言葉もだんだん出てくる1歳さん。ママとしても、赤ちゃんの頃よりも育児がひと段落し「ちょっぴり楽になったかも」と感じる時期かもしれません。
しかし、できることが増えたために困ることも。それが1歳さんによく見られる奇声です。
子供の奇声はなぜ起こるのか、その理由と1歳児にも理解しやすい言い聞かせ方法をご紹介します。
1歳の奇声、考えられる理由とは?
赤ちゃんの頃は特にそんな素振りはなかったのに、1歳になって感情が豊かになると「キャー!」「キー!」と甲高い声を上げることがあります。これを奇声とも呼び、奇声が続くとママとしても「どこかおかしいのかな…」と不安に感じることも少なくありません。
まずは1歳の奇声で考えられる理由をチェックしていきましょう。
何か伝えたいことがあるため
1歳になると、これまで「赤ちゃん」と暮らしていたけれど次第に言葉や喃語が増え、コミュニケーションも取れるようになってきますよね。そうはいっても、1歳の言語理解はまだまだ発達途中です。
この時期のお子さまは、まだ自分の思いを上手に言葉にすることはできませんが、相手の言っていることが少しずつわかってくるようになってきます。
1歳頃~1歳3ヵ月頃のお子さまの発育と発達 | 学ぶお子さまの発育と発達<1歳〜3歳> | ほほえみクラブ 育児応援サイト
言葉が出てくる子もいますが、ママでも「なんて言っているのか分からないな」「発音が不明瞭」と分かりにくいものです。そのため、子供から見ると「せっかくおしゃべりして伝えてるのに、ママがわかってくれない!」と奇声になることもあるのです。
この場合はおむつが濡れていないか、お腹が空いていないか、子供が不安に感じたりしていないかなどしっかり理由を考えてあげられると良いですね。不快感があれば取りのぞいてあげると奇声が次第に収まることもあります。
声量のコントロールがうまくいかないから
次に、声量のコントロールがうまくいかないからです。声の大きさとは、私たち大人は自然と場面に合わせて調節できます。静かにしないといけない式典や公共の場で、大きな声を出すことはありませんよね。
しかし、1歳の子にとっては「静かにする経験」が少なく、ちょっとしたことでも大声になってしまうかもしれません。子供は楽しくて奇声を上げることも多いですが、声量のコントロールができず迷惑になる場合も考えられるでしょう。
赤ちゃんよりもできることが増えた1歳さん。この場合は親が少しずつ「こういう場面では静かにしておこうね」と教えてあげることが大切です。後ほど1歳さんにも伝わりやすい奇声の対応法をご紹介するので、参考にしてくださいね。
自我が芽生え、主張する気持ちが強くなっているから
1歳で奇声に悩むママの中には、「赤ちゃんの頃は育てやすい子だったのに」と驚く方もいます。子供は1歳ごろになると次第に
- 自分と他人は違う
- 自分だけの意見がある
- 自分の意見を主張したい
と自己表現の方法が変化してきます。これを自我の芽生えとも呼び、2歳ごろになると特に自己主張や自分だけのこだわりが増えていわゆる「イヤイヤ期」と呼ばれる成長過程に突入するのです。
自我の芽生えについては、当ブログでも度々お伝えしてきました。
1歳さんではっきり自我があり、イヤイヤ期のような状態になる子ももちろんいます。しかし言葉にして伝えるのはまだまだ練習中なので、「主張したいことがあるのに、なかなか伝わらない」ことがフラストレーションとなって子供の中で溜まっていき、奇声になって表現されるのかもしれません。
1歳の奇声、どう抑えたらいいの?
言い聞かせするにも言葉選びが大切になる1歳さん。さらに、先ほどお伝えしたように自我の芽生えとともに頭ごなしに「静かにして」「うるさい!」と叱っても効果が現れません。
ここからは1歳の奇声に対して、ママができる対応法を考えていきましょう。
「静かにね」とジェスチャーで教える
子供の奇声は確かに珍しいことではなく、体力もついてきた1歳児だと「元気いっぱい」だけで済ませられることもあります。しかし、奇声が周りの迷惑になるときや連続するとき、静かにしないといけない場面では、1歳さんにも「静かにしよう」と教えてあげましょう。
おすすめは人差し指を口に当てて「しー」をするジェスチャーです。最初は聞く耳を持たないかもしれませんが、このポーズを繰り返すことで「お買い物中は静かにしないといけないんだ」「今は静かにする時間」と次第に分かるようになります。
「こんなことを話しても、まだわからないかな」と思わず、ママが感じたことを、どんどん言葉にして語りかけましょう。ママやパパがたくさん言葉のシャワーをかけてあげることで、赤ちゃんの言葉への興味、関心もどんどん高くなってきます。
1歳頃~1歳3ヵ月頃のお子さまの発育と発達 | 学ぶお子さまの発育と発達<1歳〜3歳> | ほほえみクラブ 育児応援サイト
特に1歳さんは、たった今いろいろなことを学び、自分のものにする吸収期間。子供に言っても無駄、と奇声を放っておくのではなく、将来的に礼儀正しく振る舞えるよう今の時期から練習しておくと良いでしょう。
他の遊びで気を反らせる、気持ちの入れ替えをする
1歳だと主張が激しかったり癇癪を起こしたりしても、気分の入れ替えは2~3歳さんと比べて簡単です。奇声の理由にもよりますが、暇を持て余して誰かに構って欲しい!と大きな声を出しているとき、違う遊びに誘ったり気分転換にお外をお散歩してみても良いかもしれませんね。
奇声が上がると「静かにさせなきゃ!」とママは焦るかもしれませんが、正しい言い聞かせができるようになるのはもう少し後です。子供が声を出すことを忘れる状況を作り、その場をしのぐのも一つの立派な対応法です。
抑えなくてもよいシーンなら好きにさせてみるのも◎
奇声を上げてもよい場所もあります。例えば、
- 屋外の広い公園
- おうちの中
- 児童館など、子供が思い切り遊ぶことを想定したスポットなど
こうした遊び場では奇声を無理に抑える必要はないでしょう。奇声を上げることにいちいち目くじらを立て、その都度注意しているとママも子供もストレスが溜まります。たまには緊張感から解放できる場面があると、良いガス抜きになるのです。
ママの中には奇声が収まらないために、「好きなだけ声の出せるところに連れて行った」という方もいます。参考にしてみてくださいね。
1歳さんの奇声、こんな場合は注意!
1歳の奇声は珍しいことでもなく、子供によく見られるものではあります。しかし、うまく自分のことを言葉で伝えられない1歳さんだからこそ、注意しておくべき奇声もあることを覚えておきましょう。
奇声以外に熱など症状が出ている
奇声以外にも熱が出ていたり、一見分からないような怪我があったりなど、他に症状がある場合は注意が必要です。我が子も1歳で転び骨折した経験がありますが、大きな声を出したものの「どこが痛い」「苦しい」などは伝えることができません。
いつもの奇声と思う時には、様子をしっかり観察して医療機関の受診も検討しましょう。
白目をむく、手足をつっぱる
白目を向いたり手足をつっぱったりするのは、「熱性けいれん」に多い症状の一つです。もちろん一概にはそうとは言えません。しかし、いつもと声の様子がおかしい奇声が続く場合は、一度かかりつけの小児科を受診しても良いかもしれません。
奇声は発達との関係がある?
最後に1歳の奇声で気になるのが「うちの子はどこかおかしいのではないか」と発達障害を疑ってしまう点です。確かに発達障害が原因で奇声を上げることもありますが、1歳前後の奇声はよくあることで、この時点での判断は難しいとされています。
子供の奇声は心配のない場合がほとんど。奇声だけで判断せず、そのほかにも気になる点があれば専門機関に相談し、ママ一人で判断しないようにしましょう。
まとめ
1歳で起こる奇声。子供が赤ちゃんから幼児に成長したのに、これまでとは種類の違う悩みが出てきて困るママも多いかもしれません。ですが、1歳さんでも奇声を上げる理由を知り、正しく対処すれば奇声の回数を減らすことはできます。
奇声とは一時的なものがほとんどなので、ママは長い目で見て、子供の奇声に毅然とした対応をしてみてくださいね。
【参考】
1歳頃~1歳3ヵ月頃のお子さまの発育と発達 | 学ぶお子さまの発育と発達<1歳〜3歳> | ほほえみクラブ 育児応援サイト