自分を認め、自分を信じる感覚である「自己肯定感」。自己肯定感が高い方はどんな高い壁が立ちふさがっても自分で乗り越えることができ、人生を楽しく幸せに過ごせると言います。
今、ビジネスや私生活だけでなく教育のシーンでもこの自己肯定感は注目されていますが、皆さんの中には「私は自己肯定感が低い、人生を楽しめない」と悩む方も多いかもしれません。特にシングルマザーだと自己肯定感の低さが気になります。
今回はシングルマザーの方に向けて、自己肯定感とは何か、なぜシングルマザーは自己肯定感が低くなるのか、高めるためにどうすれば良いのかをご紹介します。
シングルマザーの自己肯定感、あなたは意識していますか?
みなさんは自己肯定感を意識したことがありますか?どうしても生きづらい、生きるのが苦しいと感じている時、もしかすると自分を信じるための感覚である自己肯定感が低くなっているのかもしれません。
離婚を経験した方の自己肯定感は低め
前提として、日本人は諸外国と比べて全体的に「自己肯定感が低め」と言われています。勤勉で真面目、自分に対して厳しくできる国民性がありますが、ただ自分に自信を持てるかというとそうではなく、自分に自信を持つことは苦手です。
シングルマザーに限って言えば、やはり自己肯定感は低めの傾向にあります。一度配偶者を持った環境にいたものの、離別や離婚を経験した方は自分の幸福感を高めることも二の次になりがちです。離婚・離別はそれ自体を成立させることも大変ですし、その直後の生活も慌ただしい日々が続きますよね。
シングルマザーの自己肯定感は低くなる要素がたくさんあるので、自分の中で意識的に自己肯定感を高める努力は必要と言えます。
働き役も育てる役もママ一人
自己肯定感を高めようと思っても、どうしてもシングルマザーの生活は家計を支える役も、子育てする役もママ一人で行わないといけません。時間が圧倒的に少なくて困難を感じることも多く、日々の中で幸せ・良いところを見つけようと思っても環境的に難しいのが現状です。
後ほど詳しく説明しますが、自己肯定感は親子関係によって大きく影響を受けます。そうとは知っていても忙しくて十分に子供と向き合えていないと感じ、育児に自信が持てない…そんな悪循環が起きている方も多いでしょう。
他の家庭とは違うからと疎外感を覚えがち
自己肯定感は「誰かと悩みを共感する」「自分は一人じゃないと感じる」ことで高めることができます。自分は一人ではなく私の居場所はある、と知れば、自然と自分に対しても自信が付きますよね。
しかし、母子家庭はさまざまな理由で孤立しがちです。悩みを打ち明けようと思っても「他の家庭とは違うから…」と疎外感を覚えてはいないでしょうか。どうしても、両親揃っている家庭と比べてしまうこともあるかもしれません。
このような孤独感や疎外感は一人で抱え込むのはおすすめできません。周囲のコミュニティでも良いですし、SNSでも良いので同じ環境のママと知り合ってみてはいかがでしょうか。悩みや愚痴を伝えられる存在がいるだけで、前向きな気持ちになれるかもしれません。
シングルマザーの自己肯定感は子供にも影響する?
自分の自己肯定感の低さも気になるけれど、やはりシングルマザーとしては「子供にもこの自己肯定感の低さは影響しないのか」が最も気になるのではないでしょうか。
一度立ち戻って「自己肯定感」そのものを掘り下げて考えてみましょう。
子供の自己肯定感は「幼少期」に培われる
みなさんの持つ自己肯定感も、子供の自己肯定感も、その基本は幼少期に培われます。赤ちゃんのお世話をするときを思い出してみると分かるのですが、乳児はただ泣くだけで周囲の大人が食事を用意し、おむつを替えて、あやしてくれます。次第に大きくなると要求は複雑になりますが、子供に対して「あなたは私に何もしてくれないんだから、私だって何もしてあげないわよ」なんて思いませんよね。子供は無条件で愛され、親から育ててもらいます。
親からもらう無条件の愛情、これが自己肯定感のベースです。
心配しなくても、皆さんは子供を「私の子だから」という理由で愛していますし、子供の自己肯定感の基礎はできています。その愛しているという気持ちを、上手にストレートに子供に伝えていきたいですね。
こちらの記事も参考にしてみてください。
自己肯定感が高いママだと子供も前向き・ポジティブに
また、子供の自己肯定感は「親の自己肯定感」でも左右されます。子供はママを見て社会のルール・マナーを学び、生き方を知ります。あまりにもママの自己肯定感が低いと、子供も無意識のうちに自分を低く評価し「どうせ私なんて」という思考に陥るかもしれません。
反対に自己肯定感が高いママだと、どんなに困難があってもママ自身が強く自分を信じて乗り越えてみせるため、子供にも良い影響が及びます。前向きでポジティブな子に育って欲しい、というのはママ共通の願いかもしれませんが、そうなりたいのならまず「自分の自己肯定感」に目を向けるべきです。
ママが笑顔だと子供も笑顔になる
アメリカ・カリフォルニア大学の研究によって、「幸福感は伝染する」ことが分かっています。この研究では、ある人の幸福度が上がった時に、その影響は直接関わる近所の人や友人、そしてそのまた友人にまで伝染することがわかりました。友人や近所の人にさえ幸福感が伝染するのであれば、共に生活する子どもへの影響もあることが予測出来ます。
ママの自己肯定感が高く、幸福感たっぷりに生活していると、子供にもその影響は十分出るのです。
航空機に乗ると、最初に機内安全ビデオが流れますよね。酸素マスクの使用方法の際に、子供の酸素マスク装着は必ず「親の次」に行い、親が我が子の安全を確保することが求められています。親の酸素確保をしないと、子供は助からないからです。
自己肯定感も同じです。ママはみんな「私のことよりも子供のこと」を考えるかもしれません。シングルマザーだと特に「私は自己肯定感が低いから、せめて子供には高く育って欲しい」と思うでしょう。では、まずは自分の幸せを考えましょう。子供の自己肯定感を高めたいのなら、ママ自身が高くあって見せる、ママが自分を変える努力をするだけで良いのです。
親子で出来るシングルマザーの自己肯定感の高め方
自己肯定感について次第に理解できたでしょうか。では、ここからは親子で出来るシングルマザーの自己肯定感の高め方をチェックしていきましょう。
シングルマザーになった自分を認める、受け入れる
離別・離婚してシングルマザーになった。その事実に悩まされ、自分のことが許せないと感じる方はとても多いです。さまざまな理由で今の状況があることと思いますが、シングルマザーになった自分をも認めて、受け入れるところから始めましょう。
これは、とても難しいです。もう思い出したくもない過去かもしれませんし、そうはいっても自分のことが許せない、ふとした時に子供に対して「片親でごめんね」「こんなママでごめんね」と罪悪感を抱くかもしれません。それでも、自己肯定感を高めるためにはまず自分を無条件で許容する必要があります。
意識がマイナスに持って行かれそうになったら、その都度自分を許してあげてください。負の感情自体は否定しません。時にはママだって悲しい気持ちになることはあります。ゆっくりで良いので、自分自身を認めて受け入れてあげましょう。
子供には「無条件の肯定」を意識した向き合い方・声掛けを
自己肯定感には、詳しく言うと2種類あります。例えば、
- テストで100点を取れた自分はすごい…条件付きの自己肯定感
- テストがうまくいかなかったが勉強できた自分はすごい…無条件の自己肯定感
このうち、子供には無条件の肯定を意識した向き合い方ができるとベストです。
つい、親である私たちは結果に目が向きがちです。子供が絵を描いたら完成図を見て「キレイに描けたね」「本物そっくりだね」と褒めてしまいますが、完成の出来ではなく「絵を描いてるのがすごい」「ここまで絵を描けてすごいね!」と過程の方を褒めるようにしましょう。
確かにテストで100点が取れたのはすごいこと。ですが、例え0点でも勉強をしたこと、テストを受けたことを気付いて認めてあげるとよいですね。ママ自身に対しても同じです。例え結果としてシングルマザーでも、「そんなのは関係ない。今が幸せだから花丸」と意識できるとベストです。
「シングルマザーなんだから〇〇するべき」の考えは捨てる
シングルマザーという周りの家庭とは異なる点を気にして、「シンママだから〇〇するべきだよね」と自分の行動を制限してはいないでしょうか。シングルマザーに限らず、ママは特に「世間一般的な良いママ」の形を自分に当てはめ、「〇〇するべき」と考えがちです。
この考え方は、実は自己肯定感を下げる大きな要因になっています。よく考えると分かるのですが、周りと同じであること・スタンダードであることが必ずしも最も良い選択ではありません。どの家庭にも家庭の数だけ問題があり家庭環境があり、「私たち親子にとって最適な選択」をするのが良い手段です。
特にシングルマザーの方はこの考えに陥りがち。その点をしっかり理解して、自分のやりたいことに挑戦しても良いし、ママ自身幸せになってもいい!とポジティブに考えてみてくださいね。
まとめ
どうしても低くなりがちなシングルマザーの自己肯定感。ですが、ママが幸せになることでその影響は周囲にも及びます。自己肯定感の高いママに育てられた子供は、この先困難があっても自分を信じることで乗り越えてくれるでしょう。
自己肯定感は大人になってからでも高められます。「もう遅いのかな?」と諦めず、今からすぐに変わってみてください。
【参考】
シングルマザーの幸福度は低い。幸福度を上げるための「4つの因子」とは? ママスタセレクト