大人でももちろん持っている承認欲求。「周りに認められたい」「特定の人に褒められたい」という感情は、子どもにも当然あります。
ただし、大人なら承認欲求をどう満たすのか、どう振る舞えば周りを不快にさせず承認欲求を落ち着かせるのかがわかりますが、2歳児など小さな子の承認欲求は難しいです。子どもに対して適切な伝え方もわからないし、「承認欲求が強いのは愛情不足?」と不安になることもあるでしょう。
今回は2歳児によくみられる承認欲求とは何か、小さな子の承認欲求を落ち着かせる方法も解説します。
2歳児の承認欲求とは
2歳児のような小さな子どもの承認欲求とは、大人とどう違うのでしょうか。まずは承認欲求とは何かをチェックしていきましょう。
自慢話ばかり…うちの子は大丈夫?
子どもと過ごしていると「〇〇ちゃんよりも上手にできたよ!」「僕だけ褒められた」と自慢話のように嬉しいことを話してくれます。これはわかりやすい承認欲求の現れですが、そもそも承認欲求とはどんなことを指すのでしょうか。
承認欲求とは、アメリカの心理学者アブラハム・マズローが提唱する「自己実現理論」に記されています。人間の基本的な5つの欲求のひとつであり、承認欲求は「お腹が空いた」「眠たい」「良い仕事に就いて安心して過ごしたい」という当たり前の欲求のひとつ。小さい子どもに限らず、人間だれしも持っているものです。
ただし、承認欲求を持つには段階が必要です。マズローによると承認欲求は「4番目に現れる欲求」であるため、子どもが承認欲求を見せるのは「心が成長している」ともいえるでしょう。
小さな子の承認欲求の特徴
承認欲求は小さな子にも見られますが、大人も当然持つものです。大人の承認欲求と2歳児のものとを比べると特徴が異なるため、ここでは小さな子の承認欲求について考えてみましょう。
大人とくらべるとわかりやすい
子どもの承認欲求とは、「お話を聞いて欲しい」「褒めて欲しい」ときわめて単純です。また、どんな子どもでもママから褒められると嬉しいもの。そのため、「うちの子は過剰に褒めて褒めてアピールをしているかも」と思っていても、小さな子にはよく見られると考えておきましょう。
年齢とともに落ち着くことがほとんど
子どもの承認欲求は先ほど説明したようにわかりやすいため、年齢とともに次第に落ち着きます。なぜなら、表現方法がつたない2歳児などは特に「褒めて欲しい」とうまく伝えられなくて自慢話のようになってしまうからです。
子どもの承認欲求を満たしてあげて、うまく「褒めて欲しい」「認められたい」を表現できるようになれば承認欲求は落ち着きます。
2歳児の承認欲求が強すぎるとどうなる?
2歳児の承認欲求はよくあること。とはいえ、強すぎると周囲に不快な思いをさせることもあります。承認欲求が強くなるかどうかは環境やその子の性格などさまざまありますが、いずれにしても子どもの「して欲しい」という欲求なので、ママとしてはできる限り答えてあげたいですよね。
承認欲求が強い子の特徴をまとめました。一つずつ見ていきましょう。
接するママがストレスになる
「見て見て!」とアピールがひどかったり、自己主張の強さでわがままに感じたりすると、一緒に過ごしているママがストレスに感じます。また、承認欲求が強いのは「愛情不足」といわれることもあり、気に病んでしまうのも実情です。
2歳児の承認欲求は仕方ないとはいえ、早く落ち着いて欲しいと思うママも実際に多いでしょう。
周りの子とのかかわりで悩む
自慢話をずっとしている我が子を見ると、「その言い方だと周りの子に嫌われるのでは?」「そんな言い方しなくても…」と悩むことも多いです。強すぎる承認欲求は確かに自分の意見を曲げず、人の話も聞かなくなるので周囲から浮いてしまいがちです。大人でも、承認欲求があまりにも強い方とはうまく関われませんよね。
ただ、2歳児の承認欲求が小さな子の限られた人間関係に悪影響を及ぼすかというと、そうではありません。その時期の子にはよくあることとして、適切に対応していく必要があります。
我慢ができずぐずぐずすることが多い
承認欲求が満たされないと2歳児の場合は自分で処理できず、感情がいっぱいになって泣き出す子も多いです。「褒めて欲しいのに!」という思いが強すぎて、我慢できずにぐずぐずしてしまう場面も。
こちらも承認欲求が強いからぐずりの原因になるかというと、これも違います。2歳児はただでさえいやいや期の真っただ中。2歳児の心は成長段階であり、自分で納得できること、できないことがさまざまあります。
「うちの子は承認欲求が強くてわがまま。だからぐずったり感情の起伏が強いんだ」と諦めるのではなく、子どもが何を求めているのかをママが正しく理解できるとよいでしょう。
2歳児の承認欲求を落ち着かせるには?
2歳児の承認欲求の正体を知ると、言い聞かせ方も変わってきますよね。しかし、2歳さんには伝え方を工夫しないと上手にママの思いが届きません。
小さな子の承認欲求を落ち着かせるためにできることを見ていきましょう。
子どもの「褒めて」という欲求に正しく答える
「ママ見て見て!」「○○ちゃんよりも上手にできた!」というのは、わかりやすい子どもの褒めてアピールです。いくらでも褒めて構いませんし、できたことを親子で一緒に喜びましょう。
ただし、褒めるのは実は難しいです。褒めるやり方を間違えると子どもの承認欲求は満たされず、自慢話や強い言葉を選んでしまうなど、大げさになってしまうかもしれません。
ポイントは「子どもが取り組んだこと」「頑張ったこと」など過程を褒めます。できあがった結果を褒めるのではなく、その子自身を褒めてあげましょう。
根気強くアドバイスする
自慢話が多くて気になる…という場合は、その自慢話を取り合わずフォローを含めながらアドバイスするとよいでしょう。2歳児の自慢話はよくあることで、ママが自慢や比較を認めてしまうと余計に承認欲求が表れてしまいます。
どうしても自慢話が多いときは、子どもに具体的に説明するのをおすすめします。
このように「その子が成し遂げただけで、ママは嬉しい」とわかりやすく言い表します。もちろんすぐに自慢話がおさまるわけではありませんが、根気強く褒めることで、子どもが大きくなってから周囲との人間関係を上手に築けるようになるかもしれません。
2歳児の承認欲求の強さは「よくあること」
2歳児だと特に我の強さ、承認欲求の強さが気になります。しかし、繰り返しお伝えしているように2歳児ではよく見られること。むしろ、子どもが自慢話を嬉しそうに話すのはママが普段適切に褒めているから自信にあふれているのかもしれません。
子どもの承認欲求とは、長い目で考えておきましょう。年齢とともに次第に落ち着くので、いつかは気にならなくなると気楽に構えるのがおすすめです。
まとめ
2歳児の承認欲求に見られる自慢話やわがまま。子どもの承認欲求はわかりやすく、「単なる報告」に過ぎない場合も多いので深読みする必要はありません。今、承認欲求が強くて困っていても、その経験を生かして今後自分の気持ちを上手に話せるようになるかもしれません。ママは「次第に落ち着く」と気楽に考えて、気に病まないようにしてくださいね。
【参考】
子どもの承認欲求って?強い子の特徴や接し方が知りたい! | ママソレ| 子育てママのくらしがちょっぴり軽くなる生の声メディア
そうなんだ、○○ちゃんも上手にできたんだね。○○ちゃんも、あなたもすごいね!頑張ったね!ママは嬉しいよ