断乳や卒乳直後は、おっぱいのトラブルが起こりやすい時期と言います。今授乳中のママも、「断乳後は子どもの様子も心配だけど、おっぱいの状態がどうなるのかが不安」と思う方もたくさんいるでしょう。
断乳・卒乳ケアは、実は必ずやっておきたいものです。今回は授乳を止めたあとのおっぱいケアに注目し、やっておきたいケア方法を3つくわしくご紹介します。
断乳・卒乳ケアは必要なの?
そもそも、断乳や卒乳後にケアは必要なのでしょうか。断乳・卒乳ケアの必要性について、一度考えてみましょう。
乳腺炎をはじめとするトラブルが起きやすい断乳・卒乳時
断乳・卒乳というのは「これまで続けていた授乳を何らかの理由もしくは自然な形でやめる」ことを指します。自然な卒乳、もしくは計画的な断乳だと授乳をストップさせる直前は1日1回くらいの授乳量に落としているかもしれませんが、それでも母乳の分泌量がゼロになるため、詰まったり炎症が起こったりしやすいです。
断乳・卒乳時は特におっぱいトラブルが起こりやすい時期。適したケアをして、乳腺炎などを防ぐ必要があります。
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痛みや熱があればケアは必要!
断乳・卒乳がうまくいったとしても、おっぱいに痛みがあったり熱を持っていたり、ママが発熱したりする場合はケアだけではカバーできないかもしれません。よく「断乳時には痛みが出るのが当たり前」「子どももおっぱいを我慢しているのだから、ママも一緒にがんばらなくちゃ」と言われてはいますが、発熱したり我慢できない痛みがあったりするのを放置すると慢性的な乳腺炎を引き起こすことも。
これからご紹介する卒乳ケアを行い、適した方法で痛みを和らげおっぱいトラブルを防ぎましょう。もし自分だけのケアでも症状が収まらない場合は、母乳外来などすみやかに受診することをおすすめします。
断乳・卒乳ケア3つの方法
早速、断乳・卒乳ケアとしておすすめする3つの方法をご紹介します。痛みは我慢せず、対処して過ごしやすくできるとベストです。
おっぱいが張ったら搾乳する
断乳・卒乳直後はおっぱいに張りを感じやすく、時には「寝返りをうつのも痛みを伴うほど」になります。がちがちになった状態では、育児や子どもを抱っこすることも難しいかもしれません。
この場合、ガス抜き程度に軽く搾乳をして張りを和らげると良いでしょう。搾乳は断乳してからすぐに行うと、「まだ母乳を作らないと!」と分泌が始まってしまいます。72時間後には分泌しなくなると言われているため、2日後をめやすに軽く搾乳し、次第に搾乳の間隔を空けていくことが推奨されているようです。
搾乳するときは絞り切ってしまうとまた分泌されるので、あくまで「軽く」がポイント。大きなおにぎりを作るように、両手を使って絞るとよいでしょう。
熱っぽいときは冷やす
胸がぼうっと熱を持っていたり熱いと感じるとき、これを放置すると肩こりや頭痛・発熱につながることもあります。痛みを感じる場合にも、冷やすことで緩和されるケースも多いです。冷やし過ぎず、ママにとって心地よい温度を保ちながらケアしておきましょう。
熱っぽいときに冷やす場合、冷却シートなど貼って冷やすタイプのものはすぐにぬるくなってしまいます。また、硬い氷などで冷やすと「やりにくくて冷たすぎる!」なんてことも。柔らかいタイプの冷却材や氷のうを使って、寝る前などに冷やしてみてくださいね。
同時に、痛みや熱を感じる場合は入浴の際もシャワーで済ますなど、体の火照りを防ぐと効果的です。
締め付け感のない下着を着用する
授乳をストップさせると「胸が垂れてしまう」と噂にあるように、補正下着を着用する方もいます。しかし、締め付けが強い下着が原因でおっぱいトラブルが長引くことも考えられるのです。
ゆったりとした下着をつけるようにし、締め付けは最大限防ぎましょう。また、下着に限らず子どもの抱っこやお世話の中で「おっぱいが痛い」と感じるシーンはたくさんあります。
痛みやトラブルが続いているうちは、パパや周りの助けを借りて、寝かしつけや抱っこを代わってもらうのもひとつの手段。特に断乳・卒乳後はママは自分の体調に気を配る必要があります。
断乳・卒乳ケアの気になる疑問
断乳・卒乳ケアに関して、気になる点をまとめました。初めての断乳・卒乳で悩みが多いというママは、ぜひ参考にしてくださいね。
いつまでケアを続けたらいいの?
卒乳ケアはいつまで続けたらよいのでしょうか?「手抜きケアをしていたばかりに、時間を置いてトラブルが起こるかも?」と不安な方もいるかもしれません。
これは、おっぱいトラブルがなくなり搾乳しても母乳が出なくなったらケアをやめてOKです。母乳とはそもそもママの血液からできているため、搾乳しきれずに残った母乳は次第に血液に吸収されます。
病院受診の目安は?
「痛いときは受診」とお伝えしましたが、どのような症状が出たら受診すればよいのでしょうか。これは、
- いつもより体温が高く、発熱している
- 痛みが強くて眠れない
- 痛みやおっぱいの張りが強く、断乳したいのに進まない
このようなトラブルが起こったら、一度病院に相談してみると良いでしょう。
子どもの授乳に関するトラブルは、母乳外来のある病院や産婦人科、産院でも相談に乗ってくれることがあります。地域の母乳相談窓口を利用するのもよいですし、自分に合ったアドバイスが得られるよう事前に調べておくとスムーズです。
また、これ以外にも断乳・卒乳完了後に「おっぱいにしこりが残っている」ときも注意が必要です。母乳が残ったまましこりになっている場合もあれば、乳がんなど早期発見が重要な病気が隠されていることもあります。
授乳中・育児中のママは、やはり子どもを優先するあまり自分のことは後回しになりがちです。気になる症状があれば、すぐに病院に相談・受診してみてくださいね。
断乳・卒乳後は「おっぱいが垂れる」って本当?
先ほども説明した「断乳・卒乳後はおっぱいが垂れる」という噂。実は、妊娠前と比較するとやはり胸が垂れたり大きさに変化があったりはするようです。
しかし、形のキープは可能。胸の形を整えるために締め付けの強い下着などが必要となるわけではなく、姿勢を正したり凝りをとるストレッチをすることで胸の形を今のまま維持できます。
とくに授乳中は同じ姿勢でいることが多く、ママの多くは肩が内側に入っている「巻き肩」になっていたり酷い肩こりで悩んでいるかもしれません。
バストアップのために、室内で短時間でできるストレッチなどを取り入れて、体型をキープしてみるのもおすすめです。補正ベルトなどを使うと、日常的に姿勢を正しくでき子どもを抱っこするときもサポートになってくれますよ。
まとめ
断乳や卒乳を考えたときに、一緒に行いたい卒乳ケア。おっぱいトラブルを起こさないためにも、また胸の張りや形を維持するためにも必要な方法です。
特に断乳・卒乳時の痛みや熱に悩むママは多いもの。たくさんの説がありますし、ネット上でもいろいろな解決方法が見つかりますが、まずひどく痛む場合は受診してお医者さんや助産師さんなど、専門家の意見に頼るようにしましょう。
卒乳ケアを徹底すれば、断乳・卒乳は怖がる必要はありません。おっぱいバイバイはママと子どもにとって大きな成長の証。親子に合った方法で進めていけるとよいですね。
【参考】
卒乳や断乳後のおっぱいケアは必要? – 浜松市子育て情報サイト ぴっぴ
第9回 井上和香さん×助産師さん「卒乳後のおっぱいケアを教えてください!」 | kodomoe(コドモエ)—「親子時間」を楽しむ子育て情報が満載!