教育や育児の場面でときどき目にする「メタ認知能力」。これは一体どんな力を指すのか、なぜ今注目されているのかご存じですか?
今回はメタ認知能力を測る9項目と、メタ認知能力とは何かをご紹介します。育児に活かせばさらに過ごしやすくなる、メタ認知を知って日々に役立てましょう。
メタ認知能力とは?簡単に解説
メタ認知能力とは何か、わかりやすく解説します。メタ認知とは「自分の持つ力を理解し、正しい場面で正しい方法で活用する」ことを指します。教育だけでなくビジネスシーンでも良く使われるもので、自分の能力を十分に発揮する方法として注目されていることが多いです。
自分自身の能力というと、いざ聞かれると言葉に詰まることも多いかもしれません。例えば子どもの朝の支度を手伝っていて、「ご飯を食べるとこぼすから、食事後にお着替えしよう」「まずは顔を洗わないと、寝起きだもんね」と当たり前のように行動するママもいますよね。実はこの手順も、どうすれば効率的になるのかメタ認知が使われています。
メタ認知能力を測る9項目とは
自分自身のメタ認知能力、どのぐらい活用されているのか気になるママもいるのではないでしょうか。この能力を測るために9項目が挙げられています。
一つずつ解説するので、自分にはどのくらい能力があるのか客観的に考えてみましょう。
①自分のやり方がどんな問題解決のときに役立つかを知っている
まずは自分が取る方法ややり方が、どんな問題解決に役立つかを知っているでしょうか。例えば育児だと「子どものいたずらをやめさせるとき」や「危険を教えるとき」に活用されますよね。
子どもにとって分かりやすい言葉を認識しているか、またどういった声掛けをすれば子どもの注意が引けるのか、考えてみると活用しやすくなります。
②どんなやり方が効率的か考えてから行動する
これは育児中のママなら自然と身に付いているかもしれません。子どもと一緒に出掛けるとき、どういう導線で動けば効率的か考えて動けているでしょうか。
ただ、「どんなやり方」と言いましたがその最適解は子どもそれぞれ、家庭それぞれで異なります。何が一番正しいかはママと子どもによるため、「効率的に動けないから私はダメなママだ」と否定しないようにしましょう。ポイントは改善点が見えているかどうかです。
③問題の中の重要な部分に意識を向けている
問題が起きたとして、その問題のどの部分が重要なのかを分かっているでしょうか。原因やきっかけが見えなくても、大切な部分に意識が向いているかがポイントです。
例えば子どもを叱ったとして、そのときに子どもがどう受け止めて欲しいのか、どう行動して欲しいのかがきちんと伝わっていれば良いのですが、「怒ること」が目的になって必要以上に語気を荒げてしまうことがあります。これもメタ認知を意識すると、防げるかもしれません。
④自分がどの程度理解できているか、自分で分かっている
自分がどの程度理解できているか、ママは分かっていますか?この場合だと「子どものこと」が想像しやすいです。子どもへの理解はどの程度できていて、その考えにおごりや理想が含まれていないかも気を付けておきましょう。
「子どもは私と同じ考えに決まってる」と決めつけてはいけません。もし自分の考えや理解が間違っていれば、修正すればよいだけです。
⑤問題が解決されたとき、どうやって解決できたか理解している
問題が解決できたとき、なぜ解決できたのか意識するようにしましょう。育児のことでパパとぶつかったとき、どうすれば折り合いがついたのか無意識のうちにあやふやになっていないでしょうか。子どもとの関係でなくてもママ友同士トラブルでも、どうすればうまくいったのか「成功した時」に意識してみるとメタ認知能力は高まります。
⑥問題に取り組むとき、定期的に自分でチェックできる
ビジネスシーンでも、定期的なチェックをして実行計画を見直す「PDCAサイクル」が大切と言われています。少し難しい考え方で馴染みがないかもしれませんが、ママでも育児中に「これで大丈夫かな?」とチェックしてみるのは大切です。
⑦勉強するときは目的に合わせてやり方を変える
勉強するという言葉を使いましたが、育児中であれば子どもの成長過程に合わせて言い方や声掛けの方法、学ばせ方を変えているかどうかも大切です。「これまではこの方法でうまく行っていたから、次からも同じで大丈夫でしょう」と慢心するのではなく、先ほどの6項目目のように定期的に自己チェックを行い、最適な方法を探すのがポイントです。
⑧勉強する、課題に取り組むときは計画を立てている
何かに取り組むとき、計画を立てているでしょうか。無計画で自然に取り組んでも良いのですが、ある程度大まかな計画を立てていると達成しやすいです。
この「計画」というと、子どもの成長に注目が向かいやすいですよね。確かにトイトレ計画や文字が読める・書けるようになる学習計画を持つことは決して悪いことではありません。しかし、子どもは想像通りに育つことはない点にも注意しておきましょう。完璧に遂行するのではなく、あくまでも目安として計画することをおすすめします。
⑨考えが混乱したら立ち止って元に戻り考えている
考えが混乱する経験、ママなら1度はあるかもしれませんね。この時、このブログでも繰り返しお伝えしているように一度冷静になって「できないところから」再スタートするのは大切です。
行き詰まったときに何か新しい方法を考えるだけでなく、立ち戻るのもおすすめです。一気に考えを押し詰めても効率が悪く、一度整理するだけでうまくいくことも多いでしょう。
育児におけるメタ認知能力を高めるメリットとは?
ここまでメタ認知能力についてご紹介しましたが、育児のシーンではこの能力にどんなメリットがあるのでしょうか。最後に一緒にチェックしてみましょう。
「育児の壁」に対して乗り越える手段を思いつける
先ほどもご紹介したように、例えばトイトレやイヤイヤ期、小学1年生の壁や9歳の壁など育児において様々な壁にぶつかることは多いです。このとき育児の壁に対して乗り越える手段を、メタ認知能力が高いと幾通りも思いつけます。
予想のできない育児ではありますが、柔軟な考えを持てば乗り切るアイデアも見つかるかもしれませんね。生き辛さを感じる方は、ぜひご紹介した9項目を一つずつ自分は持っているか、客観的に考えてみてください。
ママが実践することで子どものメタ認知能力も高められる
メタ認知能力にはメリットも多いのですが、なら子どもにもメタ認知能力を高く持って欲しいですよね。教育のシーンでは確かにメタ認知能力を高めるための学習方法には注目が集まっています。
家庭でメタ認知能力を高めたいのなら、ママなど大人が実践すればよいでしょう。子どもは親の姿を見て育ちます。ミラーニューロンという神経細胞は、自分が実際にやらなくても、他の人がの行動を見て学ぶことが出来るという神経細胞です。ママが日常的にその姿を見せることで、ママの柔軟な思考や機転の利かせ方を自然と子どもは学んでくれますよ。
まとめ
メタ認知能力を測る9項目は、一見難しい気もしますよね。ですが、メタ認知能力は育児において活用しがいのある力です。子育てのヒントを得るためにも、ぜひ実践してみてくださいね。
【参考】
第7回 潜在能力、使えてますか?:新入社員がやってくる──専門知識を教える技術(2/4 ページ) – ITmedia エンタープライズ