避けて通れない子供へのしつけ。ママが心がける5つのポイントをご紹介

子供 しつけ

子供が生きる上で、家庭内や社会のルール・マナーを学ぶことは避けて通れません。時にママは、子供に対して「しつけ」という形でルールを教える必要があるでしょう。

しかし、「何度言っても話を聞いてくれない」「厳しくしつけてしまい、子供への影響が心配」「自由に育って欲しいからしつけは必要ないのでは?」などしつけに対して悩みを持つ方も少なくありません。

今回はママが気になる子供へのしつけ、気を付けておきたいポイントを5つご紹介します。

避けて通れない子供へのしつけ

ママ 育児中

人によっては、子供へのしつけは必要ないと思われる方もいます。「子供には自由に育って欲しいから」としつけを避ける気持ちも分かりますが、子供が成長して社会人の一人になる以上、社会的なルール・マナーを教える必要性は必ず出てくるでしょう。

また、各家庭でもルール・マナーはありますよね。これらを教える“しつけ”は、育児する上で避けて通れないものの一つです。

しかし、しつけに対して「どう教えてよいのか分からない」と悩むママは多いです。まずはしつけとは何か、どんなシーンで必要なのかを今一度考えてみましょう。

しつけ=怒ること?

「しつけ」というと、子供に対して語気を荒げ厳しく向き合うことというイメージを持つ方もいるかもしれません。しかし、これは間違いです。

しつけでは必ずしも怒る必要はありません。子供に危険が及ぶ瞬間であれば「危ない!」「ダメでしょう!」と声を上げてしまうかもしれませんが、そうでない場合は怒りの感情を押さえ、理性的にしつけする方が効果的です。

また、「怒る」と「叱る」の違いを正しく分かっておきましょう。

  • 怒る…怒りの感情を子供にぶつけること
  • 叱る…子供のことを考え、語気を強めて注意すること

しつけは子供のことを考えた上で行うものです。自分の感情を発散する手段にならないようママは気を付ける必要があります。

こちらの記事でも怒ると叱るの違いを解説しています。参考にしてくださいね。

しつけ方次第では子供の意欲を失うことも

しつけは必要不可欠なものではありますが、アプローチの仕方には気を付けたいものです。しつけをし過ぎて子供の行動をすべて制御すると、場合によっては子供の「これをやってみたい」「挑戦してみたい」という意欲を失いかねません。

しつけはあくまで「今、この子はどんな気持ちなのかな?」と相手の視点に立ちながら、子供を正しい道へと導くものです。「これはダメ」「あれもダメ」と大人の視点を押し付けてしまうと、子供の心の状態が分からずやる気を失わせる結果にもなります。

この加減は見極めが難しいものですが、子供の性格や特性を考えながら、どんな言葉かけが我が子の心を動かすのかを模索していきたいものです。

どんな言い聞かせをしても聞いてくれない、反応がない

また、しつけに対して「何度も言ってるのに、聞いてくれない」「響いていない気がする」という悩みも多いです。まず子供のしつけは一度言えば理解してくれるものではなく、何度も根気強く伝える必要があることは、前提として覚えておきましょう。

それでも聞いてくれないのであれば、しつけするタイミング言い方に工夫の余地があるのかもしれません。例えば、子供に伝わらない難しい言い方だったり、遊びやおもちゃ・テレビに夢中になっているタイミングなのかもしれません。

子供へのしつけでママが心がけたい5つのポイント

お片付け 子ども

難しいけれど、必ず訪れる子供をしつけるタイミング。この時、ママとして気を付けたいポイントが5つあります。

このポイントを意識すると、子供にママの言葉が伝わりやすくなるだけでなく、しつけするママの方も気持ちが楽になります。しつけがうまくいかずイライラし「子供に怒ってしまいそうになる」のを防ぐためにも、以下のポイントに気を付けてみましょう。

その1:「~しなさい!」ではなく「~しようね」に言い換える

しつけは命令ではなく、教えることです。子供はわざといたずらや大人が困ること、ルールに背くことをしているのではなく、最初は「知らないから」大人がしつけする必要があります。

最初から「~しなさい!」と命令口調で教えると、「怒られているのかな?」と戸惑ったり「絶対にやりたくない!」と反抗的になったりする子もいるでしょう。「~しようね」と行動を促すポジティブな言い方に変えて、子供の気持ちに寄り添うことが大切です。

  • 「○○の方がいいよ、こっちにしてみよう」
  • 「○○はダメだけど、○○ならやってもいいよ」
  • 「ママと一緒にこれをやってみよう」

など、前向きな呼びかけに置き換えてみてください。

その2:落ち着いた声で、子供と目線を合わせて

ついママがやってしまいがちなのが、家事をしながら声掛けをしたり、片手間に「○○はやったらダメでしょう!」としつけてしまうことです。忙しい時間帯なら仕方のないことですが、これでは子供に言葉は届きにくいです。

「これはしつけとして教えなくてはいけないな」と思ったら、まず家事などの手を止めて子供と目線を合わせましょう見下ろす形だと威圧的な印象があるため、ママが座ったりしゃがんだりして、対等に向き合えるとベストです。

決して感情的にならず、大声を出したりもせず、落ち着いた声で声掛けをしましょう。雰囲気を作ることで、小さな子にも「今はお話を聞くべきだな」と分かってもらえます。

その3:「叱る」時は短く1分以内で!

落ち着いてしつけの声掛けができるとベストですが、中には厳しく諭さなければならないシーンもあるでしょう。例えば、「お友達に危害を加えたなど、やってはいけないことをやったとき」「道路に飛び出したなど、身の危険にかかわることをやったとき」など、緊急性がある場面では冷静に対応できないママもいるかと思います。

そんな「叱る」時は、できる限り短い時間で端的に伝えましょう。理想は1分以内にまとめることです。短く叱ることで、ママが感情的になることを防ぎ、子供にとってもメッセージが伝わりやすいメリットがあります。

その4:年齢に合わせたしつけの方法で

親子 登校

1歳になったばかりの子に、「お友達のおもちゃを取ると、お友達が悲しい思いをしちゃうよ。やめておこうね」と言い聞かせても、あまり伝わりません。しかし、幼稚園に通うことの多い5歳の子供になら「お友達がどんな気持ちになったのか、考えてみようよ」と言い聞かせると理解できることもあります。

このように、子供のしつけは年齢に合わせた言い方を工夫すると良いでしょう。3歳までの小さな子には「善悪」のみ教えるようにします。

  • これはダメだから、こっちにしてね
  • お友達のおもちゃは取らないでね
  • ○○がしたかったんだよね、危ないから今はやめておこう

など、子供の気持ちを代弁しつつ正しい方へと導いてあげてください。

4歳以降になると、子供も自分の「やりたいこと」とルール的な「やるべきこと」の違い、他人の気持ちも次第に理解するようになります。しつけするときは

  • ○○って言われて、あなたはどう思った?
  • 自分が「イヤ」と思ったことは、お友達にしたらいけないよ
  • どうすればよかったのかな?

と子供と一緒に考える言葉がけに変えてみましょう。最初は難しいかもしれませんが、徐々に他人の立場を思いやれるようになり、正しい行動を子供みずから選択できるようになります。

その5:「できなかったこと」は怒らず「できたこと」だけ褒める

大人でもそうですが、努力してもできなかったことや時間が過ぎてできなかったことを、その後注意されてもその場ではどうしようもありません。子供にとっても同じで、できなかったことを指摘ししつけするのはやめましょう。

できなかったことは敢えて無視し、できたことだけを褒めて行動を反省するのは効果的です。しつけによって子供のやる気や意欲を失わせないために、褒める気持ちも忘れないでおきたいですね。

まとめ

子供へのしつけは、1日や数週間で終わるものではありません。言葉を尽くしていても、数年間同じことを言い続けるのも珍しくありません。

「たった今、しつけがうまくいかない」と考えるのではなく、長い目で子供を見守りましょう。そして「いつかはこの子も分かってくれる日がくるはず」と子供を信じる気持ちも大切です。

【参考】

厳しい「しつけ」で子どものやる気を奪う親の盲点  ぐんぐん伸びる子は何が違うのか?  東洋経済オンライン

上手な子どものしつけ方 ~5つのポイントをご紹介~ ベネッセ教育情報サイト

ABOUT US
【監修】久保田 由華久保田 由華
公認心理師、臨床心理士。
NY州立大学にてメンタルヘルスカウンセリングの修士号修得。NYCのNPOにてアシスタントサイコロジストとして勤務後帰国。
大学、クリニック、心理相談室等で勤務。7000ケース以上のご相談を担当。

心の相談室こころラボを設立し、カウンセリング以外にも子育てママのためのセミナーやスクール、ママのためのオンラインコミュニティを運営。