子供を虐待しそう!誰に相談すればいい?相談の仕方も解説

虐待しそう 相談

子供を虐待しそうになったこと、みなさんはありますか?

育児はママ一人ではとてもではないけれどこなせません。ですが、誰でも「気軽に相談できる相手」「気兼ねなく手伝ってくれる両親」と傍で暮らしているわけではありませんよね。日中はパパのいないワンオペ状態で、子供は言うことを聞いてくれずずっとぐずってばかり

そんな状態をママ一人で耐えていると、感情のコントロールも難しくなる瞬間はやってきます。今回は虐待しそうと思ったら、どこに相談すればよいのか、また相談の仕方まで詳しく解説します。

ママと子供を守るために、必要な知識を身につけましょう。

「虐待しそう…」と悩むママ

虐待しそう 相談

ピジョンの育児相談サイトに寄せられたアンケートによると、

虐待しそう‥と悩んだ事

ある…67%

ない…33%

虐待しそう‥と悩んだ事 | 育児ママアンケート | ピジョンインフォ

このようなママ達の回答が得られました。

かわいい我が子を虐待するだなんて、ニュースなどで取り上げられることもありますが、ママの中には「手を上げてしまう気持ちはわかる」という方もいるのではないでしょうか。私も育児をするママの一人ですが、明確に「虐待しそう」と思った瞬間は何度かあります。

子供はかわいいのに、どうして虐待しそうになるの?まずはその理由を解説します。

育児で手いっぱいになり子供に余裕が持てない

赤ちゃんの頃や小さなうちは特に、ママのサポートなしでは子供は生きてゆけません。さらに、授乳やおむつ交換は昼夜を問わずやってきます。ママは産後急激に体力が落ちた状態で、その日からすぐに子供と24時間向き合わないといけないのです。

食事はおろか、トイレに行く時間も睡眠もまともに取れない状況。この育児でストレスフルな状態が続くと、いくら愛情深いママでも余裕が持てず、虐待しそうになる精神的な限界を迎えてしまいます。

ワンオペ育児が続いていてママ自身が孤立している

「ワンオペ育児」とは、日中パパが仕事で出かけていたり一人親だったりして、子供の世話をママ一人がみないといけない状態を指します。子供が幼稚園・保育園に行かないうちは、ママの多くはワンオペ育児を経験することになるでしょう。

こうした育児のサポートが不十分な状態は、ママが一人で出かけることもできず自分のこともできず、悩みも相談できない社会的に孤立しがちです。孤立は愚痴や相談を誰にも言えないまま、ママをどんどん追い詰めていきます。その結果、ストレスのはけ口が子供に向かい虐待しそうな状況になることも。

ここでいう孤立とは周囲の状況がどんなに恵まれていても、ママ自身が孤独感を覚えていると当然起こり得るものです。配偶者がいても、近くに両親がいても注意が必要であることは頭に入れておきましょう。

家庭の問題や仕事など、育児に集中できる環境が整っていない

虐待を受ける子供の家庭には、経済的に問題があったりママ自身が精神的に不安定だったり、育児以外の問題を多く抱えている共通点があります。仕事で忙しく、なおかつ育児もしないといけないワーママも同じです。

このように育児に集中できる環境が整っていないのも、育児のお手伝いが不十分な状況と同じで、子供への虐待が起こりやすい状態に。これまで説明したように、「育児はママ一人では難しい」「サポートは適切な形で、なおかつ継続されないと効果が出ない」ことが分かります。

このバランスが崩れると、ママ自身にストレスが溜まり感情的になってしまい、子供を必要以上に起こったり叩きたい気持ちになったり、虐待へとつながる可能性は高くなるでしょう。

子供を虐待しそうになったら相談できる場所

虐待しそう 相談

子供を虐待しそうになったら、まずやっておきたいのは「どこかに相談してママ自身の落ち着きを取り戻す」ことです。一度でも虐待しそう!と思ったら、必ずその悩みを解消しておきましょう。

人に悩みを相談するのは、自分自身の気持ちの整理にも繋がります。結果として「話を聞いてもらっただけだった」でも構いません。虐待しそうになる思いは決しておかしいことではありませんし、それだけ育児と真剣に向き合っている証拠です。

相談できる場所をいくつかご紹介するので、自分に合っているところを知っておきましょう。

子どもの虐待防止センター

「子どもの虐待防止センター」は、医師・保健師・弁護士などの専門家と市民が開設した施設。主に虐待に関する相談を電話で受け付けています。

相談は全国から可能で、相談員は子育て支援を担当する相談員やケースワーカー、児童相談所の児童福祉司、児童心理司やその経験者です。育児に関する知識のある人が相談に乗ってくれるので、今の気持ちを理解してくれるかもしれません。

電話は匿名でも大丈夫なので、住まいや名前を明かさず相談したいというママも安心して利用できます。

子どもの虐待防止センター

自治体の児童家庭相談窓口

お住まいの地区によって、自治体の児童家庭相談窓口が設置されています。子供のことや子育ての悩みを聞いてくれたり、相談に乗った上で適切な窓口の紹介を受けることも。自治体が運営する育児セミナーやイベントの紹介もしてくれるため、育児に孤独感を覚えるママにとっては強い味方です。

近くの窓口を探すには、「自治体名+子育て相談」で検索してみましょう。産前にも有益な情報が入手できるため、プレママにもおすすめです。

保健センターや保健師へ

保健センターや地域保健課など、各自治体では保健師が在籍し随時相談ができます。子供が産まれたとき、地区担当の保健師から連絡が来るところもあるようです。

保健師さんは子供の成長や発達のスピード、離乳食などの悩みを聞いてアドバイスをくれます。また、保健師さんから地区の育児サークル、オープンスペースの情報が得られることもあるため、ぜひ聞いてみてくださいね。

産院・小児科・精神科などの専門機関

小児科、精神科などの専門機関はかかりつけのお医者さんを見つけておくと安心です。また、実際に出産した産院でも育児相談は可能。生まれる前から診てくれるお医者さんに相談するのであれば、ママとしても安心できますよね。

ママの精神不安からくる「虐待しそう」という衝動であれば、精神科などメンタルケアを行う医師に診察を受けると良いでしょう。

パパや友人、両親など身近な方に

最も身近な存在がパパや両親など家族です。限界が来る前にママの状態を理解してもらい、適切なサポートを受けるようにしましょう。ママ友に日々の愚痴を吐き出すだけでも気持ちが楽になります。

ただし、身近な関係の人には「虐待しそう」という悩みはなかなかしづらいと思う方も多いです。後ほど相談の仕方をご紹介するため、参考にしてくださいね。

ネット上の友人にも相談できる

インスタグラムやツイッターでは、匿名ではありますがママが「育児用アカウント」を作っています。同じ月齢の子供を持つママと知り合えると、ネットだからこそリアルな感情を打ち明けられることもあるかもしれません。

ネット上なので気が引けるママも多いかもしれませんが、「夜泣きを乗り切れたのはツイッターで知り合ったママ友と応援しあったおかげ」「遠くに住んでいるママだって離乳食で悩んでいるって思ったら気が楽になった」といったポジティブな意見も多いです。

「虐待しそう」はどうやって相談する?

虐待しそう 相談

子供を虐待しそうという相談、どうやって上手にママの状況と悩みを説明すればよいのでしょうか。ここからは相談するときに押さえておきたいポイントをご紹介します。

まずは主語を「ママ」に

まずは「誰が一番つらいのか」を明らかにしましょう。子供が何をしても離乳食を食べなくって毎日イライラ、ついひどく怒ってしまって虐待しそうで怖い。こんな悩みのときに「どうやったら子供が離乳食を食べるようになりますか?」と相談するのではなく「育児に余裕がなくて私が辛い。子供にひどく怒ってしまう。どうしたらいいですか?」と質問してみます。

前者の場合だと、「離乳食をあげる時間、食材の調理方法」などすでに知っているアドバイスを受けることも。後者だと「いつかは離乳食を食べる日も来るし、たまにはリフレッシュしてみてください」と助言をもらえるかもしれません。

このように、主語をママにするとママの気持ちに寄り添った返答ができます。何に悩んでいるのか、今一度整理してみるとうまくいくでしょう。

言いたいことを書き出し一度整理しておく

メモ程度でも良いので、自分の気持ちや起きたこと、どうして欲しいのかなどを書き出して整理しておきます。悩み相談の窓口でいざ口を開くと、感情がいっぱいになり泣き出してしまうママも少なくありません。

ただし、精神的な限界がきている状態では自分の気持ちもうまく伝えられませんよね。そんなときにメモがあれば確認しながら話すことができます。

ママ友やパパへの相談・愚痴などは数時間以内で!

ママ友やパパに相談するとき、愚痴をこぼしたいときは数時間以内にしておきましょう。いくらでも時間があるととりとめなく話すことになり、解決できないことも多いです。愚痴を言いたいだけなら「話を聞いて欲しいのだけど」と前置きすると、「愚痴が長くてうんざりされた」といったケースを防げます。

まとめ

子供を虐待しそうになるママ、実は意外とみなさん心当たりがあることかもしれません。育児は予想通りにならずとても大変で、毎日ママ達はぎりぎりの状態で暮らしています。

決して無理をせず、そして自分の気持ちに蓋をせず、ママ自身が自分を大切にしてあげてください。子供に危害を加える前に、正しくSOSを出してくださいね。

【参考】

ひとりで悩まないで!子育てに関する悩みはどこで相談すればいい?

子どもをたたいてしまう、怒鳴ってしまうなら…「とりあえず電話して」 匿名でOK? どう話せば? 相談員に聞きました | 東京すくすく | 子育て世代がつながる ― 東京新聞

ホーム – 子どもの虐待防止センター

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ABOUT US
【監修】久保田 由華久保田 由華
公認心理師、臨床心理士。
NY州立大学にてメンタルヘルスカウンセリングの修士号修得。NYCのNPOにてアシスタントサイコロジストとして勤務後帰国。
大学、クリニック、心理相談室等で勤務。7000ケース以上のご相談を担当。

心の相談室こころラボを設立し、カウンセリング以外にも子育てママのためのセミナーやスクール、ママのためのオンラインコミュニティを運営。