みなさんは「自己否定」という言葉をご存じですか?
自己否定とは、自分を否定する気持ちが止まらない状態を指します。何をしても自信が持てず、納得できず、生き辛さを感じる自己否定は自分の中でコントロールして自己肯定感を意識しなければなりません。
この自己否定は時にうつ病につながることも。「自己不一致」とはどんな状況を指すのか、自己肯定感を高めるために自己否定を抑える方法までご紹介します。
なんだか生き辛い…自己否定が癖になっているのかも?
自分を否定する気持ちが止められない自己否定。もちろん謙虚な気持ちの表れや避けようのない自己否定はありますが、これが癖づくと生き辛さを感じたり憂鬱な気分が引き起ったりします。
自己否定とは何か、自己否定はなぜいけないのか詳しく見ていきましょう。
自己否定とは
自己否定とは、文字通り「自己を否定する」ことを指します。自分を否定する気持ちが表れる理由はひとそれぞれ。
- 経済的に貧困で自分に自信が持てない
- 良い仕事に就けないのは、勉強ができない自分のせいだ
- 私が育てると子どもが良い子にならない
など、さまざまな自分を否定する気持ちが生まれ、なかなか止められないのが自己否定です。
自分の取った行動に後悔し自分が嫌いになる自己嫌悪とはやや性質は異なります。自己不一致とも呼ばれることがあり、「理想の自分と現実の自分にギャップがあり、それを認められない」のが自己否定だと認識しておきましょう。
自己否定はなぜいけないの?
自己否定はなぜいけないのでしょうか。実は、自己否定は完全に悪いわけではありません。例えば達成できない理想的な目標ばかりを追い求めるのは良いことですが、達成感が得られないのはデメリットですよね。そんなときは「自分にも超えられる目標」を考え直し、自分の肯定感を高めるのもひとつの手段。「自分の理想を否定することで、自己肯定感を守っている」という場合もあるのです。
しかし、自己否定はメリット以上にデメリットが目立ちます。自己否定が引き起こすのは「うつ病」で、うつ病が起こるメカニズムには「自己否定を繰り返しネガティブ思考から抜け出せないと悪化する」ことも知られています。
また、自己否定を繰り返すママの姿を見て、子どもが受ける影響も想像に難くありません。子ども自身の自己肯定感の低下にもつながるため、自分を守るためにも自己否定とはうまく向き合う必要があるでしょう。
自己否定とうつ・HSPの繋がりとは?
自己否定とうつ病、また自己否定が引き起こすHSPの関係性を解説します。どのような状況が心の病気につながるのか、リスクを正しく理解して不安をコントロールできるようにしましょう。
うつ病、HSPとは?
そもそもうつ病やHSPとは何か、一つずつ詳しくご紹介します。
うつ病
うつ病は過度のストレスや環境の変化、人間関係などの社会環境による影響で、脳の働きが低下して不安な気持ちになる病気を指します。例えばストレスが重なる出来事があったとき、周囲のサポートが十分ではない・環境から逃れることができない場合に、不安や不満が積み重なります。このストレスは不眠や体調不良を引き起こし、脳の機能が低下し、情報や感情の処理ができなくなるでしょう。
このようにストレスを起因として日常生活がままならない状態になるのが、うつ病です。忙しくなれない育児をしなくてはならないママだと、「産後うつ病」は身近な存在ですよね。これも、子育てによって解消できないストレスが重なり、冷静な判断や日常生活が送れない状態を指します。
HSP
HSPとは「ハイリー・センシティブ・パーソン」です。日本語にすると
非常に感受性が強く敏感な気質もった人
HSP(Highly Sensitive Person)ハイリー・センシティブ・パーソン | 仙台の心療内科・精神科・美容内科マドレクリニック
という意味を持ちます。
うつ病と異なり、HSPはその人が先天的に持っている特性です。統計上では人口の15~20%、5人に1人はHSPと言われています。HSPの方は周囲の人よりも過敏に感情の起伏の影響を受けることから、比較したり自分への自信を失ったりして生き辛さを感じることが多いです。
生き辛さを解消するには、自己否定を乗り越える必要がある
うつ病は自己否定が始まり、心が傷つき脳の機能低下を招きます。ストレスが原因ではありますが、自己否定もうつ病への始まりです。自分を許すことができないと過剰に高いハードルを自分に課してしまい、また「できない現実」と「こうなりたい理想」の間で苦しくなる一方です。
また、HSPも強い自己否定をする特徴があります。生まれつきの特性とはいえ、思考パターンは学習して変えることも出来ます。自己否定は生き辛さを感じるものでしかなく、自己否定を少なくする・自己否定を繰り返す思考を修正するのはメリットも大きいでしょう。
自己否定を抑えるには?
自己否定に悩んだら、抑える方法を知っておく必要があります。生き辛さを解消するためにも、自己否定を抑える方法を一緒にチェックしていきましょう。
自己否定感を理解し、認める
自己否定感をなくすためには、まずどんな原理で自己否定が行われるのかを知らなくてはなりません。自己否定が始まると自己肯定感が低くなりますが、この自己肯定感が低い状態というのは
こう思う方がほとんど。この状況は自己肯定感が低いというよりも自己否定感が強いと言えるでしょう。無理やり自分に嘘をついて、自分を肯定してもあまり効果はありません。
ではどうすればよいのかというと、この自己否定感を理解し「ダメな人間だと私は思うんだな」「これはできないことなんだな」と自分を認めることです。
自分を高められるのも自分だけですが、許してあげるのも自分にしかできません。悩みが強く気分が落ち込むと思ったら、自己否定がどこから来るのかを今一度考えて、できない自分でも良いと認めてあげると良いでしょう。
誰かに悩みを打ち明ける
女性は特に、悩みがあったら誰かに聞いてもらいたいと思う方は多いです。ぜひ身近なパパや両親に悩みを打ち明けたり、カウンセリングなどで専門家に相談しましょう。
わざわざ自分のことで誰かの時間を取ったり、専門家に頼るなんて、と躊躇してしまうかもしれませんが、この悩みは自分だけの話ではなく、子どもに影響が及びます。取返しのつかない状態、例えばうつ病や気分の落ち込みが戻らず不眠や不安が続いたりする場合は、専門家に頼って治すのが一番です。
3行ポジティブ日記を付ける
それでも誰かに悩みを吐き出せない。パパは仕事で忙しく、時間も上手く作れないという方は、セルフコントロールで気分を上げる方法もあります。
やり方はただ日記を付けるだけで、手書きでなくてもスマホのメモ帳を使ってもOK。3文程度でいいので、「今日起きた嬉しいこと」「楽しいこと」「自分を褒めてあげたいこと」を書いてみましょう。
最初は何も思いつかないかもしれません。ですが、長文を書かなくても3行だけで大丈夫。単語を並べるだけでも、ポジティブシンキングができれば次第に日記を書くのは楽になっていきます。
日記を付けるだけでなく、過去に書いたものを読み返すことで自己否定感を抑えることもできます。「こんなに頑張ってきたんだから、大丈夫」と自分に自信を付ける行為を重ねてみてくださいね。
まとめ
自己否定が引き起こすうつ病、HSPはなかなか向き合い方も難しいものです。ですが、今生き辛さを抱えている方は、その気持ちを修正してポジティブな考えを持つことはできます。
育児中のママだと、子どもへの影響も心配ですよね。笑顔で毎日いられるママになるために、自分を元気にする方法を少しずつ試してみてください。
【参考】
うつ病ネッHSP(Highly Sensitive Person)ハイリー・センシティブ・パーソン | 仙台の心療内科・精神科・美容内科マドレクリニックト
自己肯定感が低すぎてつらい人のための処方箋 | リーダーシップ・教養・資格・スキル | 東洋経済オンライン | 社会をよくする経済ニュース
「自分はダメな人間だから、自分を肯定できない」