「毎日怒ってばかりで、私は母親失失格だ…」
こんな風に1日を反省するママ、意外とみなさん心当たりがあるのではないでしょうか。子供にイライラして何かあれば怒ってしまう、怒りすぎてしまうというのは、実はママあるあるの悩みです。
ただし、育児は思い通りにいかないもの。後悔したとしても、また次の日怒ってしまって反省の繰り返しということもありますよね。
今回は子供に怒りすぎてしまう、怒ってばかりで悩むママへ、ちょうどいい叱り方と怒りの感情をコントロールする方法をご紹介します。
毎日怒ってばかり!でもそれは当たり前かも
毎日子供に怒ってばかり。そんなママも多いですが、実はこれはとても自然なことです。ママが怒ってしまう原因をまずは探ってみましょう。
怒りの代表的理由は他人の「理解できない言動」
人間は誰しも「怒り」という感情を持っています。怒らない人は誰一人としていませんし、怒りの感情を抱くのは例え我が子相手であっても自然なことです。
怒りの代表的理由の一つは、他人の理解できない言動だと言われています。例えば「右折・左折するときにはウインカーランプを点灯するもの」と思っていると、前方を走る車が突然左折しました。「どうしてウインカーランプで知らせてくれないの?」とイライラしてしまうわけです。
こうした自分の想像する行動を他人が取らないでいると、人は「なぜ?」と混乱し怒りに代わります。
育児で考えてみましょう。何をとってもママの想像通りに子供は動いてくれず、イライラの連続ですよね。想像の範囲を普通に超えてしまう育児中だと、怒ってばかりというのも頷けるかもしれません。
子育て中は「一次感情」が無視されがちに
怒りは“二次感情”と言われています。これは、怒りの根本にある一次感情が発展した形。つまり怒りには本当の原因があるのです。
一次感情とは「悲しい」「疲れた」「寂しい」といった怒り以外の気持ちが含まれています。仕事や育児で疲れている、子供に○○と言われて悲しい、誰も自分をサポートしてくれず寂しい。こうした一次感情はやがて怒りの二次感情へと変わるのですが、一次感情は育児中あまり目を向けられないものです。
怒りたくなってしまう場面には、こうした一次感情が隠れていないでしょうか。自分の本当の気持ちを無視している証拠です。この根本原因を取り除かないと、いくら反省してもまた怒ってしまい、結果「いつも怒ってばかり」になってしまいます。
「まったく叱らない子育て」はできない
怒ってばかりで母親失格。そう思うのなら怒らずいられるとベストですが、子育て中に怒らないのは不可能に近いです。中には「子供には自由にさせたい」と何でも許す主義のママもいるかもしれませんが、社会のルールやマナーを学ぶためには、ときには厳しく子供にしつけをし、叱るシーンも出てくるでしょう。
このように、子供への怒りは「子供にこうあって欲しい」「子供にはこうした危険が及ばないで欲しい」というママの子供を大事に思う気持ちも隠れています。子供に一切怒らずしつけするというのは難しく、またママに怒られた経験は子供にとっても学びがあると言えるでしょう。
ただし、必要以上に怒ってしまい日常的に続くのであれば対策が必要です。次は、怒ってばかりのママに、「ちょうどいい叱り方」をご紹介します。
怒ってばかりのママに教えるちょうどいい叱り方
怒ってばかりでもそれは普通のこと、と思えば気持ちは楽になるかもしれません。ですが、ママとしても子供に怒るのは疲れることで心苦しい思いをしますよね。
どうやって怒りすぎず、子供をしかることができるのでしょうか。ここからはちょうどいい叱り方を見ていきましょう。
叱るときのルールを作る
まずは叱るときのルールを作ります。このルールというのは「ここまではOKだけど、これ以上はダメ」という怒るときの基準です。
- 宿題が終わっていないのにゲームをやるのはNG
- 晩ご飯前におやつを食べるのは禁止
- 同じことを3回注意したら3回目には叱る
こうしたルールはあらかじめ子供と話し合い、それを破ったら叱るようにしましょう。また、「パパはいいって言ったのに!」とならないようにパパとママで悪いこと・いいことの境界線を決めて共有するのも大切です。
こうすると叱られたときに「突然怒られた」と子供は受け止めなくなります。「自分が○○をしたから怒られた」なら、何が悪いのかが分かりやすく子供にもママの思いが伝わりやすいです。
親のリクエストを伝えるときは「○○して欲しいな」
親のリクエストを伝えるときは、「○○して欲しい」という形でお願いしましょう。具体的に例を挙げてみると
- どうしてゴミを捨てないの!→そのおやつのゴミは捨てて欲しいな
- どうして宿題をしないの!→おやつ食べたあとは宿題をして欲しいな
- どうして手伝ってくれないの!→食事の前は配膳を手伝って欲しいな
このように○○して欲しいという形を作れば、子供にとっても何をすべきなのかが分かりやすく、ママ自身も「子供が自分の想像通りに動いてくれない」と怒りを抱かずに済みます。
子供のイヤイヤは一度認める、話を聞く
子供が言い出したことに対して、すべてに「ダメよ!」「やらないで!」と否定していないでしょうか。もちろん中には到底聞き入れないことも含まれていますし、ママ自身が叶えてあげられない子供のイヤイヤもあるかもしれません。
こうした子供のわがままでも、最初から「ダメ!」と言わずにまずはその気持ちを認めてあげましょう。
- そうなんだ、公園で遊びたいんだね
- ご飯の時におやつ食べたいよね
- ○○イヤだよね
このように子供の気持ちを認めてあげるだけで、イヤイヤは落ち着くこともあります。ママとしても子供の気持ちが分かるようになるため、親子の理解が深まるのです。
何もかも否定するのではなく、一度受け止めてみましょう。子供のイヤイヤが収まるだけで怒りの感情が生まれなくなり、怒ってばかりの瞬間を減らせるかもしれません。
怒ってばかりをやめるには一次感情に目を向けよう
記事冒頭でもお伝えしたように、怒りは二次感情です。怒ってばかりをやめるためには、まず無視されがちなママの一次感情に目を向けるようにしましょう。
先ほどは子供に対する叱り方のアプローチをご紹介しましたが、次はママに対するアプローチです。チェックしていきましょう。
自分の感情に素直になって周りに助けを求めて
一次感情を無視したままだと、イライラしがち怒ってばかりの毎日から脱却できません。何でも自分一人で抱え込まないよう、周りに助けを求めるようにしましょう。
身近な存在だと、パパに育児を代わってもらうのが理想的です。パパが育児に理解がないと諦めてしまう方もいるかもしれません。そんなときは「育児が疲れたから代わって欲しい」のではなく「私が辛くて子供に辛く当たってしまう。私を助けて欲しい」とママ自身が育児をなまけたいのではなく、「辛いのだ」とはっきり言葉にしてSOSを出してみましょう。
育児はほどほどに。ママの無理は続かない
すべてを100%で行おうとせず、自分の無理のない範囲を保ちながら育児・家事と向き合うのが大切です。理想的なママになろうと無理をしても、毎日のことなので絶対に続きません。
少しずつ手抜きをして、やらなくてよいと思ったことは思い切ってやめてしまうのもひとつの手段です。毎日晩ご飯は手作りでなくても構いませんし、同じメニューが続いたってOK。子供もすぐには言うことを聞きませんし、寝る時間が多少遅くなっても1日くらいなら生活リズムは崩れません。
何事もほどほどに、ママの無理が続くことで怒りっぽくなり、親子が笑顔でいられない方がずっと養育環境に悪い影響が及びます。自分の笑顔を大切にしてくださいね。
話し相手を作る、相談する
ストレスフルな毎日の中で上手にガス抜きをするには、ママの本当の気持ちを打ち明けられる相手、相談できる相手がいるとうまくいきます。何人もママ友を作るというわけではなく、たった一人でも構いません。それはパパだとしても、両親でもOK。
誰にも話さず抱え込んだままの状態だと、怒りの感情を発散する場所がありません。もし問題が解決しなくても、誰かに愚痴をこぼすだけでも気持ちが落ち着くこともありますよ。
まとめ
「怒ってばかりで私は母親失格」そう思ってしまうママも多いのですが、怒ってばかりを反省するのはママが毎日頑張っている証拠です。
怒りの感情すべてを否定するのではなく、イライラする自分を認めてあげることは大切です。子供に伝えるやり方を少しだけ工夫し、育児をよりしやすくしてみましょう。
【参考】
子どもを怒ってばかりで「自己嫌悪」な母親へ送りたい、一通のこころの処方箋 | アーバン ライフ メトロ – URBAN LIFE METRO – ULM