味です。テストで100点が取れなくても、テスト勉強をしたことや60点も取れたという結果に目を向けましょう。

  • 「頑張った結果だね!やったね」
  • 「あんなに勉強したもんね、すごいよ」
  • 「今のはよかったね、またやってみようね」

このようにプロセスと合わせて褒めると、より効果的です。子どもがたった今の成果に満足してくれるだけでなく、次も頑張ろう、挑戦しようという意欲も生み出せます。

上手な褒め方のポイントはこちらの記事を参考に▼

子どもの自己肯定感を高める褒め方とは?

分離不安 子ども

育児において「子どもの自己肯定感を高める」のは、今や常識とも言われていますよね。自己肯定感とは「ありのままの自分で大丈夫。どんな自分でもママは愛してくれる」と自分を肯定する感覚のことを指します。親子の信頼関係がしっかり築けていると、子どもは自分を高める力の強い自己肯定感のある子に育つのです。

この自己肯定感は褒め方次第で大きく成長できます。褒め方のポイントを押さえたうえで、もう少し踏み込んだ自己肯定感を高める褒め方をご紹介します。

「褒める」弊害にも注意!

先ほども少しご紹介しましたが、手放しに「褒める」ことは推奨できません。状況によっては褒めるときに弊害も出てしまうのです。

  • ママに褒めてもらえなかったから、お手伝いはしないでおこう
  • もう一度褒めてもらえるほどの絵が描けないから、お絵描きをやめよう
  • 褒めてもらいたいから、簡単なものだけやろう

確かに考え方によっては、褒める弊害があることも分かりますよね。褒め方を誤ると、子どもが「他者の評価によって自分の行動を変えてしまう、受け身の人間」になってしまうのです。

これを回避するには、先ほどの上手な褒め方を実践すればOKです。反対に言うと、「優れた結果」「ママの期待に応えた結果」だけで褒めていると、褒める弊害が出てしまうでしょう。子どもを褒めるときは「過程を褒める」「どんな結果でも一緒に喜ぶ」を頭に入れておくことをおすすめします。

子どもの“努力”に注目する

自己肯定感を高めるためには、子どもの努力を褒めましょう。「過程を褒める」のと似ていますが、これも子どもが取った行動に目を向ける褒め方です。

1988年、ドゥエック教授が発表した論文によると、

小学生5年生128人にパズルを解かせた。Aグループの子どもたちにはパズルの完成後に「頭が良い」と褒めるようにしBグループの子どもたちには「頑張ったね」と褒めるようにした。これより難しいパズルに挑戦するか?と子どもたちに尋ねた結果、Aグループの子どもは67%がより簡単なパズルを選び、Bグループの子どもは97%が難しいパズルを選んだ。

このような研究結果が発表されています。Bグループの子どもたちは努力を認められ、「また褒めてもらうためには、もっと挑戦しよう!」と意識が高くなったと言えます。普段の生活の中でも子どもに褒めるとき、「絵がうまいね」ではなく「頑張ったね」と努力を褒めると粘り強さや次の意欲が生まれるでしょう。

その子自身を褒めて育てる

褒める場面でもさまざまで、「褒めてお手伝いを促したい」というシーンも育児では見られますよね。ここでは、子どもの共感力や親切にする心を褒めることで育てる必要があります。

共感力・親切心を育てる褒め方というのは、「その子自身を褒めて育てる」のがポイント。具体的に言うと、

・「○○ちゃん、お手伝いしてくれるかな?」

ではなく、

・「お手伝い係の○○ちゃん、お願いします!」

とお願いするのです。すると子どもはより張り切って褒められるために行動し、起こした行動を自分事として捉えるようになります。

「○○して偉いね」よりも「○○をしたあなたが偉いね」と分かりやすく言葉にするのも大切です。すぐに試せることなので、ぜひ今日から意識してみてくださいね。

自己肯定感を高める褒め方、詳しくはこちらの記事も参考に▼

上手な子どもの叱り方とは?

自我

次は褒め方と同じく悩みの種である叱り方です。子どもを上手に叱るには、どのようなコツが必要なのでしょうか。

「つい叱りすぎちゃう」「上手に叱れない」「甘やかしすぎって言われる…」と叱り方に不安があるママは、ぜひ参考にしてください。

「叱り方」でよく聞くお悩み

叱り方でよく聞かれるのが、

  • 「毎日叱ってしまう。怒らない日がないほど…」
  • 「どんなに言い聞かせても子どもに伝わらない」
  • 「叱らない子育てがいいって聞くけれど…」

というもの。叱りすぎて悩むママも、反対に叱らないために周囲から「甘やかしている」と指摘されるママもいるでしょう。

叱ることを今一度考えてみると、確かに叱らない育児も完全には否定できないかもしれません。ですが、子どもは将来社会で生きる一人となるため、子どものうちからルールやマナーを教えるのは避けて通れないでしょう。「一度も叱らず子どもの行動は全部許容する」のは、少し理想的過ぎるかもしれません。とはいえ、叱りすぎにも注意が必要で、子どもの心理状況やその場に合わせて適切な言葉で言い聞かせする必要があります。

きちんと視線を合わせて話そう

叱り方のポイントとして、まず「視線を合わせる」ことが挙げられます。朝、忙しい時間に家事をしながら「早く着替えなさい!いつも言っているでしょう!」と声を掛けていないでしょうか。これだと、子どもの心にはママの叱る気持ちが届きません。

また、目を合わせることで「自分に言っているんだ」と子どもが理解しやすくなります。言い聞かせするときはちゃんと目を合わせて、冷静に伝えるのが大切です。

なぜ叱っているのか、明確にする

なぜママは叱っているのか、最初に明確にしておきましょう。

「初めはお手伝いしないことを叱っていたらこの前の宿題を忘れたことを思い出して叱って、ついでに昨日のプリントを出していないことにもイライラして…」

叱るポイントが次第にずれると、子どもも何にママが怒っているのか、このあとどう反省すればよいのかがわかりません。叱るというのは「子どもにこうあって欲しい」というアドバイスなので、なぜ叱るのか、そして改善すべきポイントを分かりやすく伝えましょう。

どうすればよかったのか、一緒に考える

子どもは叱られて初めて「この行動はやってはいけないことだったんだ」と気づきます。今後どうすればママが叱らず、同じことを繰り返さないかを次に考えなくてはなりません。

叱ったら叱りっぱなし、にするのではなく、そのあとでどうすればよいのかをママと一緒に考えましょう。子どもにとっても叱った後で許されるのは安心する行為なので、「叱ってもママはあなたを見捨てていないよ」と言動で表してくださいね。

反省できた、改善できたら褒める

叱ることで子どもの自己肯定感が下がるんじゃないか、子どもを否定することになるんじゃないか、と不安で叱れないという方もいます。これは、叱った後に子どもが反省していたり改善できたりしたら、褒めて伸ばせば良いのです。

叱り方・褒め方は実は表裏一体で、セットにするとうまくバランスが取れます。叱られて一時的に自信を失っても、そのあとで「ママの注意を聞いてくれてありがとう」「次はうまくいったね、すごい!」と褒めてもらえることで回復できるでしょう。

褒め方のポイントはこちらの記事にもまとめています▼

1~2歳の子への叱り方

褒め方 叱り方

叱り方のお悩みでもある「どんなに言葉を尽くしても、子どもに伝わらない」というもの。特に1~2歳の子どもへの叱り方は、どこまで叱ったらいいのかな?言葉が理解できないのに叱ってもいいのかな?と悩むポイントです。

そこで、1~2歳の子への叱り方をチェックしてみましょう。

分かりやすい言葉で叱る

1歳から発語が次第に出てくるものの、2歳の子でもまだ難しい言葉は理解できません。なぜママが叱ったのかを長々と説明するよりも、「○○したらダメだよ」「○○したら痛い!ってなるよ」と短く分かりやすい言葉で叱るようにしましょう。

はっきりと言葉を使うことで、子どもにも伝わりやすいです。この頃から叱るのは気が引ける、というママでも、最低限のルールやマナーは子どもに教えてあげてくださいね。

叱るのは1分以内で

どんな年齢の子にも言えますが、長々と叱るのはおすすめできません。ママも「どうして叱っているんだっけ?」とポイントを見失いがちですし、子どももなぜ叱られていたのか忘れてしまいます。

叱るのは分かりやすい言葉で、なおかつ短く1分以内を目安にすると良いと言いますが、1文にまとめるようにするとうまくいきます。叱ったあとは気持ちを切り替えて、後に引かないようにするのも大切です。

2歳の子どもへの叱り方、こちらの記事も参考に▼

イヤイヤ期真っただ中!3歳の子への叱り方

母親失格 新生児

第一次反抗期であるイヤイヤ期。多くの子どもが3歳ごろで迎える成長過程ですが、この頃の子どもの叱り方も悩むものです。

3歳の子へどう言い聞かせするのか、叱り方をチェックしていきましょう。

「なぜ叱るのか」を明確に

まずはなぜ叱るのかを明確にします。先ほども叱り方のポイントとしてご紹介しましたが、よりどうしてママが怒っているのかをはっきりと伝えると子どもに響きやすいです。

2歳までの子には、「いけないことをした」と物事の善悪部分だけを教えると良いのですが、3歳の子には「なぜいけないのか」まで理由を話すと理解してくれます。明確な理由なく理不尽に叱りつけると子どもも反発心が生まれてしまうので、まずは冷静にどうしてママが叱るのかを説明するようにしましょう。

叱るときには感情を表す言葉と一緒に

叱るときには、「ママは○○をされて悲しかったよ」「○○されると嫌な気持ちになる」といった感情を表す言葉を入れるようにしましょう。3歳になると他人の気持ちを考える練習を始めるため、行動に対してママを含める他人がどう感じるかを言葉にすると子どもにとって分かりやすくなるのです。

また、褒めるときも同じことが言えます。「○○してくれて助かったよ!」「○○してくれて嬉しい気持ちになった」と嬉しい思いを言葉にすると、3歳さんにも伝わりやすいです。

ママの息抜きも大切!

イヤイヤ期の子を育てるとき、つい大人もイライラしてしまいますよね。怒りっぽくなったり叱りつける語気が強くなったりするかもしれません。叱るときはとにかく大人も冷静でないといけないので、ママの息抜きもとても大切です。

感情に任せて叱りそうになる、怒りすぎてしまう…という場合は、子どもの安全と周囲への迷惑がかからないかを確認すれば、少しだけその場を離れて一人になってもかまいません。一度気持ちを入れ替えて、子どもと冷静に向き合えるようになってから、きちんとママの思いを伝えてみましょう。

3歳への叱り方・イヤイヤ期の対応方法はこちらの記事を参考に▼

子どもを叱る・怒るの違いとは?叱ったあとの罪悪感が辛い…

奇声 子供

子どもを叱ると怒るには、明確に違いがあります。叱ることに賛同できないというママは、もしかすると「叱る」「怒る」とこの2つを混同して考えているのかもしれませんね。

叱る・怒るの違いを参考に、また叱ったあとの罪悪感との付き合い方もご紹介します。

子どもを叱る・怒るの違い

子どもを叱る、怒るの違いとは、

  • 叱る…子どものためを思い、語気を荒げて注意すること
  • 怒る…自分の感情そのままに、子どもを怒鳴りつけること

叱るというのは確かに子どもにとっては怖いことですが、根底には「こうあって欲しい」「これはしないで欲しい」といった親が心配する気持ちがあります。叱る=しつけは子どもを尊重し人間性を高めるために行うものです。

対して怒るとは、自分の感情が先に出ている状態。相手のことは考えていませんし、子どものためを思って取る行動ではありません。怒りを抵抗できない子どもにぶつけるのは決してやってはならないことです。

怒ると叱るの違いはこちらで詳しく解説しています▼

叱ったあとに罪悪感…叱りすぎを防ぐには?

怒ると叱るの違いを考えると、確かに叱るのは育児では避けて通れないものでしょう。ですが、子どもがイヤイヤ期だったりママに余裕がなかったりして、「最近毎日叱りっぱなし」と罪悪感を覚えることもありますよね。

叱りすぎを防ぐ方法をご紹介します。

ママも「悪かった」と思ったら謝ろう

子どもを叱ったあとで、「考えてみれば私も悪かったな…」と反省することもありますよね。このとき、ママも「ごめんね、悪かったよね」と謝っても構いません。大人でも素直に子どもに謝罪の気持ちを伝えるのは、子どもにとっても良いお手本になるでしょう。

ただし、叱っている最中に謝るのはおすすめしません。きちんと何が悪かったのかを話し終わったあとで、切り替えのためにママが謝ると気持ちが楽になります。

子どもの気持ちを聞こう

叱るときについ一方的になって、子どもが何を思って行動したのかを聞き入れていないことも多いです。怒った口調ではなく、諭すように「どうして○○をしたのかな?」「どんな気持ちだったの?」と子どもの意見も聞いてみてください。

お花を勝手に詰んで、怒られた子がいたとします。ママは当然「一生けん命咲いているお花を取っちゃダメ」と子どもを叱るかもしれませんが、実は「ママに見せたかったから」と理由が隠れていたのかもしれないですよね。

だからといって許せるラインはきちんと引いておくべきですが、叱る前に子どもの気持ちを聞いてみる、その上でママが言い過ぎていたら謝るといった素直なコミュニケーションは大切です。

叱ったあとのフォローを大切に

子どもを叱っている際に、

  • 「お兄ちゃんはもっとできたのに」
  • 「○○ちゃんはそんなことしないよ」
  • 「だから何もできないんだよ」

といった自尊心を傷つけるNGワードを言っていないでしょうか?もし言っているのなら叱り方を今すぐ見直し、言ってしまったら必ず子どもをフォローするようにしましょう。「叱りすぎてしまったけれど、本当はそんな風に思っていないんだよ。ママもごめんね」と素直に伝えるのがおすすめです。

子どもと向き合いながら言葉を伝えるのが「叱る」です。怒ると確かに一時的には子どもが言うことを聞くようにはなりますが、それもずっと続かないはず。感情を爆発させたところで、ママの気持ちもすっきりしません。

叱ることで罪悪感を覚えるママは、褒める回数を増やしたり子どもときちんと仲直りをすると良いですね。自分の気持ちとも向き合いながら、子どもと適したコミュニケーションを取っていきましょう。

子どもを叱って後悔したら?この記事でも罪悪感との向き合い方をご紹介しています▼

もう叱りたくないママへ。自分の怒りをコントロールする方法

やり抜く力

叱るのは大切なこと。とはいえ、叱り方は複雑で難しく、ママ自身怒りの感情に疲れることは多いです。

最後に、自分の怒りを適切にコントロールする方法をご紹介します。毎日子どもを叱ってばかりで疲れている方、もう叱りたくないのに…と後悔している方は、ぜひ参考にしてくださいね。

「怒り」の前の一次感情に目を向ける

叱るときの原動力は、「怒り」の気持ちです。子どもが何かをしたことに対して、怒りの気持ちが湧くのは当然のこと。この怒りそのものを押さえる必要は、実はありません。

ですが、怒りはそれ単体で起こるものではないのです。そもそも怒りは原因となる一次感情があり、一次感情が溢れると怒りも爆発します。

  • 悲しい
  • 忙しい
  • 寂しい

こういった一次感情が怒りの前に隠れていないでしょうか?最近パパが忙しくて、ママばかりが育児している気持ちになっていませんか?子どもの相談ができず、孤独を感じているかもしれません。仕事が立て込んでいて毎日忙しく、そんな折に子どもに些細なことで怒りが湧くというのはよくある話です。

こうした一次感情を無視するとストレスが溜まり、怒りの沸点も低くなります。子どもを叱るときは冷静に、と分かっていても、感情が抑えられなくなる場合も多いでしょう。特にママは「母親なんだから忙しくて当たり前」と一次感情に蓋をしがちです。

子どもを叱りすぎないためにも、まずはママが自分を大切にする意識を持ちましょう。

叱るときのルールを作る

叱るときにはルールを作っておくと叱りすぎを防げます。例えばこれまでご紹介したように、

  • 叱るのは1分以内にしよう
  • 最後に親子で謝って叱るのはおしまい
  • 決めたことを書くボードを作ろう

こんな風に簡単な取り決めで構いません。叱るときにはこうする、とママが心の中で決めておくだけで、必要以上に叱るのを防げるようになるのです。

我が家では「叱るぞ!」と思ったら、まずは自分が一人になれる空間を作ります。一度冷静になってどう子どもに伝えるかを考える時間が一瞬でもあるだけで、ずっと叱りすぎは防げるのです。子どもにとっても「なぜ叱られているのか」が分かりやすくなるでしょう。

毎日叱るのは子どもを心配している証拠

子どもを毎日叱る自分に嫌気が差す…。そう悩むママも多いです。ですが、怒ると叱るの違いでもあったように、叱るの基本には子どもを心配しているママの気持ちが隠れています。

毎日イライラして怒ってしまうなんて、母親失格に違いない。そう思って自分の気持ちを認めないでおくと、怒りは溜まっていつか限界を迎えてしまいますよね。ママが子どもを大切に思う分、叱ってしまうのは当然のことです。

大切なのは「怒りの感情を持つのが悪い」のではなく「怒りを認めた上で、どう発散させるか」。ママのストレスはきちんと「今自分は怒っている」と認めてあげましょう。毎日叱ってしまうのは、子どもが心配で大切だからです。その気持ちも一緒に子どもに伝えるようにすると、親子の理解は今まで以上に深まります。

怒ってばかりで悩むママは、こちらの記事も参考に▼

まとめ

子どもへの褒め方・叱り方でお悩みのママも多いです。「自分は褒め下手、叱り下手」と決めてかからないで、ご紹介したような褒めるときのポイント、上手な叱り方を実践してみてくださいね。

上手く褒められなかった、叱ると罪悪感がある…。そう反省するのは、ママが毎日頑張っている証拠。自分の頑張りも認めてあげて、子どもとうまくコミュニケーションが取れるようにしてみましょう。

【参考】

モンテッソーリ教育から学ぶ自分でできる子になるための子供のほめ方、叱り方

『自分でできる子に育つほめ方叱り方』具体例が盛りだくさん!子どもの自立心を育む声がけの指南書! | コラム | 塾選び富山

効果的な褒め方、叱り方とは?/部下の力を引き出す「コーチング」の極意|Future CLIP/富士フイルム

叱り方とほめ方にもコツがある!しっかり響いて子どもが育つ伝え方 | ミラシル by 第一生命

ABOUT US
【監修】久保田 由華久保田 由華
公認心理師、臨床心理士。
NY州立大学にてメンタルヘルスカウンセリングの修士号修得。NYCのNPOにてアシスタントサイコロジストとして勤務後帰国。
大学、クリニック、心理相談室等で勤務。7000ケース以上のご相談を担当。

心の相談室こころラボを設立し、カウンセリング以外にも子育てママのためのセミナーやスクール、ママのためのオンラインコミュニティを運営。