2歳児の奇声をやめさせたい!どう声掛けするのか対応を解説

奇声 2歳

子供と一緒に生活していると、気になるのが「キー!」という甲高い声。テンションが上がったり癇癪が起きたりすると、この奇声を上げることは珍しくありません。

子供の奇声とは一時的なものではありますが、ママの中には「どう言い聞かせしたらいいの?」「叱っても良いの?」と悩む方も多いでしょう。今回は子供の奇声、特に2歳ごろに見られる奇声の原因と奇声を少なくする声掛け方法について注目します

子供の奇声が気になる!2歳児はなぜ奇声を上げるの?

子供 イライラする

子供の奇声が気になるママ、実は多いのではないでしょうか。子供は3歳までは大きく甲高い声を上げることがよくあり、奇声自体は珍しいものではありません。

まずはなぜ奇声を上げてしまうのか、子供の心理を考えてみましょう。

楽しくて気持ちも高ぶってしまうから

2歳の奇声の理由、そのひとつとして「奇声を上げるのが楽しい」が考えられます。遊びに夢中になったり踊っていたり、そうした楽しい気分が高まると声を出してしまうことはよくありますよね。

もちろん個人差があるので、楽しい気持ちになっても大騒ぎしない子もいます。しかし、2歳さんは体力もついてできることも増え、好奇心が旺盛な時期。けれども、まだまだ「ここは静かにするところ」「周りの迷惑にならないように、声を小さくする」と理解するのは難しいのです。

笑いながら奇声を上げていたり、声の大きさそのものを楽しんでいたり、ご機嫌なときの奇声は楽しい気分であることの表れかもしれません。

主張したいことがある、癇癪を起こしてしまう

2歳の子で気にしておきたいのが、自我が芽生えて自分の意見がはっきりし、子供なりのこだわりが現れる「イヤイヤ期」です。これまでママの言うことをよく聞いていたのに、ある程度成長した2歳ごろになると突然わがままが増えたように感じることがあります。

これは、子供の主張が激しくなる第一次反抗期。いわゆるイヤイヤ期です。

イヤイヤ期の子供は大人がすぐ対応できないようなこだわりがあったり、無茶難題を主張したりしますよね。こうした気持ちのもやもやは子供にとってうまく言葉では表現できず、「言いたいことがあるのに上手に伝えられない!」というもどかしい気持ちが奇声になることもあるでしょう。

地団駄を踏んだり泣いたりして、癇癪のような奇声が見られるのもこの頃です。英語でも「Terrible two(大変な2歳児)」と呼ばれるように、魔の2歳への向き合い方は難しいもの。ママとしては、「この時期はそういうもの」と奇声に対してどっしりと構えておきたいですね。

ママに気付いて欲しい、注意を引きたいから

他にもママに気付いて欲しいから、周囲の注目を引きたいからわざと奇声を出すこともあります。2歳の子だと、下の子が産まれることも多いですよね。赤ちゃん返りが始まったり、周囲が下の子を見る時間が増えたりして、「こっちも見て!」と主張したくなるかもしれません。

2歳の奇声に悩むママの声には「下の子が産まれたら上の子が途端にわがままになり、奇声を上げることも増えた」というものもあります。仕方のない場面も多々ありますが、奇声を少なくするためには上の子を優先して接することも大切でしょう。

2歳の奇声は仕方ない?放っておくのがNGの理由とは

お料理 お手伝い

体力もついてきて、2歳さんはいつも元気いっぱい。おしゃべりの練習中でもあり、イヤイヤ期に入る子も多いことから「2歳の奇声は仕方ない」と思うママもいるかもしれません。

確かに子供の奇声はよくあることで、些細な奇声すべてに「静かにして!」と抑制するとママが大変な思いをします。親子で常に緊張していなくてはならず、ストレスも溜まるでしょう。

しかし、言葉や物事の理解をたくさん吸収し、学ぶ段階である2歳だからこそ、言い聞かせを始めるなら今がチャンスです。少し大きくなったときに突然「うるさいって言ってるでしょう!」と言い始めても「これまで注意されなかったのに、どうして?」と子供は理不尽な思いを抱いてしまいます。

なぜ2歳さんの奇声を放っておくのはNGなのか、その理由をご紹介します。

大人の対応次第では奇声がずっと続くことも

周囲の大人がずっと奇声に対して何もアクションを起こさなければ、子供は「いくらでも大きな声を出していいんだ」「我慢しなくていいんだ」と受け取ってしまいます。子供の奇声は一時的なもので、人によっては幼稚園や保育園など集団生活を始めると収まる場合もあるでしょう。

しかし、一緒に暮らすママ・パパが奇声を止めないと、ずっと続くことになります。奇声を少なからず「家族にとっても迷惑だな」と思うのなら、「ご飯を食べるときはやめてね」「下の子のお昼寝中はやめてね」とルールを設けて教えることは大切です。

3歳になって突然「静かに!」は子供にとって理不尽

2歳さんは言葉数も増えて、物事をしっかり理解するようになります。とはいえ、小さなうちから躾を始めても伝わらないよね、と放っておく方もいるでしょう。過度な言い聞かせはかえって子供の自由を奪うかもしれませんが、子供もいつかは大きくなり、社会で生きる一人として独立しなくてはなりません。その過程において、なんでも子供の行動を放任し、親としての言い聞かせすらしないというのは、責任逃れのようにも感じます。子供の自由を尊重することと、放任することは違います。

「言っても伝わらない」で放っておくと、その分子供は「静かにする場面」「静かにする場所」を覚えません。大きくなって集団生活を送るときに、突然「静かにしなさい!」「うるさくしちゃダメ!」と頭ごなしに言われると、子供は理不尽に感じてしまうのです。

繰り返しになりますが、2歳だからこそ子供は「場所をわきまえた態度を取る」練習が可能です。言い聞かせを始めるなら今がチャンスなので、ぜひ「ここでは大きな声を出していいのかな?」を親子で考える時間を作ってみてください。

放置すると危険な奇声かもしれないから

奇声はすべて「子供の気分次第」ではなく、時には本気で周囲に助けを求めていることもあります。

  • 感覚過敏で奇声を上げるほど日常生活が困難
  • 熱などでうなされている
  • ひと目では分からない骨折などの怪我をした

子供の奇声というと、「発達障害のサイン」とも言われることがあります。ですが、安易に思い込むのは要注意。2歳の奇声はよくあることで、奇声があるだけなら発達障害とは判断できない、2歳の時点ではよく分からないのが実情です。しかし、ママの目線から見て「どうしても強いこだわりがあり、生きにくそうにしている」のなら専門家に診てもらう必要があるでしょう。

他にも熱など別の症状がある場合は、体調不良による奇声かもしれません。怪我の場合も、早期発見が大切です。「いつもの奇声だから放っておく」で済ませないで、奇声を上げる原因をじっくり考えてみましょう。

2歳児の奇声、どうやって声掛けする?

怒る 1歳児

2歳児の奇声で困るのが「どうやって静かにしてもらえばいいの?」という点です。うるさい!静かに!と怒鳴っても一時的なもので、2歳にも分かるように「なぜ奇声を上げてはならないのか」を説明する必要があります。

ここからは2歳児に対する声掛け方法を見ていきましょう。

「ぞうさんの声」「ありさんの声」で声の大きさを調節

2歳の子供だと、自分がどのくらいの声で話すと適切かは分かりません。子供にも親しみのあるぞうさんとありさんを使って、声の大きさを調節してみましょう。

  • 広いところ、公園ではぞうさんの大きい声でもOK
  • 周りの人がいるとき、迷惑になるときはありさんのような小さい声で

このように例えを作って声の大きさをママが実践すると、子供にとっても無理なく音量の調節ができます。

「今から○○をするから静かにね」と事前に教える

突然「ここでは静かにして!」「うるさいよ!」と頭ごなしに言っても、子供には伝わりません。お買い物や式典などに参加するとき、事前に「今からお話を聞く時間だからちょっと黙っておこうね」と伝えてみましょう。

いつからいつまで静かにしたらよいのか教えることは、子供の不安を解消する目的もあります。時間の区切りが不明確で、いつ静かにしなくてはいけないのか、いつからはいつも通りでいいのかがわからないと、子供は混乱したり、不安になったりしてしまいます。

まとめ

2歳の奇声は続くとママとしても参ってしまうもの。言い聞かせするには良いタイミングなので、我が子に理解できる声掛けで奇声を上げる回数を減らしていければ良いですね。今、「周りの人の気持ちを考え始める」「迷惑になるかを考えてみる」ことは大切です。できる範囲で2歳の奇声と上手に向き合い、静かにする練習を始めてみましょう。

【参考】

イヤイヤ期、ひどいのはいつから?いつまで続く? | 魔の2歳児を徹底解説 | 楽天スーパーポイントギャラリー

臨床心理士監修|育てにくい子は発達障害なの?<体験談>親ができること

【医師監修】赤ちゃんが奇声をあげるのはなぜ?原因と対処法

子どもが騒いで困る! 静かにさせるための簡単で効果的な方法とは|ベネッセ教育情報サイト

ABOUT US
【監修】久保田 由華久保田 由華
公認心理師、臨床心理士。
NY州立大学にてメンタルヘルスカウンセリングの修士号修得。NYCのNPOにてアシスタントサイコロジストとして勤務後帰国。
大学、クリニック、心理相談室等で勤務。7000ケース以上のご相談を担当。

心の相談室こころラボを設立し、カウンセリング以外にも子育てママのためのセミナーやスクール、ママのためのオンラインコミュニティを運営。