二人目を妊娠・出産して、二人育児を始めたママ。言葉の通じない下の子よりも、つい上の子ばかり叱ってしまい、上の子にイライラすることはないでしょうか。
実は上の子にイライラするママは多く、その状態は「上の子かわいくない症候群」とも呼ばれています。
今回は上の子がかわいくない…と悩むママに向けて、
- 二人育児と一人育児の違い
- 上の子にイライラするときの対策法
をご紹介します。
二人育児で悩んでいる方は、参考にしてみてくださいね。
上の子にイライラ。二人育児と一人育児の違いとは
上の子にイライラする原因のひとつは、二人育児と一人育児の違いにあります。単純に子どもが増えるため、時間や手が足りなくなりますよね。まずは子どもが二人の場合と一人の場合との違いを考えていきましょう。
二人の子ども育児でママは手一杯に!
どんな年齢差であろうと、乳児がいる上にもう一人子どもの育児も同時にこなさないといけない二人育児では、ママが手一杯になりがちです。もちろんパパや周囲に頼って育児の協力が得られればよいですが、「パパに一人預けたとしても、もう一人の育児がある」と忙しくなることは必須。日中はパパも仕事があるため、昼間は二人育児をワンオペで行う方も少なくありません。
そのうえ、下の子はまだまだ言葉が通じないもの。上の子との年齢差がわずかしか離れていないとしても、「上の子はもう分かるでしょう」「赤ちゃんみたいなこと言わないで!」と過度に期待してしまうのです。これが、上の子にイライラする原因のひとつかもしれません。
まだ手のかかる下の子、上の子は「赤ちゃん返り」することも
日夜問わずミルクやおむつ替えの必要がある乳児のお世話。加えて、これまでママと二人きりだった環境に新しい家族が増えたことで、上の子が不満・不安を覚えて赤ちゃん返りすることもしばしばです。
赤ちゃん返りとは、言葉通り「赤ちゃんの頃のような状態に戻ること」。例えばこれまでは聞き分けがよかったのに突然わがままを言ったり、泣き止んでくれなかったり、周りのお友達とのトラブルが増えたりと、子どもによって現れ方はさまざまです。
二人育児で困難を覚える方の多くが、「上の子の赤ちゃん返りが大変」と思っています。忙しい中でも、上の子のメンタルケアは気を付けておきたいですね。
一人目よりも余裕があるママも
一方で、一人育児よりも二人育児になると「一度通ってきた道だから余裕がある」という方もいるようです。初めての育児だとやり方が分からなかったり、必要以上に赤ちゃんのお世話に集中したりして、「家事まで手が回らない!」と悩むママもいるでしょう。
二人目だとお世話にも慣れた状態からスタートできます。また、年齢差のあるきょうだいだと上の子が育児をお手伝いしてくれることもあるでしょう。
確かに二人育児は一人よりも大変ですが、過度に心配しなくても大丈夫です。
上の子にイライラする「上の子かわいくない症候群」とは
上の子にイライラする状態のことを「上の子かわいくない症候群」と呼ぶこともあります。ママは慣れない二人育児で疲れていて、上の子は赤ちゃん返りが見られると、状況的にも「上の子をかわいく思えない」となってしまうのです。
下の子妊娠中から見られるママの変化
早い方だと、二人目妊娠中から上の子かわいくない症候群のような状態が始まることがあります。
お腹の中の子に声かけしたいのに、いつも以上に上の子から「ママ、ママ!」と呼ばれて大変。妊娠中なのに外遊びをせがまれたり、遊びに誘われて家事が思うようにできなかったり…。上の子育児に手がかかると、どうしてもイライラしてしまいますよね。
妊娠中はホルモンバランスが変わり、情緒が安定しないこともあります。さらに体にはマイナートラブルもあり、思ったように上の子の声に応えてあげられないシーンも増えるでしょう。
妊娠中からでも上の子かわいくない症候群の状態が起こるケースも十分にあるので、「ママとして、私は大丈夫かな?」と心配せず過ごしましょう。
特に上の子が2~5歳だと見られやすい
上の子かわいくない症候群は、上の子も2~5歳と幼い子どもであるほど起こります。年齢が上がるにつれて「下の子が生まれる」状況が正しく理解できますが、小さな子だとまだまだママと一緒にいたいですし、「下の子は赤ちゃんなんだから、優しくしてね」と言われてもよく分からないことも多いです。
いくら乳児よりも年齢が上とはいえ、上の子もまだ甘えたい盛りの子ども。つい「上の子扱い」をしてしまいますが、まだ上の子も成長段階であることは頭に入れておきましょう。
子どもの成長とともに上の子かわいくない症候群はおさまる
上の子かわいくない症候群は、きっかけはさまざまですがいつかは終わります。子どもが成長し、二人育児にママも慣れてくると心の余裕も生まれるため、より子どもをかわいいと思える瞬間は増えるはずです。
今上の子かわいくない症候群の状態で、悩んでいる最中であればあまりピンとこないかもしれません。ですが、ずっと悩むより「いつかは終わるもの」と楽に構えるのも大切です。
上の子にイライラしないために。やっておきたい対策法
上の子にイライラして自己嫌悪するママや、これから始まる二人育児に対して「何かできることはないかな?」と考えているママに、やっておきたい対策法を解説します。
妊娠中から「家事のこなし方」「子どもとの接し方」を考えておく
二人目妊娠中から、できれば家事のやり方や子どもとの接し方を考えておくと二人育児が始まっても慌てる機会を減らせます。
とはいえ育児はすべてが思い通りになりませんよね。ほんの少しでよいので、どんな生活になるかをシミュレーションしておくとよいでしょう。
こちらの記事では二人育児の1日のタイムスケジュールをご紹介しています。二人育児の参考にしてみてくださいね。
育児も家事もほどよく手を抜く
子どもが増えたのに、一人育児と同じように「毎日食事は手作りで」「掃除も完ぺきに」と張り切ってしまうと、すぐに疲れてしまいます。上の子にイライラする原因はママの余裕のなさからもくるため、育児も家事もほどよく手を抜き完ぺきを目指さないことが二人育児のコツです。
一人のときは必要なかったかもしれない時短家電を、二人育児が始まったら導入するのもひとつの手段。ファミリーサポートやシッターを使って、自分だけの時間を確保するのも重要です。
上の子との時間を優先的に作る
よく言われることですが、下の子はまだ手のかかる赤ちゃんだとしても、できる限り上の子を優先させましょう。上の子は下の子が生まれたことで、ママを取られたような気持になりより甘えたい、話を聞いて欲しい願望が強まっています。できる限り上の子の声に耳を傾け、一緒に過ごす時間を作りましょう。
とはいえ、乳児のお世話は大変です。全部こなそうとするとママ自身のキャパシティーも超えてしまいます。パパに下の子のお世話を頼んだり、上の子が甘えたいようであればパパとも一緒に遊んでもらったりして、家族で協力して二人育児を行うことで上の子へのイライラも軽減できるかもしれません。
「上の子にイライラするのはダメ」と考えない!
上の子かわいくない症候群の状況でも、「子どもをかわいくないと思う私はママ失格だ」と落ち込む方が多くいます。ただ、二人も子どもを見ていてイライラしないほうが珍しいのです。
上の子にイライラしてはいけない、ダメ、と自分を否定するのではなく、「そんな日もある」「イライラしても大丈夫」と思うようにしましょう。
繰り返しになりますが、上の子へのイライラは子どもの成長とともに減り、二人育児も楽しめる日はいつかきます。渦中にいるママはどうしても自分を責めがちですが、育児を頑張っている自分を認めて、自己肯定感を高めましょう。
ママが笑顔だと、子どもも喜ぶはずです。
「上の子かわいくない症候群、いつ終わるの?」と悩んでいる方は、こちらの記事も参考にしてみてください。
まとめ
二人育児で余裕がなくなると、つい聞き分けのよい上の子にイライラしてしまう方も多いもの。ですが、そのイライラは二人育児をするママのほとんどが感じている現象です。もしイライラしても自分を責めず、子どもとの向き合い方を見直してみましょう。育児しやすい環境を整えたり、生活が楽になるためのツールを取り入れたりするのもおすすめです。いつかは上の子にイライラすることもなくなり、「きょうだいを生んでよかったな」と思える日はやってきます。