子供がときおり出す「キー!」という悲鳴のような声。これは奇声と呼ばれることもあります。
ママとしてもお買い物中や集団生活の中で、周りの迷惑を考えると奇声にうんざりしてしまいますよね。特に4歳ごろのある程度成長したお兄さん・お姉さんが大きな声を出していると「どうして迷惑なのが分からないの?」と怒ってしまうこともあるかもしれません。
今回は4歳になってもおさまらない子供の奇声について、詳しく解説します。奇声を上げる理由や4歳さんだからこそできる「周りへの配慮」について、チェックしていきましょう。
赤ちゃんの奇声はよくあるけれど…4歳になってもおさまらない奇声
子供の奇声は多くのママの悩みの種ですが、実は決して珍しいことではありません。中には0歳の赤ちゃんでも奇声を上げることも。
しかし、4歳になっても奇声がおさまらないと「うちの子はどこかおかしいのかな?」と心配になるかもしれませんね。なぜ、奇声を出してしまうのか原因を考えてみましょう。
元気いっぱいで騒ぎたい!と気持ちが抑えられない
体力も付きいろいろなことができるようになる4歳。元気いっぱいで気持ちが昂揚すると、大きな声を出して騒ぎたいという子もいます。
私も4歳児を育てるママの一人ですが、息子もときおり大人がびっくりするような声を出すことがあります。その場合、楽しくてテンションが上がっていて、騒ぎたい気持ちを抑えられないようです。
もちろん奇声を出してよい場面なら止める必要はありませんが、何度も繰り返されるとママも気持ちが滅入ってしまうもの。「嬉しい気持ちはわかるけれど、少し声を小さくして」とお願いしたくなるかもしれません。
癇癪を起こす、思い通りにならず我慢できない
4歳になると子供の感情も複雑で、いろいろなことを考えるようになります。今ここでわがままを言ってはならない。そう理解していても、うまく我慢できず言葉にもならず、事態が思い通りにいかない不満が奇声となって現れることもあるでしょう。
4歳というと「イヤイヤ期も終わってやり良くなる時期」というイメージがあるかもしれませんね。しかし、大きくなったからこそ要求は複雑になり、また本人の感情も成長して、なかなかママの言い聞かせが受け入れられないことも増えるのです。これを4歳の壁と呼ぶこともあります。
癇癪やわがままが一時的に増える子もいますが、いつかは落ち着く日が来るでしょう。ママは奇声をただ黙らせるだけでなく、子供がどんな思いで大きな声を出してしまうのかも考える必要があります。
声の調節がうまくいかない、加減が分からない
4歳になると、子供に「どうしてそんな大きな声を出すの?」と尋ねることができますよね。ワー!と騒ぐ息子に対して聞いてみると「どうやって声を小さくするの?」と返ってきました。声の調節がうまくいかない…という子もいるようです。
また、奇声を上げると周りのお友達に迷惑、ママから叱られることも理解できています。けれども子供の記憶力も発達過程。目の前のことに熱中してしまうと「そういえばそうだった」と注意されたのを忘れることもあります。
子供によって奇声を上げる理由はさまざまですが、もしかするとママも納得できる理由があるのかもしれません。一度聞いてみるというのも、一つの対策かもしれませんね。
4歳児の奇声にどう対応する?OK例をママに聞いてみました
4歳児の奇声はそう珍しいことでもありませんが、何度も続くとママもイライラしてしまうもの。そこで、4歳の奇声に実際に困っていたママ達に「どうやったら静かにできた?」と聞いてみました。
奇声を上げる理由を本人に聞き、受け入れる
4歳の奇声の理由を考えるよりも、本人に聞いてみた方が早いです。どうして大きな声を出したのかな?と、責める口調は控えてさりげなく聞いてみてください。
- まだまだ遊びたかった、ご飯を食べたくなかった
- お歌を歌いたくなった
- ふざけていただけ、楽しかったから
さまざまな理由が返ってくることでしょう。「それでも奇声はダメ!今すぐ黙りなさい!」と怒るのではなく、一度受け入れてみることが大切です。
「○○したかったんだね」「○○だから声を出したんだね」とママが理解することで、子供の気持ちは落ち着きます。その上で「少し声を小さくできるかな?」「今は静かにしておいて欲しいな」と提案してみましょう。すぐにできることなので、ぜひ試してみてくださいね。
「ここで大きな声出したら、みんなはどう思うかな?」と聞いてみた
ある日、車の中で楽しくなり大騒ぎをする息子に、あえて「うるさい!」と言わずに「隣に座っている妹ちゃんは、どう思うかな?」と聞いてみました。すると、少し考えたあとに「うるさいよね」と理解してくれたのです。
もちろんすべての場合でうまくいくわけではありませんし、子供にどうしても主張したいことがあると聞き入れてくれないこともあるでしょう。けれども、4歳頃になると他の人の気持ちの理解なども出来るようになってくるので、一度「周りの子はどう思うか」を想像させてみるのは良いことかもしれません。
ルールや約束を決める、実行する
癇癪やわがままの末に奇声となる4歳の子に、「あらかじめルールや約束を決めておく」というママもいました。例えば、
- 長い針が12になったら、おうちに帰ろうね
- ここでは中くらいの声でお話してね。大きいなと思ったら、ママが教えるからね
- 今から〇時までは静かにしていてね
と簡単に守れるお約束を決めるのです。
この約束を決めるメリットは、子供にとって「何をしたらよいのか」が分かりやすく、事前に伝えることで息子のように「忘れていた」を回避できる点です。奇声はよくあることではありますが、4歳さんになったのだから「なぜ奇声を上げてはいけないのか」をきちんと説明しましょう。
ルールや約束は、守っていくと次第に「その場の状況に合わせてわきまえた態度が取れる」ようになります。簡単にはできないかもしれませんが、辛抱強く続けてみることをおすすめします。
好きにさせておく、気が済むまで叫ばせる
最後は好きにさせておく、気が済むまで叫ばせるという方法。もちろん周囲の迷惑になる場面では止める必要がありますが、「思い通りにならなくて家の中で奇声を上げている」だと、どんなことを言い聞かせしても無駄に思えるかもしれません。
そこで、子供の気が済むまで叫ばせてあげましょう。ママは静観しておき、落ち着いた頃に「大きな声は出さないで。びっくりするからね」と理由と合わせて伝えてみてはどうでしょうか。
4歳児の奇声にこれはNG!効果のない言い聞かせとは
言葉をよく理解し、ママとも上手にコミュニケーションが取れる4歳児さん。一方で、効果のない言い聞かせもある点に注意しておきましょう。こちらも4歳の奇声を経験したママから話を聞いてきました。
「うるさい!」「静かにして!」
まずは奇声に対して、ママも負けじと大きな声で怒鳴るというやり方。奇声は不愉快なので、とっさの場合にママ自身も大きな声を出してしまうかもしれませんね。
しかし、子供が不安・不満に思って奇声を上げている場合は、さらに「怒られた」というネガティブな状況になってしまいます。かえって奇声が激しくなることもあるため、一度ママは冷静になることを心がけましょう。
無理やり黙らせる
次に無理やり黙らせるものです。確かに公共の場やお買い物に出かけた先で大騒ぎすると、周りへの迷惑を考えて即座に黙らせる必要は出てきます。その場合を除いて、力づくで静かにさせるのはあまりおすすめできません。
「無理に黙らせると、大人でも反抗心が芽生えてしまうもの」とママからは意見がありました。一度子供がなぜ奇声を出すのかを、一緒に考えてあげることも大切にしましょう。
「大きな声出したら○○してあげない!」「買ってあげない!」
最後は「大きな声を出したらおもちゃを捨てちゃうよ」「もうおやつ買ってあげない!」といったような、「○○しないと○○するからね」のような脅しとも取れる言い聞かせです。
これは子供に理不尽さを感じさせてしまい、かえって不満が溜まる一方。なぜ奇声を出してはならないのかというママからの言葉も、伝わりにくくなってしまいます。こうした子供の意思を無視した言い聞かせは心理学の中で「ダブルバインド」と呼ばれ、繰り返すと子供の自己肯定感を低めてしまうこともあるので注意が必要です。
我が家でもやってしまったことがあるのですが、大きな声を出さないで欲しいのに「大きな声出すんならおやつは買わない」とご褒美を奪ってしまう行為に対して、「今その話はしていない!」と息子は明確に拒絶を示しました。
意外と4歳さんは賢く、大人の言っていることを理解できます。子供だからとだますような言い聞かせはせず、正しく周りへの影響や配慮することを教えてあげましょう。
まとめ
体力のついてきた4歳の奇声は、止めるにも大変で大きな声は耳障り…と悩むママも多いです。もちろん言い聞かせは大切ですが、奇声が続くようならママ自身へのストレスにも注意しておきましょう。
4歳の子供は思っているよりもさまざまなことを理解し、実行できます。子供だから、と曖昧な言葉かけはせず、一人の人間として我が子と向き合ってみてくださいね。
【参考】